「世界で一番美しい・名作住宅の解剖図鑑」増補改訂版 中山繁信他著

もともとは2014年に出版されていた本だが、増補改訂版が2022年12月に出版された。

写真ではなくイラストで近代住宅の遺産を解剖して見せ、中山繁信さんしか出来ない本に仕上がっている。本屋の店頭にあったので、懐かしくも楽しみながら読むことが出来た。

ライト、コルビュジエ、ミース、イームズ、アアルト、カーン、バラガン、ムーア、フラー、アスプルンドほか巨匠たちが残した住宅遺産を厳選して集録している。

イラストで解説することで写真では写すことができない屋根をはがした状態で上から覗いてみたり、建物を輪切りにして上下階のつながりを確認したりできることで深く理解できる。

日本や世界中にある巨匠建築家による名作住宅はもちろんのこと古代から現代までの日本住宅の潮流、世界中にある地域に根ざした環境共生建築の仕組までもわかるようになっている。

住宅建築の入門書のようにも思うが、巨匠たちの作品を通じて近代住宅の歴史振り返ってみると中々味わい深い。