「設備設計スタンダード図集」ZO設計室

毎年、年末年始に読もうと大量の本を購入するのだが、今年最初に読み終えたのが、この本「設備設計スタンダード図集」ZO設計室・柿沼斉三・伊藤教子共著。

本来は設備設計者を対象としているのだろう、その極意を伝授する内容となっている。

建築ストックの活用・再生を業務にしていると、既存の建物の設備図面を読みこなす力が必要になってくる。名ばかり設備一級建築士なので、専門とする設備設計者に協力を仰がなければならないのだが、自分でもある程度は理解する必要があるので最新の知識は勉強しておきたい。

設備関係の更新が中心のリフォームも多くなってきているが、だからと言って設備設計者だけに業務を任せていれば良いというものでもなく総合的に判断する力量が必要となってくる。

この本の良いところは、オフィスからマンション、公共建築、戸建て住宅と規模と用途の異なる9タイプの事例を掲載していて、それぞれの図面に対して設計の決め方や留意点を記載するなど、きめ細かく解説している点だろう。

とても勉強になった。

今年は どんな年になるだろうか

最近お気に入りの南池袋公園の

FARM & PARK  RACINESでお茶した。

都会でも 建物がないと こんなに空が広い

年末から年始と別に休業というわけでもなく

だらだらと書類の整理とか、

年末に頼まれた仕事のシュミ―レーションをしていた。

それでも4日に役所から電話があったり、仕事の問合せに対応したり

今日、豊島区に年末におりていた検査済証をとりに行ったりしていると

徐々に仕事モードになってきた。

冬空なのに、歩いて少し火照った身体を冷ますため

ジンジャエールを飲んだ

今年は、ここを打合せ場所にしょうか

天気も良く 何事もなく 良い正月だった

今年も忙しいそうな予感がする

2017年を振り返って

【丸ビルから東京駅】

2017年は、秋から仕事が集中してしまい 落ち着いて本を読んだり、ブログに投稿する時間が取れなくなりました。

「忙しい」の「忙」は、「心をなくすこと」と申しますが、昔の人は良く言ったものだと感心します。

2018年も、体調に留意しながら業務を進めていければ思っています。

今年のブログ更新はこれで終了とさせていただきます。

今年1年間のご愛読に感謝いたします。ありがとうございました。

来年も引き続きご愛読のほど、お願い申し上げます。

来るべき新たな年が、皆様にとって良い年でありますように

尚、年末年始は休まず営業中です。寝ていない限りはメール、電話での相談・問い合わせに対応しています。

【師走の東京駅・丸の内】

横浜元町・空のポケットに夢ばかり詰めこんで生きていた

何だか慌ただしい年末に横浜の元町に出かけてきました。

海が近いせいか風が冷たく感じます

元町は好きですね。

ファッションは、東京とはちょつと違うセンス

「空のポケットに夢ばかり つめこんで生きていた」

矢沢永吉の「チャイナタウン」の一節が思い浮かびます

このところ車窓からの風景など全く目に入らず、爆睡して移動する日々でした。

来年からは止めたいと思う事

爺さんが、どうどうと地下鉄の車内でお握りをほうばっているのは、みっともないから止めよう。

PCをしながら椅子で座ったまま寝るのは、かえって疲労が残るから止めよう。

頼まれても直感的に嫌だなと思う仕事はしないでおこう。

自然の光を浴びる事

自然の光を浴びることで

人体の骨や歯の形成に必要なビタミンDは、太陽の紫外線がコレステロールを変化させる事でおよそ必要な半分の量をまかなっている(残り半分は食べ物から)ビタミンDが不足すると骨や歯が弱くなったり疲れやすくなったりする。

午前10時から午後3時の日光で、少なくとも週に2回、5分から30分の間、日焼け止めクリームなしで顔、手足、背中への日光浴をすることで十分な量のビタミンDが体内で生合成されると書かれている。

また汗をかくことで、新陳代謝や体温調節といった機能を活発にさせる。

日の光が脳の活動を引き起こし体内時計の調節を行う。調節がうまくいかないと生活のリズムが乱れて慢性的な体調不良を引き起こすと言われている。医者に聞いたところ自律神経失調症や不眠症治療などでも、適度な日光浴が勧められているとの事だ。

家の前を、近くの認可保育園のおチビちゃんたちが保育士さんに連れられて歩いていく。

校庭の無い保育園。照明さえあれば窓からの採光など減らしていいのだとの意見が建築界の中でも散見する。

二人の孫がいる爺になったからこそ思うことは、孫達が健やかに育つために、やっぱり校庭の無い保育園や自然採光を減少させる法令の改正には賛成できない。

 

「安藤忠雄展・挑戦」国立新美術館

ちょつくら時間を取って国立新美術館に行ってきました。「安藤忠雄展・挑戦」を見に。

とりわけ 野外展示場に作ってしまったこの実物大の光の教会は見ておきたいと思っていました。

今日は冬空だったせいか、カラーで撮影してもモノクロの世界なんだけど、かえって良い写真が撮れたように思います。

安藤忠雄の生涯を回顧するような作品展になっています。学生時代に安藤忠雄の講演会に行ってから40年近く経ちますが、安藤忠雄は、ずっと挑戦し続けてきたということに感心しました。

パートナーは、安藤忠雄の作品の持つスパンとか比率が私の設計した建物と似ていると言います。今は設計をしていませんが昔は少ししていた事があるので。私はどんなものでも日本的な表現になってしまうのですが、安藤作品も要素をそぎ落としていくところとかが近似しているとか。コンクリート打放しの建物は1件しかやっていないのですが知らず知らずのうちに安藤忠雄に影響をうけていたのかなぁ~。学生時代は磯崎新一辺倒だったのに。

久しぶりに設計してみても良いかなぁと思うことがあります。

冥土への土産に。

あっ冥土には行けないかもしれないけど・・・

型式認定住宅のリノベーション

型式認定住宅(100㎡を超え)を用途変更して学童保育所にしたいとの相談があった。学童保育所は児童福祉法に規定されているので特殊建築物で、100㎡を超えているのなら用途変更確認申請が必要。

ところで確認申請と工事完了検査済証はあるの?と聞いたら、確認はあるが検済は調べていないとの事。まずそれを調べてからねと言っておいたら後日検済がない事が分かった。

学童保育所側は、型式認定住宅の所有者と既に賃貸借契約を締結し借りているらしい。資料を送ってもらったところ確認申請に添付されいる図面と現状は平面の外形は変わらないが、屋根と室内の間取りが変わっている。

学童保育所側は、型式認定住宅のメーカーは工事費が高いと言うイメージを持っているらしく、あくまでも知り合いの市井の工務店に依頼したいとの事。

検済の無い型式認定住宅の用途変更確認申請が出来るかと問われた。

理論的には、手続き的にも技術的にも可能だと答えた。

ただし型式認定住宅はブラックボックスで技術的内容も構造図も構造計算書も非公開。メーカーと型式認定機関しか詳細は分からない。これを一般構造として検証するには、どういう構造フレームになっているのか調査し構造図を起こす。鉄骨溶接部等の検査をして構造計算を行い必要なら補強工事が必要となる。

調査費と構造図・構造計算検証や申請手続きで相当な費用がかかるし、補強工事が発生した場合、事業者としてそれらの費用を受忍できるのかと問うた。

型式認定住宅メーカー曰く「うちの案件はうちでしか直せない」と言っているそうで「全面リフォームなら請け負う」とか。

メーカーしか直せないという事でもないが、クローズドシステムである型式認定住宅の案件は費用から考えて型式認定住宅メーカーに依頼した方が良いだろう。

学童保育所側は、賃貸契約の解除を申し立てるそうだ。

建築物の計画変更

建築確認申請を受け工事途中の建築物が、建築主の都合で建物用途等が変更になることがある。

建築基準法では建築基準法施行規則第3条の2の各号に掲げる軽微な変更について規定し、それ以外の物は計画変更確認申請を必要とするとしている。

その計画変更が建物全体に及ぶとき、例えば物販店で確認申請を取得していた建築物が工事途中で旅館業に用途を変更する場合、階数が変更になる場合(階数が増加)、構造を変更する場合(基礎工事中に上部構造が変更になる)等は、計画変更確認申請で済むだろうか。

このあたりの事は明文化した取扱いは、あまり見られない。

長崎県建築主事会議の「建築確認を受けた建築物の計画変更等の取扱い要領」(平成27年10月30日)に建築確認を受けた建築物の計画変更の取扱いについては、軽微変更届、計画変更確認申請、確認再申請の三つに分類し取り扱うものとしている。

その中で当初の確認申請を取止め新たに確認申請を行うものとして

  1. 建築確認を受けた建築物と大きく異なる建築物を計画しようとする場合(大きく異なる建築物であるかどうかの判断は、計画に継続性があるかどうかの観点から行い、原則として確認済証の交付した者の判断による)
  2. 階数が増加する建築物を計画する場合
  3. 建築物の構造を変更する場合

以上の三つを挙げている。

リノベーションに関わる仕事をしていると色々な案件の相談が持ち込まれるが、確認再申請か否かというのは指定確認検査機関の権限を越えていて建築主事判断が必要だと思っている。

確認再申請となると、あまたある条令や要綱の届出も再提出となることが多い事は予想されるし、工事も一時停止しないとならないだろうから慎重な判断が必要だが、工事が実質的継続しているならまだしも建築確認を受けた後 何年も工事が停止されている場合はどうだろうか。

最近受けた相談では、構造適判制度が施行された2007年(平成19年)6月20日以前に建築確認を受け工事中だった建物がリーマンショック(2008年9月)の世界的金融危機を受け事業計画が中断し、事業主が倒産し工事が停止した案件のリノベーションについてだった。

物販店から全館ホテルに用途を変える場合の手続き上の問題や構造規定の遡及について相談を受けたが、手続き上の問題として10年も工事が放置されていた建物を工事継続中として、通常の計画変更確認申請を受付して良いものだろうか。

もうひとつの問題として建築基準法を遡及させなくて良いのかという問題もある。この10年で建築基準法の構造規定関係もかなり変更されているから現在の規定に適合させるために検討や再計算が必要ではないか。私なら「建築確認申請の取り直し」だと思うと上記の長崎県の取扱いを添付して回答した。

事業主の都合ではなく建築物の安全性が担保されているかどうかから判断するべきだと思う。尚、工事が完了していないので用途変更確認申請はできない。

この場合、大規模な構造の補強工事が予想されるし、その補強工事は現場施工なのでびっくりするぐらいの工事費が予想される。ましてや構造適判が必要ならひとつひとつ厳密な検証が要求され設計者としてはとても手間がかかり、とりわけ構造設計者から泣きが入るだろうと思った。ようするに新築設計の場合の報酬額では出来ないのだ。

フルリノベーションに関わるなら手続き上の問題や建築基準法の遡及。それらが工事費=事業費に大きく影響することは、初期の段階で綿密に予測しておいた方が良いだろう。

「自由とは、必然性の洞察である」(F.エンゲルス)

45年前に読んだ本の1節がふと脳裏に浮かんだ。

コンクリート内部探査機

先日の既存建物の調査で、コンクリート非破壊検査会社が持つて来たコンクリート内部探査機・鉄筋探査機が優れものだった。

 

GSSI社 ストラクチャスキャンSIR-EZ XTという機械。

鉄筋コンクリート構造物内の鉄筋・電線管・空洞・ジャンカ・ひび・クラックの位置や深度、かぶり厚を正確に探査可能な一体型電磁波レーダ方式のコンクリート内部探査機器(鉄筋探査機)。

なんと400万円/台するらしい。能力はハンディサーチ型のものとは雲泥の差。

上の写真は見本だが、ダブル配筋で300ピッチ、かぶり厚もかなり正確な数値。

かぶり厚の調査は今までコンクリートを微破壊して確認していたが、躯体を多少なりとも傷つけてしまう問題があった。こういう優れた機器が登場してきて調査費もコストダウンできる。

既存建物の調査の度に、コンクリート非破壊検査や超音波探傷検査の技術者の人達に教えてもらう事が多く、調査は楽しい。

KEYTEC

「RC耐震診断基準の改訂等を踏まえた 2017年改訂版実務のための耐震診断・補強設計マニュアル」講習会

東京都建築士事務所協会主催の「RC耐震診断基準の改訂等を踏まえた 2017年改訂版実務のための耐震診断・補強設計マニュアル」講習会に参加して来た。

今年、日本建築防災協会の「既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準」が実に16年振りに改訂されたが、この改訂を踏まえたマニュアルとなっている。

都内では、東京都建築士事務所協会+日本建築構造技術者協会+耐震総合安全機構の三団体が協力して東京都条例「東京における緊急輸送道路沿い建築物の耐震化を推進する条例」に対応したところの「三団体耐震診断マニュアル」を作成し運用して来た。

東京都では、緊急輸送道沿道建築物の旧耐震建物約4700棟の耐震診断が完了しているという。その内、事務所協会が担当した2012年1月から2013年3月に耐震診断確認1000棟から浮かび上がってきた課題に基づいた見直しが図られている。

「理論→実践→課題→理論再構築」は、実務者団体だからこそ素早く対応できるのではないかと思っている。16年も改訂しないなんて信じられない。そういえば東京都建築事務所協会「構造設計指針2010(オレンジ本)」も増改築・用途変更に関わる構造部分は、そろそろ改訂してもらいたいものだと思っている。

弊社が関わる耐震診断はリノベーションに伴うもので多くは民間建物だが、実に様々な構造種別や架構形式に出くわす。最近は比較的小規模で完了検査済証の無い鉄骨造の増築や用途変更が多いので、鉄骨造の補強方法について苦慮する事がある。毎回色々な課題が浮かび上がるから大変だが、それが楽しいのだからやめられない。

先人曰く、知恵はタオルを絞るがごとく絞り切らないといけないらしい。

「RENOVATION CASE STUDY BOOK 2」

リノベーションは建物単体の再生にとどまらず、街の活性化、コミュニティーの再生にも大きな役割を担っている。

「リノベーション ケーススタディブック 2」は、全国各地の店舗、文化施設、オフィス、宿泊施設、住宅の38の事例を紹介している。

巻頭特集は、リノベーションによる街の活性化に取り組む北九州市小倉、尾道市旧市街地、長野市善光寺門前を取り上げコミュニティ再生におけるリノベーションの役割、成功の秘訣を探っている。

既に見に行ったものも多く紹介されているが、遠方の為 中々行く機会がない兵庫県の豊岡・城崎温泉・出石に出向きたいと思った。

久しぶりに新宿三丁目

ずっと仕事に追われていて映画を見に行く時間が取れなかった。絶対これだけは映画館で観ておきたいと思ったものがこのところ少なかったのが理由でもあるが。

巡り巡って依頼される「検査済証の無い建物」の増築や用途変更。

建物は小規模だけど次から次と相談が舞い込む。

相談、現場下見、役所打合せ、詳細調査、報告書まとめ、申請とスケジュール管理が慌ただしい。

今日は朝まで仕事をして昼まで寝て、気晴らしに映画を見に行った。

新宿三丁目のシネマート新宿でしか上映されていない2016年韓国でヒットした「密偵」を観に行った。ソン・ガンホ、コン・ユ、イ・ビョンホン、ハン・ジミン、鶴見慎吾と豪華配役。監督はキム・ジウン。

朝鮮総督府・日本警察 対 義烈団を描いた韓国民族主義的映画あるいは反日映画。

密偵オフィシャルサイト

私はソン・ガンホが好きで彼の主演映画は外さないで観ている。この映画でも流石の演技力を見せてくれている。

映画を見た後は、何だか韓国料理を食べたくなりチゲ鍋を「辛い」「旨い」と言いながら汗かきかき食べて、伊勢丹地下の食品売り場を覗いて歩いた。

映画館と伊勢丹しか行かないけど、新宿三丁目に行った気になる。

そいでもって また朝まで仕事。

今 4時半。

 

羽田新ルート

【画像は国交省サイトより、好天時の飛行ルート】

あまりメディアでは取り上げないせいか、羽田空港への新飛行ルートによって豊島区上空も新ルートに入ることを最近知った。

新宿・渋谷上空での飛行高度は3000ft(915m)、それよりも飛行高度が低くなる目黒・品川・大田区では瞬間騒音・落下物による安全性・不動産価値の下落等に対する不安が住民の中で起きているようだ。

羽田空港の機能強化という名目に依る増便よって、住戸の防音対策はどうするか。今関わっている飛行ルートに近いマンション計画で問題になった。

国交省が発表している騒音予測マップでは、大田区の一部のみ住宅防音対策が必要になる「W値75以上」との予測だが、実際にはどうなるだろうか。

飛行頻度も増加するし既存住宅・マンションやこれから建てる建物も防音対策を考慮しなければならないのではないだろうか。

羽田新ルート(国交省)

羽田新ルート・グーグルマップ

七五三

今日は孫の七五三でした。

長女夫妻が結婚式を挙げた東京大神宮で御祈祷をしてもらいました。

 あっという間にもう三歳

乳児から幼児になりました

つまみ簪は、爺と婆からの贈り物

来年4月から行く幼稚園が決まりましたが、子育て環境は質の面で悪化するばかりだと思います。国交省が保育園の採光緩和のパブコメ募集をしていますが、何だか事業者の視点で、子供達の視点に立っていないように感じます。やがて地下室でも保育室が良いことになりそうです。現にそう要望している自治体はあるようですが・・

カンファレンス(研究会議)

5年ほど前になりますが私が手術の為に入院した時。大学病院ではチーム診療ということで多くのドクターが診てくれましたが、その中の主治医以外のドクターから、2回の手術後集中治療室から一般病棟に戻ってしばらくしてからですが、手術前に医局のカンファレンスで私の手術方法等を色々と検討したと聞いたことがありました。

そういえば、毎週のように病棟の狭い会議室にドクター達が集まってカンファレンスをしていたような記憶がありました。医療の世界では、集団的に症例研究や手術方法を検討する会議=カンファレンスをするんだなあ~とその時は、そんなに気に留めてもいませんでした。

実際のカンファレンスは「ドクターX」のような、形式的で仰々しいものではなく、色々な意見が飛び交い若い医者には実践的な勉強の機会だと聞きました。

最近お付き合いがある弁護士事務所は、老若男女三十人弱の弁護士が所属している事務所ですが、やはり定期的にカンファレンス(研究会議)を持ち、最新の事案解決事例や裁判事例を共有し、各弁護士が常にスキルアップする機会を作っていると聞きました。

建築の世界では、仕事の忙しさにかまけてカンファレンスがあまりできていません。一般的な組織ではどうしても対等な関係でなくヒエラルキーが強すぎて議論が成立しづらいのかも知れません。

以前勤めていた設計事務所でも月に1回、設計(意匠・構造・設備)や工事監理を含めた係長職以上三十数人が集まる会議がありました。会議の本来の目的は、個々のプロジェクトの進捗状況や問題点を議論するカンファレンスでしたが、実際は半日ぐらい社長の独演会でした。しかも毎回同じ話を聞かされていました。社長がヒートアップするとプロジェクト担当者に向かってペットボトルが飛ぶような会議でしたが、今になれば昔の同僚達との酒のつまみになる程度の思い出しかありません。

近年は、他の専門家と連携を取りながらする業務が増えてきています。

実際、弁護士から依頼や紹介による建物調査や建築トラブルに関してのオピニオン等も増えてきていいます。

現在は、ほとんどの業務で他の一人事務所や少人数事務所との連携が増えてきているのですが、それらの人達とカンファレンス(事例研究)を、定期的に開催していく必要があると強く思っているところです。

「ゴールデン カムイ」野田サトル

仕事に煮詰まってくると昔から漫画をよく読んだが、最近読み終えたのは「ゴールデン カムイ」第11巻まで一気に読み通した。仕事では、徹夜は出来ない年齢になったが、面白い漫画だと まだ徹夜が出来るようだ。

実によくアイヌ文化について書かれていると思う。猟、食事、言葉など アイヌ文化を紹介する一級の資料になるのではないだろうか。

大学の卒業設計の背景としてアイヌ文化や北方民族の文化、住居(チセ)について調べた事があった。

ゴールデンカムイの中でもアムール民族が北海道に流れてきてアイヌに成りすましていると描かれているところがあったが、北海道には環オホーツク文化圏のような広い枠組みでの文化的・経済的交流があったように思っていた。

卒業設計は「環オホーツク文化圏に位置する芸術家コロニー」という立原道造の卒業設計「軽井沢の芸術家コロニー」をパクった。

もう40年以上も前だ。

デザインは拙かったが、文化的背景が良く書かれていたせいかメダルを貰った。

ゴールデンカムイを読んで昔のことを思い出した。

ゴールデンカムイをアニメ化すると発表されたが、原作に忠実だと映倫R15指定かな。

ゴールデンカムイ

 

「小学8年生」第4号

娘が買ったけど読むかと言われたので貰って来た「小学8年生」。新感覚全学年対応雑誌とある。孫の為に買ったと言うが さすがに早いだろう まだ3歳だもの。

しかし この雑誌、大人が読んでも面白いのだ。

「大昔の日本大調査」という特集では、縄文遺跡全国マップ、縄文食の作り方、縄文時代の土偶と古墳時代のはにわが対比されている等盛りだくさん。読んで楽しい為になる本。

手作り土器セットとして粘土が付録でついていた。さて何を作ってみようか

株式会社 協立建築設計事務所 破産手続開始決定

今日は 午前中から衝撃のメールが飛び回った。

一般社団法人 日本建築士事務所協会連合会の会長・大内達史氏が代表取締役をされている株式会社 協立建築設計事務所が本日(平成29年10月25日午前10時)東京地方裁判所において破産手続き開始決定がなされ倒産したと言うニュース。

日事連会長の事務所が倒産するとは前代未聞。

知人が勤務しているが、以前から幾度なく給与が遅配になっていたと聞いていた。今日も給料日だったのに・・・。

かっては200人を超える設計事務所だったが近年は段々と小さくなり1/10以下の所員数になっていた。歴史がありマンション関係が得意な事務所。

累積した借財が多かったのだろうか、残務整理が大変だ。ホームページはすでに閉鎖されている。

破産管財人弁護士 梶谷総合法律事務所・岡正昌弁護士

台風一過

台風一過 久しぶりの青空が広がった東京

港区役所の前の公園

ベンチに座ってしばしの休憩

プリンスホテルと東京タワーを眺めるのが好きです

日比谷通りと港区役所前の道路との間のこの公園には

芝公園8号地という名前があるらしい

そういえば台風のよう衆議院選挙が終わりましたね。

「街場の天皇論」内田樹著

「ぼくはいかにして天皇主義者になつたのか・立憲デモクラシシィーとの共生を考える待望のウチダ流天皇論」と表帯に「今の天皇制システムは政権の暴走を抑止し、国民を統合する貴重な機能を果たしている。」「国家には、宗教や文化を歴史的に継承する超越的で霊的な「中心」がある。日本の場合、それは天皇である。」「今上天皇は選択された血縁者のみではなく、すべての死者を背負っている。」「日本のリベラル・左派勢力は未来=生者を重視するが、過去=死者を軽視するがゆえに負け続けている。」と裏帯にあります。

日本では、古代から統治システムとしてヒメ・ヒコ制をとっていました。

「ヤマト王権が成立する前後の古代日本では祭祀的農耕従事的女性集団の長(ヒメやミコ、トベを称号とした)と軍事的戦闘従事的男子集団の長(ヒコ、タケル、ワケあるいはネを称号とした)が共立的あるいは分業的に一定地域を統治していた。『古事記』、『日本書紀』、『風土記』などの文献には宇佐地方(豊国)にウサツヒコとウサツヒメ、阿蘇地方にアソツヒコとアソツヒメ、加佐地方(丹後国)にカサヒコとカサヒメ、伊賀国にイガツヒメとイガツヒコ、芸都(きつ)地方(常陸国)にキツビコとキツビメがいたことを伝えている。また『播磨国風土記』では各地でヒメ神とヒコ神が一対で統治したことを伝えている。そのような女性・男性の首長はその地の神社の由来となっていることが多い」(ウィキペディア)

それから中世の摂関政治、征夷大将軍による幕府政治にいたるまで祭祀に関わる天皇と軍事に関わる世俗権力者という「二つの焦点」を持つ楕円形の統治システムが続いてきました。この二つの原理が拮抗しあっている間は、システムは比較的に安定していましたが、その拮抗が崩れるとシステムが硬直化し崩壊して来たことを歴史は教えています。

この「二つの焦点」は政治の統治システムだけでなく経営システムにも有効であると考えて弊社もヒメヒコ制を採用しています。

戦前の大日本帝国の最大の失敗は「統帥権」という本来は天皇に属している世俗政治とは隔離されているはずの力を、帷幄上奏権(いあくじょうそうけん)を持つ一握りの軍人が占有したこと。つまり拮抗した祭祀的な原理と軍事的原理をひとつにまとめてしまうとことで日本の伝統的政治文化における最大のタブーを犯し敗戦という巨大な災厄を呼び込んでしまいました。

内田樹氏は「立憲民主制と天皇制」という「両立しがたい二つの原理が併存している国の方が政体として安定しており、暮らしやすいのだ」と説明しています。私も昭和天皇・今上天皇が「象徴天皇」として「霊的権力」「道徳的中心」としてあられた戦後70年が平和的で安定していたと思っています。この「二つの焦点」を単一的な焦点にして大日本帝国に戻したいと言う力が強く働いている現在に抗するには、象徴天皇制についてきちんと考え直さないといけないと思いますが、この「街場の天皇論」は大いに手助けしてくれます。

「排除」ではなく「包摂」と「多様性」こそが日本人のDNAです。

松崎町 -4

松崎港

この日の駿河の海は、とても穏やかでした

この松崎の港から那珂川に沿って街に点在するなまこ壁の商家は、かってこの町が漁業で栄えたことを物語っています。現在は、なまこ壁の民家を町が買い取って保存しているようですが、西伊豆は交通の便が悪いし際立つた観光資源があるわけでもないので地方創生と言っても観光を基幹にするのは難しいと思います。

地方を歩いて思うのは、やっぱりその地域の基幹産業である一次産業(漁業・農業)の再生に力を入れるのが一番の近道だと思います。

自称「建築家」達のインフォームド・コンセントの欠如

インフォームド・コンセントとは「正しい情報を得た(伝えられた)上での合意」を意味する概念です。

特に、医療行為(投薬・手術・検査など)や治験などの対象者(患者や被験者)が、治療や臨床試験・治験の内容についてよく説明を受け十分理解した上で(英: informed)、対象者が自らの自由意志に基づいて医療従事者と方針において合意する(英: consent)ことです(単なる「同意」だけでなく、説明を受けた上で治療を拒否することもインフォームド・コンセントに含まれます)。

説明の内容としては、対象となる行為の名称・内容・期待されている結果のみではなく、代替治療、副作用や成功率、費用、予後までも含んだ正確な情報が与えられることが望まれています。また、患者・被験者側も納得するまで質問し、説明を求めなければならないとされています。

手術を経験した人ならわかるでしょうが、術前に医師から色々と説明を受け大量の書面に患者の署名が求められます。

医療行為の中では一般化しているように昨今は積極的にインフォームドコンセント(説明と同意)やアカウンタビリティ(説明義務)を果たすべきという意識が一般化してきており、建築士の世界も例外ではありません。

住宅業界などでは、仕事のフェーズ毎に建築主に説明し署名・押印が求めていますが、自称「建築家」達は、建築主への説明が不十分で建築主への説明をせず 又了解を得ず施工者に指示し工事をしてしまい、後にトラブルになっているという事を弁護士からよく聞きます。

デザイン志向の強い、自称「建築家」のインフォームドコンセントの欠如は、やがて社会的信用を無くし身を滅ぼします。