ムーミン屋敷の内部です
階段
頂部の屋根部分
暖炉のある、いこいの広場
左側は台所、右側は出入口です
4層以上の建物で竪穴区画がないのです。建築物ではなく、もしかしたら遊具施設かなと思ったりしました。
建築法務/ 建築ストック再生・活用 /長寿命化/ 環境建築 / 建築設計監理 / ㈱寺田建築事務所・一級建築士事務所
最近 歳を取ったせいか怒りっぽいというか挑発的な言い回しになる時がある。
都内の某区の省エネ審査担当者との会話
区「外皮計算の算定根拠となる図面を添付してください」
私「各室別・方角別に外皮計算をエクセルで作成し添付してありますが」
区「どこがどこの部分という色分けして外皮計算根拠がわかる。こちらがチェックしやすい図面を添付してもらっています」
私「平面図・立面図等の添付してある建築一般図で階高や辺長をチェックするのが審査ではないですか。図面に基づく算定根拠は添付してありますから、それでチェックしてください。」
区「算定根拠図がないとチェックできないでしょ」
私「添付した確認申請の図書である建築一般図で充分チェックできるでしょ」
区「皆さんに図面とは別に算定根拠がわかりやすい図を作ってもらっています」
私「何度もそちらの区に省エネ設置届を出していますが、別図を作成しろと言われたことはありません」
区「皆さんに作ってもらっているし、算定根拠図を作成してもらうのは区の方針です」
提出してあるのは2階建て500㎡あまりの建物だが、屋根形状と外皮形状からモデル建物法はそぐわないと思い、標準入力法で設置届を提出してあった。区に提出(受付)してから18日目になって電話がきた。18日経過しても全部の内容は見てないらしい。
私「今年4月に、そちらに別件の省エネ設置届(標準入力法)で提出したときも別図を作成しないさいとは言われませんでしたよ」
区「誰が担当でしたか」
私「え~っと。Aさんです」
区「わかりました。このままの書類でチェックして質疑書を出します。少し時間がかかります」
私「もうすぐ21日経過するので工事着工が伸びてしまいます」
区「受付してあるから工事着工は構いません」
工事着工の21日前に省エネ設置届を出すというのは、要は書類上の形式的儀式なのですね。
以上の会話 音声にすると結構 お互いにエスカレートした口調なのです。
平成26年3月に文科省が取りまとめた「災害に強い学校施設の在り方について~津波対策及び避難所としての防災機能の強化~」を読んでみました。
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東日本大震災では、学校施設は子供たちや地域住民の緊急避難場所又は避難所としての役割を果たしましたが、その中で発災直後から教育活動再開までの間において防災機能に関する様々な課題が顕在化しました。
災害対策基本法の改正(平成25年)において,緊急避難場所と避難所が明確に区別されました。
緊急避難場所:切迫した災害の危険から逃れるための避難場所
避難所:避難者が一定期間滞在し,その生活環境を確保するための施設
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文部科学省では,「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」の下に「災害に強い学校施設づくり検討部会」(部会長:長澤悟 東洋大学理工学部教授)を設置し,学校施設の津波対策と避難所となる学校施設の在り方について検討を行い,報告書として取りまとめたとあります。
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「避難所となった学校施設の利用状況と課題」として、文科省の調査から避難所として利用された施設は「体育館」(70.1%)、「普通教室」(34.9%)、「特別教室」(33.3%)となり、やはり体育館の利用が多かったようです。
次に施設・設備に関しては「トイレ」(74.7%)、「暖房設備」(70.3%)、「給水・上水設備」(66.7%)、「通信設備」(57.5%)、「電力供給設備」(45.0%)、「備蓄倉庫等」(35.2%)、「放送設備」(32.8%)、「避難者の避難スペース」(32.6%)等が指摘されています。
避難所として指定されていても学校施設の防災機能の整備が遅れている現状が浮き彫りされ、それぞれの課題が指摘されています。避難所の指定と防災機能の実態が必ずしも整合していませんが、文科省が平成24年度に「防災機能強化事業」を新設して防災機能の整備に財政支援をし始めたので、徐々に整備が進んでいます。
また、「地域の避難所となる学校施設の在り方」について、災害発生から避難所の解消までの期間を4つの段階に区分し、必要な機能を整理していて参考になります。
日本全国、何時どこで災害が起きるかわかりません。学校施設を含めた避難所の防災設備の整備は、喫緊の課題であると思いました。
株式会社ERIアカデミーは、株式会社建築技術とのコラボレーションにより、建築技術者を対象とした住宅・建築物の省エネを学ぶeラーニング講座“eri-college”を10月1日から開設しました。
株式会社ERIアカデミーのサイトには「開設目的」について、以下のように書いています。
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「1. 開設の目的
建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)に基づく省エネ性能表示努力義務が始まり、大規模非住宅建築物の省エネ基準適合義務化を控えるなど、住宅・建築物の設計者や技術者にとって、省エネ性能に係る知見が重要になってきています。
当該分野に関する情報提供の要請が急増していることなどから、設計者や技術者を対象にした専門家による住宅・建築物の省エネに関するeラーニング講座を開設することといたしました。」
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2020年までには、省エネ基準への適合が義務化され、また標準的な新築住宅がZEH化されるなど、建築・住宅の省エネ性能向上に向けて事業環境が急速に変化しつつあります。省エネは、これからの設計者にとって必須の知識になろうとしています。
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早速 開講されている4つの講座の内、2つの講座を聞いてみました。1講座16分ぐらいで無料で聞けます。グルーバルな視点から語られているのが特徴で、実務に漬かっていると 時々 こうしたグローバルな視点の話を聞くと新鮮です。
歴史的建築物の調査をしているうちに、明治・大正時代の塗装に興味が湧いて読んで見た。
この本では「建築塗装文化史」として塗装の起源から古代、西洋塗料の伝来、明治から昭和までの建築や構造物と塗装、塗装業界、塗装技術について書かれている。
塗装の歴史について、まとまつて本を読んだのは初めてだったので「目からうろこ」の部分も多々あった。
我国では西洋からの輸入塗料を用いた塗装工事が幕末から明治の初めにかけて開始され、塗装工事業が先に確立した。国産塗料製造が本格化するのは大正時代に入ってからだそうだ。
安政6年(1859年)に開港した横浜、長崎、函館、その後開港した神戸、大阪、東京、新潟に進出した外国商社は200社から250社といわれ、なかでも横浜はその60%が進出して活況を呈していた。
明治26年刊「横濱貿易捷径」では塗料を扱っていたと思われる商館は14社、その他「横浜商人録」(神奈川県立金沢文庫蔵)には、4人の邦人ペイント商が記載されているとある。
「明治村における塗装」の章では、塗装資料の検証に役立つ貴重な建物が保存展示されているとあり「三重県庁舎」の油性塗料を用いて高価な木材種の木目を描く「木目塗装」。「鉄道寮新橋工場」の移築前の鋳鉄柱、外壁鉄板、サッシュ等のすべての塗料はイギリスから輸入され、イギリス技術者の指導の下に建設されたとある。もつとも現存建物は近代塗料に塗り替えられている。
歴史的建築物の下地から現れる塗料の被膜。それは輸入品か国内品か、一体どんな塗料で、最初の色は何なのか。ミステリアスな世界が待ち受けている。
妻が買ってきた「Pen」の最新号。
中々 刺激的な建物が掲載されている。
巻頭写真は、ドレル・ゴットメ・田根/アーキテクツ(DGT.)の「エストニア国立博物館」。場所の記憶。滑走路から未来への飛翔。
パラパラとページをめくっていて見てみたいと思った建物は、
ひとつは、藤森照信さんの岐阜県「多治見市モザイクタイルミュージアム」
これは、近々 岐阜県に行く予定があるので是非立ち寄ってみたいと思った。
http://www.mosaictile-museum.jp/
そして フランクゲーリーの「フォンダシオン ルイヴィトン」。
パリ西部ブローニュの森にあるアクリマタシオン公園に2014年に完成した。
写真は、フランク・ゲーリーのオリジナルの外観。
現在は、ガラスの帆に13色のフィルターと白いテープがダニエル・ビュレンによって加えられ「光の観測所」というアート作品になっている。
2009年に日本建築学会論文賞を受賞された、現名古屋大学教授である西澤泰彦さんの本です。戦前、日本帝国の拡大・侵略・統治とともに東アジアに広がった植民地(朝鮮・中国・台湾)には、日本の近代建築から忘れ去られた建築群がありました。
西澤さんは、建築が植民地支配に果たした役割を余すところなく描き出すとともに、近代日本建築史の欠落を埋め、初めて本格的な歴史的評価を示した人です。
この本では、台湾総督府・朝鮮総督府・関東都督府・満鉄・満洲国政府の建築組織とそれぞれのネットワークを明らかにしています。
また植民地建築を支えた建築材料~煉瓦・セメント・鉄に焦点をあて、これら材料の確保の実情を明らかにしています。植民地経済の実態に迫るもので非常に興味深い論考でした。
台湾では、1900年(明治33年)の「台湾家屋建築規則」、「台湾家屋建築規則施行規則」が本土と比べても早く法制化されていますが、それは都市化が急速に進んだという事を示しています。
台湾では、本土より早く普及した鉄筋コンクリート造の建物が普及し、建築後10年程経過して柱、梁の亀裂が入りコンクリートの剥離や脱落が見られるようになり、台湾総督府の栗山技師が調査・研究にあたったと書かれています。その結果を1933年1月刊行の「台湾建築会誌」に「鉄筋コンクリート内の鉄筋の腐食とその実例」という論文にしたと紹介されています。それが日本国内でも注目を集め、台湾で起きた問題は日本国内でも将来起こりえる問題として捉えられ、1936年8月には当時の鉄筋コンクリート造構造の権威であった東京帝国大学教授の濱田稔と日本大学教授の小野薫が台湾を訪問し、被害実態の把握と原因の考究をしたとし、その内容を紹介されていますが、現在につながる鉄筋コンクリートの耐久性の問題は、とても面白かったです。
台湾でいち早く普及した鉄筋コンクリート造は、問題が表出するのも早く、台湾総督府の技師たちは対応策も考えられたにもかかわらず、その蓄積された技術が十分に日本国内の建築技術には生かされなかったようです。
西澤さんは「建築はもっとも雄弁に時代を語る存在である」という村松貞次郎さんの言葉を掲げています。建築を語ることは、その時代を語ることであり、歴史を語ることにつながるという視点はとても大事だと思いました。
2016年1月に市ヶ谷出版から発行された本です。
「これからは既存の建物に手をかけることが主役」という時代認識のもと、建築再生という新分野の課題や実務上の展開の方法を体系的に捉えることを全面的に支えようという意図で編まれたものと書かれています。
大学等の教育機関での「建築再生」の教育方法は、未だ手探りであり、全国的みても「建築再生」の講座がある大学はないのではないかと思います。
個人的には大学等を卒業して一定の実務経験を経た人を対象として「建築再生学」を学ぶ場所を提供した方が良いのではないかと考えています。建築再生のカリキュラムを考えたとき、各個別の項目である建物診断、構造、劣化、設備、外装、内装、法的知識等は何れも基礎的知識がありその上で個別の対応が必要になります。すなわち応用が必要となります。
私の場合は、建築基準法等の法的アプローチで「建築再生」に関わってきましたが、例えばコンバージョンの場合、現在の用途と変更後の用途の、独自の法チェックリストを作成して計画段階から問題点を整理したり、検査済み証が無い場合の手続きを担当し、そこから建物診断や耐震診断・耐震補強業務に関わってきました。
ついこないだまでは、黒子の業務が多く「図面を書かない設計事務所」と言っていたのですが、最近はデザイナーとのコラボレーションのケースや実施図面まで全て依頼されるケースも増えてきました。又歴史的建築物の業務比重も増えてきています。
「建築再生学」を進めていくうえで「建築病理学」も体系的に整理していく必要があると思います。
いずれにしても この本は「建築再生学」を体系的にまとめてあり、「建築再生学」の教科書として利用できる わかりやすい本になっています。
雑誌等に紹介されているリノベーションの事例には、コンクリート躯体を剥き出しにしたスケルトンのものや、既存の断熱材や断熱効果のある天井を撤去してしまったものが散見される。断熱改修どころか、既存建物より断熱性能が低下しているような断熱改悪のような事例もある。
省エネ法では、用途変更(コンバージョン)でも、省エネ法の届出が必要な場合がある。第一種特定建築物(2000㎡以上)の場合で、それ以下の面積や別紙の要件に該当しているものでも意外と省エネ届出は作成提出されていない。なかには、検討して断熱性能指標(PAl*)や一次消費エネルギーが未達成で、断熱材の変更が必要だと告げると工事費が嵩むからと「省エネ届出」そのものを提出しない人もいる。
「届出対象となる特定建築物の修繕・模様替・設備改修の規模一覧表」(横浜市)
弊社が最近関わったプロジェクトで、廃校となった小学校を用途変更して展示場等にする計画の省エネ検討を紹介する。
省エネ3地域で、木造平屋の一般校舎とRC造2階建ての特別教室等部分により構成されている延床面積1800㎡、築23年の比較的新しい既存建築物である。
プロジェクトは基本計画段階の為、今後実施設計に移行した際、内部の平面計画や天井高さ等が変更になる可能性があるため、現存する既存設計図書に基づき、外皮性能指標(PAL*)を算出し、その上でH28省エネ基準に適合するよう外皮性能指標(PAL*)を算出する省エネ改修計画を立てた。
リノベーション時の断熱改修は、施工性や経済性を勘案する他、大規模模様替えに該当しないように法規上の問題も検討しておく必要がある。
既存建物は、木造平屋の一般校舎とRC造2階建ての特別教室等部分に構造的に分かれている為に、外皮性能指標(PAL*)は、別個に計算した。下記に既存建物(学校)及び断熱改修前(展示場)、断熱改修後(展示場)の外皮性能指標(PAL*)を示す。
以上の検証により、既存建物(学校)の木造部分は達成していたが、RC部分は未達成だった。展示場に用途を変更して検証したところ、やはり同じように結果となった。そこで断熱改修は、屋内側からの施工に限定しシュミレーションしたところ、いずれも達成した。実施設計段階では、用途・内部間仕切り・天井高が変更になる可能性が高い為、計画段階では余裕のある断熱改修計画が望ましいと考えている。また今回の検証結果により工事費が嵩む開口部(サッシ・ガラス)の変更は必要ない事が事前に把握でき、コストコントロールに寄与できたと評価された。築年数が比較的新しく旧基準とはいえ一定の断熱材が施工されていたのが幸いし、比較的軽微な断熱改修計画になった。
尚、計画段階では一次消費エネルギーの検討は行っていない。又標準入力法により計算を行っている。
連続テレビ小説「とと姉ちゃん」花山伊佐次のモチーフである『「暮しの手帖」初代編集長・花森安治』(暮しの手帖別冊)を読みました。
「もう二度と戦争をおこさないために、『暮らし』を大切にする世の中にしたい」という思いで「暮らしの手帖」を創刊したという花森安治さん。
誌面の美しさと、言論の自由のため、広告をいっさい載せないという唯一無二の雑誌。
衣食住をテーマに数々のヒットを飛ばした「カリスマ編集長」の軌跡を紹介しています。
実は、「暮しの手帖」も「花森安治」さんも「とと姉ちゃん」で初めて知りました。装丁や誌面デザインがとても美しいですね。大胆な余白と書き文字で、ひとめ見ただけでわかる誌面が心に焼き付きます。
「わたしたちの夢の住まい」
終戦後、都市に住む人のほとんどが戦火で家を失い、粗末なバラック等に住んでいました。焼かれた街になにもなかつたように、家の中にも何もありませんでした。
ないなら作ろ。
それが住まいの記事の始まりだったと書かれています。
1952年掲載された「小さいけれどうれしいわが家・三帖ひと間の家」には、住み手の喜びが溢れた写真が掲載されています。終戦の翌年、中国の奥地から引き揚げてきた女性は、兄の家に身を寄せていたが、間借りをしているのが心苦しく、3帖ひと間にベッド・収納・トイレ・流しのついた7帖・2坪あまりの住まいを建てられました。工事費は8万かかったそうです。
1954年に掲載された「たまのお客より家族の暮らし・六角形の家」は、奇をてらって六角形にしたのではなく、外壁の面積が減り、材料や工費、暖房費を減らせ室内を広く使え地震に強いと言う理由からだそうですが、階段を中心に展開する二階建ての住まいは、とても使い易そうで感心しました。
アドバイスをしていたのが大成建設でホテルニューオオタニ等の設計を手掛けられた建築家の清水一さんと知り、あ~そうだったんだと頷きました。若いころ清水一さんの書かれ本を幾つか読んだことがあります。専門家向けの本ではなく一般の方や若い学徒のために書かれたエッセイ集のような本でしたが、人に向けるまなざしが優しい人だという記憶が残っています。
「暮しの手帖」は、こうした家の実例を数多く紹介し、暮らし方を含めて提案したそうですので、是非バックナンバーを読んでみたいと思っています。現在の建築基準法の成立時期の庶民の住まいは、どんなものだったのか興味深々です。
妻が美容院でながめていて、よく読みたいとあとから買ってきた雑誌。
「絶景・自然」「建築・デザイン」「ホスピタリティ」「美食」のテーマで「奇跡のホテル」を紹介している。ちょっとやそっとで行けないホテルがほとんどであり、永遠にいけないかもしれないが、ここには至極のホテルが紹介されている。
興味深かったのは、イタリア・バジリカータ州・マテーラの洞窟住居を、現代的にリノベーションした「バジリアーニ・ホテル」
1993年に世界遺産に登録された「マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園」の洞窟住居の一角を宿泊施設にリノベーションしてできた全11室のホテル。
ホテルのオーナーは、建築家のジュゼッペ・スターニョ。
一人の建築家が遺産を買い取り、ホテルという体験できる場所を伝えてくれたことに敬意を表したい。
1938年、アドルフ・ヒトラーの指揮の下、第三帝国へと都市計画の進むベルリン。若き日の谷口吉郎さんは、日本大使館の改築監督のため赴任しました。ナチスによって大規模な反ユダヤ攻撃がドイツ各地で起きたいわゆる「水晶の夜」に「うすら寒く、鉛色の空」のベルリンに到着します。それからナチスのポーランド侵攻、独ソ不可侵条約締結の4日後に陸路ノルウェーへ出国、日本へ向かう船で英仏の対独宣戦布告の報を聞くまでの1年弱の激動する政治社会情勢のもとで欧州の建築、人々の暮らしが描かれています。
広島は6日、71回目の「原爆の日」を迎えた。広島市中区の平和記念公園では午前8時から平和記念式典が開かれ、被爆者や全国の遺族の代表、政府関係者、各国代表が参列する。
戦前は、日清戦争(1894-1895)、日露戦争(1904-1905)、満州事変(1919-1931)、日中戦争(1931-1945)、太平洋戦争(1941-1945)と戦争が断続的に継続した。
本田勝一さんは日清から太平洋戦までを「50年戦争」と言ってた。
戦後71年戦争がないということは、すごいことなのだとあらためて思う。
安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから
合掌
原爆ドームの写真は、いずれも2014年3月のものです。
先月中旬、豊島区東池袋の超高層マンション・エアライズタワーのタイルが地上に落下していたのが発見された。その後の調査で24階の外壁タイル2枚が剥がれ落下したものと判明した。
1ヶ月以上経つ現在も地上部分は、立ち入り禁止部分を設けている。
エアライズタワーは、池袋四丁目市街地再開発組合事業でデベロッパーは住友商事、東京建物、伊藤忠都市開発。設計は日本設計。施工は大成・フジタ建設工事共同企業体で2007年(平成19年)1月31日 に竣工した。
地上42階地下2階で、住戸数555戸(計画時)、メトロ東池袋駅に直結し豊島区新庁舎に近接しているうえに、業務棟には豊島区図書館等が入居している。
築9年が経過しているので瑕疵補修期間外なのだろうが、他にも付着力が低い個所がないかどうか、果たして自然経年劣化と言えるかどうかは全面的に調査をしてみないと詳しくはわからないだろう。
なにしろ42階建ての超高層マンション、どこまで調査するか、足場はどうするのか興味津々である。風聞によると調査点検費用は5億円と聞く。通常の修繕積立金では賄いきれないだろうし、大規模修繕費用が足りなくだろう。仮に住民側が全て負担すると一世帯あたり約10万円となる。
入居者住民・管理会社・設計監理者・施工会社で責任の所在を巡って議論沸騰していることであろうと推測される。
マンションの瑕疵が見つかった場合、住民は売り主の瑕疵担保責任を問うことが多かったが、この最高裁判決以後は原則20年間、設計者や施工者の不法行為責任を直接問うことができる。
外壁タイルの落下は、しばしばあるだけに設計監理・施工は悩ましい問題だ。
今、戸建て3階建ての建物に住んでいる。1,2階がほぼ事務所、3階が寝室なのだが夏場は猛烈に暑い。エアコンを1時間後ぐらいに切るようにタイマーを設定して寝ると夜中に汗びっしょりになつて目を覚ましてしまう。それで1階事務所の床で寝るようにしたら、上階の冷気が階段を通じ降りてきて快適に寝れるようになった。
自分が設計した家ではないが、木造3階建ては階段竪穴区画が免除されている為か、あるいは断熱性能が低いせいか冬は1階が寒く、夏は3階が猛烈に暑い。
あれやこれやと木造3階建て住宅の断熱改修について考えているうちに、俺って、なんか季節ごとに住まいを変える遊牧民? と思った。
季節住居の一般的な形態は、周りの気候と共に変化する。
ステップ気候では、冬は猛烈に冷たい風が激しく吹き、夏は長くて暑い日中と短くて涼しい夜がある。冬の住居は熱容量の大きい壁や屋根のしっかりしたものを必要とし、一時的な夏の住まいは、熱容量の小さい壁や屋根で事足りる。冬は寒さや風から最大限守ってくれる土で覆われた半地下の住居が多く、夏の住まいは単なる日除けや風除けが多い。
亜熱帯のサバンナ気候では、季節の変化はほとんどない。一年中日中は暑くて夜は涼しく、湿度は低く雨はほとんど降らない。そこで必要とされる住居は、熱容量の大きい壁と屋根を持つものである。建物の熱容量の大きさのため、日中に蓄えられた熱が夜間に解き放たれ、逆に夜間に冷えた壁は少なくとも昼のある時間帯には住居の内部を涼しくするのである。
昔 アメリカインディアンの住まいの本にも、そんなことが書いてあったぞと思い読み始めたのがこの本「アメリカ先住民のすまい」L.H.モーガン著、古代社会研究会訳、上田篤監修、岩波文庫である。
しかし読み始めて気がついたが、この本は住居建築様式の起源について肉薄する内容となつている。
現代では住居は必ずしも家族の専用の場ではなくっている。家族という血縁的な器だけでなく、様々な人間関係からなる多様な器になってきている。
人間関係も「血縁」「地縁」があり、会社や組織が取りもつ「社縁」、シェアハウスやグループホーム、老人ホームが取りもつ「住縁」もある。そしてネット時代のSNSなどがとりもつ「サイバー空間縁」もある。
多様化する住まいと人間関係の原点となる生活共同体のあり方について今一度考えさせてくれる本である。
建築物エネルギー消費基準への 適合性判定の制度が平成29年4月に迫ってきた。2000㎡以上の建築物は、建築確認申請時に構造適合と同じように省エネ適合を受けなければならなくなる。
その省エネ適合機関となる登録建築物エネルギー消費性能判定機関の登録要件として適合性判定員の選任が必要とされ、この制度の円滑な開始のために、施行前に一定数の適合性判定員の資格要件者確保する必要から、一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構で国土交通省補助事業として事前講習「省エネ適合性判定に関する講習」の開催計画が発表された。
これまでは施工着手日21日前までに省エネ設置届を特定行政庁に届出すれば良かったが、来年4月からは指定確認検査機関に確認申請を提出する場合(2000㎡以上)、事前審査段階に省エネ適合計算書を間に合わせ省エネ適合性判定を受けなければならない。
設計事務所・設計施工の建築会社にとつて建築確認済証を取得する日時は、契約上とても重要であり、工事着手日に影響することから、申請スケジュールは厳守である。
意匠・構造・省エネと同時並行的に審査が進められている中、かつ建築主側からの変更の要望を組み入れながらで、事前審査段階での省エネの修正対応が忙しくなることが予想される。
また非住宅の場合、これまで確認申請図書には不要だった一般照明図、空調図、(建具表)なども省エネ計算をするには必須となるため設計スケジュールは、これまでと大幅に変わることとなる。
それゆえにある規模以上のプロジェクトでは、確認申請段階ではとりあえずの設計図書を作成し確認済証を取得後、基礎工事段階でVE等に伴う空調機器や一般照明器具の変更等を反映して計画変更確認申請を提出するようにならざるを得ないのではないかと思われる。すなわち設計・確認二段階ロケットである。
ところで省エネ適判となった場合、確認検査員は工事完了検査において設置されている空調機の機器、照明器具の機種、個数等は確認するのであろうか。あるいは工事監理者からの報告書類のみで適合判定をすることになるのだろうか。
弊社はH25年基準以降、比較的複雑な形態(外皮計算が面倒な)の建築物の省エネ設置届の作成を業務として行ってきた。
最近はプロジェクトの基本設計段階で参画し省エネ計算でシュミレーションし必要な断熱性能・断熱材の種別などを意匠設計者側にフィードバックしている。こうした参画ができる場合は、設計者にコストコントロール意識があるときである。
リノベーション案件でも基本設計段階で既存図を基に省エネシュミレーションを行い施工性や大規模模様替えにならないよう配慮し断熱改修を提案し意匠設計者側にフィードバックしている。標準入力法で計算しているので、予算が限定されたリノベーションの場合、例えば北側だけ壁面断熱改修をするとか細かなシュミレーションが可能となる。
来年は、省エネ適判導入によつて忙しく振り回されそうな予感がする。
「検査済証のない建築物のリノベーション(増築・用途変更)」のセミナーの為の資料を整理してて、調査を経て完成した物件の紹介より、調査に至らなかった未成約案件の事例を紹介した方が実務者には、意外と役に立つのではないか思い、そうした未成約案件の資料を見直してみた。
この分野は成約物件より未成約案件(相談のみ)の方がはるかに多い。
弊社は基本的に「調査」に一定の報酬をいただいているが、設計事務所や不動産関係の会社は中々調査費を計上できない気風があるらしく リノベーション物件の調査や計画に深入りしたが報酬請求ができず「営業活動」とされることが多いと聞く。
数多くの案件の相談を受けているうちに、初期の資料提供と現状の把握で、このプロジェクトは進展するか否か、成約にいたるかどうか容易に判断できるようになってきた。
極論すると建築確認済み証を取得した後に無届増築、無届用途変更等の違反箇所が多く その是正に工事費用が多額になるものは、ほとんど実施にいたらない。
未成約案件を振り返ってみると他にも理由はあげられるのだが、それはセミナーなり出版物で紹介しょうと考えている。
住宅は、確認済み証の時点の設計図書と全く異なる建物が完成している場合が特殊建築物などより多くみられ、建ぺい率・容積率オーバー、斜線制限等に抵触しているものは減築及び屋根の是正を行わないとならない。
容積率・建ぺい率をオーバーしている違反建築物は、銀行融資はしてもらえないと聞く。一部高利のファイナンス系だと60%~70%程度融資してくれるらしいが、かなりの自己資金を持つていないと取得は無理だろう。
それゆえに違反中古住宅は売れず、空き家のまま、違反建築物のまま放置されることが多い。
「建築物の防火避難規定の解説2016」が発行された。2012年版から4年での改訂版となった。
早速、日本建築行政会議のサイトで発表されている「追加・更新の概要」を基に、差分ヶ所をマーキングした。
変更箇所は、2012年版以降の建築基準法令及び告示の改正に伴うものの他、これまでの質疑応答も掲載されている。
この本は、建築基準法令の全国的に統一された取扱いや運用を意図して日本建築行政会議で編集作業が進められたものである。
実際にはこの本に全面的に依拠して審査する指定確認検査機関もあれば、依拠度が低い指定確認検査機関もあるが、2005年版発行当時に比べれば年々、重要度は高くなっている。
設計者・審査者にとって必読書の一冊である。