空調服

【画像は参考例】

真夏の調査は、熱中症対策がかかせない。

兵隊・士官・司令官とその時々で位置を切り替えるが、

やっぱり現場は面白い。

この夏、職人さんたちが着ている「空調服」を用意した。

腰のあたりに換気扇をつけるタイプの半袖の作業着

妻に、ペアルックにしようと言ったら断られた。

彼女はベストタイプのものを選択した。

中々快適である。

バッテリーが3時間ぐらいしか持たないので、

スペアバッテリーが必要かもしれない。

外目には、服が膨れ上がってハイパーおデブさんになる。

地方巡業の旅 -2

鳥取県米子市の駅前

駅ビルが改築中でお土産を買うどころか、昼ご飯も食べることができなかった。

この後、岡山経由で京都に向かったのだが、

乗り継ぎの時間が短く岡山で駅弁を買って食べた。

出張が続くと野菜不足になる。それと駅弁に飽きてくる。

ところで鳥取は、「まんが王国とっとり」なのだそうだ。

「鳥取県 交流人口拡大本部 観光交流局 まんが王国官房」という部局もある

鳥取を代表する三巨匠は、水木しげる、谷口ジロー、青山剛昌

コンテンツ・ツーリズムの実践が行われている。

地方は面白い。

地方からこの国を変えていくしかないのかも知れない。

地方巡業の旅 -1

既存建物調査の為に全国各地を訪れているが、

「建築探訪」という記事にはしなかった

ショートバージョンを書くことにした。

題して「地方巡業の旅」

最初は埼玉県熊谷市。

全国一暑い都市として有名なので、警戒していたのだが、

幸いにも訪れた日は曇り。

しかし猛烈に汗をかいた。

今までで一番ぐらい着ているものがビショビショになった。

ということで、調査現場から熊谷駅に向かう途中で

「ハレニレの湯」で日帰り入浴

風呂に入り着替えてさっぱりしたが、

中々モダンで色々な趣向が仕掛けてあって

スーパー銭湯も進化しているのを知った。

スーパー銭湯と漫画喫茶をミックスしたような業態

恐らく入浴施設だけでなく

リラクゼーション施設として定義付けをしたのかと

家族連れとか、友達同士とかがゆっくりできる場になっている。

ボルダリングもあったし、漫画が沢山置いてあった。

実際 平日の昼間なのに若い家族連れ、友達同士、学生さんなど客層が若い。

奥は飲食スペース

桃のかき氷を食べて、身体を冷やした。

【熊谷市・「埼玉県熊谷市の暑さ対策の取組2005-2021」より】

ところで 何故こんなにも熊谷は暑いのだろうか。調べてみると下記の事が熊谷市のホームページに書いてあった。

「熊谷市がなぜ暑いのか、熊谷地方気象台の見解によると、その理由は2つ考えられています。一つが、都心のヒートアイランド現象により温められた空気が、南寄りの風に乗って運ばれてくるため。もう一つは、上空を吹いている北西風が山を越えて吹き降ろしてくる際に圧縮されて温度が上がるフェーン現象が発生し、温度の上がった空気が流れ込むためです。つまり、フェーン現象と、東京都心から流れるヒートアイランドの空気が重なる「交差点」が、この熊谷だといわれているのです。」

調査建物の屋上は、煤のようなものが防水層の上、一面に付着していた。こんなに黒い屋上を見たのは初めてで、その時は、なんでこんなに黒いのかわからなかったが もしかしたら都内の排気ガス等の煤がここまで運ばれているのかもと思った。

「ジブリの立体建造物展・図録<復刻版>」

監修は藤森照信さん、コンセプト・デザイナーは種田陽平さん。

ジブリの作品に描かれる建物には、何故か懐かしさを感じる

所謂建築家が設計したような建物は出てこない

それが皮肉と言えば皮肉で、

建築家は、こうした建物は設計できないのかも知れない

宮崎駿さんと藤森照信さんの対談が興味深い

この本を時々見直すと「ホット」する

源光庵

京都北区にある曹洞宗の寺院・源光庵

ここは「悟りの窓」「迷いの窓」というのが有名なお寺です

また伏見城遺構の血天井というのも有名で、慶⻑5年7⽉(1600年)徳川家康の忠⾂・⿃ 居彦右衛⾨元忠⼀党1800⼈が⽯⽥三成の軍 勢と交戦し討死、残る380余⼈が⾃刃して相 果てたときの恨跡が天井板に使われています。

左が「悟りの窓」右が「迷いの窓」

まあこんなものかと

小規模な倉庫の建築基準法の取扱い

「小規模な倉庫は、建築物には該当しない。」という国交省の技術的助言が出されたのは、もう随分と前だったと思い調べてみたら平成27年(2015年)だった。

国住指発第4544号・平成27年2月27日「小規模な倉庫の建築基準法の取扱いについて(技術的助言)」

「土地に自立して設置する小規模な倉庫(物置等を含む。)のうち、外部から
荷物の出し入れを行うことができ、かつ、内部に人が立ち入らないものについ
ては、建築基準法第2条第1号に規定する貯蔵槽に類する施設として、建築物
に該当しないものとする。したがって、建築確認等の手続きについても不要で
ある。

この取扱いについては、当該倉庫が既製のものであるか否か、及びその構造
種別にかかわらず、上記に従って判断するものとする。」

以上が技術的助言の内容。

「建築確認のための基準総則集団規定の適用事例2017年度版」でも「小規模倉庫」について記載があり、

「土地に自立して設置する小規模な倉庫(物置等を含む)のうち、奥行き1m以内の物又は高さが1.4m以下のものは、建築物に該当しない」

解説として

「・小規模な倉庫は物置等を含むものとし、外部から貨物の出し入れができ、かつ、内部に人が立ち入らないものについては、法第2条第1号に規定する貯蔵槽に類する施設として、建築物に該当しないものとする。」「・したがって上記の規模は、最低限、人が内部に入ることのないものとした数値の目安を示したものである。」「・なお 倉庫の内部に収納・備蓄する内容は問わないものとする。」「・この取扱いについては、当該倉庫が既成のものであるか否か、及びその構造種別にかかわらない。」「・幅、面積及び連結型の取扱いなど具体的な適用の判断については、申請する審査機関に確認が必要である」とある。

意外と「小規模倉庫は建築物ではない」という事を知らない設計者が多い。また具体的な取扱いが行政によって異なることがある。

例えば東京都・大田区では、下記の規定が全て満たすものとしている

「1 、外部から物の出し入れを行うことができ、かつ、内部に人が立ち入らない
もの。
2 、用途は 防災用とする。
3 、1 棟のおおむねの大きさ (下記の全ての条件を満たすもの
高さ2 メートル 以下、幅 2 メートル 以下、奥行き 1 メートル 以下
4 、建築物に付属して、設置する こと 。
5 、設置できる合計床面積等
・敷地面積が200 平方メートル 以下の場合は、 2 平方メートル 以下とする。
・敷地面積が200 平方メートル を超える場合は、敷地面積 の 1 パーセント 以
下かつ3 棟程度までとする。
6 、風致地区内や壁面後退制限のある地区計画内
・壁面距離を確保する。」

神奈川県・相模原市 平成29年4月14日「小規模な倉庫の建築基準法上の取扱いについて」

「「小規模な倉庫の建築基準法上の取扱いについて(技術的助言)」(平成27年2月27日国住指第4544号)における「小規模な倉庫」とは、奥行が1m以下かつ高さが2.3m以下で、床面積が2㎡以内の規模の倉庫とし、かつ、当該倉庫の設置場所が次の各号のいずれにも該当しないものとする。
(1)建築基準法第42条に規定する道路
(2)相模原市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例別表第2の規定により壁面の位置の制限が定められている地区又は街区においては、当該倉庫の外壁又は
これに代わる柱の面から道路境界線(地区計画の計画図に表示する壁面の位置の制限
を定める境界線に限るものとし、都市計画道路にあっては計画線をいう。)又は隣地境
界線までの水平距離が同表に定める計画地区の区分に応じ、同表(5)部(ア)項に
掲げる数値未満の位置。ただし、同表(5)部(イ)項の規定により適用除外の建築
物が定められている地区又は街区を除く。
(関連事項)
小規模な倉庫において消防法で規定する危険物を保管する場合は、関連法令を遵守する
こと。(予防課)」とある。

また静岡県では、

「10㎡を上限とする」とある。

また東京都練馬区では、倉庫の外形を奥行有効内寸1.0m以下、幅の有効内寸2.0m以下、高さの会゛圭2.5m以下」として「設置数は、原則として戸建て住宅1 棟に対して1 台とし、その他用途の建築物については規模や計画等に応じて3台を上限とすること。その場合、各倉庫の壁や屋根同士の固定は不可とし、隙間はふさがないこと。」

まあ 結構地域によって異なるので注意が必要だ。

「人生には、飲食店がいる。『人と』」サントリーCM

流石サントリーだなと思うCM。

まあ宣伝が上手なのは企業としての伝統ですかね。

とは言っても私が飲むビールはエビスかアサヒ

ウィスキーだと国産はニッカ

今は、もっぱらアサヒスーパードライのノンアルコール。

音楽がブルーハーツの「情熱の薔薇」というのもグッド

豊川稲荷・法堂上棟

愛知県豊川市にある曹洞宗寺院「豊川稲荷」(円福山妙厳〈みょうごん〉寺)で6月20日、法堂(はっとう、本堂)の上棟式があったと報道で知った。岐阜県産の東濃ヒノキや、ケヤキ、アカマツなどの国産材を用いた木造の法堂は2024年夏に完成する予定との事

2021年10月に岐阜県中津川市加子母の中島工務店に視察で伺った時に、工場で加工していたのが この豊川稲荷の木材。

複雑な仕口・継手も自社プレカット機で加工できるとの事で感心した

また若い宮大工さんたちが働いていた

さて江戸時代後期に建てられた豊川稲荷旧法堂には、本尊の千手観世音菩薩(ぼさつ)像がまつられ、豊川稲荷の中心となる建物だったが、耐震性に問題が見つかり、2015年に取り壊された。

 この日の上棟式では、施工する中島工務店(岐阜県中津川市)の宮大工たちが、測量をしたり杭を打ったりする「工匠之儀」を披露し、僧侶たちも綱を引いて儀式に加わった。と報道されていた。

そういえば工場で加工していた木材だったよな~と思い出して写真を探してみたのがこの写真。

この厚さ3cmの杉の床板を使ってみたいと思った。

「建築技術・2022年3月号」

5月の下旬に岡山県西粟倉村に視察に行き、あわくら会館を含めた地域の林業の取組みや地域エネルギーについて勉強して来た。そのことをまとめて整理しておきたいと思っているのだが、西粟倉村の視察に刺激されて読み始めた本が多いため中々記録を残すことができないでいる。

この「建築技術」2022年3月号も特集は「多層木造建築物の現状整理」となっているが、表紙にもあるように巻頭の特集はあわくら会館。

現物を見てきてから、この本を買い求め詳しく読んでいる。

とりわけ山田憲明さんが書いている「構造計画」はより深く理解するのに役立つ。視察でもアルセッド建築研究所の小口さんから説明を受けていたが、改めて図面を見ながら構造計画の部分を読むと、平面・構造・防耐火構造の苦労がわかる。

一般木造と耐火構造の棟を交互に並べ、それぞれを1000㎡以下に分節し合計7つの棟が構造的に独立している。またサスペントラス構造のヒントはロベール・マイヤール設計のキアッソの税関倉庫(1925年)と知った。

その他、「木材供給体制」「地域の森林経営と計画施業」「素材生産の現場から」「地域の木材流通と木材調達」「百年の森林構想とあわくら会館」と詳しい原稿が当事者から寄せられている。

「建築雑誌・3月号」は読み応えあり。

「信州の縄文時代が実はすごかったという本」藤森英二著

もしかしたら5000年前の私の故郷は信州だったかもしれない。そんなことを思ってしまう考古学の本。

長野県の八ヶ岳を中心とした地域では、いまから5500年前~4500年前の縄文中期の遺跡数がずば抜けて多く、国宝「縄文のビーナス」等数々の土偶が発見されている。そこから考古学の世界では「井戸尻文化」と呼ばれているそうだ。その範囲は関東西部から山梨・長野をひとつの文化圏と考える研究者は多いようだ。

それを支えたのは、落葉樹の森の恵みと栽培管理、そして黒曜石。

黒曜石は、天然のガラスで弓矢の矢尻に使われるが、八が岳の周辺は黒曜石の一大産地で、遠く青森の三内丸山遺跡からも八ヶ岳西麓産のものが発掘されている。

この本の著者である藤森英二さんのお爺さん、藤森栄一さんも著名な在野の考古学者だった。今では定説になったと思う「縄文中期農耕論」を提唱していたが、最近の研究で実証されている。この本でも新しい研究として栽培の可能性があるものとしてシソ・エゴマ・マメ類(ダイズやアズキの仲間)があげられている。

とにかく全体がビジュアルで分かりやすく、とくに縄文のビーナスや仮面の女神の二つの国宝土偶のディティール写真は圧巻だ。

2017年に発刊されて現在は第5刷を超えているというから静かなベストセラー本だといえる。

信州の秘めたるポテンシャルは深い。

考古学の旅へ いざなつてくれる。

建築にどっぷりつかっていると頭が酸性になるので 時々中和させないと・・・

『コペンハーゲン: 権力と栄光』(“Borgen – Power & Glory”)

『コペンハーゲン/首相の決断』の続編シリーズ。

6月2日にnetflixから配信されたので一気に観てしまった

 外務大臣となったビアギッテ・ニュボーが直面したのは、グリーンランドの石油をめぐる権力抗争。大国間の覇権争いや気候問題など、北欧が抱える政治課題を描いている。

 多党連立政権内の駆け引き、年下の他党の女性首相との関係、自党の基本政策との整合など、中々ディテールがしっかりしていて見ごたえがあった。多分、多党連立政権はデンマークを始めとした欧州の民主主義を反映しているのだろうと思うが、こうした訓練を経て市民は鍛えられていくのだろうと思った。

グリーンランドのフイヨルドの風景に魅了される。

さて「爺ちゃん またnetflix観てるよ」と孫娘に言われないように仕事しなくちゃ。

夢みなとタワー -2

内部

隣にある境港さかなセンターも随分と大きな建物だつた。

2020年4月に完成したクルーズ船の寄港ターミナルである境夢みなとターミナルも完成した頃コロナだから不運といえば不運。これらの「夢の跡」の後始末は大変だろうな

大山の山脈

弓ヶ浜海岸か皆生海岸

夢みなとタワー -1

境港から米子に車で向かう途中「夢みなとタワー」に寄った

米子に午前中に戻らないとならなかったので駆け足で観た

この後ろのタワーは、1997年(平成9年)夏を中心に開催された「山陰・夢みなと博覧会」のシンボルタワーとして建設された。全面ガラス張りの外観は、「白い骨組みが複雑な模様を描き、同県日南町産のスギ集成材を多用。展望室は、日本海対岸諸国に向かう「交流の船」をイメージし、360度のパノラマ風景が楽しめる」とあるが料金がかかるのと時間がなかったので入らなかった。

この夢みなとタワーの構造的特徴は、テンセグリティ構造を用いている点にある。 テンセグリティ構造とは、『引張りに強い部材と圧縮に強い部材を力学的に組み合わせる構造』で、今から思えば建設費に相当余裕がないと躊躇するかな。こんなに建築費をかけられたんだなと思う。

設計は木島安史さんと相田武文さんが設立した (株)計画・環境建築。

この頃の作品は、まだ木島さんのDNAが色濃く出ている

美保神社 -2

参拝をした後、神主さん達が身支度をしているので聞いてみると

毎朝8時30分から朝御饌祭(あさみけさい)が行われ拝観できると聞き待つ

参進

朝御饌祭(あさみけさい)は、参 進/献 饌/大祓詞奏上/祝詞奏上/神楽/境内末社巡拝/退 下という順番で行われ、拝殿に上がり近くで拝観することができた。

神楽は日によって「巫女舞」の場合と、太鼓・笛のみの場合があるとのことで、この日は幸いにも巫女舞を観れた。

退下

尚、午後3時30分からは夕御饌祭(ゆうみけさい)が執り行われる

左は収蔵庫

美保神社 -1

朝早く境港から海沿いに車を走らせ「美保神社」にお参り

どの神社も維持するためにはお金が必要なのです

ご祭神・(美保神社サイトより)

三穂津姫命三穂津姫命
五穀豊穣・夫婦和合・安産・子孫繁栄・歌舞音曲(音楽)
高天原の高皇産霊命の御姫神で、大国主神の御后神。高天原から稲穂を持ってお降りになり、人々に食糧として配り広められた神様で「五穀豊穣、夫婦和合、安産、子孫繁栄、歌舞音曲(音楽)」の守護神として篤く信仰されています。また、美保という地名はこの神の御名に縁があると伝えられています。
■事代主神(えびす様)事代主神(えびす様)
海上安全・大漁満足・商売繁盛・学業・歌舞音曲(音楽)
大国主神の第一の御子神。鯛を手にする福徳円満の神えびす様として世に知られ、「海上安全、大漁満足、商売繁昌、歌舞音曲(音楽)、学業」の守護神として篤く信仰されています。また、出雲神話・国譲りの段において御父神・大国主神より大変重要な判断を委ねられた尊い神様です。

拝殿

「昭和3年、建築学者伊東忠太の設計監督により造営されました。檜造りで、屋根は杉板を敷きつめた柿葺き(こけらぶき)です。船庫を模した独特な造りで壁がなく、梁がむき出しの上、天井がないのが特徴です。この構造に加え周囲が山に囲まれている為、優れた音響効果をもたらしています。」(美保神社サイトより)

水木しげる記念館・水木しげるロード -2

天然温泉 境港 夕凪の湯 御宿 野乃

知人の薦めで泊まってみた

ホテルの新しい業態だと思った

ホテルの部屋から見た境港

隠岐汽船 境港フェリーターミナル

境港駅

全体的な印象として水木しげるさんの持つポンテンシャルを、

もっと引き出せるのではないかと感じた。

水木しげる記念館・水木しげるロード -1

鳥取県境港市の水木しげる記念館と水木しげるロード

水木しげる記念館は閉館の5時に近く 駆け足で館内を見て回った

今年は水木しげる生誕100年という事

土曜日の夕方だったが街の中には観光客と思われる

家族連れや若い人達が多かった

妻は10年程間に境港市に来たことがあり、その頃より随分と店も増え

パワーアップしたという。

水木ロードの妖怪ブロンズ像は今や177体もあるとか

境港市は水木しげる一色という雰囲気

松江市街

実に45年振りに島根県の松江市街に寄った

京橋

学生時代に松江城と小泉八雲の住まいと、このあたりを歩いた記憶がある

京橋川端の珈琲館京店

堀川めぐりの乗船場

京橋とカラコロ館

カラコロ広場

松江市街で時間がとれたのは、小一時間

遠目に島根県立美術館

2022年6月1日リニューアルオープンだったが、

松江を訪れたのは、数日前だったので行くことはできなかった

千鳥南公園から宍道湖と松江市街を遠望

「食エネ自給のまちづくり」小山田大和著

耕作しながら太陽光発電する「ソーラーシェアリング」に取り組む小田原市の社会起業家・小山田大和さんの20年わたる実践の書で2022年3月に出版された。

ソーラーシェアリングというのは、太陽の光を発電と農業で分けるシェアすることから名づけられているが、一般的な日本語では「営農型太陽光発電」と言われている。

単に太陽光発電をするというのではなく、日本の農業をどう再生していくのか、地域の活性化・再生という観点に立たれている。

日本の農業が抱えている後継者不足、耕作放棄地の問題、鳥獣害等の問題をどう解決していくのかソーラーシェリングの実践はその解決の糸口を秘めている。

また幅広い活動をされているが、故郷の環境を守るとともに、地域の復活、地産地消の地域循環型経済による元気なまちづくりを目指していることは一貫している。

今や東京ではカロリーベースで食料自給率0%。神奈川県では2%しかない。日本全体で38%。ちなみにフランスは122%。イタリアは62%。

食べ物はなくならない。お金を出しさえすれば買って来れると思っている人は多いが。東京大学大学院教授の鈴木宣弘教授が「農業消滅・農政の失敗がまねく国家存亡の危機」(平凡社新書)で書かれるいるように「食料の確保は、軍事・エネルギーと並ぶ安全保障の要」であるはずなのに そういう危機感を抱いている人は多くはない。

小山田さんの会社の名前は「かなごてファーム」というのだけど、「かなごて」というのは、御殿場線の神奈川にある駅の総称の事で、つまり一つの自治体ではなく領域でとらえられている処。テリトーリオで問題の解決を図っていこうという姿勢に共感を覚えた。

「テリトーリオ」とは、長く法政大学の建築学科で教えられていた陣内秀信さんが「都市とその周辺の田園・農村がつながる経済的・文化的なアイデンティを持つ、こうしたまとまりのある地域」と定義づけられたが、流域圏=経済圏で問題の解決を図っていこうという取り組みである。

全国各地を歩いてみると日本の地方のポンテシャルはまだまだ残っていて、若い人達が地方再生の為に汗をかいているところも増えてきたと感じる。

もうひとつ、小山田さんの根底には、小田原出身の二宮尊徳の「推攘の精神」に裏打ちされていることに感心した。「どんな人にも必ず能力=「徳」がある。その「徳」を今の自分のためだけに使うのではなく、将来の自分の為に磨き、社会の為に使っていくべきである」。

二宮尊徳が実践した思想は、協同組合思想と言って良く、至誠、勤労、分度、推譲を実践し地域の皆が幸せになる健全で活力あるまちづくりに取り組んでいることだ。小山田さんは1979年生まれと若く、今後一層の活躍に期待したい。