AIに聞く?

 とある建物で雨水の浸水が、補修しても補修しても止まらず1年ぐらい経過しているというトラブルの現場を建築主からの依頼で見に行ってきた。

 何度防水をしたり、コーキングをしたりしても雨が降ると浸水する。建築主は、何度も繰り返される設計監理者と工事施工会社のやりとりでプッツン気味。補修方法について工事施工会社は、設計監理者の指示待ちみたいな状態になっているような現状らしい。

 第三者的に見て、この案件の場合は設計ミスであり、図面に記載ある防水方法を最初からしていなかったから工事監理ミスであり、施工ミスだと思う。

 建築主が設計監理者に、今後どうするのかと問い詰めたところ「AIに相談して決めます」と答えたらしい。

 そうか今どきの若い設計者はわからないことはAIに聞くのか。笑ってしまった。私なら何人もの防水の専門家や現場経験の豊富な施工者に聞くけどなと思った。

 そもそもAIは正しいのか。専門家に聞いてみた。

1、 最新情報は反映されてないことがある

  • モデルの学習は、ある時点までのデータでストップしている
  • Web検索や外部接続がない場合は「古いままの情報」が返ってくることも

2、 曖昧な質問には「それっぽく埋める」ことがある

  • 正解がわからないとき、それっぽい文を生成してしまう
    → これを「幻覚(hallucination)」と呼ぶとか

3、 専門性の高い領域では、「断言」が危ないときもある

医療、法律、金融などでは、出典がないまま答えてしまうと誤情報になることもある

高精度ではあるが、決して正解ではないとか。

AIより人を信じようよ。