検済無・横増築・多層階住宅のリノベーション・荒川区町屋PJ

築21年、鉄骨造3階建て既存延床面積182㎡の建物の前面道路側・横に増築するプロジェクトです。既存建物の工事完了検査済み証がなかったので建築基準適合性状況調査を行い、荒川区に法第12条第5項報告と建築確認申請を提出しました。

建築主からの最初の希望は、屋上に増築して4階をつくりたい。新築する時に施工会社に依頼したし、上増築が出来るようになっていると言われていた。と言う事でした。

既存建物の構造計算書が残っていたので検討した結果。確かに屋上の積載荷重を多く見ていましたが、逆日影で検討したところ屋根裏部屋のようなものしか出来ない事。直通階段の設置が難しい事。既存建物全体の補強工事や法適合工事がかかる割には要望する空間が得られない事。つまり投資対効果が悪い事から4階増築は断念し横増築に変更しました。

既存建物が建てられた頃は建ぺい率が60%でしたが、その後の都市計画の変更で建蔽率が80%に変更されていましたので、横増築が可能となりました。

この物件は、法第12条第5項報告が比較的短期間にスムーズに終了しました。一番の理由は、荒川区が検査済証の無い建物の調査について調査報告書の指針・書式等を完備しているからだと思います。都内で自前の書式等を整備しているのは荒川区だけです。イレギュラーな部分は打合せ協議をし、物理的調査について調査者の判断で良いのかあるいは第三者機関の証明が必要なのか個々に打合せしておけば良く、後から追加調査が必要となるような追加指示がありませんでした。勿論弊社の調査報告書の完成度が高かったと言う事もありますが、行政側の方針がゆるぎなかったと言う事が一番の要因です。

既存延床面積182㎡+増築面積33㎡ 合計215㎡で1階から3階までが多層階住宅(二世代住宅)となっています。また新たに3層用ホームエレベーターを設置しています。建築確認申請上の工事種別は増築となっております。

【建築場所】東京都荒川区町屋
【法的規制】準工業地域・準防火地域・容積率300%・建蔽率80%
【既存書類・図書】意匠図・有/設備図・有/構造図・有/構造計算書・有/各種施工報告書・無/工事中写真・一部有
【調査・設計・許認可申請】株式会社 寺田建築事務所
【構造設計】一級建築士事務所 ビオス
【法12条5項・建築確認】荒川区

現地詳細調査 -4

荒川区町屋の鉄骨3階建て外壁・屋根ALC版t=100の建物・築27年

外壁劣化・屋上防水に際立つた損傷がなかったので、内部結露であろう。3階天井裏すなわち陸屋根屋上の下の鉄骨部に発錆が見られた。鉄骨造の建物では、鉄骨部の発錆は比較的よくある事象である。

恐らく天井裏に敷き込んだグラスウールt=50に保水し結露したものと思われる。鉄骨部材・材質調査を担当していた調査員が 簡単な温湿度測定を実施してくれたが、外気温と3階室内、3階天井裏では温度はほとんど変化がなかったが、3階天井裏の湿度は外気に比べて15%程高かった。

言われたことだけ自分の担当部分だけ調査するのではなく、常に建物全体を総合的に目を配る調査員になってくれれば調査員としては一流だ。

1階の西側外壁面の内壁の石膏ボードにカビが発生していた。これも壁体内結露だろうと推測できる。

こうした詳細調査を通じて既存建物の問題点が浮かび上がる。既存建物の温熱計算をして、断熱改修を検討する必要がありそうだ。

鉄骨の部材や材質の調査の為に天井点検口を設置し天井裏を覗いたのだが、鉄部の発錆から、その場で総合的に考えるのが大事だと思っている。調査が外注だと温湿度計で測る事などしてくれないだろう。調査員達で事象から意見交換を行い方向性を見出すことができた。

現場調査準備工事・荒川区町屋

昨晩 新千歳夜9時発の飛行機で東京に戻り、自宅に着いたのは少しばかり日が変わっていた。ちょっと疲れた。

今朝は、荒川区町屋の鉄骨造3階建ての検査済みの無い建物に、エレベーター等を増築するのと二世帯住宅にするために全面的に改装する計画の詳細現場調査の準備の立会。

都市住宅は、一方向だけ道路に接している場合が多く、他は建物と敷地境界との離隔距離が無い為、地面下の調査には苦労する。

予想通りではあるが、排水管と建物との間にはガス管が敷設されており、下部には水道管等が敷設されていた。この隙間でコンクリートコアを抜くことができるだろうか。コアが抜けなければシュミットハンマーで調査するしかないかなと思案する。

コアを抜く予定の他の二カ所は、スラブ配筋でコンクリートが厚かったので斫るのに苦労した。配筋はD13@200縦横だった。

地盤が悪い為に耐圧版なのだがコンクリートガラを粉砕した再生砂で埋め戻しし、よく転圧してからコンクリートスラブを打設していた。地中梁の施工状態も良好で、最初に施工された基礎工事会社はいい仕事をされている。

明日の、現場詳細調査の準備はできた。

現地詳細調査 -3

鉄骨の材質調査の為にサムスチールチェッカーを使ってみた。

物事は全て準備が必要で検査部分の錆止め塗装と黒皮をサンダーで除去した。

調査部分に測定用プローブを押し当てる。

メーターの針が赤い表示部分(SS400)を示している。

梁・柱・ダイヤフラムを検査する。

この建物の建設時期はSS材とSM材しか使っていなかった頃だからサムスチールチェッカーでも事足りるだろう。

最後に調査チーム全員に、サムスチールチェッカーを体験してもらった。

鉄骨の材質調査をしてくれる会社はそう多くない。まだビジネスにならないからだろうか。今回も弊社で測定器具をレンタルし、天井裏の狭い個所でサンダー掛けをしてから測定を行った。

時々、一級建築士だか職人だか わからなくなってくることがある。

塗装を落とすのに、紙やすりではかったるいので、サンダーと替え用品を購入した。ついでに電源コードのドラムを買い。脚立も買い。安全保護メガネや高性能防塵マスクも買ってしまった。それに養生関係の諸品や掃除用具も用意しなければならなくなった。

調査に来ている姿かたちからは、ただの職人にしか絶対見えないだろうな。

現地詳細調査 -2

現地詳細調査も物件の規模等に応じて調査チームを編成しないとならない。今回の八王子の場合は、重量鉄骨造2階建て200㎡以下と規模は小さいので、以下のように調査チームを編成した。規模が大きくなるとそれぞれの調査パートに補助員を付け研修する事もあるが今回は内部も狭いので調査員だけとした。

  • 内部実測調査 1人
  • 外部実測調査 1人
  • 外部劣化調査+傾斜測定+床高低差調査 1人
  • 鉄骨部材及び材質調査 1人
  • 統括(私)

以上5人の調査チームである。その他に非破壊・微破壊検査の方々

外部の実測調査を担当した人は 某会社の社長夫人で一級建築士。普段は主に住宅関係のリフォームの図面を書いているとか。今回が調査参加4回目なので補助員から調査員に昇格。

実測調査4回目ともなれば、こちらが調べて欲しいことをきちんと見ている。

Q  電気の分電盤の写真撮った?

A     撮りました。12回路です

Q    契約アンペアは?

A    45Aです。

Q    電柱の番号調べた?

A    写真撮りました

ふむふむ 成長著しい !(^^)!

建築ストックの業務では、既存の「調査」はかなり重要な要素。

いざ仕事が決まったから学生を集めるとか、他社の所員を借りるとか、調査に不慣れな人を人海戦術で というのでは いい調査にはならない。また一級建築士を持つていれば正確な調査ができるというものでもない。

調査をする人を常日頃 自社で養成しておくことが必要。ただし社員を増やせという意味ではない。どうやって優れた調査員を養成していくのかは課題でもある。

そんなことは調査会社に頼めばよいのだと言う人もいるだろうが、そう気にいる手頃な価格の調査会社は中々見つかるものではない。

それにアウトソーシングしていると、どうしても自分達で考える力が低下してしまう。

しかも特殊建築物の調査が出来る人はそう多くない。規模が大きくなると法令の知識が必要不可欠になる。しかも建築基準法に限れば現行法、改正の履歴、そして戦前の市街地建築物法についての知識も必要になるが、この事については又書く機会があると思う。

現地詳細調査 -1

4/18に掘削して露出した地中梁の配筋探査。白いチョークで書かれた線が鉄筋の位置で数字はかぶり厚さを示している。

下の方の穴が圧縮強度試験にかけるコンクリートコアを採取した穴で、上の方の穴は鉄筋の交差部で鉄筋の径を調べるために開けた穴。主筋D-22であることが確認できた。

無収縮モルタルで穴を埋めた。

埋め戻しは、私が行った。久しぶりに汗をかいた。今日の身体を使った労働はこの埋め戻しだけ。砕石とコンクリートの復旧は、増築工事をするときに一緒にしてもらおう。

自分で埋め戻しをしたので多少外注費を減ずることができた。家族で焼肉ぐらい食べれるかな。

現場調査準備工事・八王子高尾町

今日は、現場調査の準備工事の立ち合いの為 朝から八王子へ行った。

またしても検査済証の無い建物の用途変更+増築 調査・申請・設計業務の為の現場詳細調査。

明日のコンクリートコア採取の為に土間を掘削した。立水栓があったので水道管に注意しながらコンクリートカッターを入れたのだが、あまりにも浅い位置に敷設してあったので、給水管も排水管もカッターで切ってしまった。

あとからの工事だったんだろうな~。あまりに浅すぎる敷設。まあよくあることだ。

配筋探査とコア抜きの為に掘削の位置を少し拡大した。

鉄骨の調査の為に天井点検口を設置した。

ハイテンションボルトは、トルシア型を使用しているようだ。鉄骨の溶接の状態は良さそう。ダイヤフラムも図面どうりで一安心。

明日は、詳細調査だ。

木材の材質調査

以前 鉄骨造の既存建築物調査で鉄骨の材質調査方法について書いたことがあるが、では木造では樹種の特定はどうしているのか、古民家等で限界耐力計算をするときに樹種の特定や木材の強度がどの程度あるのか、どうやって判断しているのかと疑問に思った。

そこで分かったことは、通常は樹種の特定は目視だそうだ。匂いでわかるという人もいたし、適当と言い放す人もいた。木材の割れの比率で強度を低減するという人もいた。ようするにまちまちで 木造病理学と言っても材料強度についてはあまり深く研究されていないようだった。

しかし 世の中には、そういうことを研究する人がいることが分かった。またそういう計測器があるそうだ。

上の写真は、木材試験機ファコップ / FAKOPPというハンガリー製の測定器。一台税込定価842,400円という高価な測定器だ。商品説明書にはこう書いてある。

「打ち込みセンサーに衝撃を与え、発生するエネルギー(応力波)が受信用センサーに到達するまでの時間(μs)を測定します。物質に振動を与えるとその振動(衝撃)は地震の波のように伝達します。 ファコップはその原理を応用した高性能な伝播時間測定器です。 木材の片側から衝撃波を発生させ、反対側の受信センサーに到達するまでの時間から、木材内部の腐食、空洞や密度などの推測が可能です。」とある。

岐阜県の建築アカデミーで1台所有しているそうで、「微小な時間(マイクロ秒)単位を 測る”ストップウォッチ”のイメージ」のような測定器と吉野先生からは教えられた。

「ヤング係数=伝播速度の2乗÷密度
(Pa)  (m/秒)  (kg/立米)

という関係があり、柱、梁、桁のヤング係数の 推定に使われています(まだ実験段階?)。

1)パラメーターに密度があるので、密度がわからないと正確に推定できない。
⇒密度を統計学的に扱うことで、この問題点の解決を名古屋大学農学部
の山崎真理子先生らが研究されています。

2)測定値が相当ばらつくたたき方によって、数値がかなり変わるので
たくさんたたくとか、たたき方を一定にするとかの工夫が必要です。」

ということで名古屋大学農学部 の山崎真理子先生が研究されていることが分かった。別ルートでも山崎先生に辿りついたので この分野では山崎先生が権威なのだろう。

古民家をコンバージョンする相談がきており、その時に木材強度の推定をやってみたいと思っている。

 

林マンションリファイニング工事・完成見学会

青木茂建築工房が設計した(仮称)林マンションリファイニング工事の完成見学会に行ってきた。環七沿いに位置する昭和41年に建てられた築52年の検査済証が無い共同住宅兼店舗をリファイニングした。

既存バルコニーの手摺壁はRCだったが、それを撤去し軽量化を図るため有孔折版に変更している。周辺の建物と比較しても今風に軽やかな感じに仕上がっている。

エントランス部分

この建物の特殊性は、工事完了検査済証がないことに加えて旧耐震の建物で、かつ昭和41年建築確認申請取得ということで都市計画法の容積率の定めがなかった時代の建物で、現行法では容積率300%となっているので既存不適格。第三種高度地区なので既存不適格。住居地域から現行は準住居地域で日影規制にかかるので既存不適格ということ。

ようするに建築基準法の「増築」に抵触すると現行法に適合させる必要があるために、既存建物を減築しなければならない。

そこで耐震改修法に基づく認定及び工事種別大規模の修繕による建築確認取得を行っている。

法第12条5項報告(大田区)と耐震診断+耐震補強+耐震促進法認定+耐震第三者評定という面倒な仕事の合わせ技を行っている。

手続き的には 悪知恵を発揮した建築と言えるかも知れない。

個人的意見としては、都市計画法や建築基準法の集団規定に既存不適格な建物を青木流外科手術を施して(リファイニング建築)延命させることが、果たして世のため人のためになることなのだろうかと思った。

鉄骨材質調査 -2

従来、現場における鋼材種別の調査には、サムスチールチェッカーで行われることが多かった。現在でもサムスチールチェッカーで調査しても良いというところもある。

【鋼材判別機 サムスチールチェッカー M-100型】

アナログ、現在は製造中止。しかし現在でも機器をレンタルしている会社もある。

【鋼材判別機 サムスチールチェッカー D-200型 立花エレテック】

デジタル、M-100型の後継機

サムスチールチェッカーはSM490とSS400の区分を行う装置。SN材等の種々の鋼材が用いられている現状に対応しない面がある。サムスチールチェッカーは、シリコン、マンガン量を電気抵抗率で評価し鋼材の種別を判別しているためその条件に当てはまらない場合があると言われている。

サムスチールチェッカーは、SS材とSM材しか使っていなかった時代の鋼材判別には向いているのかも知れない。

レンタル機器としても広く普及しているし第三者機関の検査は特に必要ないという時は、諸注意に留意して操作すれば専門家でなくても扱えれる機器である

いずれにしても鉄骨材質調査をする場合は、相手先とよく打合せして調査方法を決める必要がある。

 

鉄骨材質調査 -1

3/18(土)は、午前中はお客様立ち合いのもと既存建物の調査下見をして、電車で移動し別現場の鉄骨材質調査の立会。

既存建物の鉄骨材質調査の方法は幾つかある。弊社は化学成分分析を依頼することにしているので、今回はその化学成分分析のための検体を採取をするのが主目的。

柱は、不純物が混入しないようにサンダーで研磨し錆止め塗装や黒皮をとりドリルで切削して切削片を採取する。

切削片等10gを袋に入れ計量する(1gは袋の重さ)で封をする。

梁は アトラーで穴あけをしてもらい切削片(円形)を採取してもらう。こちらは材質分析の試験方法が異なる。

一般的に「鉄骨材質調査をしてください」と言われてもどのような調査方法をするべきか示されないことがほとんど。既存建物の鉄骨材質調査にはサムスチールチェッカーやハンドルヘルド型蛍光X線分析、硬度計によるものなどあるが、どれも一長一短があり、非破壊検査系は計測器そのものが高額な事もあり意外と高額になる。弊社は、一番確実で結局は低価格で済む化学成分分析を採用している。

それにしても午前と午後のダブルヘッダーは少し疲れる。この日昼食が摂れたのは午後5時近くで結局は立ち食い蕎麦。結構動き回っているのに何故か体重が減らない。思い切ってライザップに行くか ?

御堂の調査

お寺の15㎡程の御堂の調査をした。

境内の別棟なのだが、検査済証がなかったので調査をすることになった。

御堂のコンクリート基礎の、わずかな立ち上がりからコンクリートコアを採取し圧縮強度試験にかける。問題は濡れ縁下に潜り この狭い個所からコアを採取できるかどうか。

縦に白いチョークで書かれているのは、鉄筋探査機で鉄筋が確認できたところで「100」という数字は鉄筋のかぶり厚を示している。コア抜き機械を取り付ける為にアンカーを打ち当て板を取り付けているところ。上端筋が配筋されていることが予想されるが狭い為に鉄筋探査機で探査出来なかった。

コンクリートコアを採取しているところ

タイル面を汚したくなかったので養生シートでプールをつくりバキュームしながらコア採取を続ける。

コア採取完了

採取した試験体

最後は無収縮モルタルで穴埋め

この日は、4本採取して3本を圧縮試験に回すことになった

 

日経アーキテクチュア 専門セミナー「改修で失敗しない素材&技術講義」

今日は、昼から日経アーキテクチュア 専門セミナー「改修で失敗しない素材&技術講義」と題した青木茂建築工房の話を聞いてきました。

青木茂さんといえば建築ストックの再生・活用である「リファイン建築」の生みの親であり再生・活用分野の先駆者でもあります。

青木茂建築工房の皆さんの講義で、調査からデザイン・工事監理までされ、ファイナンスも業務提携していると聞いて セット・メーカーだと感じました。

それに比べて弊社は調査と手続きを主として行うデバイス・メーカーです。何しろ2人だけの事務所ですから・・・。

段々 青木茂建築工房の扱うリファイン建築は規模が大きくなっていますね。

業務の進め方は、弊社とさほど変わらないようで安心しました。

「調査なくして設計なし」という事で調査業務を大事にしているところは、同じベクトルなのでとても共感を持てました。

また アイソメによるわかりやすいプレゼンテーションで大変参考になりました。これからは、弊社もアイソメで説明図を作成しようと思います。

平成29年度 国立研究開発法人 建築研究所講演会

今日は、朝から平成29年度 国立研究開発法人 建築研究所講演会に行ってきました。

と言っても、理事長挨拶と「既存住宅の躯体の生物劣化発生確率に関する分析~100棟超の既存木造住宅劣化状況データーベースの分析から」材料研究グループ 上席研究員 槌本敬大氏の研究成果報告を聞いただけで退席し、有楽町で知人と昼食をとりながら打合せをしてから帰宅しました。

万年寝不足のせいか、講演会場の居心地がよかったせいか、槌本氏の発表の途中で多少うたたねをしてしまいましたので、もう一度講習会のテキストを読み返していたところです。

この研究は、2011年~2014年にかけて全国103件の解体直前や大規模な改修を行う既存住宅の劣化状況等を調査したものですが、実は、私も数件この調査に参加させてもらいました。

1件当たり4人ぐらいが調査にあたり、木造躯体を現す前と、時期をあけて木造躯体が現れてからの二回調査をしました。木造住宅の規模(30~40坪)のフィールド調査に8人工をかける。しかも調査員は、ほとんど一級建築士という非常に綿密な学術調査でした。

その結果出来上がったデーターベースに含まれる劣化と変状に関する情報は多岐にわたります。この研究は、本邦の木造建築病理学の体系化に寄与する優れた業績だと思います。

是非、一次資料である一軒一軒の調査報告書を見たいものだと思いました。

 

三連休は、現地調査とディスクワーク

三連休初日は、現地調査の立会だった

基礎のコンクリートコアを採取する為に土間コンクリートを斫る

ベースプレートを確認する為、柱脚部のコンクリートを斫り、鉄筋を切る

 以上が2/10(土)

2/11(日)は、別件の調査レポートを一本完成させメールで納品。これまた別件の省エネ届は、最終図面に基づき修正をほどこし完成させてメールで納品。

2/12(月)は、土曜日に掘削しておいたところの基礎のコアを3箇所採取。

それでもって鉄骨の継ぎ手部分を確認。耐火被覆がケイ酸カルシウムt=25だったので簡単に除去でき、鉄骨の状態も吹付ロックウールの場合と異なり、きれいな状態で確認できる。既存図面通りで安心安心。

調査箇所を埋め戻し、掃除して完了。久しぶりに立ちっぱなしだったので足が疲れた。それにしても現場に来るのは年寄りばかりだが、こちらも歳を取ったので仕事の事、子供の事、孫の事等話題は尽きない。

三連休 現場来るのは 爺ばかり

型式認定住宅のリノベーション

型式認定住宅(100㎡を超え)を用途変更して学童保育所にしたいとの相談があった。学童保育所は児童福祉法に規定されているので特殊建築物で、100㎡を超えているのなら用途変更確認申請が必要。

ところで確認申請と工事完了検査済証はあるの?と聞いたら、確認はあるが検済は調べていないとの事。まずそれを調べてからねと言っておいたら後日検済がない事が分かった。

学童保育所側は、型式認定住宅の所有者と既に賃貸借契約を締結し借りているらしい。資料を送ってもらったところ確認申請に添付されいる図面と現状は平面の外形は変わらないが、屋根と室内の間取りが変わっている。

学童保育所側は、型式認定住宅のメーカーは工事費が高いと言うイメージを持っているらしく、あくまでも知り合いの市井の工務店に依頼したいとの事。

検済の無い型式認定住宅の用途変更確認申請が出来るかと問われた。

理論的には、手続き的にも技術的にも可能だと答えた。

ただし型式認定住宅はブラックボックスで技術的内容も構造図も構造計算書も非公開。メーカーと型式認定機関しか詳細は分からない。これを一般構造として検証するには、どういう構造フレームになっているのか調査し構造図を起こす。鉄骨溶接部等の検査をして構造計算を行い必要なら補強工事が必要となる。

調査費と構造図・構造計算検証や申請手続きで相当な費用がかかるし、補強工事が発生した場合、事業者としてそれらの費用を受忍できるのかと問うた。

型式認定住宅メーカー曰く「うちの案件はうちでしか直せない」と言っているそうで「全面リフォームなら請け負う」とか。

メーカーしか直せないという事でもないが、クローズドシステムである型式認定住宅の案件は費用から考えて型式認定住宅メーカーに依頼した方が良いだろう。

学童保育所側は、賃貸契約の解除を申し立てるそうだ。

コンクリート内部探査機

先日の既存建物の調査で、コンクリート非破壊検査会社が持つて来たコンクリート内部探査機・鉄筋探査機が優れものだった。

 

GSSI社 ストラクチャスキャンSIR-EZ XTという機械。

鉄筋コンクリート構造物内の鉄筋・電線管・空洞・ジャンカ・ひび・クラックの位置や深度、かぶり厚を正確に探査可能な一体型電磁波レーダ方式のコンクリート内部探査機器(鉄筋探査機)。

なんと400万円/台するらしい。能力はハンディサーチ型のものとは雲泥の差。

上の写真は見本だが、ダブル配筋で300ピッチ、かぶり厚もかなり正確な数値。

かぶり厚の調査は今までコンクリートを微破壊して確認していたが、躯体を多少なりとも傷つけてしまう問題があった。こういう優れた機器が登場してきて調査費もコストダウンできる。

既存建物の調査の度に、コンクリート非破壊検査や超音波探傷検査の技術者の人達に教えてもらう事が多く、調査は楽しい。

KEYTEC

「RC耐震診断基準の改訂等を踏まえた 2017年改訂版実務のための耐震診断・補強設計マニュアル」講習会

東京都建築士事務所協会主催の「RC耐震診断基準の改訂等を踏まえた 2017年改訂版実務のための耐震診断・補強設計マニュアル」講習会に参加して来た。

今年、日本建築防災協会の「既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準」が実に16年振りに改訂されたが、この改訂を踏まえたマニュアルとなっている。

都内では、東京都建築士事務所協会+日本建築構造技術者協会+耐震総合安全機構の三団体が協力して東京都条例「東京における緊急輸送道路沿い建築物の耐震化を推進する条例」に対応したところの「三団体耐震診断マニュアル」を作成し運用して来た。

東京都では、緊急輸送道沿道建築物の旧耐震建物約4700棟の耐震診断が完了しているという。その内、事務所協会が担当した2012年1月から2013年3月に耐震診断確認1000棟から浮かび上がってきた課題に基づいた見直しが図られている。

「理論→実践→課題→理論再構築」は、実務者団体だからこそ素早く対応できるのではないかと思っている。16年も改訂しないなんて信じられない。そういえば東京都建築事務所協会「構造設計指針2010(オレンジ本)」も増改築・用途変更に関わる構造部分は、そろそろ改訂してもらいたいものだと思っている。

弊社が関わる耐震診断はリノベーションに伴うもので多くは民間建物だが、実に様々な構造種別や架構形式に出くわす。最近は比較的小規模で完了検査済証の無い鉄骨造の増築や用途変更が多いので、鉄骨造の補強方法について苦慮する事がある。毎回色々な課題が浮かび上がるから大変だが、それが楽しいのだからやめられない。

先人曰く、知恵はタオルを絞るがごとく絞り切らないといけないらしい。

「建築ストックの活用・再生テクニカルセミナー」実地セミナー

9/27に行ったセミナーの受講者から参加希望者を募ったところ4人の方が手を挙げてくれたので正調査員の補助員という形で詳細調査に参加してもらいました。

丁度この「建築ストックの活用・再生テクニカルセミナー」の開催時期に、検査済証の無い建物の用途変更に係る建築基準適合状況調査を行うことになり、座学ではわからないことを実地調査に参加してもらう事で理解を深めてもらうという趣旨でした。

人数が通常より倍になったので、いつもは劣化・現況実測・部材採寸・高低差、傾斜等の調査パートを各自黙々と行っているのですが、今回は色々と相談したり、他のパートの調査を確認したりと余裕を持って行うことができました。

私も調査の趣旨や法的な問題等、調査にあたって注意しなければならないことを説明することができました。

補助員としてついてもらつた方々は、全員一級建築士だつたので さすがに理解力は高かったです。

今後も 関係者の理解と協力が得られるならセミナー受講生を中心に希望者を募り補助員についてもらおうと思っています。

「建築ストックの活用・再生テクニカルセミナー」講師

久しぶりに人前で喋ってきました。木造住宅のストック再生に取り組んでいる住宅医協会の関東住宅医ネットワーク・スキルアップ講習会のひとつとして企画されたセミナーです。私の題目は、非木造の建物の「建築ストックの活用・再生テクニカルセミナー」とあるように、建築ストックの活用・再生について建築法規・設備・構造等の建築技術面から語るといった内容です。

昨今のリノベーションブームでソフトからアプローチしたセミナーは多く開催されているようですが、ハード面から総合的にアプローチしたセミナーはあまりないと思います。

セミナーの内容は下記のようなものです。

*****

1. はじめに : 事務所紹介、お願い
2. 現状とこれから
3. 基礎調査編
3-1. 資料調査
3-2. 既存不適格建築の場合
3-3. 工事完了検査済証が無い場合
(建築基準適合性状況調査、国交省ガイドライン調査と法第12条第5項報告等)
4. 詳細調査編
5. 事例編
5-1. 増築
: 平面増築 / エレベーター増築 / 入れ子増築 / 減築 /
5-2. 用途変更
: 事務所→有床診療所 / 物販→飲食店 /事務所→簡易宿舎/ 工場→物販店 /
5-3. テクニカル調査
: 遵法性調査 / 変状(劣化)調査 / 有害物質調査
5-4. 耐震診断・補強設計
5-5. 実現しなったプロジェクト  : 違反是正/用途変更工事費/耐震性
6. 留意事項 : 幾つかの法的事項の再確認/内部階段設置/内部ELV設置/その他
7. 小規模建物のテクニカル・デュ-デリジェンス
7-1. 概要
7-2. 劣化度合による修繕費の算出(事例 : アパート)
8. まとめ

*****

参加者は35名ほどでした。休憩を入れて3時間。ちょつと内容が総論的だつたかも知れません。

現役時代は終わった仕事を振り返る余裕がありませんでしたが、今回のような機会をいただき概ね過去5年程の仕事について整理することができました。自分でも結構面白いことやってきたんだなと~と思っています。

実は今、現役時代よりはるかに労働時間が長いのですが、それでも過去の仕事を振り返れるのは、現役時代は中間管理職としての業務がとても多かったことを物語っています。

何時ぽっくりいくかわからないから、最初で最後のセミナーだと言っていますが、機会があれば 次世代に継承していける場をまた持ちたいものです。

懇親会・二次会と行き若い人達と色々と話す機会を得て楽しい一日でした。

 

シュミットハンマー

立て続けに調査や調査の下見が続いている。爺さんはちょつとお疲れモード。

焼肉や大蒜を食べたぐらいでは、すぐにエネルギーがチャージされない。

旧耐震のRC建築の簡易調査を依頼されたのだが、まだ購入前ということでコンクリートコアを採取して圧縮強度を調べることが許可されなかった。そこでシュミットハンマーで調査し圧縮強度を推定することにした。

レンタルしたのは、シュミットハンマー(NR型)。

若い設計者に聞いたら使ったことが無いどころか、名前も知らないと言う人がほとんどだった。

慣れないと調査結果にバラツキがでるのだが、私も使うのは5年以上経過している。今 テキストを読みなおしているところ。操作は、多分身体が覚えているだろうが、頭がついていかない。

シュミットハンマー調査の外注先はあるにはあるのだが、なんでも自分でやってしまうのはいいのか悪いのか。

「ターン」という音ともに身体に感じるコンクリートの硬さ。中々忘れがたい感触なのである。

段々身体を使った調査が出来なくなるのだな~と思うと ちょっと悲しいかな・・・。

 

調査なくして設計なし

昨日は、京都府京田辺市に日帰り出張

先週に引き続きの出張で腰が痛い・・・

町所管建物のコンバージョンにあたり京都府・町・設計事務所・私と打合せとなった。検査済み証の無い建物という触れ込みで彼此一か月前から相談に乗ったりあれこれと調べたりしていたが、町が建築確認の工事完了検査済証が無い建物と言っていたのですっかり信用し、それが大前提となって調査・手続き・見積りと進んでいた。

何しろ遠方なので行政から取得する「建築確認記載台帳証明」は、自分では取得に動きずらく、強く言って町に動いてもらえば良かったのだが、すっかり町の情報を信じてしまった。

この日土木事務所での打合せを終わり、町が「建築確認記載台帳」を閲覧したことがないと言うので、府に特別に閲覧させてもらうと、推定していた年のそれらしいものを発見。概要書を見せてもらうとビンゴ。おまけに工事完了検査済証も発行されていた。

多額の詳細調査が必要なくなり万々歳。

弊社の仕事は減ったが、無駄な税金が使われなくて良かった。

それにしても行政の言う事だからとすっかり信用してしまっていた。相談された時点で「建築確認記載台帳証明」を取得してもらうようにもっと強く依頼しておけばよかったと反省。

「調査なくして設計なし」

建築設計の道を歩み始めた頃 先輩に言われたこの言葉を思い返した。

「耐震改修事例に学ぶ実務者講習会」東京都建築士事務所協会主催

東京都建築士事務所協会主催の「耐震改修事例に学ぶ実務者講習会」に参加してきました。上の写真は本年度版のテキストです。

耐震改修事例の紹介は下記です。

  1. 都営住宅・青木あすなろ建設特許・摩擦ダンパーを用いた制震ブレース工法
  2. 集合住宅・矢作建設工業特許。ピタコラム工法フレームタイプ
  3. 事務所ビル・オイルダンパーブレースによる制震補強・耐震スリット
  4. 集合住宅・下階壁抜け柱のSRFシートによる耐震補強
  5. 市庁舎コンバージョン
  6. 集合住宅・PC外付けフレーム

事例1、2、3はガチガチの構造的説明で専門用語が多くてわからないところが多かったのですが、他の事例は、コンバージョンの一部としての耐震補強や耐震補強工事の施工上の問題点・苦労話でよく理解できました。

事務局によると参加者の4割が意匠関係者ということでしたので、内容も構造技術者しか分かり合えない内容だけでなくしたのかもしれません。耐震改修というと建築主や管理組合の人達に、専門的な判断をどう伝え、理解してもらえるか苦労しますね。

大規模な事例が多く、しかも一般的な工法が少なかったので もう少し中高層の建物の補強方法を知りたい思っていたら、過年度のテキストにそれが掲載されているということで事務局の方に頂戴しました。

これは過年度のテキストで「耐震診断と補強設計の要点」「補強設計マニュアル」という、知りたかった事が満載されていました。

これは平成27年のテキストで(実物は青い表紙)「耐震診断と補強設計における課題」は役立つ内容でした。

弊社は、ストック活用の一部として耐震診断・耐震補強に関わりますので、調査方法や耐震補強工法の選択に関心があります。こうした実務者向けの無料講習会に参加することができただけで事務所協会に加入してよかったなと思えました。

それにしても連日講習会にに参加していると毎回設計事務所時代の同僚や指定確認検査機関時代の同僚と顔を合わせます。中には、しばらく連絡が途絶えていた人もあり近況を伝え合えることができました。やっぱり、引きこもりは良くないなと思ったところです。

福岡市「用途変更の取扱い」(建築基準法第87条)

福岡市住宅都市局建築指導部建築審査課が平成28年8月に取りまとめた「用途変更の取扱い」(建築基準法第87条)は、下記の項目で用途変更のポイントが整理され、とてもわかりやすいものになっています。

  • ポイント1、確認申請の手続き
  • ポイント2、既存建築物の適法性
  • ポイント3、用途変更部分の適法性
  • ポイント4、既存不適格建築物への現行規定の適用

その他「用途変更の流れ」では、既存建物が検査済証を受けていない場合は、福岡市住宅都市局監察指導課で違反是正指導を受けることになっています。

それに代わって民間指定確認検査機関で国交省ガイドラインに基づき適合状況調査により確認申請を行うことができる場合があります。

先日 博多出張の際、福岡市監察指導課で計画案件の概要、適合状況調査の具体的で詳細な説明(事前電話では基本的に内諾を得ていた。)をしてきました。そして弊社の行う建築基準適合状況調査報告書に添付する図書として福岡市の様式である「建築物施工状況報告書」「委任状」「始末書」を受領してきました。

この「始末書」というのが福岡市独自で興味深かったですね。建築基準法に何らかの違反をし、それを放置してあった場合には当事者としての責任を明確にするために「始末書」を提出させるというのは必要だと思います。

だいたい検査済証のない建物は、何らかの違反箇所があるのが普通ですが、それをどの時点で是正するのが適切かというと、法12条5項報告なり国交省ガイドライン調査を提出し、是正工事を完了検査した後に建築確認申請の提出ということが通常だと思います。

指定確認検査機関に申請した場合は、違反是正後に確認申請提出となることが多いです。

ところが行政に法第12条5項報告を行い、行政に建築確認申請を提出する場合は、違反是正は、確認申請工事と一緒でも良いということになるケースが多いのです。こうすると本来のリノベーション工事と違反是正工事を連続して工事会社に発注することができタイムロスが少なくなります。

こうしたことが 弊社が指定確認検査機関を使わない理由のひとつでもあります。

福岡市・用途変更の取扱い

自由学園明日館公開講座「文化財建造物の修理について-明日館講堂」-2

自由学園明日館公開講座「文化財建造物の修理について-明日館講堂」に参加してきました。

現在、耐震対策工事が進められている重要文化財・自由学園明日館・講堂の修理現場の見学ということで以前から楽しみにしていました。

「講堂」は、1927年(昭和2年)に建てられ、昭和25年頃屋根葺替、昭和37年に部分修理、平成元年に屋根葺替・部分修理、平成13年に設備改修が行われ、平成26年11月から平成29年7月にかけて屋根葺替、耐震補強工事等が行われています。

築90年の建物が今まで比較的良好な状態で利用されてきたのは、この屋根の葺替を始めとした幾たびかの修繕工事がなされてきたからだと思います。

修理工事中の写真は撮影させていただきましたが、インターネットでは公表しないという約束になっていますので、工事看板だけ掲載しておきます。

設計監理は文建協、施工は大成建設東京支店で、見学では文建協の田村さん、大成建設の方から詳細な説明を受けました。

設計者の遠藤新は、自分が設計する講堂の構造の特徴・空間デザインの特徴を「三枚おろし」に例えて論じています。従来の講堂建築は、構造を梁行(輪切り)で設計されていたが、風や地震で倒壊することが多く椀木や控柱で補強するよう法規で決められていたそうです。

この明日館講堂は、市街地建築物法第14条による「特殊建築物」だった思われますが、その第14条は、「主務大臣ハ學校、集會場、劇場、旅館、工場、倉庫、病院、市場、屠場、火葬場 其ノ他命令ヲ以テ指定スル特殊建築物ノ位置、構造、設備又ハ敷地に關シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得 」とあり「必要な規定を設けることができる」とありますが、勉強不足で まだその規定は探し出せていません。

明日館講堂は、平面を桁行方向に三分割し、さらに前後に空間を設けて合わせて九つのゾーンを連続的でありながら、それぞれのゾーンにふさわしい機能を持たせています。遠藤新の空間デザイン論は、中々優れてると思いました。

この講堂は、耐震診断の結果「大規模な地震の際には倒壊の危険がある建物」であること、解体調査の結果、講堂の外壁が外側に倒れ、屋根の棟は中央を最大に垂れ下がっている状態だったそうです。その事は、既存の構造体が屋根の重量を完全には支え切っていなかった事を表しています。

補強工事に際しては、遠藤新の思想を残しつつ「基礎と軸組の健全化」「内在骨格の強化」「壁面・床面・屋根面の補強」の三点を軸に行われたと説明を受けました。

すでに屋根の葺き替えは完了し、新しい銅板屋根が黄金色に輝いていました。