二条有恒

近江八幡から京都に移動し打合せ。夜に「どこか行ってみたいところがありますか?」と事前に聞かれ、幾つか候補を告げておいた。忙しい時間帯なので、ちゃんと席を予約できる店にしたとのことで、19時に京都市役所の北側にある二条有恒の暖簾をくぐった。

お通しは、松茸の茶碗蒸し

日本酒はお薦めの伏見の日日醸造

焼銀杏・殻を取った銀杏をひとつひとつ串に刺し、

焼きあがったら薄皮をとり塩を振り器に盛る。

焼枝豆・茹でたものを炭火で焼いている。こんなの始めて食べた

「有恒」とは、「変わらない為に変わり続ける」という事。食を通じての豊かさを提供しますという心意気に共感する。

アラカルトの和食店というのだろうか、高級居酒屋というのだろうか、なにしろ品書きはあるが、料理の値段は一切書いていないので、若干おっかなびっくり。お酒は値段が書いてあるが、そんなに高い酒を置いてないようで、あくまで料理が主ということのようだ。

とにかく美味しい店だった。満腹・満腹。美味しいものを食べると心は幸せ一杯。

ほろ酔い気分で夜の京都の街を少し歩きホテルに戻った。

湖月庵

東近江市にある「湖月庵・合気道道場」に寄り道してもらった。

国道421号線という、結構交通量のある道路沿いにある

道場と多分お住まいとの間には林檎の樹

道場の廻りを一回りさせてもらった

湖月庵は芦澤竜一建築設計事務所の建築家・芦澤竜一氏と滋賀県立大学環境建築デザイン学科芦澤竜一研究室の学生さん達の多大な協力によって完成したと聞く。2021年にウッドデザイン賞を受賞している。小規模だけど木造ドーム建築。

近くに行くことがあれば見てみたいと思っていたが、念願がかなって嬉しい。

近江八幡 2024

7年ぶりの近江八幡。JRの近江八幡駅から近江鉄道八日市線に乗り換える。上の写真は近江鉄道のプラットホームのもの。

近江鉄道は2両編成のローカル鉄道。実によく揺れる。車両は西武鉄道のお下がりだと後で聞いた。

【本殿】

帰路、JR近江八幡駅まで送ってもらう途中に寄ってもらった日牟禮八幡宮。

ここも7年ぶり「来ましたよ」と挨拶。

【桜門】

「伝記によると、第十三代 成務天皇が高穴穂の宮に即位された折(西暦一三一年)、武内宿禰(たけうちのすくね)に命じて当地に地主神である大嶋大神を祀られたのが、鎮座の始めとされている」と由緒にあるように、とっても古い神様を祀っている。

【能舞台】

日牟禮八幡宮の道路向いにある「近江つけもの山上(やまじょう)」で赤こんにゃくを買い求める。ここの赤こんにやくは、他のところとはちと違う。味噌漬けだからか、プリプリで旨みがあって美味しい。

店内には、色々な漬物が売っていた。

「借地借家法の解説(5訂版)」渡辺晋著

2024年9月に発刊された初版発行以来、ロングセラーを続けているナベベンさんの『借地借家法の解説』の5訂版。コンメンタール方式(逐条解説)は継続。

今回の改訂では、次の3つの特色を持たせたとある。

1.特約についての分析検討

 近年では、土地建物の利用方法の多様化や契約に対する意識の高まりから、賃貸借契約に特約が設けられることが多くなった。 しかし特約に関しては、借地借家法には一方的強行規定という考え方が取り入れられており、借地権者と建物の賃借人に不利な特約は効力が認められない。 そのため、借地借家法を学び、運用していくためには、特約がどのように取り扱われるのかを知らなければならない。

2.最新の裁判例を追加

 借地借家法に関するさまざまな問題について、日々刻々と新たな判断が公表されている。最新の裁判例409件を検討追加したことで、借地と借家に関する類をみない裁判例のデータベースともなっている。


3.法改正の反映

 デジタル社会形成整備法が制定され、借地借家法においても、従前書面による契約や説明が必要だった分野につき法改正がなされ、2022年(令和4年)5月から施行されている。この改正を詳細に解説してある。

建築ストックの建替・再生・活用に際して賃貸借契約の存在有無は、かなり重要な事項で、この問題の処理は、プロジェクトの工期に大きな影響をあたえる。

爺婆探偵団は行く!・仲御徒町「吉仙」

 メトロ日比谷線仲御徒町駅から歩いてすぐの蕎麦屋さん「吉仙」(きちせん)に行ってきた。新橋に本店がある本陣房の系列店なのだが、特に鮮魚・海産物関係のメニュー―が豊富で、美味しい店だと文芸評論家の故福田和也さんが紹介していた。

 確かに日本酒の品揃えは、とても豊富。蕎麦は勿論だが、あてのメニューも豊富で、あれこれと頼みたくなる。

 一緒に行った人が頼んだ「梅水晶」。鮫の軟骨と梅肉を和えたもので、酒のみの定番のおつまみとの事だが、自分は始めた食べた。日本酒を飲んだ後さっぱりする。

 鮮魚が美味いとの前評判だったが、秋刀魚の刺身があったので注文した。秋刀魚の塩焼きは食べたばっかりだが、刺身は今年初。秋刀魚の刺身が東京で食べれるのは幸せ。そのほか岩ガキとか、白エビの唐揚げが美味しかった。

 締めは三色もり。ゆず切は久しぶりに食べた。確かに蕎麦も美味しい店だ。蕎麦屋というか居食屋というか、飲食店のカテゴリーとしては分類しずらい業態。

 日本酒のメニューに「みむろ杉」を発見したが、一合ではなく一升瓶なら提供できると言う。一升瓶を持って帰っても婆ちゃんの煮物の料理酒になるのが落ちだから、躊躇して「奈良のみむろ杉。名前は知っていたが、飲んだことがなくて一度は飲んでみたかったなぁ~」と店長に言ったら、「系列店に純米大吟醸の四合瓶ならあるかも知れないので電話してみる」と言う。「じゃ。聞いてみて」と頼んだら「神田店にありましたので、今から持ってきてくれます」。そして到着したのが下記。

「みむろ杉・ろまんシリーズ・純米大吟醸35・高橋活日命に捧ぐ」

奈良・三輪山・大神神社近くの今西酒造の酒

特約店限定流通だから、中々お目にかかれないはず。

 奈良の大神神社は、酒の神様としても有名です。

 大神(おおみわ)神社の摂社として鎮座する、酒に関係の深い活日(いくひ)神社。その祖神は、崇神天皇の御代、大神の掌酒(さかびと)に任ぜられ、神酒の醸造に取り組んだのが、活日神社のご祭神「高橋活日命」(たかはしのいくひのみこと)です。

 その高橋活日命に捧ぐと記された酒。いやいや恐れ多くて ちびちびと飲みましたわ。

 広がる豊かな香りと深みのある旨味。高い山脈と深い谷のようなランドスケープが明確な唯一無二の存在です。ブランディングが良いと思う。

みむろ杉。あなたに出逢えて良かった。幸せな気分になり酔っぱらった。

「また、来週お待ちしてます」と帰り際店長に言われたが。「来週は出張なのて又来ますね」と告げて帰って来た。

「CIVIL WAR」

 たまたま魔がさして映画を観てしまった。外出先が映画館の近くで夜の18時過ぎ、この映画の上映時間が19時30分からというので、夕食を取り本屋に寄り、いざ映画館へ。

 前半は単調な滑り出しだった。

 正直、何を描きたかったのが良くわからん映画だった。戦場カメラマンの成長を描きたかったというのか。

 アメリカの風景がきれいだということはわかったが、戦火によって燃え盛る林の中を車が進む時、炎が宙に舞う情景を さも美しいと描き出す感覚が理解できない。

 連邦政府から離脱したテキサス州とカリフォルニア州の同盟からなる「西武勢力」の勝利で、連邦政府に対する反乱を扇動したいのか。

 アメリカの政情は、国内を二分しており、もしかしたら内乱勃発の危険性を孕んでいるのかもしれないが、映画の中では特段の説明もないので何だかピンとこない。

ただただ人を殺しまくるアメリカ映画らしいといえばアメリカ映画らしい映画だった。

 お金をかけてるだろうなということは映像からもよくわかるが、場面場面に流される音楽がピンとこない。人が殺されている場面なのに、何となく陽気な曲に聞こえた。

 個人的には、稀に見る駄作。見るだけ時間の無駄。予告に惑わされてはいけない。

 平日の夜とはいえ観客はパラパラだった。

建築ストックにおける建築基準法の取扱い

 先月、「床および階段の改修に関する建築基準法上の取り扱いについて」の技術的助言が国交省(国住指第208号 令和6年8月28日)から通知された。
 これは建築基準法第6条第1項より、同第一号から第三号までに掲げる建築物の大規模の修繕※1や大規模の模様替えをしようとする場合には、確認申請が必要になるが「床および階段の改修に関する建築基準法上の取り扱いについて」の技術的助言がまとめられたもの。

【床の改修】
次の行為は、大規模の修繕および大規模の模様替えには該当しないものと取り扱うことも可能です。

床の仕上げ材のみの改修等を行う行為
既存の仕上げ材の上に新しい仕上げ材をかぶせる改修

【階段の改修】
次の行為は、大規模の修繕および大規模の模様替えには該当しないものと取り扱うことも可能です。

各階における個々の階段の改修にあたり、過半に至らない段数等の改修を行う行為
既存の階段の上に新しい仕上材をかぶせる改修を行う行為

以上の内容程度でわざわざ技術的助言を通知しなければならないほど、審査の現場は混乱しているというのだろうか。

実際、建築ストックの設計・監理に携わっていると、もっと重要かつ取扱いが分かれている事があるだろうと言いたくなる。

例えば

「装飾か増築か」

 既存の壁面にルーバーをつける程度なら装飾で、植栽棚(点検床あり)のようなものは装飾と言ってよいのか。床面積が発生しないなら装飾か。装飾物が既存躯体にどの程度応力を負担させるなら増築と取り扱わなくて良いのか。いちいち審査機関に確認するのが面倒だ。そもそも増築の定義が建築基準法では明文化されていない。今日の状況に合せて定義する必要があると思う。

「庇をつければ増築?」

新しく開口部の上に庇をつければ増築だという。建築面積が生じなく幅1.8m程度なら増築ではないという。建築面積はともかく幅1.8mの根拠は如何に。

「RCかぶり厚の補正」

内装を解体してみたらRC梁のジャンカが多い。クラックが多い、鉄筋のかぶり厚が少ない場合等がある。この時の補正・補修はポリマーモルタル等を使うんだけど、鉄筋かぶり厚を確保する為に厚塗りするのは、建築基準法的にはどうなのと思う。モルタルは鉄筋コンクリートとは違うし。一体となったものがRCと言えるのか?

その他にもいろいろある。「エレベーターピット下の居室利用」「エレベーターのオーバーヘッド確保の為にエレベーターシャフト部分だけ高さを増す事」

事件は現場で起きているんだよ

「保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである」福田和也著

今年9月(2024年)に亡くなられた文芸評論家の福田和也氏のエッセイ集。まだ63歳だった。

眼光鋭い福田さんが表紙から我々を見ている。

サンデー毎日で連載していた「コロナ禍の名店を訪ねる」に加筆、再構成した単行本。

淡々とした文章で、さらっと読めるんだけど、読んでいると含蓄のある言葉が散りばめられている。確かに著者最後のメッセージなのだろう。

この本で最初に取り上げられている飲食店は、大井町のとんかつ屋「丸八」。私も品川市役所に出かけた時は、食べに行くとんかつ屋さんだ。巻頭でこの店の名前を見た途端。この人は信頼できると思った。味覚が信頼できる人が紹介してくれる飲食店は、外れない。

著者が書くように、私もネツトで話題の店に行くことは、ほとんどない。ネットでの他人の評価には懐疑的だから。だから新しい好みの店を発見し、行きつけの店として通うのには結構努力が必要だ。爺婆探偵団(白髪の青年)は、いつもお店の新規開拓にいそしんでいる。

さて著者は、「毎日、とは言わないまでも日常に通う店、つまり自分の生活スタイルを保持すること、そのために失われやすいものに対して、鋭敏に、かつ能動的に活動する精神を保守という。」と定義する。

そしてこの本の題名「保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである」は保守評論家の福田恆存(つねあり)から採ったことを明かし、それを信条としてきたと書く。

また著者は「治者」と言う言葉を紹介する。「自分が関わる地域なり、事業なりを差配し、それがうまく機能していくように配慮する者のことだ。」

そして最後に著者は「日本人よ、治者たれ。」と檄を飛ばす。

だとしたら 何とも日本には「エセ保守」の多い事か。

福田和也氏を再評価した一冊である。

現場の中の美

前述のコア抜き立会中、一挙手一投足、そばにいて見ているわけではないので、現場の中をプラプラ。

この壁は、ブロックなんだけどボードを貼るときのGLボンドの跡が、壁一面に展開されていてきれいだった。

30年前の墨だしの文字が、達筆に思えた。30年後内装が解体されて、こうして他人に見られることなど意識していないだろうけど。

現場は楽しい。

たかがコア抜き、されどコア抜き

今日は、都内某ホテルの地階飲食店テナントの入れ替えに伴う設備用配管の為のコンクリートのコア抜きに終日立会。

たかがコア抜き数本の為に、何故立ち会わなければならないのか。

天の声「RC壁に穴開けて構造的に大丈夫なのか、エビデンスは?」

天の声「ちゃんと検討書と施工写真とか残しておきなさい」

天の声「鉄筋を切った時の補強方法はどうするのか」

と言った。声のもとで、私に相談が来たのは、かれこれ2か月前

担当「設備用配管のスリーブを抜きたいので構造的見解とコア抜き、施工記録の写真、補強方法の検討書とか、まとめて頼めない?」

私「出来るし手配も出来るけど、うちは工事会社・現場監督じゃないんで、鉄筋探査、コア抜き、足場、天井の解体とか必要なので、それらに全部立ち会うのは時間的に無理かも」

担当「じゃ天井解体は、テナント内装工事会社に頼み、足場も別に手配するから」

私「了解」

ということで、構造的検討とか補強方法の検討も済み、本日無事 新規コア抜き完了。

たかがコア抜きだけど、区画隣のテナントは営業中なので午前中9時半から11時半。午後15時から17時までの変則的な工事時間。

今回新たにダイヤコアドリル用真空パッドという道具を知った。これはコアドリルを所定の位置にセツトするときドリルで穿孔する必要があるのだけど、このドリルで穿孔する時の振動が結構響く。そこで真空パッドを使用して吸着して固定するという道具。

真空パッドの吸着面。ゴムの中をコンプレッサーで真空にする。

もうひとつ、新たに知った道具は、HILTI PX-10というトランスポインター。

これは壁の反対側からしかコア抜きがしずらいときに、壁反対側から位置を発信し、反対側で受信して位置を決めるときに使う。今回別の壁のコア抜きに利用した。

常に道具は進化する。

ということで、工事現場はエアコンが無いので、とても暑かったが夕方5時にコア抜き、片付け完了。写真も撮影したし、明日から報告書をまとめなきゃ。

そうそう。築30年のRC造なので、頼まれてもいないのに圧縮強度と中性化試験用に、もう1本コアを抜いた。まあ資料にはなるし、後学の為に。

大宮ストリートプランツプロジェクト

大宮駅東口の再開発ビル・門街に行った折、大宮ストリートプランツプロジェクトが目に入った。

「大宮周辺の圃場(植木を生産している畑)から、生産者の協力のもと植木をまちなかに設置して、大宮の植木文化を感じる風景で緑を感じながら居心地よく滞在できる空間をつくりだす、賑わいの創出や回遊性の向上等を目指すプロジェクトです。日々の手入れは公民が一緒になって維持管理しています。」と書かれている。

この取組みの中核を担っているのは「UDCO」(アーバンデザインセンター大宮)。大宮駅周辺のこれまでのまちづくりや国土づくりの方向性を踏まえ、市民、行政、企業、教育・研究機関など、様々な主体が広く連携しまちづくりを推進する基盤として、2017年3月に設置された。
UDCOは、大宮のまちづくりコミュニティステーション「まちラボおおみや」を活動拠点に、大宮に関わる多くの人々が新たな時代のまちづくりを考え、各々の取組みを活性化し、それらを相互に連携、相乗効果を生み出していくことを目指している。

センター長は、シーラカンスK&H代表取締役。東洋大学建築学科教授・工藤和美氏

副センター長/ディレクターは、藤村龍至氏。現在東京藝術大学建築科准教授。RFA主宰。

それにしても大宮駅周辺、東口、西口共に人が多くなったように思う。その割に再活溌ビルはスカスカ。

3Dスキャンによる既存建物の図面復元-2

9月上旬に3Dスキャン計測をして点群データを取得したプロジェクトの復元図面があがってきた。その一部を紹介しよう。

3次元計測機器は、FARO Focus Premiumである。

【3Dスキャンの元画像】

【3D処理した後の、当該部分の画像】

【3Dから2Dにした図面】

上記の図面は、アナログ調査による加筆等を加えていない状態の図面。

実測のための高所作業、足場は不要となった。遠隔地への調査員派遣人数が軽減でき、交通費+人件費が低減できた。計測から既存図面復元迄約3週間だった。

建築ストックの再生と活用において、既存図面の復元は避けられない業務だが、もっとも多くの調査員が必要で、かつ汗を一杯かく分野だったが、光が見えてきた。

3Dスキャンは、現状でも充分実務に耐えられることが検証できた。

「拳銃と目玉焼」

2017年に公開された「ごはん」のDVDも探しているのだが、今のところ見つからない。

さて、この映画は現代的な犯罪に立ち向かう昭和のテレビヒーロー(仮面ライダー)を想起させる主人公が、見る者に懐かしくも熱い興奮を呼び起こさせる。見返りを求めない無償の愛。ロマンチックやな。

低予算だと思うけどクォリティーは高い。

安田純一監督は、京都市内で結婚式などのビデオ撮影業を営なんでいたが、中年になって「やりたい事をやらんとあかん」と一念発起して、自ら脚本や衣装の用意までを手がけ、3年間かけて本作品を低予算、少人数で作り上げた。完成後は宣伝配給を行う未来映画社も自ら立ち上げたというのだから、その心意気に感銘した。

「食うための仕事」だけでなく「本当にやりたい仕事」をしたい。人生の終焉が近づいてきた年齢になると余計そう思う。

市井の人々がモデルだ。気弱だけど心優しい中年の新聞配達人(主人公)。零細町工場の社長。喫茶店のママ。喫茶店のウェイトレス。タクシー運転手。だから親近感がわく。

出演している俳優さん達は、一般的には知られていないけど、それぞれベテランの俳優さんなのではないかと思う。

中々の秀作だ。

「逐条解説 建築基準法 改訂版 」逐条解説建築基準法編集委員会 ・編集

予約注文していた「逐条解説 建築基準法 改訂版」が届いた。実に12年ぶりの全面改訂である。

「建築基準法」を条文ごとに趣旨、解釈を整理した唯一の解説書で令和6年4月1日施行までの最新内容を盛り込み、上下巻セットでずっしりと重く充実の内容
 
法令遵守徹底のために、自治体の建築関連部署、指定確認検査機関、設計事務所、建設会社、コンサルタント事務所など、建築基準法を扱う職場の必備図書ではあるが、事務所に1冊常備で良いような図書も、個人事務所では購入しなければならないのが、少々負担。何しろ この本のお値段は19,800円(税込)

【主な改正点】
平成26年改正
構造計算適合性判定制度の見直し、木造建築関連基準の見直し、容積率制限の合理化 …など

平成30年改正
維持保全計画の作成義務の範囲の拡大、耐火構造等とすべき木造建築物の対象の見直し …など

令和4年改正
建築確認審査の対象となる建築物の規模の見直し、高さ制限、建蔽率・容積率に係る特例許可の拡充 …など

令和5年改正
「建築基準法施行令」の改正による、定期調査の指定可能対象範囲の拡大、物流倉庫等に設けるひさしにかかる建蔽率規制の合理化 …など

秋の夜長に、じつくりと読みましょうかね。

尾張小牧

9月上旬に行った名鉄小牧駅

小牧城は織田信長の居城があったところ

交通の要所なんだろうけど、

随分と平坦な土地に居城を構えたんだなと思った

名鉄小牧ホテル・1階ロビー

2階に結婚式場・宴会場

車窓から眺めていたら、二次産業が集積している街という印象を受けた。市街化区域のみならず、市街化調整区域にも工場・倉庫が建っている事から、戦前から工場・倉庫類があったのだろうと推測。

東京駅で ひと休み

乗り換えの東京駅八重洲北口・八重北食堂の果実園リーベルでひとやすみ

昼食を食べそこねたのでフルーツサンドを食べる

隣のテーブル席に座っていたシニアの男の人が、一人でフルーツパフェの写メをとり、美味しそうに食べていたのに刺激され季節のパフェを注文

この季節のパフェ・栗、梨、柿、葡萄と確かに季節の果物ガ積み込まれているが、皆甘いのだ。クリームとアイスの甘さが相まって甘い。重い。くどい。

クリームやアイスの甘さと果実の酸味とのバランスが本来のフルーツパフェ。こりゃ設計ミスではないか。

おかげで夕食抜かされましたわ。

東京駅タクシー乗り場

いつもタクシー待ちの長蛇の列。バカンスシーズンが終わり外国人は、かなり減ったらしいが欧米人は約1ヶ月間、日本中を旅する人が多いようで、見たことも無いようなキャリーケースを幾つも持ってタクシーを待っている。タクシーの運転手さん曰く、このキャリーケースが重く乗せるのも降ろすのも大変らしい。

同時代の人間でありながら、片や1ヶ月のバカンスがとれ、片や何故多くの日本人は短い期間のバカンスしか取れないのだろうか。

フランスでは随分前に週35時間労働制が立法化され、今は週32時間へと労使がせめぎ合っていると聞く。日本は労働生産性が低いのか、労働者が低賃金・長時間労働に甘んじているからなのか。

そんなことを考えてしまった東京駅でのひとやすみだった。

「てら小屋セミナー2024・建築ストック長寿命化の進め方」を開催しました

 2024年9月20日、弊社主催の「てら小屋セミナー2024・建築ストック長寿命化の進め方」を(一財)日本建築センター、既存建築物技術審査部長・元木周二氏をお招きして開催しました。

 弊社クライアント、業務上関わりのある方々にお声かけし会場の都合で参加人数を限定しての開催となりましたが、27名の方に参加していただきました。

 レジュメと資料をもとにパワーポイントで説明をいただき、建築ストックの長寿命化というのは現代の経済的社会的要請に沿うものだと再認識しました。

セミナーの後、同じ会場で懇親会を開催しました。普段あまり触れあうことがない人達同士で話が弾み、あっという間に時間が過ぎました。

侍タイムスリッパ―

 この映画の存在をネットで知り、上映映画館を調べてたら、近くの映画館では17日、18日、19日の三日間だけ上映と知り、仕事も色々と押しているけど急遽チケットを予約して18日夜に観に行ってきた。

 朝から出かけ池袋で打合せ後に法務局新宿出張所、新宿区役所と行き戻って来た。何だか慌ただしい一日だった。昼は駅の立ち食い蕎麦。夜は神田しのだ寿司の折詰。夜は映画と充実しすぎる一日。

 この映画は、インディーズ映画(自主製作映画)であり、現在もネット上でしか宣伝されていないと思うけど、平日夜でも結構観客が入っていた。

 落雷によって幕末から現代にタイムスリップしてしまった会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)が、自らの剣の腕を頼りに、時代劇撮影所で斬られ役として第二の人生に向き合って歩む姿を描いている。

 この映画、わずか10名足らずのスタッフで製作したと書かれている。安田純一監督が私財(米農家でもある)を投げうって、自身も監督・脚本・編集はもちろん、1人11役以上をこなしながらの撮影という映画。脚本に共鳴した人達や東映京都撮影所等の協力を得て、お金のかかる時代劇を作ってしまったというのがすごいと思う。安田純一監督が自作映画の配給のために作ったという未来映画社。なんか生産から販売まで担う六次産業的、町工場的な感じがあって共感を覚える。

 そんなに有名ではないけれどベテラン揃いの俳優陣。会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)なんか、本当の「侍」って こんな感じだったんではないかと思えるぐらいだった。

 とにかく関与した人達の映画への愛。時代劇への愛。ものづくりへの愛が詰まった映画だ。

 自分も、もっともっと建築に愛をこめて向き合わなければならないと思った。

 公開劇場も1館から全国120館以上公開が決まり、メディアでも報道されるにつれ、映画の評判も上昇している。さらに口コミが広がり多くの人達に見てもらえると日本中に勇気が溢れるだろう。

 もう一回観に行ってもいいな。

「ひとりみの日本史」大塚ひかり著

日本では「結婚して子を持って一人前」という考えが今なお根強い。とりわけ年配者では顕著だ。そういう自分もそうした意識は持っていた。

しかし古典文学や歴史書を読んでみると「ひとりみ」」を肯定的に描くものも見られる。著者は、古代から源氏物語や竹取物語に至るまで「ひとりみ」を肯定的に記しているものをあげている。

この本を読むと結婚は特権階級のいとなみで、歴史的に多様な独身たちの生と性が脈々と受け継がれてきたことが判る。

江戸時代の末、幕末の婚姻率は、江戸の男性は5割すなわち半数。京の男性の6割が独身だったという統計資料もある。

現代ではどうだろうか。

2020年(令和2年)の国勢調査では、単独世帯は38.1%。夫婦のみ世帯は20.1%。夫婦と子供からなる世帯は25.1%なのだ。単独世帯は2015年では34.6%だったので5年間で14.8%増加している。今後も単独世帯は増加するだろう。

現代は、下流化・貧困化しているのか、それとも家族の形態や概念が変わっているのか。

歴史的に見ると江戸時代後期や現代に少子・晩婚化傾向があらわれている。

これから住まいと住まいを取り巻く環境は、どのように変わっていくのだろうか。

銘酒処 串駒

北大塚にある銘酒処 串駒で日本酒好きな知人の誕生日会

最初の酒は、お店のお薦めで奈良萬おりがらみ

続いて新政№6

新政の見えざるピンクのユニコーン(ラベル無し)

その他、新政の農業芸術概論、異端教祖株式会社等の不思議なネーミングの酒を幾つか飲んでみた。新政は、フルーティなワインのような日本酒路線。

お店には誕生日祝い用のケーキが無いので、お店に頼んで鯛を注文しておいた

色々な日本酒を味見したけど、結局は締めに十四代

そして而今に落ち着く

いつになく日本酒を沢山飲んでしまった

まだまだ知らない、飲んだことがない日本酒がある

銘酒処・串駒。東京の日本酒党の聖地とも言われている。酒の肴も、とても美味しい店だ。コロナ禍では休業していたこともあり、約4年ぶりの来訪。串駒は健在だった。

二か月前ぐらいに予約しておいたが、この日も満席。

「MATERIALIZATION 山本理顕的設計監理思想 生まれ変わる名古屋造形大学」

久しぶりに山本理顕さんの本を読んだ

 名古屋造形大学名城公園キャンパスを訪れてみて、このプロジェクトの全容を詳しく知りたいと思い、この本を取り寄せた。

 この建物を見て、「地域に開かれたキャンパス」を目指したのだろうということは、山本理顕さんのこれまでの考えから容易に伝わって来た。

 ここで本のタイトルにもなっている言葉「MATERIIALZATION」(物化)が登場する。ユダヤ人政治哲学者・ハンナ アーレンの言葉だ。読んでいた本が山本理顕さんと重なっていて驚いた。ハンナ アーレンは全体主義を分析し批判したことで知られている。MATERIIALZATIONは邦訳すると具体化、体現ということで、「考えの視覚化」ということなのだと思う。

 そう意味でいえば、この建物はコンセプトが明確に視覚化されている。

敷地の南北を貫くアートストリートの地下には、地下鉄が走っている事を知った。当然ながら地上部の荷重制限がある。それを解決する為に上階に大空間のスタジオを作っている。下記は初期計画の断面図。

 この建物を見に行き、まるで「大屋根の下の集落」という感じを受けたが、実にコンセプチュアルでテクノジカルな集積を このプロジェクから伺えることができる、