「黒田辰秋 木工の先達に学ぶ」早川謙之輔 著

 この本も黒田辰秋に関する本。

 近年は、木や木工に関することがマイブームで、ひとりの人について関係する本を幾つか読むことにしている。この本は、2000年5月に発行された本だから、もう25年も前の本だし、著者の早川謙之輔さんは、既に故人。

 帯には「現代の名工が偉大な先達から学んだ木の心、木の技」。黒田辰秋との出会い、黒澤明御殿場山荘の家具セット製作など、その20年余の熱い交流を描いている。

 黒田辰秋は、若き日に河井寛次郎に出会い、柳宗悦らの民芸運動に加わり、若手芸術家のギルドのような上加茂民芸協団を組織したことは知られている。

 私が民芸に興味を持ったのは、1970年代の半ば頃だったか、新宿歌舞伎町の入り口に「民芸茶房 レストランすずや」という飲食店があり、民芸が趣味だった店主の鈴木喜一郎さんのコレクションが沢山飾ってあった。

 棟方志功の版画を初めて見たのも「すずや」だったかも知れない。婆ちゃんと新宿3丁目のジャズ喫茶「DUG」で待ち合わせして、時々「すずや」に食べに行った思い出が蘇る。

 版画家の棟方志功は、「すずや」の看板やメニューの表紙を直筆で書いているし、当時の民芸運動の中心だった柳宗悦、浜田庄司、芦沢圭介、池田三四郎、バーナード・リーチなど、後となっては人間国宝級の人々が店に通っていたという。さながら民芸運動の美術館のような飲食店だった。その時から有名なのは「とんかつ茶漬け」だが、当時は「とんかつ茶漬け」以外のメニューも沢山あった。

 「すずや」は、2016年にビルを建て替えて新しく「とんかつ茶漬け」と「とんかつ」専門店のような店になったが、新店は昔の民芸茶屋の面影は大分薄い。

 さて私の民芸との接点は置いておいて、

 早川謙之輔さんは、以前も「ゴッホの椅子」の本の紹介で書いたように、岐阜県中津川市付知というところで工房を持たれていたが、黒田辰秋は黒澤明御殿場山荘の家具セット製作の時に付知に滞在し、同じ付知の「上見屋」という老舗旅館を定宿にしていたことや、付知(つけち)の風景、山や木のことなどが書かれていて、とても親近感を抱いた本だった。

 

「改訂・建築 設計 製図-住吉の長屋・屋久島の家・東大阪の家に学ぶ」

 最近の大学では、建築の設計・製図の教材として、どんな本、どんな建物をお手本にしているのか興味がてら読んでみた。

 私の学生時代は、烏口からロットリングへの移行期で、T定規から平行定規への移行期。ようするにアナログの時代だが、今は授業にCADやCGも取り入れているのだろうか。

 安藤忠雄、堀部安嗣、岸和郎の手掛けた住宅をお手本にしている。その作図方法、表現方法について、丁寧でまとまった解説が加えられている。執筆しているのは、主に関西の大学で教えている人達だが、関東の大学では、どのような建物を教材にしているのだろうか。

 教材の選択は時代の反映だが、学生には後々まで影響を与えるものだ。

 私の学生時代の住宅設計の教材は、吉村順三先生の軽井沢の別荘(増築前)。平面詳細図のコピードローイング、断面パース、模型と1年間同じ建物と向き合った。軽井沢の別荘は二度程見に行って、一度は吉村順三先生夫妻がたまたま在宅の時で、ゼミの仲間と内部を隅々まで見せていただき、紅茶と菓子までいただいた記憶がよみがえる。もう半世紀も前の話。

 集合住宅は、代官山のヒルサイドテラス第1期の平面図・立面図等のコピードローイング。これは都内だったので、何度見に行ったか分からないぐらい通った。

 安藤忠雄さんの講演に行ったのは 確か大学4年の頃で、住吉の長屋が学会賞を受賞した後だったように記憶している。確かに名作といえば名作だし私も好きだが、住むのはちょつと抵抗がある。昔の農家住宅にあるような外便所で、寒くても暑くても雨の日も、一度外部に出る必要がある無断熱の家だから、住んだら家族からブーイングだろうな。まあ性能面は度外視しないといけないかもしれない。

 昔話をしても仕方がないが、学生時代にどのような建物で学ぶかによって記憶に刻まれ、その後の設計に影響するものだ。と 自分の事を振りえつて思う。

「天使の分け前」ケン・ローチ監督

 このところ古いレンタル落ちのDVDを観ることが多い。この映画は、2012年カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞したケン・ローチ監督の作品。

 手癖の悪い不良青少年達は、それぞれの罪で刑務所送りではなく社会奉仕活動に従事する。彼らは人生を立て直したいが住むところも、職もなく、周囲の目は冷たい。

 社会奉仕活動の現場監督でスコッチウイスキーをこよなく愛するハリーに連れられて、スコッチの醸造所を訪ねる中で、スコッチの奥深さに触れ主人公のロビーは眠っていた「ティスティング」の才能に目覚める。そして仲間と冒険の旅へと向かう。

 ケン・ローチ監督は、市井の人々の生活を丁寧に撮り、色々な要素を同時に提示しながら、シリアスな社会性とユーモアを両立させている。メッセージ性もドラマの中で自然に溶け込ましている。さすが名匠と言われるだけはある。

ラストは、痛快。

「ゴッホの椅子」久津輪雅 著

 私が「ゴッホの椅子」に出会ったのは、2017年に京都の河井寛次郎記念館を訪れたときだから、まだ最近だ。

 玄関の土間に置かれた3脚の椅子が、「ゴッホの椅子」だと知ったのは、それから、しばらく経ってからだ。

出会ったときは「随分素朴な椅子だな」という印象しか持たなかった。

 近年、美濃に縁ができて、色々なところにいくが、中津川市付知に老舗旅館「上見屋」があり、その隣地に上見屋の経営である「とこわか」という飲食店で昼食をいただいたことがある。

 その「とこわか」は、和風で栗材で作られており、付知の杣工房・早川泰輔さんの仕事と聞いた。

 https://taf2012.sakura.ne.jp/wp/?cat=685

 その早川泰輔さんのお父さんが早川謙之輔さんで、私たちが栗の菓子を買いに行く「すや西木店」や「静岡市立芹沢銈介美術館・白井晟一設計」の展示スペースの天井を手掛けられていることを知り、早川謙之輔さんが書いた「黒田辰秋・木工の先達に学ぶ」他三冊の本を読み、そしてこの本にたどり着いた。

 出会いから、ぐるりと回って、もとに戻ったような不思議な感じ。この椅子に縁があったのかもしれない。

 岐阜県立森林文化アカデミー教授の久津輪雅さんの、この本「ゴッホの椅子」には、「人間国宝・黒田辰秋が愛した椅子。その魅力や歴史、作り方に迫る」とあり、作り方まで書いてある。

 「ゴッホの椅子」は、素朴だけど優しく、年月を重ねると風合いがでる。うわべだけのデザインがはびこる現代に、自然や社会の環境とかけ離れたものをつくるなと戒めているかのような存在だ。

「ゴッホの椅子」を受注生産で作ってくれるところがあるというので照会したことがあるが、耐荷重80kgという。私が座ったら壊れてしまうので断念した。

フォレストスクエア仙川-9・リーシング

 建築サイドから見ていて、つくづくリーシングは難しい業務だなと思う。

 他の業界の人には聞きなれない言葉だと思うが、「リーシングとは、不動産物件の賃貸借に関する一連の業務プロセスを指し、物件オーナーと入居希望者をマッチングさせる重要な役割を担っている。」 要するに単なる不動産屋さんではない。

商業施設では、実際リーシングこそが、その事業の成否を握っているといえる。

フォレストスクエア仙川のテナントは全16店(2026年2月7日時点)

1、フランスベッドギャラリー    寝具店  1/30オープン
2、CAL    カバン
3、Zoff    メガネ
4、DOG & CAT JOKER    ペットショップ   1/30オープン
5、L’epicerie Sgami     食品店 サカガミの新ブランド
6、ロバーツコーヒー コーヒーショップ  多摩地区初出店・北欧フィンランドコーヒー
7、Minimal Bean to Bar Chocolate  チョコレート専門店 2026,2以降オープン予定
8、クリスプサラダワークス   サラダ専門店 1/30オープン
9、匠がってん寿司   回転寿司
10、nib a Hamnburger works  オリジナルバーガー 新規業態・浅草本店
11、DE CARNED CASTE SENGAWA   カステラ
12、ボナペテイート・パパ イタリアンレストラン  さわやか新業態
13、京都焼肉天檀1965SENGAWA   京都焼肉 都内初出店
14、HOUSE MADE   スイーツカフェ 多摩地区初出店
15、スターバックス    カフェ
16、SHARE LOUNGE   シェアラウンジ  1/21オープン

 スターバックス、Zoff等おなじみのチェーン店も入居しているが、都内・多摩地区初出店や業態を変化させた店舗等が入居している。地域のマーケットターゲット(客層)を絞って、新鮮味のあるテナントをリーシングしている。リーシングを担当した三越伊勢丹は、苦労しただろうなと予想されるがリーシング力量は中々のものだと思う。三越伊勢丹にリーシングを依頼したカワマタの眼力は流石。

 リーシング能力の低いところだと賃貸条件(家賃等)から、安易にチェーン店を入居させ、結果として金太郎飴のような商業ビルになってしまう。その結果、開店から少し経つと商業フロアはガラガラになってしまうというのは、都内のあちこちに見られる。

 さて、フォレストスクエア仙川の記事は、とりあえずこれが最後。秀でた事例を多角的視点で学び事業を構築しましょう。

 建築デザイン、事業収益性、リーシング等、総合的にバランスが取れていないとビジネスとしては成立しません。 弊社は、そのお手伝いができます。

フォレストスクエア仙川-8・建物概要

・敷地面積  4,585㎡

・延べ床面積 8,754㎡ (2,648坪・容積率191%)

・建築面積  3,624㎡  (建蔽率79.05%)

・店舗面積  1,494㎡ (大店法面積・452坪)

・構造規模  鉄骨造5階、地下1階 (5階居宅)

・用途地域  近隣商業/準防火/建蔽率80%/容積率300%

・建物用途  居宅・事務所・店舗

・駐車場   48台(1階平面駐車場)

・提携駐車場 147台

・駐輪場   91台

・設計施工  ㈱竹中工務店

・建築主   ㈱カワタケ

・運営管理  三越伊勢丹(リーシング含む)

・推定事業費  根抵当極度額を初期事業費としたとき 151万円/坪

・まとめ  

 全体的に工事費を含む事業費を圧縮して事業採算の向上を目指したように見受けられる。地階を作らない。建物の軽量化。基礎躯体の低減(仙川周辺の地盤はGL-10mぐらいで支持地盤)。建物仕様のローコスト化。納まりはよく考えて仕上げているが、建築的に作りこんでいない。

 アウトモール型商業施設は、その集客に天候の影響を受けやすいことは言うまでもないが、建築コストとランニングコストを低減できる。そのバランスをどう見極めるかが要かと思う。

 この連載企画の意図するところは、ネット等で公表されているデーター、各種資料から、この建物の建築主の意図を類推することであり、㈱カワタケの公式発表ではない。

 こうした商業施設を分析・検討することで、一般の不動産オーナーの事業計画に寄与することを目指している。

フォレストスクエア仙川-7

3階から2階を見おろす

勾配屋根が

住宅街の街並みのような親しめる空間づくりに寄与している

 仙川の街に初めて来てみたが、駅周辺は意外と高密度な空間で、甲州街道は車の通行量が多いし、結構な騒音がある。それらから守るかのような建築の構成には好感が持てる。

 「スクウェア」には、「都市で、建物が街路に囲まれた方形の区画」というような意味があるから、低層商業施設に採用することでヒューマンスケールを保持できたのかもしれないと思う。

 全体として「包摂」というか、人に優しい。包み込むという感じが好きだ

手摺子はフラットバーを90度回転させてリズムをつけている

あまり小細工しないところが良い

3階はヘビー飲食店でまとめている

 全体的に丁寧な仕事がなされている印象を受けた。ローコスト仕様だが、きちんと納まりが考えられ仕上がっている。さすが「仕上げの竹中」という感想を持った。

フォルストスクエア仙川-6

2階にあがる。

エスカレーター屋根があるだけましか。

屋外エスカレーターは、降水量多いと停止させないとスリップするし、

室内エスカレーターに比べて耐久性に劣り、

維持管理費が嵩むと言われている

2階は人工台地というか中庭のようなテラスが中央にあり

その周囲に店舗を配置している

開放感があり、各テナントを見渡せれる。

ようするに視認性がある

植樹は、この冬を越せるかどうかが、技術的な試金石

ROBERT’S  COFFEEで一休み

平日の夕方。客は女性、小さな(未就学児)子供連れ夫婦、老夫婦等

共用トイレは、2階に男子大2・小2、女子2+授乳室

フォレストスクエア仙川-5

東道路側

仙川駅との間に自社のステイヒルズ仙川があり、

2階通路と連絡している

1階は、大半が平面駐車場

仙川の街は、女性ドライバーが多いように見受けた。

やっぱり平面駐車場は人に優しい

こんな店舗レイアウトになっている

北側・甲州街道側

手すりは溶融亜鉛メッキ、外壁は鋼板サイディングと

全体的にローコスト仕様

1階は道路に沿って路面店舗、スタバとか入居済

甲州道路側の1階テナントは開店準備中

田酒・2025年新酒/田酒・貴醸酒

1月末、青森から「田酒2025新酒・特別純米酒」が送られてきた

こちらは「田酒・貴醸酒」甘いお酒らしい

バレンタイン仕様らしい。シールが貼ってあるだけだが・・・

新酒2025新酒は節分の日に飲んだ。旨し

貴醸酒は未開封。

3月にあたらしい田酒が出るとのこと

昨年末に届いて正月に開封した田酒・純米大吟醸もまだ飲み終わっていない。

 1月に婆ちゃんが風邪をひいて、代わりに食事を作ったとき、卵焼きに純米大吟醸を少し加えたら、めちゃくちゃ美味しい卵焼きになった。旨い日本酒の力は偉大だ。

 冷蔵庫が酒類で一杯になってきた。日本酒セラーを買わなければと思うのだが、置くところがない。さてどうするか。

フォレストスクエア仙川-4・宣伝広告

フォレストスクエア仙川のオープン前の宣伝広告は、ネット上で見た限りでは、

サイトと

https://forestsquaresengawa.jp

インスタグラムしか見当たらなかった。

https://www.instagram.com/fs_sengawa

 サイトのアクセス数はいかほどか不明だが、インスタグラムのフォロワー数、投稿数を2025年12月11日の時点で調べたところインスタ投稿数30件、フォロワー数は4,317人だった。インスタ投稿数そのものが少なめで、工事途中経過をUPしている程度。その割にはフォロワー数が多いと感じた。

 2026年2月2日時点でのフォロワー数は4,739人で、オープン当初より422人増加している。投稿数は累計38件だ。

 全体として他の商業施設と比べてもネットでの宣伝・広告に資金を投入しているように見えない。仙川に多数の商業施設を創ってきた㈱カワタケの実績があるので、この程度のネット戦略でよいのかもしれない。紙媒体は仙川全体のフリーペーパー「SENTRAL」を発行している。

 饒舌だからと言ってフォロワーが増えるわけでもない。私自身は20年近く「ブロガー」と言われるほど幾つかのブログに投稿を続けてきたので、投稿の内容とアクセス数の関係。曜日によってどのような内容の投稿がアクセス数が増えるか等、なんとなくわかる。フォレストスクエア仙川のネット戦力は、ビジネスとしては低コストでしかも効果的な投稿だと思っていた。

 オープン当初の紙媒体での宣伝広告については不知。

フォレストスクエア仙川-3・カワタケ

 フォレストスクウェア仙川の建築に触れる前に、建築主である株式会社カワタケについて書いておこう。

http://www.kawa-take.jp

【カワタケ・フリーペーパーより】

 ㈱カワタケは、これまで仙川にBROAD SQUARE(ブロードスクエア)、STAY HILLS(ステイヒルズ)、OAK BUILD(カワタケオークビル)、PIVOT SENGAWA(ピボット仙川)、QUEEN’S ISETAN(クイーンズ伊勢丹)、P’S SQUARE(P’Sスクエア)、SOUTH COURT(サウスコート)という、それぞれが特徴のある商業施設を作ってきた。

 仙川の「まちづくり」を語る上で、街の活性化への寄与度、今日の仙川の知名度を上げたうえで㈱カワタケの存在は多大なるものがある。

 会社として商業施設を創り運営・管理する能力と経験は突出したものがある。商業施設を通じた「まちづくり」の先駆者である。

 ㈱カワタケは「仙川のミッシングピースをつくる」と高らかに謳っている。「ミッシングピース」とは、「何かを完成させるために必要な欠けている部分」という意味だが、サイトのミッションには「開発する商業施設やテナントは、1つひとつが仙川という街をデザインするピース。街全体を見つめ、1店1店を誘致し、開発していく。」とある。

 小規模でも商業テナントビルを作れば、無理なく店舗や事務所が借りてくれる時代ではない。その街の特性、商圏は変化する。駅前にタワマンが出来れば、生活系の店舗需要が増えるし、街場の不動産所有者・大家さんは、個店のビル経営者でも自分の頭で考え抜かなればならないと生き残れない、継承できない時代なのだと思う。

 そうした商業施設の経験豊富なカワタケが、延床面積8,754㎡という商業施設「フォレストスクエア仙川」を世に送り出そうとしていたのだ、当然注目するだろう。

茶こし付きマグカップ

 このところ台湾茶に凝っていて、専用の茶こし付きマグカップを愛用している。とある中華料理店で台湾茶(東方美人)を頼んだら、模様は違うが茶こし付きマグカップで出してくれた。途中でお湯を注いでもらい、1回の茶葉で3杯は飲める。

 アマゾンでポチって、模様違いの茶こし付きマグカップを幾つか買った。

 今や この茶こし付きマグカップは8つある。中に18-8ステンレス製の茶こしを別途購入して使っている。

 主に凍頂烏龍茶が好きなのだが、以前お客さんに頂いた台湾茶が美味しかったので探しているのだが、中々見つからない。

フォレストスクエア仙川-2・商圏

 商圏分析とは、特定の地域における市場の特性を分析することで、商業戦略の最適化を図る手法と言われている。商圏の人口特性、競合状況、交通アクセス、消費動向などの様々なデーターを分析し、マーケッティングや出店計画、様々な販促計画に活かすことが目的とされている。特に小売業、飲食業、不動産業などでは、商圏を正確に捉えることが必須と言われている。

 商圏は教科書的には、一次商圏(最も近い顧客層・約0から3km圏内)、二次商圏(中距離の顧客層・約3kmから10km圏内)、三次商圏(広域の顧客層・約10km以上)に分類されるとされている。

 マーケッティング分析の専門家ではないので、フォレストスクエア仙川の建築について考えていた時に集めていた資料を公開する。

【京王線仙川駅の乗降者数】

参考に千歳烏山が2023年は77,686人。2024年は79,689人。

参考に調布が2023年が115,507人。2024年が118,575人。

参考に笹塚が2023年が70,603人。2024年は73,199人。

https://www.keio.co.jp/company/corporate/corporate_manual/number-of-passengers.html

【エリア人口】

上記の地図は、フォレストスクエア仙川から半径500mの円を記入したもの(線が薄い)

 上記は調布市の行政区分図で、仙川駅周辺は仙川町、若葉町、緑ケ丘だが、前回書いたように東側は世田谷区と隣接している。

https://www.city.chofu.lg.jp/030040/p017111.html

https://people.mapexpert.net/StatMap?L=13208

 評論を加えることなく、数字をありのままに見ていく。

フォレストスクエア仙川-1・調布市仙川

 調布市仙川は、若い女性達(20代、30代)に人気があるオシャレな街として有名で、「京王線の自由ケ丘」とも言われている。1940年に桐朋学園の前身である山水女子高等学校が設立されたのが街が形成されていったきっかけだそうだ。その当時は武蔵野の林と農地が広がっていたとのこと。そこに桐朋学園が来て徐々に街が発展していったという。

 桐朋学園は、国立市にある男子部門、調布市仙川に女子部門、そして同じく仙川、調布及び富山市の計3つのキャンパスを持つ音楽部門の、3つの部門から成り立っていて、この仙川の女子部門には、桐朋幼稚園、桐朋小学校(共学)、桐朋女子中学校、桐朋女子高等学校普通科、桐朋学園芸術短期大学があるという、まさに女子の学校だ。

 そして仙川には、もうひとつ白百合女子大学がある。

 仙川は、調布市東部に位置し、東端で世田谷区との市区境に接する。京王電鉄京王線が市域を東西に横断し、街は南北に分断されているが、もともとの商店の集積は南側に多くある。

 その仙川駅北側に2025年12月9日にオープンした「フォレストスクエア仙川」という商業施設について、続けて投稿していきたいと思う。

 アウトモール型複合商業施設である「フォレストスクエア仙川」は、オープン前から注視していたのだが、2025年12月は仕事が混んでいて視察できずにいた。2026年1月末に何店かオープンして商業施設は、ほぼグランドオープンなので2月に入ったら見に行ってこようと思っている。資料などを収集していたので、まずはマーケッティングについて考えてみて、その後建物について触れていきたい。

https://forestsquaresengawa.jp

 仙川には、建築設計者には有名な「安藤ストリート」という建築家・安藤忠雄が設計した建物が6件もある(下図の青い部分)エリアがある。それについては、既に沢山紹介されているので割愛する。

https://tatefro.com/entry-6.html

「建築みつも郎17」KOBEC

昨年末に導入した「建築みつも郎17」

 設計見積書を作成する必要性が増えたことと、弊社の通常の個別プロジェクト毎の粗利管理をこれまでエクセルで行っていたものから移行するつもりで購入した。

 建築積算ソフトも色々と検討してみたが、30年ほど前に使っていた「建築みつも郎5」を思い出して検索してみたら、まだバージョンアップを続けていた。昔使ったことがあるから基本的な操作はすぐ思い出した。色々な機能がプラスされているが、まだ詳しくは知らない。

「建築みつも郎17」の機能紹介

・最大6段階層、明細行数6万行の余裕のスペックで、素早く正確な積算見積作成が可能です。
・最大6万件まで登録可能な「名称マスタ」は、それぞれの階層で使う名称を自動的に分類し、必要な名称項目の拾い出しが簡単に行えます。
・実行予算から見積概算の算出や、見積再提出時の調整などに活用可能な「まるめ付き金額調整機能」で、正確でスピーディな見積提出を実現。
・PDF作成、EXCEL出力などの多彩な出力機能を搭載。
・強力な印刷機能は、白紙用紙から市販見積用紙、自社専用用紙の活用も可能な「自由レイアウト機能」を搭載。自社ロゴ画像を貼り付けたオリジナル書式の作成も可能。

弊社の2026年の重点テーマ「職能を磨く」に沿ったソフトの購入と利用。

「『土地と財産』で読み解く日本史」大村大次郎 著

 元国税調査官の大村大次郎氏が書いた この本、表題の日本史を読み解く視点が面白そうだったので、アマゾンをポチったが、本当に面白い内容だった。

 日本史をそれぞれの専門分野の人達が深く掘り下げる本を書いてくれると、歴史の理解に奥行きが生まれる。事柄と年号を覚える歴史教育とはおさらばしてほしい。

 思えば私が歴史に惹かれていったのは、中学生の時に出会った松本清張の「西郷札」や「或る『小倉日記』伝」がきっかけだった。

 この本を読むと土地制度が変わったときに国の形も変わった。ということが良く理解できる。

 新しい知見として江戸時代にあった「割地」というものを知った。

 割地というのは村落内の農民が、耕作する農地を定期的に交換するという制度。農地というのは、その位置関係によって収穫量に大きな差が出る。日光の差し具合や水利によつても異なるし、それぞれの土地にふくまれる養分によつても違ってくる。同じぐらいの農地の広さでも収穫量の多寡はかなり違うことが多いそうだ。その為公平を期するために、村落内の農民が、一定の年限で耕作地を順番に入れ替えるというのが「割地」という制度。意外と合理的な方法が採用されていたことに驚いた。

 割地という呼称は、そのほか地割、割替え、軒前割、一鍬前、一挺前、田地割、軒前割、門割などさまざまあるが、割地制度は全国的にみられるそうだ。

 これを知って、江戸時代の農民には「所有権」「耕作権」の概念が薄く、村落の土地は農民全体の共有財産というような意識があったことがわかる。多分それは、江戸時代の年貢は「村落でいくら」というような「村請制」を採っていたからではないかと思う。

 この「割地」は、明治の「地租改正」1873年(明治6年)の時に、多くの割地があることがわかり、行政と研究者が調査に入ったそうだ。割地は、明治以降も残り、現在でも一部では残存していると新潟大学の研究論文「割地制度とコモンズ」に書かれている。

 巻末に著者は、この国を将来を憂いてこう書いている

「『貧困は自己責任』として片づけてしまう風潮がはびこり、うまく立ち回って富を手にしたものが偉いという価値観が広まっている。著者は、これに危機感を禁じえない。日本には太古から『助け合うのは当たり前」という文化があった。それは日本という国を形づくってきた精神であり、日本が世界に誇れる国になった最大の要因でもある。」

 同感。

「建築工事監理業務要領」

 弊社独自の「建築工事監理業務要領」を改定した。この要領は、弊社(株式会社 寺田建築事務所)が受注した建築工事等の監理業務の委託契約に基づいて弊社が行う業務の取扱いについて必要な事項を定めることを目的としている。

 元々は官公庁発注の建築工事監理で配布される業務要領がベースになっているのだが、官公庁では営繕課等の課長職等が「監督員」とされ、発注者側(首長)からの代理権限を付与され工事の監督員と明記されている。

 民間工事では、発注者側の担当者(部課長係長・一般社員)が、官公庁でいう「監督員」の役割を果たすのだが、その指示事項が社長決裁や取締役会で否定されることがある。   

 そこで弊社業務要領では、担当者が発注者側の代理権限を持つものと明記し、それを工事監理契約書に添付するようにした。また当該建築工事に関与する各種コンサルタントやCM会社が発注者の代理権限を持つか否かを事前に確認する事項を新たに挿入した。

 工事監理業務区分表は、受注者である弊社の担当処理区分を、それぞれの業務事項に合わせて立会、調査、確認、報告、指導伝達の5項目に分けて整理している。

 合わせて、業務としては現場常駐監理よりも重点監理が多い実状に照らして工事監理の履歴(日報的なもの)の書式を改定し、工事監理報告書に添付するようにした。

弊社の2026年の重点テーマ「職能を磨く」に沿った書式の整理。

「建築工事積算実務マニュアル2025」

 この本は、国が発注する建築工事の積算に関する「統一基準」や建築積算基準類に準拠し、改定された建築積算の実務書です。

 民間業務でも工事価格の適正評価をするために建築積算のツールとして活用しています。工事種別に整理され使いやすいですし、ちょつと工事価格を調べるときに重宝しています。

 より透明性のあるコストマネジメントが求められている時代だとおもうけど、知らんぷりの設計事務所や施工会社、住宅会社が多いのは残念。

寝室税・空室税

 

 先般、ケン・ローチ監督の「わたしは、ダニエル・ブレイク」を観て、イギリスには保守党のキャメロン政権時の2013年に導入された「寝室税」(Bedroom Tax)というのがあることを知った。

 この制度は生活保護を受けている(この場合は政府から住む場所を与えられていたり、家賃の負担をしてもらっている housing benefit を受けいている方が対象とのこと)低所得者に対して、使われていない寝室の数に応じて住宅手当が減額される仕組み。具体的には、1寝室以上の寝室があれば、その寝室を空き寝室とみなされ、住宅手当が減額されるそうだ。

 ダニエル・ブレイクは大工さんだったが、心臓疾患で医者から仕事をしていけないと言われ、生活保護を受給していたが、妻と住んでいた広い家があるために、この寝室税で手当てを減額されていた。いつ働けなくなるかなんて、誰も予測できない。働く意欲があっても生活保護を受けざるを得ない場合がある。

 例えばカップルが1LDKの家に住んでいた場合は全く問題ないらしいが、この同じカップルが2LDKの家に住んだら生活保護が14%カットされ、3LDK以上の家に住んだら生活保護が25%カットされる法令とのこと。

 つまり「税金で暮らしているのにスペアールーム(寝室以外の部屋)があるなんて贅沢だ」という事で、予算を削除したものらしい。生活に困っている人から更にむしり取る、えげつないことがイギリスでは行われている。

 さらに「Bedroom Tax」によると、例えば夫婦に12歳と14歳の息子さんが居た場合、この子供二人は16歳までは個室は「贅沢」なので同じ部屋で寝る事、性別が違う場合は10歳までなら同じ部屋で寝る事、などなど結構細かく決められているそうだ。

 寝室税の詳しい内容は「ロンドンのサクラ子」

 https://ameblo.jp/sakurako-london/entry-12219547032.html

 から一部転載した

https://www.gov.uk/housing-benefit/what-youll-get

 解散総選挙公約で目にした「空室税」なるものを言っている政党がある。空き家を放置していると課税しようというものらしい。

「非居住住宅」つまり実際に人が住んでいない住宅に対して税を課すことが柱らしいが、この定義はあやふやだ。所有者が海外赴任中であったり、家族の介護のために他地域に移って一時的に住んでいないケースもあるし、この制度を運用しようとすると地方自治体が一軒一軒について、現地確認、住民票やガス水道料金との紐づけ、個別のヒアリングなどの膨大な事務量の増加が予想される。課税対象者が不明なものや相続権者探し出すのでさえ困難な家だってあるんだぞ日本の空き家には。

 マイナンバーカードのほかに「マイルームカード」でも新たに作らなければ総括的に把握することは難しいだろう。

 第一「空室税」なるものを作って、それが新たな住宅供給や価格抑制につながるかは疑問だ。場合によっては、空室を抱えることが経済的負担となり、かえって住宅の放置や管理不全が増える可能性がある。

 政策が、頭でっかちな印象だ。生身の人間を考慮しているのか甚だ疑問。若い人たちの軽減というより不動産業界の利益を代弁した政策のような気がしてくる。

 既に住宅所有者は、固定資産税や都市計画税などを支払ってる。そこに新たな空室税が加われば、実質的に二重課税となり、とりわけ複数の住宅を所有している高齢者や、相続によって住宅を取得した人々にとっては、大きな経済的圧力となる可能性がある。

「わたしは、ダニエル・ブレイク」ケン・ローチ監督

 ようやく仕事に一息つけれて、映画(DVD)を観れる余裕ができた

 DVDだとメイキングがついていて、その映画の製作意図等がよくわかり深く理解できる。この映画は、2016年のイギリス映画で第69回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞した、名匠ケン・ローチ監督の「今、だからこそ全世界に伝えたいメッセージ」

 10年前のイギリス、そして世界中で拡大しつつある格差や貧困にあえぐ人々を目の当たりにし、今どうしても伝えたい物語として監督引退を撤回してまで制作されたのがこの映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」である。複雑な社会制度、デジタル化、マニュアル化に翻弄され、人としての尊厳を踏みにじられ貧困に苦しみながらも、助け合い生きていこうとするダニエルとケイティ親子との心の交流には感動し涙が溢れ出る。

 貧富の格差が進行する現代でも、この映画のテーマは生き続けている。

 映画は、シンプルで まるでドキュメンタリー映画のように展開するが、隣の誰かを助けるだけで、人生は変えられると教えてくれる。

 

ステンドグラス製日本甲冑 「豊臣秀吉」

打合せ場所に利用した名古屋マリオットアソシアホテルの

15階ロビーに飾ってあった

ステンドグラス製の甲冑

 豊臣秀吉が着用していたかぶとをモチーフにしたステンドグラス製の甲冑(かっちゅう)が、名古屋マリオットアソシアホテル(名古屋市中村区)のロビーで1月31日まで限定公開されている。

 「光り輝く姿は高さ約2メートル、重さ約80キロ。「ステンドグラス製で最も大きい甲冑」として昨年4月、ギネス世界記録に認定された。ステンドグラスアーティストのヨージウチヤマさんが約2年半かけて制作。33色、約2万ピースのアンティークガラスを精巧につなぎ合わせた。」と書かれている

中島工務店社長・中島紀干さんの2025年文化庁長官表彰を祝う

 2025年12月、中島工務店社長・中島紀干さん(岐阜県中津川市加子母)が2025年文化庁長官表彰を受賞した。

https://kinoie.in/news/detail.html?id=2544

 文化庁長官賞は、優れた文化活動を行った人を対象に文化庁が授与するもので、特に社寺建築や文化財修復に貢献した人に対して贈られます。中島工務店は、社寺建築と文化財修復への取り組みが評価された。

 中島工務店は、社寺建築と文化財修復に携わり、全国各地で文化財保護の仕事を続けてきました。また、海外でも日本文化を伝える建築の保存活動に40年以上にわたりボランティアとして取り組んでいます。
 また中島工務店は、若い世代を先頭に、これまで培ってきた経験と知恵を生かしながら、新たな力とともに文化財と向き合い、次の時代へと受け継ぐ仕事に取り組んでいます。

 中島紀干(のりお)社長は、私の尊敬する経営者の一人だ。家族ぐるみでおつき合いさせてもらっているが、何故か仕事のやりとりはない。弊社が木造建築の仕事が少ないというせいもある。この受賞は、昨日聞いたばかりだが、お祝い投稿をする。

 「日本の木を使いたい!!」「世のため、人のため、地域のため」という変わらない姿勢に、惚れてしまう。 

【写真は、上記 中島工務店のHPより】

文化庁長官賞受賞おめでとうございます!!

名古屋

2026年、最初の出張先は名古屋でした

14日、15日名古屋滞在です

名古屋は夏暑く、冬寒いと聞いていましたが風が冷たいです

12日に1cmぐらい積雪があったそうです

車中から写真を撮ったので、

モード学園がピサの斜塔のような感じになってしまいました

「軍艦島の生活〈1952/1970〉・住宅学者西山卯三の端島住宅調査レポート」

 昨年2025年に長崎市を訪れた時、長崎港を眺めながら、軍艦島(端島)があったなと思い出していた。日程的に端島ツアーの船に乗ることはできなかったが、若い時に西山卯三先生の本を随分読んだことを思い出した。確か20代前半に、西山卯三先生の講演を一度だけ聞いた。西山卯三先生が京大を退官した後だったな。そんな半世紀も昔のことを次々と思い出していた。

 「端島(軍艦島)は、長崎県長崎市の沖合に浮かぶ、面積約6.3ha、周囲約1.2kmの小さな島。海底炭鉱として明治20年から開削が開始され、明治23年からは三菱による本格的な炭鉱経営が開始された。戦間期と戦後に二度の高出炭期を迎え、国内有数の優良炭鉱であった端島には、多くの設備と人的投資が行われ、その結果狭い島内には、大量の鉱山設備と鉱員用の超高層住宅が迷宮のように立ち並ぶこととなった。その堂々たる威容からついた呼称が「軍艦島」であった。」と紹介されている。

 現在は、廃墟化しているが、一部の人には人気があるらしい。2015年には「明治日本の産業革命遺産」のひとつとして世界遺産登録されている。

 さて、この本はかれこれ10年前に出版された本で、「昭和期日本の住宅学を切り拓いた住宅学者、西山夘三(1911-1994)が、戦後二度にわたり、「軍艦島」こと長崎県・端島を訪問調査し、カラーを含む住宅と生活の写真を数多く撮影していたことは、ほとんど知られていない。 本書は、それらの未公開写真を中心に、当時の調査レポートや資料を加え編集し、活気ある軍艦島の生活を誌上で再現した、貴重なビジュアルブックである。
 廃墟となった後の写真、当時のモノクロ写真などはすでに多く公開されているが、
これほど多くのカラー写真が公開される例は非常に珍しい。
 また、炭鉱関係者や写真家ではなく、人とすまいを見つめつづけた住宅学者の視点で残る当時の資料はほぼ唯一と言える。世界にも類を見ない、高密・高層炭鉱住宅群を、
日常のくらしを見据えた視線で捉えた写真とスケッチの数々は、日本を代表する炭鉱であった軍艦島の栄華と、特異な環境に生きる人々の生活を生き生きと伝えている。」

 今となっては、とつても貴重な記録だ。

 端島で多くの人が働き、暮らし、育ち、そして亡くなったという事に思いをよせ、歴史の光と影に目を向けるようになれば良いのだが。