「建築設備パーフェクトマニュアル2018-2019」山田浩幸著

「建築設備パーフェクトマニュアル2013」を最新情報に更新し、集合住宅・オフィスビルの解説を付け加えた増補版です。

意匠設計者が最低限押さえておくべき建築設備の基礎知識をまとめていますが、中々実務に役立つ本になっていてこれ一冊で概略は把握できます。

最新の「設備機器導入ガイド」を収録していますから現在の設備機器の傾向もわかるようになっています。結構知らなかった設備機器もあり、勉強になりました。

■目次
STEP1 設備設計を始める前に
STEP2 給排水衛生設備の設計
STEP3 空調換気設備の設計
STEP4 電気・通信設備の設計
STEP5 省エネ機器の導入計画
STEP6 設備図面の読み方・描き方
STEP7 防災・防犯設備の設計
コラム
先分岐工法とヘッダー工法/注意したいガス機器の給排気
加湿・除湿と結露/スマートハウス/オフィス配線
蓄電池の仕組み/ZEHの基礎知識/地中熱の可能性
改正省エネ法の要点
最新 建築設備導入ガイド
エコ関連の設備/設備機器全般

日経アーキテクチュア 専門セミナー「改修で失敗しない素材&技術講義」

今日は、昼から日経アーキテクチュア 専門セミナー「改修で失敗しない素材&技術講義」と題した青木茂建築工房の話を聞いてきました。

青木茂さんといえば建築ストックの再生・活用である「リファイン建築」の生みの親であり再生・活用分野の先駆者でもあります。

青木茂建築工房の皆さんの講義で、調査からデザイン・工事監理までされ、ファイナンスも業務提携していると聞いて セット・メーカーだと感じました。

それに比べて弊社は調査と手続きを主として行うデバイス・メーカーです。何しろ2人だけの事務所ですから・・・。

段々 青木茂建築工房の扱うリファイン建築は規模が大きくなっていますね。

業務の進め方は、弊社とさほど変わらないようで安心しました。

「調査なくして設計なし」という事で調査業務を大事にしているところは、同じベクトルなのでとても共感を持てました。

また アイソメによるわかりやすいプレゼンテーションで大変参考になりました。これからは、弊社もアイソメで説明図を作成しようと思います。

役場の食堂@世田谷区役所・レストランけやき

正式には世田谷区民会館の地階にあるレストラン・けやき

晴れた日には、庭を見ながらテラスで食事をするのが気持ち良い

新しい区役所整備計画では、ここは残るような計画なのだが

レストラン・けやきは、また営業できるのだろうか

今日は オムライスを食べた。

デミグラソースで、スープとサラダ付きで720円

カロリーオーバー

法32条 電気設備

建築確認審査の質疑で「法第32条の電気設備について明示してください」という補正事項がきた。

「(電気設備)
第三十二条  建築物の電気設備は、法律又はこれに基く命令の規定で電気工作物に係る建築物の安全及び防火に関するものの定める工法によつて設けなければならない。」

「建築基準法施行規則第1条の3第4項」では、「法第6条第1項の規 定による確認の申請に係る建築物の計画に建築設備に 係る部分が含まれる場合においては、同項の規定によ る確認の申請書は、次の各号に掲げる図書及び書類と する」と規定されており、表1-(5)の(い)欄に掲げる法 第32条の規定が適用される電気設備がある場合にあっ ては、(ろ)欄に掲げる図書を提出することとなっている。

なお、『正本に添える図書にあっては、当該図書 の設計者の記名及び押印があるものに限る』とされ ている。これにより、常用の電源及び予備電源に関する図 書を提出することとなったので、メーカーの機器仕様書などにも設計者の記名捺印が必要と言われることが多い。

いままで建築確認審査(用途変更)の補正指摘で、法第32条について何らかの記載を求められることが無かったが、確かに法施行規則第1条の3「確認申請書の様式」に「法第6条1項(法第第87条第1項において準用する場合を含む。第4項において同じ。)」とあるから指摘されても仕方がない。

用途変更の場合、既存の施設をほとんど再利用する場合も多いし、電気設備図も書かない事があるが、これからは施行規則をよく読み 注意が必要だ。

南池袋公園

土日ともなれば南池袋公園には、ちいさな子供達が集まってくる。

池袋にこんなに子供がいたのかと思うぐらいだ

今日は天気が良かったので 南池袋公園の芝生の上で御弁当を食べた

滑り台は、いつも大変なにぎわい

開園して1年弱だが、どうやら認知されたらしく人が集まってくる

都心の中の大きな空と芝生は気持ちが良い

平成29年度 国立研究開発法人 建築研究所講演会

今日は、朝から平成29年度 国立研究開発法人 建築研究所講演会に行ってきました。

と言っても、理事長挨拶と「既存住宅の躯体の生物劣化発生確率に関する分析~100棟超の既存木造住宅劣化状況データーベースの分析から」材料研究グループ 上席研究員 槌本敬大氏の研究成果報告を聞いただけで退席し、有楽町で知人と昼食をとりながら打合せをしてから帰宅しました。

万年寝不足のせいか、講演会場の居心地がよかったせいか、槌本氏の発表の途中で多少うたたねをしてしまいましたので、もう一度講習会のテキストを読み返していたところです。

この研究は、2011年~2014年にかけて全国103件の解体直前や大規模な改修を行う既存住宅の劣化状況等を調査したものですが、実は、私も数件この調査に参加させてもらいました。

1件当たり4人ぐらいが調査にあたり、木造躯体を現す前と、時期をあけて木造躯体が現れてからの二回調査をしました。木造住宅の規模(30~40坪)のフィールド調査に8人工をかける。しかも調査員は、ほとんど一級建築士という非常に綿密な学術調査でした。

その結果出来上がったデーターベースに含まれる劣化と変状に関する情報は多岐にわたります。この研究は、本邦の木造建築病理学の体系化に寄与する優れた業績だと思います。

是非、一次資料である一軒一軒の調査報告書を見たいものだと思いました。

 

役場の食堂@港区役所-2

港区役所11階のレストランで食事する時の定位置

東京タワーが正面に見える 窓側の席

いつ見ても東京タワーは美しい

ほれぼれとする

昼食は、たぬき蕎麦といなりずし

ここのたぬき蕎麦は、具材をいっぱい載せてくれるし

麺も出汁も美味しいのです

街で見かけた耐震補強

港区役所から浜松町駅まで歩いていて見かけた耐震補強されたビル

アウトフレームの耐震補強だが外観・景観を意識して

レインボーカラーに塗装している

このぐらいの景観への配慮はしたいところ

 

 

「最近の裁判例で学ぶ建築物の設計・施工における瑕疵ををめぐる法的問題について」

今日は、BELCA(公的社団法人 ロングライフビル推進協会)の「最近の裁判例で学ぶ建築物の設計・施工における瑕疵ををめぐる法的問題について」という大森文彦弁護士のセミナーに行ってきた。

施工者、設計者、工事監理者に分けて法的ルールが説明されていてわかりやすかった。

大森弁護士は、設計者が設計業務を遂行する際、契約ルールとしてどの程度の注意を払うべきかと問われ「受託者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委託事務を処理する義務を負う」(民法第644条・善管注意義務)、「設計業務受託者として一般に要求されるだけの注意」が必要と言う。

また、設計者の善管注意義務違反が問われやすい場面として、「設計の契約的意味は、建築主の要求に基づいて合理的に設計条件を設定し、当該設計条件に基づいて合理的に設計解を出し、それを図書化する作業」とし、「設計受託者には、設計契約上、建築主の要求ができるだけ具体的になるよう(その程度は、内容によっても異なりますが)必要な説明をしたり、要求内容に不合理さがある場合にはそのことを指摘して、説明する義務がある」と言います。やはりインフォームドコンセントが重要なのかなと理解しました。

設計者や工事監理者が工事段階で設計変更をする権限があるのかという問いに、変更権限は原則としてなく、施工者が設計者に設計変更を指示された場合、設計者にその権限があるのかどうか確認する必要があると答えられていましたが、法的に考えるとそうなんだなと納得しました。慣例的に行われている設計行為や工事監理の内容が法的に考えるとどういう意味を持つのか、振り返って考えてみるいい機会となりました。

施工者が、設計図書の内容を審査する義務はないかとの問いに、審査義務はない。設計は建築士の独占業務であるためと答えられていました。たしかに設計は建築士に与えられた独占的業務ではありますが、昨今ではその質・図面があまりに稚拙なものが多く、法的にどうであれ現実的には施工者が内容を審査しないと危なくて工事に着手できないのではと思ったりしました。

昨今は、建築トラブルも多いと聞きます。正確な法的知識を身に着けておくことはとても大事になってきています。

三連休は、現地調査とディスクワーク

三連休初日は、現地調査の立会だった

基礎のコンクリートコアを採取する為に土間コンクリートを斫る

ベースプレートを確認する為、柱脚部のコンクリートを斫り、鉄筋を切る

 以上が2/10(土)

2/11(日)は、別件の調査レポートを一本完成させメールで納品。これまた別件の省エネ届は、最終図面に基づき修正をほどこし完成させてメールで納品。

2/12(月)は、土曜日に掘削しておいたところの基礎のコアを3箇所採取。

それでもって鉄骨の継ぎ手部分を確認。耐火被覆がケイ酸カルシウムt=25だったので簡単に除去でき、鉄骨の状態も吹付ロックウールの場合と異なり、きれいな状態で確認できる。既存図面通りで安心安心。

調査箇所を埋め戻し、掃除して完了。久しぶりに立ちっぱなしだったので足が疲れた。それにしても現場に来るのは年寄りばかりだが、こちらも歳を取ったので仕事の事、子供の事、孫の事等話題は尽きない。

三連休 現場来るのは 爺ばかり

役所巡り

仕事柄か色々な役所に行くことが多い。

調査、打合せ、申請、差替え、受理等々・・・仕事だから楽しみを探してはいけないのかも知れないが、役所やその周辺で行く楽しみを見つけると ちょぴっと幸せな気分になる。

中でも行くのが好きなのが世田谷区役所

前川國男さんの作品に触れることができるから。長い時間ではないが区役所のこの広場でボーっとしている時がある。

だいぶ よれよれにはなったが それでも気品は失っていない。建築から、こういう老人にならなければならないんだぞと言われているみたいな気がする。

それと最近増えた楽しみは、世田谷線松陰神社前のパン屋さん。ブーランジェリー・スドウ ここのパンは他店にはない美味しさ。何時も商品が売れてしまい、種類がまばらな時間帯にしか買いに行けない。

何時来たら全ての商品が買えるのかと聞いたら、午前10時の開店と同時に来てくださいと言われた。

これ以上太ったら死ぬぞと言われているんだっけ、糖質を押えれと・・

パン食いて~。

「ヤマベの耐震改修」山辺豊彦著

今時の本はビジュアルで図が多く、しかもカラーで説明がほどかされていて、とてもわかりやすい。

昨今では、ほとんど構造設計者任せの傾向がある意匠設計者や経験の少ない構造設計者が読んでもらいたい読者層なのかなと思いますが、実際に改修設計に直面した時にとても参考になる事が散りばめられています。

「改修は新築とは異なり、既に存在している建物の状況を読み解必要があります」「多種多様な構法・工法への対応」「主要な構造要素の役割や種類とその特徴を、まずしっかりと理解していなければなりません」「建物全体の構造計画を考える」と著者の指摘が頭に残りました。

住宅関係の仕事は、ほとんど依頼がないが木構造には関心がある。だからと言って木造だけをこよなく愛するわけにはいかない。

軽量鉄骨造、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造(ラーメン・壁式)、鉄骨鉄筋コンクリート造と現代には様々な構法による建物があり、それらが皆 改修上の固有の問題を抱えている。

山辺先生には、是非木造以外の本を書いてもらいたい。

PROJECT-戸塚 木造耐震診断+補強 2017.12竣工

横浜市戸塚区内の生産施設の守衛所です。築55年木造平屋建て49.5㎡の建物の耐震診断と補強設計を担当しました。

守衛所は生産施設の受付=顔でもあり、コントロールセンターでもあります。内部は各種警報盤、制御盤で壁面が埋め尽くされています。

解体新築や内部耐震補強となると設備の移転や一定期間休止する必要があるということでアウトフレーム耐震補強を選択しました。

【BEFORE】

鉄骨アウトフレームだと仰々しい。壁面ブレースだと安っぽいということで、在来木造によるアウトフレーム耐震補強を提案しました。

外部袖壁(W=600mm)を四周XY方向に設け壁量を増設しています。既存の柱に袖柱を添わせて後付け金物で一体化を図りました。

【設計・施工】(株)アセツト・ファシリティーズ

【耐震診断・補強設計】(株)寺田建築事務所+小野雅之

「建築物省エネ法説明会~適判における疑問点と対処法の紹介」

今日は、朝から川越市役所に行き 折り返して永田町へ、午後から「建築物省エネ法説明会~適判における疑問点と対処法の紹介」講習会に参加してきた。地下鉄有楽町線と東武東上線を東西に行き来しているだけなので電車の中で睡眠時間を補えれる。

2017年4月からの建築物省エネ適判は、自分は3件しか経験していないが、建築確認決済に合わせてバタバタと修正し間に合わせたようになった。これから軽微変更や計画変更、完了検査を迎えるわけだが、その経験を踏まえていないので、どういう問題点が発生するのかわかるのはこれから。

夕方 事務所に帰ると、(株)計画・環境建築 代表取締役 澤崎宏氏が今朝亡くなったとの訃報が届いていた。

東京都建築士事務所協会 千代田支部長、工学院大学非常勤講師、工学院大学校友会役員等、数々の公職を勤めている。

彼は大学の後輩にあたるので、会えば働き過ぎだよと注意していたのだが、昨年夏ごろから体調を崩し、入院して闘病していた。暮れに容態を聞いたとき この日が来るかもしれないと思っていた。

無念だろうな澤崎君。

残念だよ 君がいなくなって

合掌

PROJECT-西池袋 ELV増築 2017.12竣工

築26年の鉄骨造3階建て、延べ面積337㎡の1・2階が共同住宅、3階オーナー住宅の建物です。3階オーナー住宅への直通エレベータ-を設置する増築工事ですが、工事完了検査済証が無かったため建築基準適合性状況調査を行い、豊島区に法12条5項報告を提出したあと増築確認申請を提出しました。

平成29年1月26日建築確認済証交付、平成29年12月28日検査済証交付。

お客様の都合で着工が夏頃からとなり、昨年夏の長雨もあり約1年かかって竣工です。

周辺地域は、戦災で被災しなかった地域で、狭い道路の為に大型トラック、クレーン等による搬入出や建て方が出来ないため工事に苦労したようでした。

【写真は、昨年末のもので一部外構工事が未了です】

既存建物の検査済証が無いということでエレベーター増築の申請手続き・設計ができる事務所をずっと探しておられたと聞きました。歳を取られたお母様の為に何とかエレベーターをつけてあげたい。という二人の娘さんと御家族の思いに応えられて良かったと思います。

【調査・申請・設計】(株)寺田建築事務所

【工事監理】濱田直子設計室

【施工】山和建設㈱・新宿区西落合

【エレベーター】パナソニック

東京・雪

1/21昼頃から積もり始めた雪は、日付が変わる頃やみました

今朝の都電荒川線です。

朝から電車は動いているようです

徐行運転で走っています。

昨晩から家の前の消火栓のところだけは除雪していましたが、

北側道路は、結構雪が残りますので除雪が必要ですね。

俳句

中学生ぐらいから文学少年で、とりわけ詩歌(詩・短歌)が好きだった。それがなんで建築の道に進んでしまったのか自分でも良くわからない。

リタイヤしたら俳句の勉強をしてみたいと随分と前から思っていたのだが、リタイアしてからの方が現役時代より忙しいような気がして、中々俳句まで手が回らない。

それでも正月に、夏井いつきさんの本を三冊買った。

パラパラとめくって見ただけだが、俳句の奥の深さを知っているだけに これから本腰を入れて俳句を勉強するのには躊躇している。

TVのプレバトを時々見て、やっぱり日本の言葉は美しいと思っていた。言葉を削って五七五 十七文字の宇宙を作り出すなんてすごい事だと。

日本語もおぼつかない幼児の頃から英語を教えるなんてどうなのかなあと思う。

それでも孫達は、ビデオやテレビを見て自然と英語を喋るから こちらがビックリするし、そういう時代なのかなぁとも思う。

3歳の孫に「cucumber(キューカンバー)頂戴」と言われた時は、それが胡瓜だとは即座にわからなかった。彼女達の世代では、日常の中で英語は普通の言語なんだろうなと思う。

理数系だって古文や漢文、詩歌をたしなんだ方が良いのではないかと思う。

学生時代に 伊藤ていじ先生が 時々漢文で学生に訓示されたが、意味が解らず閉口した。先生のように教養豊かになりたいものだと思っていたが、ついに遠く及ばなかった。

まあ 四の五の言わず とりあえず俳句をひねってみようかな。

川越

真冬だというのに壱輪の薔薇が咲いた。

今日は川越市役所に行ってきた。

帰り道 天気も良かったので札の辻を曲がって旧市街を歩く

川越の街なみに溶け込んだ蘭山記念美術館があった

蘭山記念美術館は、

川越藩松平大和守家の御用絵師、

舩津蘭山(文化5年(1808)-明治6年(1873))

の作品(下絵・画稿)を紹介する美術館。

時間がなかったので外景写真のみ

亀屋で芋菓子を幾つか買った

歩き疲れたので途中でバスに乗る

帰りの電車では 池袋まで爆睡

「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」2017年度版

全国の特定行政庁及び指定確認検査機関等で構成されいる日本建築行政会議(JCBA)が、建築確認審査・検査の適正な運用を図るため、全国的な審査・検査の統一化に向けて検討を進め、2009年(平成21年)に「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」を出版。その後2013年度版と続き、本書は3冊目となる。

この「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例 2017年度版」は、法令等の改正、利用者等からの質疑に対する回答及びその後の部会での検討結果を踏まえ、改訂がなされている。

2013年度版から加筆された項目や変更された文章をマーキングしたのだが、新旧対照表をサイトにでもアップしておいてくれると助かる。

「空洞化と属国化・日本経済グローバル化の顛末」坂本雅子著

建築事務所のブログに経済学の本の読書感想を書くのは場違いのようにも思われるかもしれないが、個人的には若い時から折々につれ経済学の本を読んできた。

今でも新聞の中では、日本経済新聞を一番熱心に読んでいるかな。

思い返せば、経済の影響で人生が左右されてきたようにも思う。高校生時代のオイルショック。バブル経済と収束。リーマンショック等と建築の仕事にも大きな影響を受けてきた。

知人に薦められて、この774頁の大著を年末年始の約2週間をかけて読み通した。

2017年は、日本の電機産業(パソコン、半導体、液晶テレビ・液晶バネル)の総崩れ・敗北が確定した年だった。

知人と「一体どうしちゃったのか東芝は? シャープは? 日本のグローバル企業は、経済はどうなっているのか、これからどうなるのか」そんなことを話していたら この本が面白いからと薦められた。

電機産業も総崩れだが、国内自動車生産も崖っぷちと聞く。日本経済は20年も停滞して来た。世界的に見ても先進国の中で日本だけが停滞している。政府の成長戦略は効果的な対策となっているのかという疑問に、著者は産業の空洞化と対米属国化(従属)によるものと指摘しているのだが、個々の企業活動や日本経済の実態のみならず経済政策や外交・軍事戦略までと総合的に学問の枠を超えた分析をされている。提示された個々の数値に、ここまで日本の企業活動・経済が追い込まれていたのかと呆然としてしまった。

経済学の中では一世を風靡した。今でもかなり浸透している「スマイルカーブ」。縦軸に「付加価値」、横軸に製品の開発・製造・販売の工程をとって図式化すると両端が上がって人が笑った口のように見えることから名づけられたと聞く。台湾のEMS企業・エイサー創始者スタン・シーが最初に言い出した。これが米国の製造業の空洞化に拍車をかけたが、今は技術革新(イノベーション)を生み出すには製造業・生産現場と一体で不可欠という指摘が増えてきている。

この「スマイルカーブ」論は、少なからず日本の建設業や設計業界に影響を与えている。ゼネコンも大手設計事務所も実施設計という図面を作成する工程は、外注事務所や非正規の設計者・ドラフトマンを集めた子会社が担っている。図面の書かない書けない一級建築士は多い。住宅業界は、生産図や申請図は海外で作成しているのは随分と前から。

日本は、いつのまにか「ものづくり」により成長するのではなく、互いにサービスを提供しあうことに依存する経済になりつつある。

 

  • 序章  日本経済と産業空洞化
  • 第1章   日本電機産業の敗北-生産の海外移転が行きつくところ
  • 第2章     自動車産業は空洞化するか
  • 第3章  成長戦略と日本経済-インフラ輸出戦略で空洞化は止められない
  • 第4章  安倍成長戦略と・「日本再興戦略」の本質
  • 第5章     インフラ輸出と「安全保障」の一体化-安倍内閣期のインフラ輸出
  • 第6章 空洞化、属国化の協定・TPPと米国のアジア回帰戦略

とあるように 日本経済の幅広いテーマを取り扱っていて、とても感想を書ききれないが、この本を読み終わって今後の自分のビジネスをどうするべきかはっきりした。

この本は、売れているそうだ。出版3ヶ月で3刷目。

岡倉天心記念学術奨励賞を受賞したとは言え、専門書で6千円もする本なのに。それだけ日本の産業や経済が今どうなっているのか皆 関心があるのだろう。

 

「世界のリノベーション」日経アーキテクチュア編

昨年の暮れに発売された「世界のリノベーション」日経アーキテクチュア編です。

日経アーキテクチュア誌が、近年リポートしてきた国内外のリノベーション事例の中から厳選し、未掲載の写真や資料を加えて紹介しています。

ザハ・ハディド氏の遺作となるベルギーのポートハウスのほか、フランク・O・ゲーリー氏、安藤忠雄氏など、世界の著名建築家による「新築を超える増改築」を多数掲載しています。国内のモダニズム建築の保存再生事例や、技術・法規面を押さえつつ実現過程が詳細に書かれています。

作品紹介にあたり、リノベーションの特徴を示す6つのアイコン「包む」「載せる」「はめ込む」「くり抜く」「つなぐ」「掘る」を付けていますが、良い整理方法だと思いました。

今、小さいプロジェクトだが鉄骨造3階建ての建物に1層増築して4階建てにする「上増築」(しかも工事完了検査済証が無い)の仕事を手掛けています。この本によると「載せる」という範疇になるのですが、幾つか建築基準法の構造規定の既存遡及の壁にぶち当たっていました。現在も知恵を絞り中。

ザハ・ハディド氏の遺作となるベルギーのポートハウス「海に浮かぶダイヤ」が「載せる」の事例となっているが、既存建物とは構造的には切り離しているようです。

五十嵐太郎氏の「リノベ建築史」の視点も重要です。

建築史を俯瞰すれば、「リノベ」は昨日今日流行ったものではなく古来より「再開発」「修景/保存」「再利用」は同じような建築的創造行為であったことが理解できます。

ヨーロッパに行ってきたい・・・。

「設備設計スタンダード図集」ZO設計室

毎年、年末年始に読もうと大量の本を購入するのだが、今年最初に読み終えたのが、この本「設備設計スタンダード図集」ZO設計室・柿沼斉三・伊藤教子共著。

本来は設備設計者を対象としているのだろう、その極意を伝授する内容となっている。

建築ストックの活用・再生を業務にしていると、既存の建物の設備図面を読みこなす力が必要になってくる。名ばかり設備一級建築士なので、専門とする設備設計者に協力を仰がなければならないのだが、自分でもある程度は理解する必要があるので最新の知識は勉強しておきたい。

設備関係の更新が中心のリフォームも多くなってきているが、だからと言って設備設計者だけに業務を任せていれば良いというものでもなく総合的に判断する力量が必要となってくる。

この本の良いところは、オフィスからマンション、公共建築、戸建て住宅と規模と用途の異なる9タイプの事例を掲載していて、それぞれの図面に対して設計の決め方や留意点を記載するなど、きめ細かく解説している点だろう。

とても勉強になった。

今年は どんな年になるだろうか

最近お気に入りの南池袋公園の

FARM & PARK  RACINESでお茶した。

都会でも 建物がないと こんなに空が広い

年末から年始と別に休業というわけでもなく

だらだらと書類の整理とか、

年末に頼まれた仕事のシュミ―レーションをしていた。

それでも4日に役所から電話があったり、仕事の問合せに対応したり

今日、豊島区に年末におりていた検査済証をとりに行ったりしていると

徐々に仕事モードになってきた。

冬空なのに、歩いて少し火照った身体を冷ますため

ジンジャエールを飲んだ

今年は、ここを打合せ場所にしょうか

天気も良く 何事もなく 良い正月だった

今年も忙しいそうな予感がする