SDGsの「5、ジェンダー平等を実現しよう」
弊社と調査・設計チームは、男女比でいうと女性の方が圧倒的に多い。暑気払いや忘年会をすると、さながら「女子会」のようになる。調査・設計の協力者を募って10年程仕事をしてきて、意欲がある人は女性の方が多く、自然とこのような形になった。
しかし実質的な男尊女卑は、設計業界でも根強く残っている。
東京都建築士事務所協会に入会した頃。支部忘年会で事務所の紹介をする機会を得た。当時弊社は、代表取締役は2年交代制で、丁度妻が担当していた。その事を紹介したところ「女が社長なんだってさ」と冷笑を浴びた記憶が蘇る。
当時、親しい人には、弊社は「ヒメヒコ制」を取っている。と説明していた。
ヒメヒコ制とは、古代に日本各地で成立したとされるヒメとヒコによる共立的統治形態をさす仮説で、ヤマト王権が成立する前後の古代日本では、祭祀的・農耕従事的・女性集団の長のヒメ(あるいはミコ、トベを称号とした)と軍事的・戦闘従事的・男性集団の長のヒコ(あるいはタケル、ワケあるいはネを称号とした)が共立的あるいは分業的に一定地域を統治していたとされている。
会社勤めを辞め、自分達で会社をつくるなら「ヒメヒコ制」でやってみようと思っていた。だから株式も50%ずつにした。ただ現在は、会社を二つに分けて、別な分野の業務も受けるようにしたので代表取締役2年交代性は取っていない。
会社を始めてから二人三脚で主要な打合せや調査は二人一緒だ。物事は出来るだけ複眼的に見た方が良い事。正確な情報分析には、共通の体験が必要不可欠となる。友達や先輩達からは「夫婦で一緒に仕事ができて羨ましい」と言われる。
だが最近 始めて仕事をした人から、「いつも奥さん一緒なんですか」と何度か言われ妻は憤慨していた。建設業界にどっぷり浸かっている人の見方は、こんなものかなぁ~と思って聞いていた。二人一緒に出掛けるから人件費を二人分請求しているわけではない。妻は、建築士の資格を持つていないし、著名な大学で建築を勉強したわけでもないが既存建築物や有名建築物を見た経験数は、そんじょそこらの設計者の及ぶところではない。知識ではなく感性で建物を見ているところが違うところだ。
以前勤めた組織設計事務所では、女性の正社員は、ほとんどいなかった。会社が女性スタッフを別会社に移籍させ、そこからの派遣社員にした。同じ設計チームで席を並べていても正社員と派遣社員というように身分や報酬を区別していた。これは消費税対策と人材派遣法の脱法的活用という側面もある。この制度は、現在でも同じままと聞いた。それを強く推し進めたのが、数少ない女性正社員の部長というのだから笑える。
弊社では、男性も女性と一緒に働ける環境を続けることを心掛けるようにしたい。
住まいでは、台所は女性のもの、書斎は男性用といった家に対する固定概念も、昔のものになってきているが、さらに積極的に育児・介護や家事労働を家族全員が分担しやすい設計。様々な用途の建物でも、利用者や使用者の視点に立った提案していきたいと考えている。
また、性別によるヒエラルキーを廃し、これまで活用し得なかった女性の持つ能力開発に力を入れていきたいと思っている。
SNSの中で、ミソジニー達は女性全体にではなく、こういう女性でいてほしいと思う所から 殻を破っている女性に対しての憎しみや嫌悪を噴出させていて見苦しい。
男の嫉妬なんかに、負けてはいけないのだ。
女の嫉妬は まだ可愛いところがあるが、男の嫉妬は見苦しい。時に持つ権力を利用するからだ。
最近、妻の事をキングダムの飛信隊・副将・羌瘣(きょうかい)ですと紹介している。侮っていると羌瘣の愛刀・緑穂(りょくすい)で切られまっせ。