本と暮らす家

先月、古いマンションの一住戸を改修した家の見学に行ってきた。書棚の多い住戸だった。

それから自分だったら本とどう向き合って暮らすかなと ずっと考えていた。

以前から、俺たちが孫達に残せるものは何かと爺と婆で話し合ってきて、やっぱり「本」かなという結論には達していた。

「小さな図書館みたいな家を残してあげたいね。」と

終活の一環で、随分と所有していた本は処分したのだが、二人とも好奇心が多方面に渡っているので本は増えるばかり。希少本やマニアチックな本も結構ある。それと婆が時々大人買いしてくるフィギャ類も段ボールにしまわれたまま。

以前、少女漫画で読んだ記憶がある一節が今でも好きだ

「私たちはみんな羽(はね)を持っていて、立派な羽に育てたかったら本をたくさん読みなさいって。」

「本をたくさん読みなさいって」

「本の形って鳥の羽の形でしょう?」

「本を読めば読むほど、しなやかで強い羽になって大空を飛ぶことができるの」

今「本と暮らす家」のスタディに余念がない。

「建築と都市の保存再生デザイン・近代文化遺産の豊かな継承のために」

この本は、京都工芸繊維大学大学院建築学専攻建築都市保存再生学コースの、研究教育活動を踏まえて、歴史的建築物の保存再生デザインのあり方、理論と方法について論じている。

弊社も概ね築80年から築20年前の近現代建築の再生・活用に関わってきたが、それらは「生活の器」あるいは「経済の器」であった。それでも本書が指摘しているように「何を変え、何を守るのか」は、建築再生・活用の最も重要な視点であったと思う。

弊社の建築再生・活用のアプローチは、多くは建築法(手続き・遵法性)からのものだが、最近は小規模なものは設計監理もするので、多少なりともデザインに関心が広がっている。また地方の歴史的な建築物のプロジェクトへの関与も増えつつある。

2015年から始まった工繊大の保存再生学コースの研究活動は、以前から関心を持っていた。建築保存・再生・活用は常に特殊解で体系的な本も見当たらない。そうした現在の状況下で基礎的な理論や情報を共有するための本となっている。

辰野金吾の代表的な煉瓦造建築の化粧煉瓦のディティールの変遷等は、始めて知り得た。何歳になっても勉強になる事は多い。

「台北・歴史建築探訪 日本が遺した建築遺産を歩く」

片倉佳史の台湾特捜ブログ

台北市内に残る日本統治時代の建築物 すなわち「老建築」「歴史的遺産」を15年の歳月をかけ丹念に探し出し記録した本書は、「永久保存版」に値する本。

この本を読んで「台北には随分と歴史的建築物が残っているなぁ」と思った。

私が台湾の日本統治時代の歴史的建築物に興味を持つのは、日本本土の全国的建築法である「市街地建築物法」より台湾や大連の法制化が先んじていた事。近代日本の建築法制史の研究上、台湾の建築は、外すことができない。

台湾に残る建築遺産を見ることは、台湾を知るばかりか「日本」を知ることにつながる。

実際 台湾という土地の歴史、日本との関わりを学んでいく中で、台湾初代民生長官・後藤新平」に関心が移ってしまった。すぐ脇道に進んでしまうのは悪い癖だ。

このところ随分と台湾の本を読んだが、中々まとまった日数を取って台湾を訪問する時間が取れないでいる。日本では購入できない図書も欲しいし。

この本に紹介されている建物の位置をマッピングしたサイトもあるので、ゆっくり台北だけ訪れるのも良いなと思っている。

こういう一次資料が集積された本が、私にとっては本当の価値ある本と言える。

アメリア・イアハート

そう言えば 昨日7月2日は、女性として始めて大西洋単独横断飛行をした「ミス・リンディ」ことアメリア・イアハートの亡くなった(消息を絶った)命日にあたる。

1937年7月2日の事だった。

とてもチャーミングな人だった言われている。

荒井由美の「ひこうき雲」を聞いていてアメリア・イアハートを思い出した。

これはユーミンが高校生の時に作って、その後シンガーソングライターのデビューにつながった「死」がテーマの曲。2013年ジブリ映画「風立ちぬ」の主題歌にも採用された。

諸説あるのだが、ユーミンがアメリア・イアハートに刺激をうけたのかどうかはわからない。

「ひこうき雲」もとても好きな曲だ。

ワットハウス

【写真は、東孝光建築研究所のサイトから】

パートナーでもある妻は建築の専門教育を受けたわけではないが、もう何十年も一緒に著名な建築を観てきたし、自営になってからは、ほとんどの出張にも同行するので、そんじょそこらの人より多くの新旧の建築を観ている。そして専門家とは異なる感想をいつも発してくれて、とても参考になる。

そんな事をパートナーも同席したクライアントの会議で話したら、相手から「どんな建物が好きですか?」と妻は聞かれた。

妻「ワットハウスです。」

私「東孝光という建築家の集合住宅です」

「ワットハウス」という名前が飛び出すとは予想だにしていなかった。もう30年以上前だが伝手を頼り丁度売りに出ている1住戸があるからと内部を見せてもらう機会があった。

妻「わくわくする空間なんです。いろいろと建築を見たけど、あれほどわくわくしたことはないですね」

私「立体パズルみたいな構成でしたね」

鉄筋コンクリート2階建て4戸の分譲住宅で1977年の竣工。1978年4月の新建築に掲載された。丁度 槙さんの代官山集合住宅第3期が竣工したころだった。あの頃は、都市住宅の可能性に魅了されていた時代だった。

妻「ワットハウスみたいな家に住みたいと思っていたんですが・・・」

確か「ワットハウス」の一般図をコピーしてもらったはずだがと思ったが無くしてしまった。グーグルで検索してみたら、まだ建物は残っていた。築42年になる。「都市住宅7705」は残してあったので計画段階の模型の写真を見つけることができたが、1978年4月号の「新建築」は、どこにしまったか・・・探してみよう。

妻が未だに記憶に残っていると言う空間を思い出してみよう。

映画「新聞記者」

このところ頭の中が仕事・建築に関することで溢れていたので、封切りを待っていた映画「新聞記者」を観てきた。

権力の闇とメディアの裏側を描くサスペンス映画。アメリカ等の映画では、現在進行形の政治・社会問題をモチーフにした社会派サスペンス映画はあるのだが、昨今の日本社会では、こうした骨太社会派映画はタブー視されていたかもしれない。

だから見終わった感想は「よくこの映画作れたな、よく普通の映画館に配給し一般公開までこぎつけれたな」というものだった。この数年の日本の政治について多少なりとも知り得るものなら、思わずのけ反りそうな内容が散りばめられている。

シム・ウンギョンと松坂桃李のダブル主演は成功している。見慣れたはずの日常の風景の中から、まるで映画の中の心象風景を切り取ったような映像が美しい。

まだ30代という藤井直人監督の起用が成功して映画作品としての完成度は高い。

是枝裕和監督の映画評「人が、この時代に、保身を超えて持つべき矜持についての映画だ」に共感を覚えた。

必見。

映画 新聞記者

 

「MIES」

たまたまCASAのサイトを眺めていて知ったスペイン発の巨匠ミース・ファン・デル・ローエの半生を描いた漫画『MIES』。

バルセロナ・パビリオンの完成から、ナチスによるバウハウス閉鎖の悲劇、そして亡命先アメリカでの活躍を辿っているらしい。

なにしろスペイン語だから良くはわからない。

だがCASAの紹介記事を見ていると読んでみたくなる漫画だ。

日本語版、早く出版されないかなぁ~

CASA

MISA公式サイト

また、犬を飼いたくなった。

前の犬・ゴールデンレトリーバーが逝ってから3年余り、一時のペットロスからも抜け出すことができファミリーの中から「又、犬か猫飼いたいなぁ~」という声が出るようになってきた。

爺「犬飼っても こちらが先に死んだら可哀想だよ」

・小型犬でも大型犬でも10年以上の寿命はあるが、こちらはいつお呼びが来るかわからない。

婆「小型犬なら長女のところで引き取ると言っていたよ」

爺「社宅なのにペット飼って大丈夫なのか」

婆「隣に住んでいる上司の人も犬飼っているし、概ね10kgぐらいの犬までは良いらしいよ」

爺「へぇ~ そうなんだ」

・ある日、長女が孫娘を連れて帰宅した。

爺「●●ちゃん。犬と猫、どっちを飼いたい?」

孫娘「犬 !!」

・孫娘は動物大好きである。

長女「黒い 豆柴がいい」

爺「茶色い豆柴の方が可愛いんじゃない。ほらテレビに出てくる」

長女「茶色い豆柴は、隣で飼ってるから」

どうやら話は出来上がっているようだ。

【写真は、ネットから拝借】

爺「う~む。確かに可愛い」

 

「建築関連法規の解説・設計実務編」熊谷組設計本部編著

世に多くの法令解説本はあるが、この本はあまり知られていない。

第一線の設計実務者の為の法令解説本として、これほど適切な本はないだろう。

1990年に初版が発行されているのだが、当時勤めていた会社にあったこの本を参考にしていた。その後1996年に一部改訂され、2017年に全訂改正版が発行されていたことを最近知り購入した。

この本の他にない特徴と言えば、まず第一に多くの図や表が組み込まれて視覚的だと言う事。平均地盤面の図や日影の発散方式と閉鎖方式の図等々 とにかく親切。

第二にあれこれの本をめくることなく一冊で間に合う法令解説本だと言う事。例えば消防法の「防火対象物の主たる用途と機能的に従属する用途」東京消防庁の消防同意事務審査要領なども表として挿入されていて、いちいち事務審査要領の本を引っ張り出さないで良い事。

第三に建物用途別チェックポイントがとても便利だと言う事。東京都の駐車場附置義務条例などについても記載されている。

第四に営業企画から工事竣工までを取り上げているので、工事施工に関わる法令解説にも触れている事。

第五として行政独特の取扱い事例や日本建築行政会議の適用事例等も幅広く記載されている事。

総じて大型の特殊建築物に関わる設計実務者向けと言えるだろうか。

欲を言えば総合設計制度、一団地申請、景観法、都市計画法、道路法等にも触れ、購読者をもっと絞り込み徹底してプロフェッショナル向けの法令解説本にして欲しかった。

それにしても第一線の設計実務者の編著というのは、大変なエネルギーが費やされたことと思う。熊さんには恐れ入った。脱帽。

第一線の設計実務者は、初学者向け本や建築士受験用法令解説本に依存せず、こういうプロフェッショナル向けの本を参考にしたほうが良いと思います。

平成30年改正建築基準法に関する説明会(第3弾)

6月10日、月曜日 激しい雨が降る中 昭和女子大学人見記念講堂で第3弾説明会は開催された。今回は有料だった。

参加を申し込んでいたが、重要な用事があって説明会を聞くことは出来ず配布テキストを受取ってもらってきた。

【補足説明資料】

【設計業務報酬基準2019年告示第98号】

まだ 充分に目を通していない。第1弾、第2弾の説明会も参加して来たのでさほど大きな変化はあるまい。

超音波厚さ計

中国の計測器メーカー品の「超音波厚さ計」

あまり薄いものは測れませんが、安価だったので買ってみました

取説が英語版のみ

息子に訳してもらい操作方法を教えてもらいました

たぶん測定器の価格よりアルバイト代の方が高くつきそう

錆止め塗装を落としカップリング材を塗っているところ

鉄骨埋込柱脚部からコラムの板厚を計測してみました

作業をしているのは、今年21歳になるインターンシップのI君

UT検査でもコラムの板厚は計測できていたので

板厚は、12mmというところでしょうか

銀座の柳

最近 BGMとして聞いている東京大衆歌謡楽団の「東京ラプソディ」

1936年(昭和11年)に藤山一郎によつて歌われた。

昭和モダン末期の東京を描いている。

昭和11年という年は、2.26事件もあり戦時色が一層強くなってきた時期と言われています。

権力によって昭和モダンが抑圧され消えゆく中で

この歌は「モダニズムの残響」とも言われているそうです。

こんなに 心がわくわくする東京があったんだなぁ~

ところで 今 銀座には柳の街路樹は見当たりません

1874年(明治7) 銀座通りに日本初の街路樹として松、カエデ、桜が植えられたそうですが1877年(明治10) 地下水位が高いために松、桜が枯れ柳に植え替えられたとあります。(初代柳の誕生)

1884年(明治17年)には、銀座の街路樹はほとんど柳になったと書かれています。1923年(大正12) 関東大震災により全銀座は焼失し1932年(昭和7)に一時、イチョウに植え替えられたこともあったが1929年(昭和4)の「東京行進曲」(昔恋しい 銀座の柳・・・)のヒットで、朝日新聞社や有志などの寄贈により柳が植樹される。(2代目柳)

しかし戦災でほとんど焼失し戦後何度か捕植が試みられたが 現在は残存していないようです。

詩仙堂 -3

庭を歩く

詩仙堂からは「古び」の美学を感じます

侘び寂びというのは、

現代ではひとつの言葉として語られますが

本来は別の美意識です

縁側の柱は、角が取れてまるくなり

板は、浮造りのように木目が立っています

ときの移ろいを感じ受け継ぐことができます

 所謂「古民家再生」「町屋活用」という現場

最近、幾つか見ましたが

基礎も土台も柱も新品に置き換えられ、

古材の利用は梁材のみというところが気になりました。

構造体の8、9割がたが新材

それが本当に「再生」とか「活用」といえるのだろうかと

詩仙堂 -1

江戸時代初期の文人 石川丈山の山荘跡

現在は曹洞宗の寺院でもある。

妻は 以前来たことがあり、

とても良い庭だと聞いていました。

玄関上は3階建ての「嘯月楼」

タクシーの運転手さんに上賀茂さんからの行先を詩仙堂と告げると

本当に京都が好きなんですねと言われます

「清水寺や金閣寺は あれは京都ではない」と

以前乗った運転手さんに言われました。

まだまだ外国人があまり来ないところはあります。

漢詩が好きな婆ちゃんのセレクトだと

知らない世界に連れて行かれます。

上賀茂神社 2019

前日の大阪セミナー・交流会の後、京都に移動し夜10時にホテルにチェックインしました。今日は、京都市内で仕事があるため夜遅くても移動してしまいました。

朝一番で上賀茂神社に参拝。

昨日5月15日が葵祭りだったので、境内は、朝から昨日の片づけをしていました。

参道は、馬糞の臭いが立ち込めていました。

京都に来た時は、上賀茂さんの御参りは欠かしません。

何だか相性が良いですし、

境内の清浄なる空気感には癒されます。

「やきもち」を買おうと思ったら神馬堂は休みでした。

定休日の水曜が葵祭りだったので木曜を休みとしたらしい

残念

「建築ストック再生・活用技術セミナー」 IN 大阪 終了しました。

【講師の伊藤さん】

5月15日、「建築ストックの再生・活用技術セミナー」IN  大阪は、会場一杯の参加者を得て終了しました。住宅医スクール関係・MOKスクール関係の人達の参加が多かったので、どうしても木造関係の話の方が馴染みやすかったようです。

これで企画・構想から始まった6ヶ月間の独自セミナーは終了しました。シナリオライターとしては、朝ドラが一本 ようやく終わったと言う感じです。

セミナー事務局長兼講師で、しかも 講師の中で一番長い90分という時間に変更したので、両方の準備が重なり 講師の方の準備が疎かになりがちでした。

それでも、この5年程の仕事をリフレクションでき、形にすることができたことは、大きな成果だったと考えています。

また、次の展開に向けての 足掛かりができました。

デリス横浜ビル

隈研吾事務所設計の「デリス横浜ビル」

横浜駅西北口は、随分と建物が建て替わってきている

アルミのグレーチングをALC外壁に金具止め

何だか軽いのだ。

軽快ではなく軽薄という意味で

豊島区庁舎のグレーチングは鋳物だったのでそれなりの重量感があった。

ディテールは稚拙だったけど。

このビルの夜景は、サイトで見る限りさまになっていたのだが

割箸建築からジャンク建築への転向か

商業テナントビルらしい設備系が集約された壁面

デリス横浜ビル

 

薔薇が咲いた

今年も薔薇が咲いた

連休中に咲くかなと思っていたが

連休明けてから一斉に開花

以前駐車スペースだった所に薔薇の植木鉢を並べている

毎年少しずつ薔薇の苗木を買ってきて、

成長に合わせて鉢を変え

水やりと肥料だけを切らさずに

よかった。よかった。

亀戸天神・藤まつり

すごい人でした。亀戸天神・藤まつり

本堂に向かって身動きできないほどでした

亀戸天神・藤祭りは5月6日までです

もう藤の花は終わりかけ

本堂とスカイツリー

雨がちらついてきたので船橋屋でみつかんを買って帰路につきました。

 

どこかへ行きたい

もともとゴールデンウィークにはどこにも行かないことにしている。かわいい孫達も遊びに来ることだし、天候も不順だけど、何だかどこかに行きたい。

頭を空っぽにする時間が欲しい。

キャンプにも行きたいが 時々ギアを買い集めるのとアウトドア関係の本を買うだけで済ましているものだから、余計ストレスが溜まってきて噴火寸前。

さて5月セミナーの為の原稿をようやく書き下ろした。

A4で30頁にもなった。

4月の東京セミナーでは原稿を作らなかったので言い忘れた事が沢山あった。

果たして90分で収まるだろうか。

配布資料を増やしてポイントだけ説明するようにした方が良いかもしれない。

原稿をパワポ修正チームに渡して作業に着手してもらわないとならない。

終わらしても終わらしても仕事が積みあがっていく。