■屋内階段の移設
特殊建築物(例えば飲食店、物品販売店、共同住宅etc)で、ひとつしかない屋内階段を移設して模様替えする場合に建築確認申請は必要となるか。
この場合、屋内の他の部分に床開口を作り、新規の階段を設置した後に 既存の階段を撤去し床をふさぐ。
階段は主要構造部であり、大規模な模様替えと考えるのが自然。
勿論 床開口を作ったことによる構造的な検討書は必要。
ちょつと古い通達だが、下記のようなものがある。
倉庫を用途変更して共同住宅にした事例について[昭和42年住指発第2号]
昭和42年1月7日
建設省住宅局建築指導課長から京都市建築指導課長あて回答(照会)
一 建築基準法第6条第1項第4号に該当する建築物であつても、用途変更後の建築物が第6条第1項第1号に該当する場合には、第87条第1項の規定により
(1) 建築主は全く工事を伴なわない場合であつても、建築主事の確認を受けなければならないと解してよいか。(法第6条第1項準用)
(2) 工事施工者は、確認を受けないで大規模の修繕又は大規模の模様替の工事はすることができないと解してよいか。(法第6条第5項準用)
二 大規模の修繕又は大規模の模様替の工事について
(1) 外壁の過半部分について、下地板取り替えのうえ、モルタル塗仕上工事をしたことは、大規模な修繕に該当すると解してよいか。
(2) 1つしかない階段の位置を変更、模様替工事をしたことは、大規模な模様替の工事と解してよいか。(回答)
いずれも貴見のとおり解してさしつかえない。
では、ひとつの屋内階段がある特殊建築物に、別にもうひとつ屋内階段を設置する場合は確認申請上の取り扱いはどうなるだろうか?
これは、床面積、建築面積の増減はないが、主要構造部の階段を増やすのは建築行為と言えるので「増築」といえる。
エレベーターやエスカレーターを新たに設置、あるいは追加設置するのはどうか?
これも建築行為とは思うが、不要と言うところもあり結構意見が分かれる。