松本丸の内ホテル

松本丸の内ホテル

街区の角地にあるレトロな外観のレストラン棟は1937年(昭和12年)に日本勧業銀行ビルとして建設された。2003年には銀行としての役目を終えホテルの施設の一部として保存。モダンな内装にリノベーションされ2007年には登録有形文化財に指定された。現在レストラン、バンケットホール並びにウエディング会場と利用されている。

隣のホテル棟とはエントランスホールでつながっているが棟別増築のようだ。お互いに庇をオーバーラップしている。

ホテルフロント

写真は2021年10月

未来コンビニ

徳島県の山奥・那賀町木頭に出来た「世界一美しいコンビニ」

俗に限界集落・人口1000人

立体トラスとガラスのシンプルなんだけど美しい「コンビニ」。こんな田舎で物販店の経営が成り立つのだろうかと一般的には思うのだけど。

一方的に物を売るだけでなく、地域の人達の欲しいものを聞きながら、商品を提供している様子が伺える。地域の人達と一緒に作るコンビニというところか。

徳島市から車で二時間半と聞くが、ちょつと見に行きたい。

ロボ家具

福岡県大川市「大川家具」のコマーシャル動画

見た目はいつもの家具だけど、動いたり、止まったり、子供達の遊具になつたり、おうち時間を楽しくします。

「職人MADE 大川家具」のコンセプトには次のように記載してあります。

「職人とは、熟練した技術を持つ人である。職人とは、こだわりを持ち最後まで諦めない人である。職人とは、変化を恐れず挑戦しつづける人である。職人とは、使い手を想う温かいまなざしを持つ人である。家具づくりに携わる全ての人が”職人魂”を持つ。職人がつくる良質な家具、大川家具」

「猫家具」もあるよ。

神社声援

初詣は、恒例・大塚天祖神社

妻が初詣でにぎわう境内の出店で見つけた「神社声援」(ジンジャエール)。当て字だけど考えた人を声援する為に2本購入。

まだ飲んでないので、味はわからない。

神社を声援するのか、神社が声援してくれるのか。どちらにしても御利益がありそうだ。

大塚天祖神社は、旧巣鴨村総鎮守とはいえ600年以上この地で維持されてきた。地域の神社を守ってきた人々に尊敬の念を込めて、お参りして来た。

新年のご挨拶

新年、明けましておめでとうございます。
平素はご愛顧を賜わり、厚く御礼申し上げます。

旧年中は、多大なるご尽力をいただき、誠にありがとうございます。
2022年も、より一層のご支援、お引立てを賜りますようお願い申し上げます。

本年も宜しくお願い申し上げます。

株式会社 寺田建築事務所

「日本建築集中講義」藤森照信・山口晃著

藤森先生と山口画伯の掛け合い漫才のような珍道中ならぬ建築史講義。2013年に淡交社から出版された単行本が。今年8月中公文書から文庫版で出された。写真は淡交社版。

古くは法隆寺に始まり、新しくは聴竹居の全13回と文庫版では「平野家住宅」が特別収録されている。

この本の中で、近くに行くのに見に行けないのが、京都大山崎の「聴竹居」(ちょうちくきょ)。昭和初期のいわばエコハウスの先駆けと言われている建築。施主の藤井厚二は、モダニズムと数寄屋が両立するデザインを追求し、自然エネルギーを生かした住まいを完成させた。

聴竹居の存在を知ったのは学生時代、卒業設計に着手したころではなかっただろうか。その頃のテーマは「エナージー&フォーム」(エネルギーと建築形態)で、いまでもそれを引きずっている。

あれから半世紀近くになろうとしているのに京都や大阪には幾度となく行くのに見に行けないでいる。冥土の土産に一度は行かないと。

さて、藤森先生と山口先生の視点は 流石に面白い。

それぞれ懐かしい思い出が呼び起こされる建物が題材になっている。京都「角屋」は文化財保存修理の最中に今は亡き田中文男さんらと見学する機会を得た。横浜の「三渓園」は、横浜の設計事務所の頃、所員とその妻が全員招待されて懐石料理をいただいたこと。西本願寺飛雲閣を見る機会を得て、その頃「日本の屋根」について書いた論考を見た師・伊藤ていじから激励の葉書が来たこと。

実際に見た建物からは記憶が呼び起こされてくる。恐らく建築というのは記憶を封印する装置なのだろうと。

「デザインサーヴェイ図集」伊藤杏里編著、中山繁信・最勝寺靖彦・笹原克・井上洋司共著

研究室に入室が許可され、この本に掲載された倉敷・海野宿の図面・ 集落実測調査の原図を見てぶつたまげた記憶が蘇ってきた。

私が伊藤研究室に入室が許可された頃、伊藤ていじは学長兼理事長の時期で、極めて忙しかった。前年に倉敷川畔の伝統的建造物保存地区関係の研究はほぼ終わっていて、助手の中山繁信さんは既に大学を去り、この本の共著者である最勝寺・笹原・井上の諸先輩は既に大学院も終了し伝説の人達だった。

伊藤研究室・515Aは、工学院大学新宿校舎の今は超高層ビル校舎に建て替える前の旧校舎にあり、許可願いを出せば泊まり込みが出来た。これらデザインサーヴェイの原図を見続けた日々。貧乏学生だったが好奇心は旺盛だつた。

「一に掃除、二に体力、三に忍耐」伊藤研究室のモットーが懐かしい。挨拶と掃除には厳しかった。

樹木の書き方、葉の表現、建物の陰影の付け方(陰影をハツチで4段階に描き分ける)等を知った。烏口は既に過去の文具でロットリングを使っていたが、輪郭線は0.5mm、表示線は0.3mm、ハッチングは0.1mmと使い分ける事等も知った。ロットリングの0.1mmは良く詰まり、貧乏学生には辛い出費だった。

伊藤研で見知ったドローイング技術で設計課題も作成するものだから、「伊藤研らしい図面表現になってきた」と冷かされたりもした。

今、こんな思い出を語ってもデジタル世代には、そんな50年前のアナログ図面と馬鹿にされるかもしれない。私から言わせるとCADだって もっと表現力豊かな図面は書けるはずだと言いたい。

数年前 古民家調査をしているという若い設計者に伊藤ていじの名前を出しても「知らない」と言われた。彼が勉強不足なのか、先生が忘れられた存在になったのか。ちょつと寂しかった。

この本がきっかけで、デザインサーヴェイや伊藤ていじが、もう一度光を浴びることがあればいいのだが。

編著者の伊藤杏里さんは、伊藤ていじの息子さん。私の学生時期には、東大を出て鹿島建設に入社したての頃だったと思う。この本で父親の事を語っていて、先生がアメリカから幼い息子に送った絵手紙を始めて見た。先生も父親だったんだ。

伊藤研究室は、どちらかというと歴史系の研究室だが、私の年度は卒業設計メダル組を多数輩出しデザイン系研究室を凌駕し面目躍如だつた。

「ナンバーワンをめざせ、さもなければオンリーワンになれ」

「今の流行に追従するのではなく、人のできないこと、やらないことに目をつけることだ」

なんだ、先生の教えを守って生きているぞ。

「孤独の愉しみ方・森の生活者ソローの叡智」ヘンリー・ディヴイッド・ソロー著

もう随分と前の本だが、時々この本を読み返す。

孤独が寂しいとかではなく。たぶん疲れた時

ひとりになって自分を見つめ直すとき、この本に書かれている言葉に目が行くが、

その時々で気になるフレーズが変わる。

「孤独には力がある」

「風向きが定まらないこの世で 生き抜く方法が一つある。すべてを簡素にしておくことだ」

「予定通りに進まないかもしれない。でも正しい目標があればいい。」

「弱者や少数派を守れない政府は、もはや政府とは呼ばない」

「なぜ貧しいのか。それは、家という常識にからめとられているからだ」

「仕事とは何かをやりとげるためにするものだ」

今日のシンプルライフの原典とも言われるこの本。150年もの間、アメリカで読み続けられてきただけのことはある。

「聲の形」(こえのかたち)

つい最近アニメーションを見て、続けてコミック(全7巻)を読んだ。

アニメーションは2016年に山田尚子監督で京都アニメーションが作成した大ヒット作で、これはNET FLEXで見た。

ヒットしていたころから5年も経ってから知り、とても感動した。

自分の経験から若い時も今も「つながりたいけどつながらない。伝えたいけど伝わらない」という経験は多い。多分普遍的なテーマなんだと思うが、つながったと思った時のほっこり感に年齢は関係ないものだろう。

「聲」という漢字が魅力的だ。

この「聲」という文字は「声」の旧字体(1945年までは使われていた)で、耳(みみ)と殸(けい)という2個以上の漢字が合成されて違う意味を持つ「会意文字」

聲のつく言葉として

「磬鍾」(けいしょう)とは、「磬」と寺の鐘楼に吊るされている鐘を意味する。

「磬声」(けいせい)は、「磬」を打ち鳴らして出す音のこと。

「編磬」(へんけい)は、磬を何枚も並べて作った楽器。

「磬折」(けいせつ)は、くの字の形状をした「磬」のように、体を曲げてお辞儀をする様子を表現した漢字。

「馨香」(けいこう)は遠方まで香りがすること

「馨聞」(けいぶん)は世間の批評が良いことを意味する。

「聲」の訓読みは「こえ、こわ」で、音読みは「しょう、せい」。もともと耳と石でできた打楽器「殸」を打って音を鳴らす意味。

「すごい平屋」

エクスナレッジが60軒以上の平屋住宅を徹底解剖し編集した本。

妻が面白いよと言って置いて行った。

以前から「終の住まいは、小さくても平屋の家」という希望を我が家のクライアントから聞いているので、またもや、さりげないプレッシャーかと思っていたが、パラパラとめくってみると中々面白い。

外部空間とのつながり、機能的な動線計画、コスト、温熱環境、耐震性や防犯性などカテゴリー別に整理されている。しかも実際に出来上がった住宅の写真やイラストが多いので、住まいを考えている消費者や建築のプロにも役立つ内容が豊富に書かれている。こうしたターゲッドユーザーの範囲の広い本は中々工夫がいるが、成功している本だと思う。

何しろ妻がこの本を見つけてきたのがヴィレッジバンガードだから。

これまで階層では平屋、2階建て、3階建て。形式的にはマンション、アパート、戸建て等異なる住まいで暮らしてきたが、確かに叶うなら平屋が一番だと思う。

『田根 剛 アーキオロジーからアーキテクチャーへ』

先月末「帝国ホテル 東京 新本館」のデザインアーキテクトに田根剛氏が選定されたが、この本は、その田根剛氏へのインタビュー本で2018年にTOTO出版から出版された。

サッカーから建築へ。夢と希望を携えて日本を飛び出し、いつしか建築家に。
記憶へのリサーチ、意味の探求、チームを率いること。今注目のまとである若手建築家・田根 剛氏の独占インタビュー。

建築家を志したきっかけから、「エストニア国立博物館」など話題のプロジェクトの背景、設計思想、そして未来への思いが、ジャーナリスト・瀧口範子氏のインタビューから率直に語られている。田根氏の人間像がひも解かれた本書は90頁ばかりの本ながら濃密な内容になっている。

田根剛氏の「弘前れんが倉庫美術館」。

見る前は、さほど期待していなかつたが、実際の空間を体験してみると「記憶の継承」というリノベーションの神髄を味わうことができた。

過去の部材の持つポテンシャルを引き出し、展開し、新しい意味付けをされている。とても42歳の作品とは思えない。

ヨーロッパを拠点に活動している人は、リノベーションは流石に上手だ。薄ぺらな保存修景等ではなく、まるで壮大な時間軸の中にいるようだ。

舗石の煉瓦の面取りの違いだけでこんなにも見え方、表現が異なるものかと学ぶことができた。また建築全体のディテールが非常にしっかりしている。

4代目の帝国ホテルには期待している。

「燃えよ剣」司馬遼太郎著

司馬遼太郎の「燃えよ剣」が映画化。15日に封切りしたが、映画を見に行けてない。

岡田准一も好きだしな。

ちょつと前に原作本を読み返していた。

主人公は副長・土方歳三だが、私は土方歳三が好きだ。

新選組は佐幕だが、劣勢になっても最後まで筋を曲げない立派な生き方を貫き尊敬している。

自分を勘定に入れない潔さが感動を与え学ぶ事が多い。

本の中では「節義」という事が書かれている。「節義」の意味は「節操と道義。人としての正しい道を踏み行うこと」

「節義とは古今不易のものだ」と。

VOICE PROJECT 投票はあなたの声

いま、日本の選挙投票率は、約5割と言われています。
「一票じゃ、何も変わらない」と感じている方も多いのかもしれません。
けれど、これまでも、一票の集まりで、わたしたちの社会は決められてきました。
Your Vote is Your Voice.
あなたの一票は、あなたの声です。

もしも、共感いただけたら、
ぜひ、この動画に#わたしも投票します をつけてSNSでシェアしてください。
そして、投票しましょう。

(これは、いっさいの政党や企業に関わりのない、市民による自主制作プロジェクトです。)

発起人:関根光才 菅原直太 大越毅彦

出演:秋元才加 安藤玉恵 石橋静河 小栗旬 コムアイ 菅田将暉 Taka 滝藤賢一 仲野太賀 二階堂ふみ 橋本環奈 前野朋哉 ローラ 渡辺謙

制作協力:阿部えりか 石坂拓郎 上野千蔵 遠藤凌 柿木原政広 かけいなみ 鎌田恵 島村佳孝 清水天務仁 タクー・イザック祐亮 田代矩子 中里未央子 長谷川将広 濱野翼 林拓馬 福田浩之 藤尾明日香 増田幹 三井明子 宮下誠 李花 李桃 脇田祐介 渡辺伸一朗

お問い合わせ:https://qr.paps.jp/77vDt

「遊戯施設技術基準の解説」

ある建物の中を上下に移動する施設を、建築基準法上は「遊戯施設」として取り扱うことになり、自分にとって未知の領域であった「遊戯施設」の技術基準を学習した。上記は2018年版で、もうひとつ十数ページの薄い冊子である「2020年追補版」もある。

指定工作物である遊戯施設は、令第138条第2項第二号で「ウォーターシュート、コースターその他これらに類する高架の遊戯施設」第三号で「メリーゴーランド、観覧車、オクトパス、飛行塔その他これらに類する回転運動をする遊戯施設で原動機を使用するもの」が指定されている。

何しろ遊戯施設には、知らなかったカタカナ名称がいっぱい出てくるので面食らった。

例えば「オクトパス」。円周運動が「ローターのものほど大きくないが、客席部分が回転運動とともに昇降運動を伴う遊戯施設。客席の傾斜角度は30度以下。

「マッドマウス」。比較的高速で軌条を走行する乗り物で、水平及び垂直方向に旋回及び昇降に変化を持たせた軌条を走行するもの。

文章を読んだだけでは何だか良くわからないが、この解説書は写真がついているので何となくわかる。

随分と前だが、ディズニーランドのジェットコースターに乗り、気持ちが悪くなったことがあるので、遊園地などに行っても施設には乗らないようにしていたので、今一つ商品知識が乏しい。

詳細な技術については、勿論遊戯メーカーさんにお出ましいただくようになるのだが、今回は新しいタイプの「遊戯施設」。法律上は「これらに類する」ものなので、安全性等色々と知識を得ておく必要がある。

まだまだ未知の領域は多いなぁ~。

「つながる美術館」宮崎浩+プランツアソシエイツ編著

2021年4月にリニューアルオープンし館名を信濃美術館から長野県立美術館に変更した。

その長野県立美術館の設計から完成までのメイキング・ドキュメント。ほとんどが関係者へのインタビューでまとめられている。

この建物は、善光寺本堂への主軸線と隣の東山魁夷館との軸線という二つの軸線を持つ。そして周辺との高低差10mを読み切っている。もともと「ランドスケープ・ミュージアム」というのが このプロポーザルの発注者側のテーマであるが「つながる」美術館というコンセプトで見事に解決している。

この美術館のプロポーザルで、宮崎さんは屋上から善光寺本堂への軸線のパースを書いた。普通は外観イメージを書いてしまうものだが、そうでないもので勝負している。

プロポーザルで限られた図面に何を表現するのかというのは、誰しも悩むところ。

谷口さんの東山魁夷館とカスケード(水庭)を介して独立しているので、それぞれの建物が魅力的に見える。この配置上の距離感は絶妙。

しかもこのカスケードは落差があり、霧の彫刻を展開する中谷美二子氏の「霧」が不定期に現れる。

山肌を覆う霧や雲のごとく。

とても楽しい空間に包まれる。

街路を歩くように美術館の中をめぐることができるので外部空間や内部のカフェ、アートスペース、ミュージアムショップと「つながる」ことができる。

とにかく見どころ満載の美術館。

「日本最古の災害文学 漫画方丈記」鴨長明 漫画:信吉

「ゆく河の流れは絶えずして しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのこどし」

 その昔、国語の教科書に書かれていたように記憶するこの一節。爺(jiJii)になって読み返すと中々味わい深いものがある。

 大学時代、確か先生から「方丈の庵」の事を聞いた。方丈とは一丈四方のことで約3m四方・四畳半から六畳ぐらいの広さで高さは7尺たらず。土台を組み簡単に屋根を葺き、桁・柱の継ぎ目は掛け金で留めただけ。別の場所に建て直そうと思っても移動は簡単。庵の建材を全て積んでも荷車二輌で足りる。究極のシングルルーム。モバイルハウスだと教わった記憶が蘇ってきた。

 しかもこの方丈の内部空間を「生活の間」「仏道修行の間」「芸術の間」に分割して利用しており、必要最低限のものがあれば快適な暮らしができると。

「どんな家が欲しいか」ではなく「どんな暮らしがしたいのか」と時折考えるようになったのは、今思えば鴨長明の「方丈記」に依るところが大きいのかも知れない。

「方丈記」が時代を超えて読み続けられるのは、日本という災害の多い国で生き続けていくために必要な精神性。鴨長明の「自足の思想」に共感するからではないかと思う。

「人生に本当に必要なものは何か」