「わすれられない おくりもの」スーザン・バーレイ さく え 小川仁央訳

スーザン・バーレイのデビュー作で、日本では1986年に初版が発行されたとある。

 アナグマは、イギリスでは最もなじみの深い動物のひとつらしいが「身近な人を失った悲しみを、どう乗り越えていくのか」ということをテーマにした絵本で、こどもたちに「死」について考える契機を与えるらしい。

 私は、この絵本で「継承」ということを考えるようになった。今年2024年から「継承」を意識した取り組みを試行錯誤しながら始めたところだったせいもある。

 近年、クライアントや知り合いから「後進の育成を」と、言われるようになっていた。しかし後進者など容易に作ろうとしてできるものでもあるまいが、何らかの「智慧」の伝達は、仕事を通じた口伝で可能ではないかと考えた。知識があれば仕事がくるわけでも、こなせるわけでもない。やっぱり智慧は、経験が左右するように思う。

 空海の言葉に「仏の教えは一言で言えば、自分の利益と他人の利益を一致させることである」というのがある。「人を思いやる気持ちと、人に利益をもたらす行動をすることが全ての根本である」という言葉も残っている。そして「仏として生きる道は遠いところにあるのではない。すぐそこにある。」と

 生臭すぎる自分は、仏にはなれないが・・・

「ずーっと ずっと だいすきだよ」ハンス・ウイルヘルム著

今まで3匹の犬と1匹の猫を飼い、一緒に暮らした。

もうみんな、先に旅立つた。

子供の時に外に飼われていた犬。時々ご飯をあげる係だったけど、あまり記憶がない。

こどもが生まれる前にいた猫。団地で隠れて飼った猫。頭のいい猫だったな、一緒にお風呂に入った記憶が蘇る。

ラブラドルレトリバーのオス。力が強かった。毎朝30分以上散歩した。外で飼ったので 随分と寂しい思いをさせたかもしれない。病気をあまりしなかったが、最後は心臓の病気であの世に逝った。

ゴールデンレトリーバーのメス。優しい子だった。具合が悪い人のそばに寄り添ってくれた。誰もいないときベッドやソファーでこっそり寝ていた。吠えたのを数えるぐらいしか聞いたことがない。2回も大きな手術をしたけれど長生きで老衰で逝った。

みんな ずーっと ずっと だいすきだよ

「100万回生きたねこ」佐野洋子 作・絵

なんなんだろ~。

もう生き返らなくて良いんだね。死んで良かったね。なんて感想を持つ絵本って不思議だ。

とっても哲学的な絵本。

愛に満たされて死ぬと上仏出来るということか。

2010年に亡くなられた佐野洋子さんの代表作。

私の購入した本の巻末には、1977年10月20日第1刷発行。2024年10月11日第126刷とあるから作者の死後も読まれ続けられている不死の絵本。

「おへそのあな」長谷川義文著

最近、絵本を読むようになった。

加齢に伴い、小さなフォントの本を読むのが苦痛になってきたということもある。

爺がなんで絵本とおもうかも知れないが、絵本は大人が読むと「心に潤いを与えてくれる」らしい。そんな事を聞いて、大人向けの絵本を幾つかか買ってみた。

「おへそのあな」は、昔我家の子供達も見ていたような気がするが、赤ちゃんがおへそのあなを通して、見たり、聞いたり、匂いを嗅いでいるという絵本。

読み終わると確かに心がほっこりする。

巻末を見ると、2006年9月20日第一刷発行で、2024年5月10日第36刷発行だとある。重版出来どころでない、ロングベストセラー絵本。