メトロ日比谷線仲御徒町駅から歩いてすぐの蕎麦屋さん「吉仙」(きちせん)に行ってきた。新橋に本店がある本陣房の系列店なのだが、特に鮮魚・海産物関係のメニュー―が豊富で、美味しい店だと文芸評論家の故福田和也さんが紹介していた。
確かに日本酒の品揃えは、とても豊富。蕎麦は勿論だが、あてのメニューも豊富で、あれこれと頼みたくなる。
一緒に行った人が頼んだ「梅水晶」。鮫の軟骨と梅肉を和えたもので、酒のみの定番のおつまみとの事だが、自分は始めた食べた。日本酒を飲んだ後さっぱりする。
鮮魚が美味いとの前評判だったが、秋刀魚の刺身があったので注文した。秋刀魚の塩焼きは食べたばっかりだが、刺身は今年初。秋刀魚の刺身が東京で食べれるのは幸せ。そのほか岩ガキとか、白エビの唐揚げが美味しかった。
締めは三色もり。ゆず切は久しぶりに食べた。確かに蕎麦も美味しい店だ。蕎麦屋というか居食屋というか、飲食店のカテゴリーとしては分類しずらい業態。
日本酒のメニューに「みむろ杉」を発見したが、一合ではなく一升瓶なら提供できると言う。一升瓶を持って帰っても婆ちゃんの煮物の料理酒になるのが落ちだから、躊躇して「奈良のみむろ杉。名前は知っていたが、飲んだことがなくて一度は飲んでみたかったなぁ~」と店長に言ったら、「系列店に純米大吟醸の四合瓶ならあるかも知れないので電話してみる」と言う。「じゃ。聞いてみて」と頼んだら「神田店にありましたので、今から持ってきてくれます」。そして到着したのが下記。
「みむろ杉・ろまんシリーズ・純米大吟醸35・高橋活日命に捧ぐ」
奈良・三輪山・大神神社近くの今西酒造の酒
特約店限定流通だから、中々お目にかかれないはず。
奈良の大神神社は、酒の神様としても有名です。
大神(おおみわ)神社の摂社として鎮座する、酒に関係の深い活日(いくひ)神社。その祖神は、崇神天皇の御代、大神の掌酒(さかびと)に任ぜられ、神酒の醸造に取り組んだのが、活日神社のご祭神「高橋活日命」(たかはしのいくひのみこと)です。
その高橋活日命に捧ぐと記された酒。いやいや恐れ多くて ちびちびと飲みましたわ。
広がる豊かな香りと深みのある旨味。高い山脈と深い谷のようなランドスケープが明確な唯一無二の存在です。ブランディングが良いと思う。
みむろ杉。あなたに出逢えて良かった。幸せな気分になり酔っぱらった。
「また、来週お待ちしてます」と帰り際店長に言われたが。「来週は出張なのて又来ますね」と告げて帰って来た。