土砂災害危険区域 -4

たまたま全国各地の建築法規の取り扱い基準について別な項目で調べていたら、先に記載した崖地のオープンテラスに類似したケースとして「架台等の取扱い」というのを見つけた。

横浜市建築基準法取扱基準集(令和2年4月版)

1-3 架台等について(参考)
架台その他これに類するもの(柱又は壁及び床版により構成される工作物でその床版の上部を駐車や建築物へのアプローチ等の利用に供するもの)又は機械式駐車装置の地下ピット部分については、確認申請等が必要ではない工作物ですが、日常的に人の通行、駐車等に供し構造上の安全性に配慮する必要があることから、法第 19 条、法第 20 条
など建築物に対する規制に準じた設計を行ってください。

(まち建企第 2287 号 平成 20 年3月4日)
(建建企第 811 号 平成 22 年8月9日改正)

斜面地の多い横浜市ならではの取扱い基準だと思う。この架台等の取扱い基準は、現行はシンプルな表現だが、以前は法12条5項に基づく築造計画書の提出を求めていた。以下 昔の横浜市の架台指導基準。

■架台等の指導について(指導基準)

架台等の築造における指導については、次により行うものとします。

1、架台等の意義

架台その他これらに類するもの(以下「架台等」といいます。)とは、柱又は壁及び床板により構成される工作物で、その床版の上部を駐車その他の利用に供するものをいいます。

2、適用範囲

この取扱いは、高さが2m超える架台等に適用します。

3、築造計画書の提出

築造主は、架台を築造しようとする場合において、工事着手前に法12条5項に基づく架台等築造計画書(以下「築造計画書」といいます。提出するものとします。

4、築造計画書の審査

築造計画書が提出された場合においては、構造の安全その他の事項について審査を行うものとします。

5、技術基準

技術基準については、法19条、法20条及び法44条を準用するほか、建築物に準じた指導を行うものとします。

6、施工状況報告

築造主は、架台等の工事が完了した場合においては、施工状況について報告するものとします。

7、8略

(横浜市建企指第1007号 建築局長 平成5年4月1日)

土砂災害危険区域 -3

以前書いた土砂災害危険区域のオープンテラスの構築について、区の建築主事はテラス下部が屋内的用途ではないので、建築基準法第二条の「建築物」には該当しないという判断をしめした。

今一度、建築基準法の「建築物」の定義をおさらいしてみよう。

一  建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨こ線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。」(平成5年6月25日 – 現在有効)

上記が現在の規定。

「一  建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの、これに附属する門若しくはへい、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設をいい、鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びにこ線橋、プラツトホームの上家、貯蔵そうその他これらに類する施設を除くものとする。」(昭和25年11月23日 – 昭和34年12月22日)

上は建築基準法制定時から昭和34年改訂までの規定。

庭の平坦部分につくるオープンデッキなら その安全性は自己責任の範囲でどうぞということで良いと思うが、土砂災害危険区域に指定されている崖地の上に自己所有地とはいえ、敷地いっぱいにオープンテラスを作れば、地域住民がその安全性を心配するのは当然だと思う。

塀が地震等で倒壊し歩行者の安全をおびやかしたり、事故が発生しブロック塀などの建築基準が出来たように、本件の崖地のようなところに敷地一杯にオープンテラスを作る場合、崖地の崩壊やデッキの崩壊が起きた場合は、敷地外にも影響を及ばす可能性が明らかな場合には「類する構造のもの」で「建築物」とするべきで、所有者は、それ相応の安全性を担保する責務があると言うのが私の考えです。

現役の建築主事と法律論を闘わしても平行線に終わると思いますが、振り返れば建築基準法も「環境を整える」視点から「私権の拡大」へと大きく変わってきました。

この20年程の背景は、なんといっても「新自由主義」「市場万能」「規制緩和」だと思います。今は「新自由主義」と決別する分岐点に立たされている時代を迎えています。

土砂災害危険区域 -2

この崖地は、大谷石の擁壁の上が斜面で、以前は高木が植わっていた。

昨年になつて崖の上の住宅・3階建ての所有者が変わり内部の改修工事と崖地にデッキテラスの設置工事が始まった。高木類は全て撤去され地肌が露出した。

2021年2月の工事写真

大谷石の擁壁・2021年2月

土砂災害危険区域 -1

都内の土砂災害区域内・つまり崖の下に住む住民の方から相談を受けていた。

以前は樹木に覆われていた斜面の下に大谷石の擁壁がある。その崖の上の敷地の建物の新しい所有者が崖の上・敷地全域にテラスを築造する工事を開始した。当然樹木は伐採、地表面は裸になり木の板で土留めのような工事をしている。またテラスを支えている支柱の基礎は根切が浅く、中には置いてあるように見えるところもある。このテラスは大規模で斜面部分に築造し約100㎡はあるのではないだろうかと思われた。

東京都内の土砂災害危険区域の指定は、東京都の管轄で建設局河川部が担当している。

建設局河川部に相談したところ、危険性があることは確かだが都が要請、指導する権限はないとのこと。建築物であれば建築申請等が必要になるが、区が申請不要と判断すればそれ以上の対応は難しい。
しかし都から区の建築課に電話をすることくらいなら可能とのことだった。

相談をした際の都の主な見解。
・木の土留めは評価できない。仮設とすら言い難い。
・大谷石は機能するとは見ていない。大谷石の考え方については区でも説明あり、
現在の建築基準を満たしていないものの、長い年月その状態にあることから、構造
上の計算はできないが、長年の安定性への信頼度からそのまま残しているケースは多いとのことだった。→ 実際本職が現地を見た限りでは、かなり風化が進んでいる大谷石擁壁だった。
・水害だけでなく地震による危険もある。
・自分たちであればこのような工事は行わない。
・切り株を残してもツツジを植えてもあまり意味はないと考えられる。

樹木を取り除いてしまった今の状態をより安全にするには、排水処理をしたうえで法面をコンクリで固めるか、しかるべき擁壁を建てることが望ましい。

一方 区の建築指導課監察係は、屋根のない構造物であり、テラスの下が屋内的用途でない事から建築基準法第2条に規定する「建築物」には該当しないので、指導や是正命令はできない。ただし設置者は、安全性を考慮したうえで設置すべきだと考えられるから、テラス及び崖地法面の安全性については住民に丁寧に説明するよう要請すると回答。

区から回答があってから三週間。未だ設置者から地域住民への説明はない。

「国の機関の建築物の点検・確認ガイドライン」

国の機関の建築物については、官公法第11条に基づき、その所管する建築物等を適正に保全することが求められていて、同法第12条には、政令で定める敷地、構造及び昇降機以外の建築設備について劣化の状況を点検させる必要がある。

又、建築物の所有者、管理者または占有者は、建築基準法第8条によりその建築物の敷地、構造及び建築設備について常時適法な状態に維持することが努力義務となっている。そして建築基準法第12条第2項及び第4項による定期報告が必要となる。

官公法の「点検」と建築基準法の「点検」という二つの「点検」に加えて、官公法第13条第1項に基づく「保全の基準」(安全性・耐久性・機能性)に基づく「確認」がある。

つまり建築物の定期報告よりももう少し広い範囲の調査による点検・確認が必要となる。その為の「ガイドライン」だが、地方公共団体の施設もこの国のガイドラインに従った調査が必要となる。

この調査は「劣化調査」+「法的調査」というようなものだが、法的確認も、建築基準法はもとより、消防法、バリアフリー法、省エネ法、労働安全衛生法、電気事業法、水道法、その他と幅広い分野の調査が必要となる。

例えば省エネ法の現行法への適合状態となると、厳密に考えると既存建築物の省エネ計算をして現行基準との比較をしないとならないことになる。まあ計算までしなくていい場合もあるだろうが。

こうした国のガイドラインを見ていると既存建築物はシングルイシューで解決できるものは少なく問題解決には総合的なアプローチが必要となってきている。

混構造-1

1階が鉄筋コンクリート造、2階・3階が木造の建築物は、平成19年5月18日に国交省告示第593号第4号(最終改正・令和元年6月25日告示第203号)により、RC部分も木造部分も許容応力度計算が必要となった。

【H19国交省告示第593号第4号の概要】

・地階を除く階数が2又は3であり、かつ、1階部分を鉄筋コンクリート造とし、2階以上の部分を木造としたもの

・高さが13メートル以下で、かつ、軒の高さが9メートル以下であるもの

・延べ面積が500平方メートル以内であるもの

【構造計算の概要】

・RC部分は壁量の確認が必要となり木造部分、RC(WRC)造部分ともにルート2-1相当の構造計算が必要となる

・木造部分の軸組計算

・木造部分の許容応力度計算(2階以上の剛性率6/10以上、2・3階の偏心率15/100以下の確認)

・RC部分の許容応力度計算(1階の偏心率15/100以下の確認)

以上をすべて満たさない場合は、構造適判対象となる。

まあ、新築ならばこの基準で構わない。これから建築するのだから。

H19年の告示以前は、このような混構造の建物はどう扱ってきたかというと、RC部分は許容応力度計算だが、2階・3階は、法6条第4号建物とし軸組計算による筋違を配置して来た。

こうした都心ではどこにもあるような建物が、増築をしたいと思った時、混構造は法第6条第3項建物となり、一体増築の場合は、上記のように全体を許容応力度計算を行い安全性を確認しなければならい。

RC部分が地階だからと安心する事なかれ、建築基準法施行令第1条ニ号の「地階」と構造上の地階は異なるのだ。構造上の地階・地上階の判定は、地盤面かの外周囲が地階全周囲の75%以上かどうかを計算し確認しなければならず、結構地上階扱いとなることが多い。

こうした混構造の建物を増築する場合、大概は内部スケルトンリフォームとなる場合が多い。耐力壁が不足していることが多いので筋違や構造用面材で耐力壁を増やす。2階床の剛性を高めるために床を張りかえる必要がある ということは壁も天井も壊さざるをえなくなり、結果として内部スケルトンリフォーム。場合によっては外壁もということになり既存部分に改修工事が波及するので 改修工事費が嵩んでくる。

もともと長い事 混構造の取扱いはRCと木造は別物としてきたのだし、構造性状は異なるのだから、せめて既存建築物は告示第593号の適用は再検討して欲しい。既存ストックの活用というのなら、こうした細部の規定も見直し緩和をして欲しいと思う。

押印廃止

2020年12月23日に公布された「押印を求める手続の見直しのための国土交通省関係省令の一部を改正する省令」により建築基準法施行規則が改正されたことを受け、2021年1月1日以降申請・届出が行われる確認・検査申請等に関する書類については、押印不要で手続きができることになった。

【日本ERIのサイトから】

押印が必要なのは、構造計算安全証明書の構造設計者印ぐらいなもので、随分と思い切って押印廃止にしたものだ。2021年になつて確認申請を何度か出してみて思った。

「押印廃止ってヤバクねぇ」

容易に私文書偽造同行使が可能なのだ。有資格者は、知らないうちに名前・登録番号・免許番号を使われる可能性がある。知らないうちに責任を負わされないか・・・

建築関係者の中には、「押印廃止」について手放しで「楽になった」と評価する向きもある。、申請関係書類の押印そのものもシャチハタ以外はOKで、多分に形骸化していた面もあるが、書類の押印について厳格な人や法人も存在する。

私の自身の経験から言うと。図面や図書への押印は特別な「職責印」を使っていた。

以前、指定確認検査機関に勤め始めた頃、先輩に言われた。「職責印は認印でない事、フルネームの職責印を作り、会社の机の中に入れておかず、必ず持ち歩く事」「それが自分の身を守る」 担当者ならともかく、決裁者は常に責任を負わなければならない。押印は責任の所在を明確にする。

基本建築関係法令集

令和3年度版の基本建築関係法令集・法令編、告示編・井上書院が届いた。手にしたとたん何だか厚くなったなと感じた。

法令編で前年度1700頁から1743頁に、43頁の増加。

告示編で前年度1462頁から1540頁に、78頁の増加。

毎年なんだか増えていきますね。法律さえ作れば安心なんでしようかね。段々法令が、わかりずらくなってきたようにも感じます。バッサリ削ってしまったら良いのではと時々思います。

今年一年御世話になる法令集です。節分の日に届いた「福」だと感謝して つべこべ言うのは止めましょう。

「接道について」~住宅医リレーコラム2020年12月

一般社団法人・住宅医協会の住宅医リレーコラムに私の書いた「接道について」の原稿が掲載されました。

https://sapj.or.jp/column201210/

しばらく声を聞いていなかった住宅医協会の理事の方に、安否確認のショートメールを出したら電話がかかってきて、今原稿の締め切りが迫っていて、まとまらなくて困っている。接道に関する最近の法改正の事を少し書いて欲しいと言われました。

「いいよ」と気やすく請け負ったのですが、色々と話していると接道の事から、再建築不可、改修や改築、最近ちまたで流行っているスケルトンリフォームの事等に話が広がり、それらの会話をまとめていたら長文の原稿になってしまいました。

元々、その理事の書く原稿の一部のつもりでだったのですが、全文私の名前で掲載することになったと言う経過です。

今、ちまたで広がっている「スケルトンリフォーム」に対する対応は、建築基準法遵守の立場で考えると、色々と議論が噴出し意見が分かれるところかもしれません。

御一読いただければ幸いです。

あと施工アンカー

あと施工アンカーは、平成18年2月28日の「告示改正」までは建築基準法上で許容応力度が設定されていませんでした。このH13国交告第1024号の改正後も、条文が「既存の鉄筋コンクリート造等の部材とこれを補強するための部材との接合に用いるもの」となっているため、改正後も耐震改修に用いる時しか許容応力度が設定されていません。(国住指発3021号「あと施工アンカー、炭素繊維、アラミド繊維等に関する許容応力度及び材料強度の指定について(技術的助言))

したがって、今でも新築・増築工事の構造設計にあたって構造要素として使うことができません。

 しかし、現在土木・建築分野では広く「あと施工アンカー」は使用され、臨床的には充分強度があると実証されていますし、様様な研究論文も発表されていますが、残念ながら現在のところ建築基準法上は不可となっています。

現在「あと施工アンカー」の問題は、法律が現実に追いついていっていない典型的な事例となっています。

指定確認検査機関や構造計算判定機関でも、増築部分の既存との取り合いについては、あと施工アンカー云々と記載させず、建築主や施工者判断に任せているところも増えています。
 
既存の基礎と増築部分の取り合いについて、同じ案件で構造計算適合判定機関と指定確認検査機関の構造審査者の間で対応が異なり苦慮することもありました。又既存のRCの建物にエレベーターを敷設する工事で、鉄骨小梁のRC部分に取り合い部分についてもめたこともあります。

準耐火建築物 -2  イ-2準耐

準耐火建築物とは、耐火建築物以外の建築物で、主要構造部が準耐火構造(法2 条9 号の3 イ)又はそれと同等の準耐火性能を有するもので、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸等を有する建築物のことをいいます。

このイ-2準耐は、一般的な木造準耐火建築物の仕様です。

H30年の建築基準法の改正で令第107条の2の準耐火性能に関する技術的基準は、ほとんど変わっていません。

平成30年改正法第53条第3項第一号で準防火地域内の耐火建築物等、準耐火建築物等の建蔽率が1/10緩和されていますので、準防火地域内の木造2階建戸建て住宅は、従来は防火構造で建築可能でしたが、より防耐火性能の高い準耐火建築物等にする傾向は高まると思います。

 

 

準耐火建築物 -1

■準防火地域内の制限(H30改正前法第62条第1項→法第61条)

法第61条・令第136条の2により、準防火地域内の3階建て以下、500㎡を超え1500㎡以下の建築物は、準耐火建築物にしなければなりません。

下記の表は、戸建て住宅の場合です。

H30年の建築基準法の改正で法第62条第1項は、法第61条となり「防火地域及び準防火地域の別並びに建築物の規模に応じて政令で定める技術的基準」である令第136条の2の内容は、改正前とは全く異なるものになっています。

延焼防止性能の基準は二通り用意されていて、「イ」は旧法の技術的基準。「ロ」は延焼防止時間を規定しています。

準耐火建築物には、以下の4つの種別があります。

・準耐火建築物(イ-1): 木造3階建て共同住宅(木三共)、主要構造部は60分準耐火構造
・準耐火建築物(イ-2): 主要構造部45分準耐火構造
・準耐火建築物(ロ-1): 外壁耐火(自立できる構造等)
・準耐火建築物(ロ-2): 主要構造部不燃、主として鉄骨造

4種別に共通してるのは、延焼の恐れのある部分の開口部は防火設備の設置が必要だという事です。

この中で都市の多層階住宅で一般的なのは、イー2準耐とロ-2準耐です。

 

2020年建築関係法令集

注文していた2020年(令和2年)版の建築関係法令集「法令編」と「告示編」が届いた。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い全国の小中高の臨時休校を政府が唐突によびかけたのが口火になったようで、今日3月の資格更新講習会や出席しようと思っていた展示会、講習会。講師をする予定だったセミナー等と、ほとんど延期・中止になったことを知らせる連絡が飛び込んできた。

何だか 夜の時間があきそうだ。まず昨年改正になった差分を確認し、昨年公布された告示を読みこなし、法・施行令、規則、告示と一通り読み替えそうか。

日本の社会は、この先どうなることか・・・。

こんな時は、家に引きこもり本でも読んでいるしかない。ということで商売道具の法令集をパラパラとめくるのでした。

前代未聞!!  9つの指定確認検査機関が行政処分

既に報道されているが、国土交通省は2020年2月14日、建築基準法に基づいて建築確認や検査を実施する国土交通大臣指定の確認検査機関9社に対し行政処分を行った。

【今回行政処分された指定確認検査機関】

  1. AI確認検査センター(東京都町田市)業務停止(期間:4カ月と20日)
  2. ビューローベリタスジャパン(横浜市)業務停止(1カ月と10日)
  3. 国際確認検査センター(東京都中央区)業務停止(1カ月)
  4. 富士建築センター(神奈川県川崎市)業務停止(10日間)
  5. アウェイ建築評価ネット(東京都新宿区)業務停止(10日間)
  6. J建築検査センター(東京都渋谷区)業務改善計画書を提出(期限は3月6日まで)
  7. 日本建築総合試験所(大阪府吹田市)業務改善計画書を提出(期限は3月6日まで)
  8. ハウスプラス確認検査(東京都港区)業務改善計画書を提出(期限は3月6日まで)
  9. 西日本住宅評価センター(大阪市)業務改善計画書を提出(期限は3月6日まで)

これだけ多くの行政処分が一度に行われたのは、かって無い事。

指定確認検査機関が増え、競争激化により「早い、安い、ゆるい」が横行していた確認審査制度。株式会社としての利益を確保する為に、人件費削減で必要な人員が充足していない。雇用条件の見直し。外注化。過重労働が横行している。そういう労働環境が業界内に明らかなってきたのか人気がなくなってきてスタッフの補充が難しくなってきている。

指定確認検査機関制度を創設するときから指摘されていた危惧が全て的中している現状。行政指導の強化ではなく抜本的な見直しが必要な時期を迎えているのではないか。

国交省・指定確認検査機関等の処分について

【用途】大規模進学塾・予備校

建築基準法における「学校の定義」は、文部省又は都道府県の設置認可を受けたものをいう。

予備校のうち、各種学校又は専修学校として学校教育法に基づき認可されたものは建築基準法上も各種学校又は専修学校として取り扱われる。そうでないものは令第130条の5の2第5号に規定する「学習塾、華道教室、囲碁教室その他これらに類する施設」として扱うのが一般的であると思う。「学習塾」の場合、用途の大分類上は「事務所」であり特殊建築物でないということになる。ゆえに用途変更確認申請は不要となる。

学校法人か株式会社かという違いで、実態はさほど変わらないにもかかわらず建築基準法上は「学校」か「事務所」に取扱いが分かれる。これは最近増えてきたインターナショナルスクールでも同じことが言える。インターナショナルスクールの場合は、まだ学校法人の認可を受けたものは少ないと思う。

学校法人だと法人税が非課税となるなど税制面で優遇を受け、専門学校・各種学校等の認可を受ければ補助金も受けることができるそうだが、新興の予備校は株式会社のところが多い。

従来からある学習塾や予備校が大規模化してきている。しかも多くは駅周辺のビルに入居している。

ある事務所ビルの6階以上の階に予備校がテナントとして入居することになった。このビルは、階の居室面積が200㎡以下で屋外避難階段+避難上有効なバルコニーの設置により(令第121条第1項第六号(イ))より、ひとつの屋外避難階段と9人乗りのエレベーターが設置されている。

上記の計画は、駅周辺の高層テナントビルとして、かなり一般的である。

居室の面積が200㎡以下で教室のレイアウトをしてみると150人以上は収容できる。仮に3フロアー使用すると教職員を含めて500人が収容される。これだけ収容人員が増えても「事務所」で取り扱って本当に良いのだろうか。

9人乗りのエレベーターで迅速に縦移動ができるとも思えないから、屋外避難階段を使って縦移動をすることになる。使用上支障が生じそうなものだ。

遵法性遵守といいいながら、本当にそれだけで良いのかという疑問が生じることが多い今日この頃。

再建築不可 -2 法第43条第2項

従来の「法43条但書」は無くなり、現在は、法43条2項1号(認可)2号(許可・建築審査会)になっています。

43条但し書きの改正法が平成30年6月27日に公布されています。(43条但し書きと説明した方が、「すぐわかる」という建築関係者の方が多いので ついつい言ってしまいます)

第2項第1号認定及び第2項第2号許可の適用にあたっては、事前に行政の担当課との相談が必要です。
接道義務に対する例外的な認定・許可になるため、法の主旨に基づく適切な判断が求められているので、比較的長い打合せ期間と(許可の場合は)建築審査会の同意が必要となりますので、認定・許可を受けるまでにかなりの期間を要します。

内容によっては適用できない場合もあり、認定・許可になったとしても、将来建替える際には、改めて適用の可否の判断が必要となります。

建築基準法第43条(改正後、平成30年9月25日施行)
第1項 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
第2項 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
 その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

【関連】
建築基準法施行規則第10条の3
第1項 法第四十三条第二項第一号の国土交通省令で定める基準は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。
一 農道その他これに類する公共の用に供する道であること。
二 令第百四十四条の四第一項各号に掲げる基準に適合する道であること。

第2項 令第144条の4第2項及び第3項の規定は、前項第二号に掲げる基準について準用する。

第3項 法第四十三条第二項第一号の国土交通省令で定める建築物の用途及び規模に関する基準は、延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合にあっては、その延べ面積の合計)が二百平方メートル以内の一戸建ての住宅であることとする。

第4項 法第四十三条第二項第二号の国土交通省令で定める基準は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。
一 その敷地の周囲に公園、緑地、広場等広い空地を有する建築物であること
二 その敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道(幅員四メートル以上のものに限る。)に二メートル以上接する建築物であること。
三 その敷地が、その建築物の用途、規模、位置及び構造に応じ、避難及び通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有する道路であって、道路に通ずるものに有効に接する建築物であること。

再建築不可 -1  相談事例

建物の新築、改築、増築を行う場合には建築確認を受ける必要がありますが、建築基準法第42条で定められた道路に対し、当該敷地の接道間口が2m未満の場合は、これら既存建物の新築、改築、増築ができませんので、既存建物の再建築不可ということになります。

昨年末から、たて続けに再建築不可物件の相談がきています。

今までは、関わりが少なかった小規模木造住宅ですが、再建築不可物件の活用需要が高まっているのでしようか。

1、隣地の再建築不可物件の土地建物(B)を購入したが、その建物を取り壊し、現在住んでいる住宅(A)と繋げて増築したい。住宅(A)は検査済証が無いので諸手続きをお願いしたい。

2、再建築不可物件を相続したが建て直したい(改築)、ただし従来の法第43条但し書きの適用が受けられそうなので諸手続きをお願いしたい。

3、再建築不可物件を購入して大規模なリフォームを行い貸家にしたい。その場合設計から工事会社の紹介までお願いできるか。

再建築不可物件は、資産としての活用価値を正しく評価されず解体されることや、不動産価格が安く売却されることがありますので、是非弊社に相談をしていただければと思います。

自分ならどうする? あなたならどうする?

すでに報道されて承知のこととは思うが、昨年12月20日国交省は、レオパレスの管理建築士3名の一級建築士免許を12月13日付で取り消したと発表した。いずれも工事監理責任を問われている。

免許取り消しになった3名は、一級建築士の登録番号から推定して恐らく40歳から50歳代。いずれも管理建築士で中間管理職であったと報道されている。まだまだ働き盛りで建築士資格を取り上げられるのはつらいだろう。結果として仕方がないだろうが、会社勤めの管理建築士の悲哀を知るだけに彼らの心情を推し量ると、色々とつらかっただろうと思う。

免許取り消しから5年経過すれば、再度一級建築士試験を受験することができるが、合格するとは限らない。採点された答案が本人に戻されない国家試験だから恣意的に採点される可能性だってある。かの姉歯耐震偽装事件の後、多くの一級建築士が免許を取り消されたが、再受験して合格し一級建築士になったと言う話は聞かない。一度取り消されると永久追放されると見ていた方が良いかもしれない。

会社勤めの管理建築士の立場というのは、建築士事務所の職務に関しては経営者とは独立しているものされながらも、中間管理職に権限は実質無く、実態は一労働者に過ぎない。ゆえに経営者の指示、命令に表立って背くことは中々できない。「桜問題」の官僚たちのように「名簿は廃棄しました」「名簿がないからわかりません」で済めばよいのだろうが、経営者の命令に従わなければ人事査定や報酬にも影響する。

自分がレオパレスの管理建築士だったら どうしただろうか?

師走・正月とずっと考え続けてきた。勇気をもって経営者に意見し問題を指摘できただろうか。建築士としての倫理を貫けられただろうか。未だ回答はでない。

「レオパレスに勤めてなくて良かった」と言う事だけは言える。

いま残された時間、世の為、人の為に尽くしたいと思う。孫娘のランドセルを買って上げれるぐらいの報酬は欲しいが・・・。

用途変更の設計者資格と工事監理者

先般 用途変更の確認申請書類を役所に受理しに行った時の事。

副本に、「着工前に工事施工者届、工事監理者届を提出してください。それが提出されていないと工事完了届は受理できません」とメモしてあった。

「用途変更は工事監理者不要では?」「(法第87条の)準用規定から除外されているはずだよ」役所担当者「ちょつと調べてみます」

用途変更については、建築基準法第87条の準用規定に於いて、200㎡超の特殊建築物の用途に変更する場合に建築確認申請が必要とされています。
しかし、法第87条の用途変更の確認に対する準用規定に於いては、法第6条3項は除外されています。
即ち、用途変更については建築士法第3条の建築士の業務範囲が確認申請を受理を拒否する理由にはなりません。
つまり、用途変更確認申請・設計は、資格に関係なく誰でも行うことが出来るという事になります。ただし これは申請上のことで、業務として報酬を伴うものは建築士事務所登録が必要となります。

建築士法第3条の、資格による業務範囲についても、新築、増築、改築、大規模修繕、大規模模様替えについては、可能な設計・工事監理の範囲を定めていますが、用途変更については記載がありません。用途変更をするに当たり、増築・改築・大規模修繕・模様替えが伴わないのなら、工事監理者の資格もその存在も問われません。

しばらくして役所担当者「工事監理者届は不要です」との回答。


2019年10月22日追記

*横浜市では、横浜市建築基準条令第56条の6、第1項、第2項で、用途変更でも工事施工者、工事監理者の選任届が必要と規定している。


現在では、この用途変更に関わる部分の建築基準法・建築士法の規定は問題ありだと思います。

例えば床面積10,000㎡の用途変更や10階建てのビル全体の用途変更(フルコンバージョン)でも工事監理者が不要という事になります。設計者の資格も問われない。工事完了検査は不要で工事完了届(ただし監察対象となる場合がある)のみというのは、いかがなものでしょうか。これで遵法性を保持できるでしょうか。

用途変更の確認申請料が民間でも役所でも低価格すぎないか? 少し申し訳なささもありますので、料金についてもここに記しておきます。

又、用途変更は建築確認申請に際して「建築工事届」の提出が不要な為、国交省の統計データーから除外されてしまいます。どのぐらい用途変更の確認申請があるのか、実態は消防の統計データーで把握しなくてはならず、総務省のデーターに依存しているような状態です。ちなみに東京消防局では、この数年 年間600件前後の同意数があり過去から見ると飛躍的に用途変更の件数が増加しています。

【自然災害】風圧力・瞬間最大風速と平均風速

「建築基準法施行令第八十七条

風圧力は、速度圧に風力係数を乗じて計算しなければならない。
2  前項の速度圧は、次の式によつて計算しなければならない。
q = 0.6 E V o (2乗)

この式において、q , E 及びVo は、それぞれ次の数値を表すものとする。
q 速度圧(単位 一平方メートルにつきニュートン)
E 当該建築物の屋根の高さ及び周辺の地域に存する建築物その他の工作物、樹木その他の風速に影響を与えるものの状況に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値
Vo  その地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて三十メートル毎秒から四十六メートル毎秒までの範囲内において国土交通大臣が定める風速(単位 メートル毎秒)〕
3 建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物、防風林その他これらに類するものがある場合においては、その方向における速度圧は、前項の規定による数値の二分の一まで減らすことができる。
4 第一項の風力係数は、風洞試験によつて定める場合のほか、建築物又は工作物の断面及び平面の形状に応じて国土交通大臣が定める数値によらなければならない。」

地震力の陰に隠れて、普段はあまり気にしない風圧力だが、時々建築関係の試験問題に出てくる事があるし、建築基準法の荷重・外力でも重要なひとつ。

建築基準法には瞬間最大風速が何m/secとは記述されていないが、各地域毎の「平均風速」は決められていて平均風速は概ね32~34m/secとされている地域が多い。
この平均風速と粗度区分(街中か平原の中なのか)とか、高さの係数、ガスト影響係数(瞬間的に強くなったり弱くなったりを考慮する為の係数)などより、建物の高さ毎の風圧力を算定する。
瞬間最大風速は、平均風速にガスト影響係数をかけたものと考えてよいと思うので、ガスト影響係数は概ね2.0以上くらいになることから、瞬間最大風速としては60m/sec以上ということがいえる。尚、高さが高い建物で都市化が進んでいるところほどガスト影響係数の数値も大きくなる。例えば超高層ビル。

この値は、1934年9月の室戸台風での瞬間最大風速61m/secが基準になっている。

2018年の台風21号による関西地域の最大瞬間風速は50m/secを超えていたようだし、関西国際空港では58.1m/secを記録したと報道されていることから、建築基準法で想定している最大値にほぼ近かったと思われる。


2019年台風15号の最大瞬間風速

千葉県館山市48.8メートル(午前2時31分)、千葉県木更津市49.0メートル(午前2時48分)、千葉市が57.5メートル(午前4時28分)、以上は観測史上1位の記録となった。

また羽田空港が43.2メートル(午前3時27分)、横浜市が41.8メートル(午前3時12分)です。東京都心も31.4メートル(午前3時37分)を観測しています。

我が家(木造3階建て)も深夜相当揺れました。


 

「世界コンバージョン建築巡り第16回・ヘルシンキ」

東京都建築士事務所協会のコア東京に連載されている首都大学東京教授の小林克弘先生の「世界コンバージョン建築巡り・第16回・ヘルシンキ」が、とても参考になった。

ヘルシンキのサブタイトルが「コンパクト・シティにおけるコンバージョンの有用性」。

フィンランドの首都・ヘルシンキは、人口60万人強のコンパクトシテイ。中心部から東西南の三方向の港湾地区まで徒歩圏という規模の街。小林先生は、それぞれの地区の性格が変化した場合は、建築コンバージョンによる都市整備が有効に機能する実例としてヘルシンキを挙げている。

ヘルシンキといえば昔・アアルトだが、現代建築でもスティーブン・ホールの「ヘルシンキ現代美術館」や、2018年12月にオープンしたヘルシンキ中央図書館「Oodi」等と興味深い建築があるのだが、コンバージョン建築も中々面白そうだ。

ヘルシンキは、地理的に都市拡張が限定されているので、コンバージョンが活用されているようだ。

サウスハーバーの「スカンディック・ホテル・グランド・マリナ」は、1928年のRC造倉庫を1992年に高級ホテルに転用した事例。「ワンハ・サタマ」は1900年頃竣工した平屋の税関倉庫を、1984年のコンペをへて8つの貸ホールとレストラン施設に転用した事例等 豊富な事例が紹介されている。

小林先生は「ヘルシンキ自体、都市化の歴史が浅いため、過去の建築を尊重するという姿勢が強い」。その姿勢がヘルシンキのコンバージョンを盛んに推し進める原動力と記す。

自分にとってヘルシンキは、にわかに興味深い対象になった。

「建築関連法規の解説・設計実務編」熊谷組設計本部編著

世に多くの法令解説本はあるが、この本はあまり知られていない。

第一線の設計実務者の為の法令解説本として、これほど適切な本はないだろう。

1990年に初版が発行されているのだが、当時勤めていた会社にあったこの本を参考にしていた。その後1996年に一部改訂され、2017年に全訂改正版が発行されていたことを最近知り購入した。

この本の他にない特徴と言えば、まず第一に多くの図や表が組み込まれて視覚的だと言う事。平均地盤面の図や日影の発散方式と閉鎖方式の図等々 とにかく親切。

第二にあれこれの本をめくることなく一冊で間に合う法令解説本だと言う事。例えば消防法の「防火対象物の主たる用途と機能的に従属する用途」東京消防庁の消防同意事務審査要領なども表として挿入されていて、いちいち事務審査要領の本を引っ張り出さないで良い事。

第三に建物用途別チェックポイントがとても便利だと言う事。東京都の駐車場附置義務条例などについても記載されている。

第四に営業企画から工事竣工までを取り上げているので、工事施工に関わる法令解説にも触れている事。

第五として行政独特の取扱い事例や日本建築行政会議の適用事例等も幅広く記載されている事。

総じて大型の特殊建築物に関わる設計実務者向けと言えるだろうか。

欲を言えば総合設計制度、一団地申請、景観法、都市計画法、道路法等にも触れ、購読者をもっと絞り込み徹底してプロフェッショナル向けの法令解説本にして欲しかった。

それにしても第一線の設計実務者の編著というのは、大変なエネルギーが費やされたことと思う。熊さんには恐れ入った。脱帽。

第一線の設計実務者は、初学者向け本や建築士受験用法令解説本に依存せず、こういうプロフェッショナル向けの本を参考にしたほうが良いと思います。

平成30年改正建築基準法に関する説明会(第3弾)

6月10日、月曜日 激しい雨が降る中 昭和女子大学人見記念講堂で第3弾説明会は開催された。今回は有料だった。

参加を申し込んでいたが、重要な用事があって説明会を聞くことは出来ず配布テキストを受取ってもらってきた。

【補足説明資料】

【設計業務報酬基準2019年告示第98号】

まだ 充分に目を通していない。第1弾、第2弾の説明会も参加して来たのでさほど大きな変化はあるまい。

「建築ストックの再生・活用技術セミナー」を開催します

このたび「都市×地方それぞれの建築ストック再生」を副題として「建築ストックの再生・活用技術セミナー」を開催する運びとなりました。

弊社で近年取り組んできた都市の多層階住宅のリノベーション・重量鉄骨造検査済無建物の増築改修と、野上氏・大貫氏が取り組んできた養蚕農家のホテルへのリノベーション・増築改修の二つのテーマで公開セミナーを行います。いずれも調査・申請・設計というプロセスに焦点をあてた実務者に役立つセミナーになっています。

講師陣・建築系事務所4社共同主催・共催 (一社)住宅医協会です。

是非 御参加いただけれは幸いです。

【東京会場】4月22日(月)13時~17時 連合会館401号室

<終了しました>

詳細及び参加申込書・PDF

ストック再生セミナー・東京

【大阪会場】5月15日(水)13時~17時 (株)ニチネン本社4階会議室

<終了しました>

詳細及び参加申込書・PDF

ストック再生セミナー・大阪

*新建ハウジング・WEBで紹介されました。新建ハウジング

*(一社)住宅医協会・WEBで紹介されました。住宅医協会


【3/26 講師陣打合せ】

4人の講師陣がセミナーで発表するパワーポイントを持ち寄り、それぞれの担当部分を説明し、みつちり4時間にわたり意見交換等を行いました。調査・申請・設計にわたるプロセスが詳細に語られ、経験やノウハウも語られるレベルの高いセミナーになりそうな予感がします。

リノベーションセミナーは最近多くなっていますが、どちらかというと「まちづくり系」で、実務者(建築設計者・建築技術者)の知りたいことに寄り添った「技術セミナー」は、あまりないと思います。今回のセミナーは、再生・活用技術を深化させたセミナーとなっています。

野上氏・大貫氏の養蚕農家を旅館にリノベーションした事例は、木造の一体増築にチャレンジした意欲的な作品です。用途変更した事例は数多いのですが一体増築は現行法の構造規定に遡及しなければならないので技術的にハードルが高く、それをひとつひとつクリアした経験が述べられています。プレゼン資料も美しく、説明も親切で感心しました。

私、寺田と構造設計担当の伊藤氏による「多層階住宅のリノベーション」は、数件の同様事例を比較する事で、法的な問題点、調査項目や行政の対応など分かってくる事が多いと思います。そして今のところ重量鉄骨造の多層階住宅がスケルトン・インフィルが実現できる最適な構造ではないかと考えています。

個々の説明時間を調整した結果、私の持ち時間が増えました。

また学生参加費を1,000円としてリノベーションに取り組んでいられる大学の研究室を通じて参加をお誘いすることにしました。


【4/10 東京セミナー満席】

おかげさまで東京セミナーは、満席となりました。

東京セミナーは秋田県、宮城県、群馬県、名古屋市、埼玉県各地等 遠方からも参加申し込みがあり、建築ストックの再生活用技術への関心が全国各地に広がっていることを新めて実感しました。

ありがとうごさいます。


 

 

用途変更確認申請200㎡以内は不要・幾つかの危惧

2018年6月の建築基準法改正による施行日(現在未定だが2019年6月27日迄)が迫ってきた。

今まで4号建築の用途変更が少なかったのは、工事完了検査済証が無い建物が多かった事にも起因している。今でこそ全体の完了検査率は90%ぐらいになってきているが20年前の平成10年前までは、完了検査率は40%以下だった。多分4号建築物に限るともっと完了検査率は低いと思われる(国交省資料)。

工事完了検査済証が無い建物は、実態的に違反建築物が多いため違反部分の適法化工事や建築基準適合性調査に一定の費用がかかる。その為個人の費用負担が多額なる事が多く用途変更を断念する場合が多かった。

4号建築は工事完了検査済証が無くても使用開始出来た事。済証がなくても登記や融資を受けれた事。社会の遵法意識が低かった事。戦後の建築基準法等の弱点である「負の遺産」の集積を現在に引き継いでいる。そうして実態的に違反建築物を社会に広く存在させてしまつた。今回の用途変更確認申請対象面積の緩和は、これら負の遺産である「違反建築物を恩赦」しようとしているようにも思える。

何しろ既存住宅の30%は100㎡以下だが、200㎡以下だと既存住宅90%が恩赦の対象となる。そもそも、この法改正は空家住宅対策と言う事だったが、改正基準法では、法第6条第1項第一号の「100㎡」を「200㎡」に改正しただけなので4号建築だけでなく1~4号までの全ての建物に適用される。

200㎡以下は用途変更確認申請が不要になることによって建築設計事務所と指定確認検査機関の業務が一定量減じることは間違いない。

「確認申請は不要だけど遵法性は保つてね」というは、現実的には悩ましい。

最近の事例で、RC3階建てのリノベーションで用途変更変更確認申請等が不要と言う事でインテリアコーディネーターが「絵」を描いた。出来た「絵」はRCの耐力壁がきれいさっぱりなくなり、床に大きな開口があく、文字通り「自由な設計」だった。たまたま関係者が一級建築士が構造安全性を担保してくれないと工事できないと言ったので検証したら、床は補強すれば何とかなるが耐力壁の開口は駄目。

建築業界では、ともすれば「法の規制を受けない」「構造安全性からの解放」「避難安全性の制約を受けない」ことが設計の自由度が高まったと受け止められる。

「違反建築物に恩赦」を与えることで遵法性意識のある建築士、建設業登録をしているような施工者は「建築ストックの活用」に関与できる機会がかえって少なくなるのではないか。

「自己責任」「設計者責任」だけが重くのしかかりそうだ。

私が事業者なら、コンビニ、保育園、ディーサービス、共同住宅、ホテル等の特殊建築物で、その面積に近いものは全て200㎡以下で成立するように、基本設計の見直し用途変更確認申請は不要ととして諸費用の削減、工期の短縮を図るだろう。

建築ストックの活用が増えると手放しで喜んでもいられないのではないかと思った。