全方位建屋解体システム

「Cage Systemとは、建物解体の際、思わぬ飛散事故を無くすために建物全体を覆う養生です。

現存する部材を使用することで導入コストを抑えることを可能にし、予算の厳しい現場にも導入しやすく考えられた。

また、現場の広さに関係なく施工可能で、12~18m1スパン毎にケージシステムを逆クライミングする事が可能なため、解体作業を止めることなく施工が可能。

材料が軽く、組立、解体が容易であり、物流コストもわずかで可能。

あらゆるコストを最大限考慮した、楊重解体のための完全養生である。」

これは注目すべき工法です。解体時の飛散物は全方位に注意を払わないといけない。だけど上部とか無視されてきた。都心の建物が密集したところの建屋解体は、とても神経を使う。この解体システムは、小さな建物解体屋さんが考えて特許を出願した。日本には、まだまだ技術が隠れている。

南青山

仕事で出かけたついでに南青山の住宅街を少し歩いてみた。

時代時代で流行した建築スタイルの住宅・邸宅が立ち並んでいて 中々面白い。

南青山は道は狭く、坂が多いが、所謂 高級住宅地である。

この集合住宅は、タイルが渋くて なかなか良い風合い

この地域に、先祖から100年近く住んでいるという住民の方に聞くと、結構住宅の所有者は移り変わるらしい。新しく移り住んできた人が その時代の先鋭的な邸宅を建てる。南青山は、さながら住宅建築家達の展示場のようである。

「台湾路地裏名建築さんぽ」鄭開翔著

毎日寝る頃少しずつ読んでいた。

帯びに「読んで旅するノスタルジックな台湾ガイド」とあるように、鄭さんの絵をながめ文を読んでいると、台湾の街なかを歩いているような気がしてくる。

鄭さんは台湾の画家・スケッチ画家とあるが、30歳代の若き芸術家。台湾の中にある建物「街屋」文化を記録している。台湾の「生活感」から生まれる「個性」は実に多様だ。それが台湾の魅力の一つにつながっている。

その個性の主体は、人であり、多くは個人経営・家族経営から成り立っている。言い換えれば小規模零細企業が活き活きとしているから街が賑わうのではないだろうか。

現代日本とは真逆だからこそ、余計台湾に魅力を感じるのかもしれない。

著者はロダンの言葉を引用している。

「この世界には美しいものが足りないわけではない。足りないのは発見だ」

今夜も この本を片手に旅に出よう。



設計アーカイブ

若い時に設計・監理をした建物を「アーカイブ」に掲載しました。上の写真はその一部ですが、暇を見て時系列に順次掲載したいと思っています。

概ね35年ぐらい前から、独立して設計を始めています。若かったですね。現存していない建物も幾つかありますが、振り返ってみると中々考え深いものがあります。

改正・大気汚染防止法施行 間近

令和2年6⽉に⼤気汚染防⽌法の⼀部を改正する法律(改正法)が公布され、2021年(令和3年)4⽉1⽇(ただし、事前調査結果の報告については、令和4年4⽉1⽇)から施⾏されます。下記、環境省のホームページ参照。

http://www.env.go.jp/air/post_48.html

平成25年の改正から5年が経過し、施⾏状況の調査を⾏ったところ、これまでの規制対象ではなかった⽯綿含有建材について、不適切な除去を⾏えば⽯綿が⾶散することが明らかになりました。また、解体等⼯事前の建築物等への⽯綿含有建材の使⽤の有無の事前調査において⽯綿含有建材を⾒落とすことや、除去作業時に⽯綿含有建材の取り残しがあることにより、⼯事に伴い⽯綿が⾶散する事例があり、令和2年の一部改正に至ったようです。

改正法の概要は、次のとおりです。

  1. 規制対象を⽯綿含有成形板等を含む全ての⽯綿含有建材に拡⼤
  2. 事前調査の信頼性の確保(事前調査結果の報告義務)
  3. 隔離等をせずに吹付け⽯綿等の除去作業を⾏った者に対する直接罰の創設
  4. 不適切な作業の防⽌(作業結果の報告、記録の作成・保存の義務化)

石綿含有成形板等は、屋根・外壁・内壁・天井・床等に広く利用されている。
内装材(壁、天井): スレートボード、けい酸カルシウム板第1種、パルプセメント板、ロックウール吸音天井板
外装材(外壁、軒天): サイディング、スラグ石膏板、押出成形品(押出成形セメント板)、スレートボード、スレート波板
屋根材 : スレート波板、住宅屋根用化粧用スレート
床材 : ビニル床タイル、フロア材

床面積80㎡以上の解体工事が該当するので既存建物の改修等についても注意しなければならない。処分費が高くなるのは間違いないだろう。尚、事前調査は有資格者に依る。

「いま、台湾で隠居しています」大原扁理著

最近、ファミリーが集まると必ず語られるのは、「どこか旅行行きたい」「コロナが納まったら温泉行きたい」「いつになったら海外行けるかなぁ~」という事。大夫自粛に疲れてきました。

私は、解禁後の最初の海外渡航先は台湾とひそかに決めているので、本やユーチューブで事前調査という名の現実逃避を夜な夜なしております。台湾華語の練習も始めました。

そうした中で見つけた本がこれ「いま、台湾で隠居しています」大原扁理著・k&Bパブリッシャーズ発行。

てっきり高齢者・私と同じような爺さんが書いた本だとばかり思っていたら、なんとまあ著者は35歳。「ゆるゆるマイノリティライフ」と副題にあるように、この若者は今の日本では生きづらかっただろうな、台湾という居場所を見つけられて良かった。

一般的な観光ガイドブックとは異なり、著者が自分の足で歩き回り、探して、出会った「素の台湾」が書かれています。

台湾は「どんな人も居ていい存在」「人間がまだちゃんと人間である」ところ。

マイノリティには息苦しい国・日本。マイノリティやオタクが歴史を作り変えてきたのに そうした人は日本に見切りをつけていく。

爺も台湾に移住したい。

横浜市役所・新庁舎

久しぶりに横浜市役所へ。昨年6月に新庁舎がオープンしたと知ったのは数日前。

特徴のない外観の超高層ビルで、周囲にもそうしたビルが多いせいか車で移動していて、どれが新庁舎か認知できなかった。村野藤吾設計の旧庁舎や都庁のように際立つデザインにして欲しかった。デザイン監修者は槇さんだというが、どうなんでしょう。

それにしても横浜市は財力あるなぁ~。昔から神奈川県より横浜市の方が財力あると言われていたが・・・地下駐車場代が1時間以下の駐車で900円は高すぎ。

それでも分散していた庁舎がひとつになったのは、様々な部局に行かなければならないときは大いに助かる。

新市庁舎は、JR・地下鉄「桜木町駅」から徒歩3分、みなとみらい線「馬車道駅」から直結と、観光の合間に立ち寄るにも便利な場所。すぐ隣を大岡川が流れるリバーサイドの景観は、晴れた日に散策したくなるような空間になっているようだ。

令和3年1月8日の新型コロナ感染・緊急事態宣言発出に伴い、現在のところ来庁による建築相談は対応しておらず、横浜市申請予定の建築相談は、投稿フォームを利用することになっているが、建築情報センターは通常通り業務を行っている。

写真は、2階からアトリウムを撮影。

「開かれた市役所」を目指したという新市庁舎は、地上32階、地下2階建て。そのうち1~2階には全国初、市役所内の本格商業施設「ラクシス フロント」が入つている。

横浜創業の書店「丸善」がプロデュースする「ブック&カフェ HAMARU」も覗いてみたかったが、この日予定を詰め込み過ぎて時間に追われていたので新庁舎をあれこれと歩き回る時間がなかった。

基本建築関係法令集

令和3年度版の基本建築関係法令集・法令編、告示編・井上書院が届いた。手にしたとたん何だか厚くなったなと感じた。

法令編で前年度1700頁から1743頁に、43頁の増加。

告示編で前年度1462頁から1540頁に、78頁の増加。

毎年なんだか増えていきますね。法律さえ作れば安心なんでしようかね。段々法令が、わかりずらくなってきたようにも感じます。バッサリ削ってしまったら良いのではと時々思います。

今年一年御世話になる法令集です。節分の日に届いた「福」だと感謝して つべこべ言うのは止めましょう。