「田舎の思考を知らずして地方を語ることなかれ」花房尚作 著

 仕事の関係があり、2025年の夏から月の1/4程度は中部圏に滞在するようになった。名古屋という都会のときもあり、岐阜県内の各地ということもある。地方都市も過疎地も含まれているが、東京にいるだけではわからない事、知らないことが多すぎた。新しい発見があり、出会いがある。

 著者は「日本の国土に占める過疎地域の割合は約60%。「田舎は危機的状況にある」「過疎地域は悲惨」――。「田舎=過疎地域」にはネガティブな言説が付いてまわる。しかし、こうした言説の多くは「都心の思考」で発信され、「都市部の都合」を田舎に押しつけている。だが、田舎は本当に悲惨なのか? 都会の思考とは異なる合理性に裏打ちされた「田舎の思考」を明らかにし、過疎地域で暮らす人びとの日常を通して日本の未来を考える」と書く。

 この本が書いているように「都心の思考」で田舎を決めつけている人達もいるかもしれないけれど、どっこい田舎の人はマイペースのようにも思える。

 生活していくうえで都会も色々な問題あるように、過疎地も様々な問題を抱えていることは間違いない。でも、それは実体験を通じて「豊かさ」の次元が異なるだけではないかと思うようになった。

 私なんかは、「現代の漂泊の民」と定義できるかもしれないと最近は考えている。それは物流とインターネットと交通手段のおかげだ。それは技術の進歩でさらに改善されていくようにも思う。

 田舎は大切。守り応援し続けたい。