「借地借家法の解説(4訂版)」渡辺晋著

最近は、借地借家法第28条に基づく立退きの正当な事由に関する調査・報告書作成依頼が多いので「借地借家法の解説」を再読。

この本、今秋には「5訂版」が出版される予定らしい。この「4訂版」が令和3年4月に出版された本だから基本的なところは変わらず、最新裁判例や賃貸借にまつわるトラブルが追加されるのではないだろうか。

「5訂版」も予約しておいた。

「借地借家上、建物とは、土地に定着し、周壁、屋根を有し、住居、営業、物の貯蔵等の用に供することのできる永続性のある建造物」(大阪高判昭和53.5.30、東京地裁平成19.12.20)「建造物の一部についても、障壁その他によって他の部分と区画され、独占的排他的支配が可能な構造・規模を有するものであれば、建物になる」(最判昭和42.6.2)

これは建築基準法第2条の「建築物」の用語の定義に沿っている。

ただ、賃貸借契約でも多様なものがある。「サービスオフイス」、「建物内の売店」、「商業施設内でのケース貸し」「鉄道高架下」、「立体駐車場部分」、「社宅・宿舎」、「公営住宅」、「経営委託・業務委託・営業委託」等、賃貸借が否定された事案もあり、個別事案の実質に沿って判断されるようだ。

仕事柄、主として「借家」に関する事を中心に読んでいるが、具体的なトラブル事例が豊富で、実務者向けの必携本。