「ソウルの春」

 1979年12月12日、韓国・ソウルで発生した粛軍クーデター(12.12 軍事反乱)を題材としており、全斗煥の反乱軍と鎮圧軍の9時間の攻防が一部フィクションを交えながら描かれている。

 あれから、まだ46年なので この頃の記憶は新しい。

 1979年10月26日、大韓民国(韓国)の朴正煕大統領が暗殺された10・26事件の直後から翌1980年5月17日の非常戒厳令拡大措置までの民主化ムードが漂った政治的過度期を「ソウルの春」と指す。チェコスロバキアの「プラハの春」に由来する言葉である。全斗煥の粛軍クーデターと光州事件の武力鎮圧で多くの血が流され挫折したが、1987年の6月民主抗争で民主化がすすみ現在に至っている。

 粛軍クーデター(12.12 軍事反乱)の実情は、その後 徹底的に隠蔽され続けたらしいが、映画は緊迫の場面の繰り返しで、画面に吸い込まれてしまう。

 昨今の韓国の政治状況を半世紀の時代の中で俯瞰すると、まだ民主化闘争は途上にあることが理解できる。