「自治体係長のきほん 係長スイッチ」澤章著

6月10日に発行された澤さんのほやほやの新刊。出版社は公職研なので完全に自治体職員向けなのだろうが、自分が中間管理職のときにこんな本があったなら色々な指針になっただろうと思う。まさに新任中間管理職の「心のバイブル」のような本の中身になっている。中間管理職経験者ならうなづく事ばかりで、若い時にタイムスリップしてしまいそうな気がした。

役所の人達を外部から見てきたが、「窓口は行政サービスの最前線」というのはわかる。とりわけ建築関係の窓口で日々様々な市民が来訪し、職員とコミュニケーションをとっているのを傍らで聞いていると、この人は専門的な事を上手に市民に説明していると思う人もいる。声を張り上げたり、誰それの議員と友達とか、市長に直談判するとかクレーマーと言うかパワハラ系の市民も相手にしなければならないし相当に大変な業務だ。指定確認検査機関等のように建築関係の人達だけを相手にしているわけではない。なにしろ建築の専門用語が通じない人達にも理解できるように説明しなければならないのだから。

自治体職員は、窓口対応で鍛えられていくのではないかと思っていた。とりわけ「係長はしんどい存在」だが「実務をバリバリこなせるのは係長時代」「係長あっての自治体」「係長が意欲的に仕事をしてる自治体は自ずと活性化され、地域も元気になります」は、そのとおりだと思った。