1、ソリューション領域


  • 建築基準適合性状況調査(工事完了検査済証無し)
  • 「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」調査・指定確認検査機関と提携
  • 建築遵法性調査
  • 建物調査
  • 耐震診断・耐震補強設計・耐用年数評価調査


建築ストックの再生・活用は「調査なくして設計なし」

既存建築物を増築・用途変更をする場合には、既存建物の調査を充分に行い設計業務に着手することが大事です。この「調査・分析」業務は、今後さらに重要視されていく分野です。弊社は「特殊建築物」の調査業務を実測から各種報告書類の作成まで総合的にサポートします。


「調査・分析」は、特殊建築物の場合「法的調査」と「物理的調査」に大別することができます。

「法的調査」は、関係書類の精査および現地確認を行います。主として基本的調査(フェーズ-1)の場合に行います。

「物理的調査」は、詳細調査(フェーズ-2)の場合に行います。コンクリート強度試験、配筋探査、鉄筋かぶり調査、鉄筋径調査、鉄骨溶接部超音波探傷試験、鉄骨成分分析、躯体寸法照合、実測、勾配傾き調査、有害物質調査等を行います。

下記マップは、弊社の過去5年間の主要な業務地を「遵法性調査」と「物理的調査」に分けてあらわしたものです。







■調査チーム

建築ストックの調査は、設計業務の一部の領域として 従来あまり重視されてきませんでした。しかし建築ストックの再生・活用(リノベーション、リフォーム)の増加で、既存建築物の調査は非常に重視されるようになってきました。

増築確認申請の際に建築確認申請書に添付する「既存不適格調書」「現況調査書」でも、従来より詳細なものを求める特定行政庁も増加しています。

設計事務所は、業務を受注した場合に調査業務があると学生アルバイトや他の事務所の所員を動員して調査することが多いのですが、調査経験が少ない人のものや調査の勘所を押えない野帳は 実際のところ使い物になりません。専門の調査会社に依頼するという方法もありますがコストがかかります。

又 一級建築士等の有資格者だからと信頼して依頼するのは早計です。どの業界でもそうだと思いますが、建築業界でも分業化は進んでいて、意匠設計(計画・実施)、監理、積算、構造、機械設備、電気等と専門分野が別れています。ですから現場に行ったことがない人。中にはCADが使えないという人もいます。どんな業務をしてきた人なのか良くヒアリングして依頼することが必要です。

弊社は、特殊建築物の建築ストック再生・活用に関心がある経験豊かな建築士の皆さんと調査方法や建築ストック再生・活用の経験を交流し、出来うる限り実際の調査にも参加してもらいながら、調査力を磨いたチームによって調査を行います。又個々の非破壊・微破壊検査も弊社から各専門業者に個別に発注し、その専門技術を調査総体に反映できるようにしています。

弊社の調査関係業務に携わる調査員は、基本的に一般社団法人 住宅医協会のスクールを受講・終了した人です。 弊社の調査業務は特殊建築物がほとんどですが、調査業務について総合的に学ぶスクールとして住宅医スクールが最も適切であると思っています。住宅医スクールは、主として既存住宅を対象としていますが、全ての基本は住宅だと考えているので、どんなものにも応用がききます。


■法的調査と劣化調査は異なるもの

現在、既存建物の調査は「劣化調査」が主体です。国交省の「既存建物状況調査」にしても、住宅金融支援機構の「中古住宅適合証明書」でも「劣化調査」が中心です。何しろ建築確認の工事完了検査済書が無い建物でも融資・売買できるからです。

しかし弊社が通常行う「法的調査」は、主として建築基準法に照らしてどうなのかという判断をしないとなりません。単に図面に書いてあるから良いと言う事にはならず、各種非破壊検査、微破壊検査をしたり現場を見て図面と照合して適合なのか不適合なのか既存不適格を判断しないとなりません。

ですから「法的調査」は、図面や各種書類をみる「力」と現場を見て形状から判断する「力」が必要となります。


業務実績


【2023.07 RC造残存耐用年数評価調査・世田谷Kpj】

従来 鉄筋コンクリート造の建物は、60年程度で建て替えていたものを80年~100年間利用する施策を行うのが「長寿命化」。それには個別具体的に構造体の耐用年数を評価することが必要である。

鉄筋コンクリート造の劣化の支配的要因である中性化に着目して外壁等の屋外側鉄筋のほとんどに中性化が到達しない年数を推計して耐用年数とする。
第三者機関である財団法人日本建築センターに耐用年数評価を依頼し、その評価委員の指導の下に、コンクリート圧縮強度、中性化、塩化物調査、含水率調査、劣化調査を行った。
その結果、現況評価として現時点より80年の残存耐用年数評価証が交付された。

【建築場所】東京都世田谷区地内
【規模】鉄筋コンクリード造地上2階地下1階・延床面積4622㎡・耐火構造・築44年


【2023.06 耐震診断用調査・世田谷区Kpj】

当該建物は建築基準法の旧耐震建築物である。前面道路は一般緊急輸送道路であり、建物の規模から指示対象特定建築物であるために特定既存耐震不適格建築物である。
耐震改修は努力義務だが建物としての構造安全性を地域やテナントに保証するために耐震診断(二次)を実施した。
全階の両加力でIs値、Ctu・Sd値は判定値を満足していたため耐震補強は不要とした。

【建築場所】東京都世田谷区地内
【規模】鉄筋コンクリード造地上2階地下1階・延床面積4622㎡・耐火構造・築44年


【2018.10 建築ストック遵法性調査・東京都国立市pJ】

既存事務所ビルの遵法性調査と、空室となった階にテナントを誘致する際の法的な留意点をまとめリーシング資料を作成した。

  • 【建築場所】東京都国立市地内
  • 【規模】鉄筋コンクリート構造地上7階地下1階建・延床面積1726㎡・耐火建築物・築27年
  • 【法的規制】商業地域・防火地域・容積率600%・建蔽率100%
  • 【既存書類・図書】意匠図・有/設備図・有/構造図・有/構造計算書・有/

【2018.06 建築基準適合性状況調査・札幌市中央区pJ】

【MEGAドン・キホーテ・札幌狸小路本店、2019年2月オープン】

既存複合ビルを用途変更するにあたり、本体は検済があるが、一部テナントが無届で用途変更していたために、用途変更確認申請を提出する以前に、既存建物の法12条5項報告に準じる建築基準適合性状況調査を行った。

  • 【建築場所】北海道札幌市中央区地内
  • 【規模】鉄骨鉄筋コンクリート構造地上8階地下2階建・延床面積17307㎡・耐火建築物・築48年
  • 【法的規制】商業地域・防火地域・容積率800%・建蔽率100%
  • 【設計監理】プランニングファクトリー蔵
  • 【既存書類・図書】意匠図・有/設備図・有/構造図・有/構造計算書・有/各種施工報告書・無/工事中写真・一部有

【2017.09 共同住宅の経済残存耐用年数調査・東京都世田谷区PJ 】

【シュミットハンマー機器】

築46年の鉄筋コンクリート3階建て共同住宅の遵法性調査及び経済残存耐用年数について簡易的調査行った。コア抜き等の微破壊検査ができなかったのでシュミットハンマーによる簡易調査を行った。

【建築場所】東京都世田谷区深沢地内
【規模】鉄筋コンクリート造地上3階、延床面積1,137㎡、耐火建築物
【法的規制】第一種低層住居専用地域、準防火地域、建蔽率50%、容積率100%、

【既存書類】検済・無/意匠図・一部有/構造図・無/構造計算書・無/設備図・無/各種施工報告書・無/工事中写真・無/


【2017.04 建築基準適合性状況調査+耐震診断・福岡市博多区PJ 】

【鉄骨ダイヤフラム部】

事務所併用住宅をホテルに用途変更する予定の事業実施を前提とした調査。検査済証が無かったので福岡市と打合せを行い建築基準適合性状況調査及び耐震診断を行った。鉄骨のダイアフラム部の施工が設計図書と異なっていたためIs値が低く大規模な補強工事が必要となり耐震補強工事費等が嵩んだため事業化を断念した。

  • 【建築場所】福岡県福岡市博多区地内
  • 【規模】鉄骨造地上6階PH1階、延床面積846㎡、耐火建築物、築43年
  • 【法的規制】商業地域、準防火地域、建蔽率80%、容積率500%、駐車場整備地区
  • 【既存書類】検済・無/意匠図・有/構造図・有/構造計算書・無/設備図・無/各種施工報告書・無/工事中写真・無/

【2016.06 建築基準適合性状況調査+耐震診断・岐阜県高山市PJ】

【基礎地中梁・コア採取】

店舗併用事務所をホテルに用途変更する予定の事業実施を前提とした調査。検査済証がなかったので飛騨建築事務所と打合せを行い法12条5項報告を提出した後に用途変更建築確認申請を提出するべく建築基準適合性状況調査及び耐震診断を行った。事業者の都合で事業化はされなかった。

【建築場所】岐阜県高山市地内

【規模】鉄骨造地上5階PH2階、延床面積818㎡、耐火建築物、築30年(調査時)

【法的規制】商業地域、防火地域、建蔽率80%、容積率400%、景観計画、地区計画

【既存書類】検済・無/意匠図・有/構造図・有/構造計算書・無/設備図・無/各種施工報告書・無/工事中写真・無/


【2016.03 有害物質調査(PCB) 旧JR九州本社ビル】

既存建物に残置されている蛍光灯の安定器に含まれる有害物質調査(PCB)です。各照明器具メーカーの照明器具型番、安定器型番からPCB含有の有無を調査しました。既存建物の照明器具配置図が無かったので、現地調査の上 配置図面を作図し器具形式を落とし込む作業も行った。

【建築場所】福岡県北九州市門司区西海岸地内
【規模】鉄骨鉄筋コンクリート造地上6階地下1階、延床面積6,435㎡、耐火建築物、築78年(調査時)
【法的規制】商業地域、建ぺい率80%、容積率400%
【既存書類】検済・無/意匠図・有/構造図・有/構造計算書・有/設備図・無/各種施工報告書・無/工事中写真・無/


【2015.12 複合調査・活用検討・改修設計  旧JR九州本社ビル】

北九州市門司港にある昭和12年に建てられた旧三井物産門司支店(戦後・旧JR九州本社ビル)で、現在は北九州市が所有している事務所ビルをコンバージョンして利用するための計画。戦前の建物の為に法12条5項報告を提出するべく建築基準適合性調査を行い各種検討調査業務・改修設計を行った。「投資対効果」がハードルとなり事業化されなかった。

  • 【建築場所】福岡県北九州市門司区西海岸地内
  • 【規模】鉄骨鉄筋コンクリート造地上6階地下1階、延床面積6,435㎡、耐火建築物、築78年(調査時)
  • 【法的規制】商業地域、建ぺい率80%、容積率400%
  • 【既存書類】検済・無/意匠図・有/構造図・有/構造計算書・有/設備図・無/各種施工報告書・無/工事中写真・無

【2015.06】リノベーション・デューデリ業務 TUGU 京都三条-THE SHARE HOTELS

オフィスビルをホテルに用途変更する為に、物件購入前に内見に立会し旅館業法関係を含む諸官庁の調査及び遵法性調査を行いました。

2019年5月31日OPEN予定

【写真は2015年6月】

  • 【建築場所】京都市中京区三条通
  • 【法的規制】商業地域、防火地域、建ぺい率80%、容積率400%、職住共存特別用途地域、三条界わい景観整備地区、
  • 【規模】RC造地上6階、保存部分:鉄骨補強煉瓦造2階、床面積2,407㎡
  • 【建築年月日】1983年及び1914年(保存部分は登録有形文化財・設計: 辰野片岡建築事務所)

【2015.01】遵法性調査・耐震診断補助調査 ザシェアホテルズKUMU金沢】

オフィスビルをホステルに用途変更するために建築基準法遵法性調査、耐震診断補助調査を担当しました。

【建築場所】石川県金沢市高岡町地内
【規模】鉄筋コンクリート造地上8階、延床面積2,835㎡、耐火建築物、築47年
【法的規制】商業地域、防火地域、建ぺい率80%、容積率400%
【既存書類】検済・有/意匠図・有/構造図・有/構造計算書・有/設備図・無/各種施工報告書・無/工事中写真・無


【2015.01 建築基準適合性状況調査・法12条5項報告書・耐震診断 THE  SHARE HOTELS HATCHi 金沢】

1階仏壇店、2階から4階事務所、地下1階飲食店の複合ビルをホステルに用途変更しました。工事完了検査済証が無い建物の為、建築基準適合性状況調査、耐震診断、耐震補強設計を行い金沢市に法12条5項報告書を提出する業務を担当した。

【建築場所】石川県金沢市橋場町地内
【規模】鉄筋コンクリート造地上4階地下1階、延床面積948㎡、耐火建築物、築53年
【法的規制】商業地域、準防火地域、建ぺい率80%、容積率400%
【既存書類】検済・無/意匠図・有/構造図・有/構造計算書・無/設備図・無/各種施工報告書・無/工事中写真・無


過去の物件は、随時記載します。