
直木賞作家・河崎秋子氏が綴る約400年のファミリーヒストリー
『ともぐい』で第170回直木三十五賞を受賞し、10年にわたって自然や動物と対峙する作品を書き続けてきた作家・河﨑秋子。
こんな平易な文体のものを書けるのか、ちょつと驚きだった
河崎秋子氏の実家は父・崇が公務員を「脱サラ」し開業をした「河﨑牧場」である。
なぜ、父は牧場経営を始めたのか。その謎を辿るため戦国時代からの家系図を遡る。
金沢で武士だった先祖、満洲で薬剤師をしていた祖父、満洲から大阪、そして北海道へと移り住んだ父、そして牧場経営の苦労を背負った祖母と母……400年以上に及ぶファミリーヒストリーが、20世紀の日本と戦後の北海道の酪農史へと繋がっていくノンフィクション。
人は一代で作られるものではないということを再確認した。自分のルーツを探す旅が、必要かもしれない。