新宿歌舞伎町俳句一家・屍派「アウトロー俳句」

新宿歌舞伎町俳句一家「屍派(しかばねは)」の「アウトロー俳句」北大路翼編を読んだ。

常日頃 親しんでいる俳句とは、まったく異なる世界を開いてくれる。

新宿歌舞伎町界隈は、学生時代から親しんだ街。美しい花も咲いているが毒花も咲いている。とっても猥雑でエネルギッシュな街。

「アウトローとは、つらさ、苦しさ、愚かさ、哀しみ、怒り、妬み、嫉みなどをすべて受け入れしまう寛容さだ。要は愚鈍で立ち回りが下手なだけかもしれないが、それを優しさだと僕は思いたい。つまり、不良は優しくなければいけないのだ」と書く

屍派は、有季定型にこだわらい。季語よりも季感、定型よりも自分のリズムを大事にする。

この句集にある句は、ひとつひとつ刺激的である。自分はアウトローではないと信じ込んでいる人には とりわけ劇薬だ。

 

「施設参謀」

山下PMCの代表取締役社長である川原秀仁さんの本。

PM(プロジェクトマネジメント)、CM(コンストラクションマネジメント)の基本は、品質・コスト・納期をコントロールしながら、施設建設プロジェクト全体をマネジメントすることです。

昔は、CMと言えばコストカツター。分離発注で各専門工事会社からキックバックさせ建築主に隠れて儲ける怪しい人達というイメージもありましたが、昨今は第三者性を担保した健全なイメージが強くなりました。

2000年代の頃から日本の不動産ビジネスが開花しはじめデューデリジェンスの必要性が強調され、不動産証券化とともに設計図や各種施工結果報告書・竣工図の完備が必要となりました。

そしてデューデリジェンス業務(資産の適正評価のための調査・診断)やエンジアリング・リポート(建物状況調査報告書)といった新しい業務が生まれました。

とりわけ不動産投資や不動産管理において遵法性(建築関係法令)の遵守が前提となり、こうした調査業務も新しい業務として仲間入りしました。

昨今では、民間でも官庁でも発注方式が「設計・施工分離」から「設計施工一括発注」、設計の段階で施工者が関与する「ECI方式」などと多様になりつつあります。

そうした中でPMやCMは、これまで以上に重要な役割と責任を負うことになることが予想されます。

この本が出版されたのが2015年ですので、川原さんの書かれている「日本の未来をつくる7つの戦略」には、ちょつとどうかなと思うところもあります。

しかし川原さんは、この分野のトップランナーだけあって、この本に書かれている内容は、刺激的で多くの示唆に富むことが書かれていました。

「事業戦略と施設戦略を高度に融合した領域」は、私にとっては目指すべき高見かも知れません。

「日本の近代・現代を支えた建築・建築技術100選」

日本建築センターと建築技術普及センターから発行されたこの本は、建築基準法の前身である「市街地建築物法」が制定されてから100年の今年、百周年記念として出版された。

建築技術の100のキーワードを「住宅」「一般建築」「各種構造」「建築生産・設備」「政策・地域計画」の5分野に分けて掲載されている。

年寄りが読んでもなかなか読み応えがあるのだが、本書で「日本の100年間における建築・建築技術の全体像や日本の独自性を、これから建築を学ぶ若い人に伝える」と書かれているように、多いに若い人たちに読んでもらうのが良いと思う。

私見としては、調理人(学者)の視点ばかりではなく生産者の視点で建築技術の要素である塗装、防水、溶接、左官、タイル、外壁材等部位別に100年の歴史を振り返ってもらつたら もっと奥行きがある本になったのではないだろうかと思った。

民泊はやってこない

本日、8月26日 民泊事業者から町会長に連絡があり、「民泊を断念する」との連絡がありました。

予想に反して、「事業中止」の連絡でした。

やはり市民がまとまつて意見を言うのは、パワーになると言う事でしょうか。

まずは、心配の種が減りました。

【小布施・竹風堂の栗氷水】

民泊事業者に追加で要望しようと思っていた事項。

近所のお兄様・お姉様(私より一回り以上年長の方々の事)と立ち話していて追加しようと思っていた事を備忘録的に記載しておく。

「地域のローカルルールを守る」

  1. 町会に入会する
  2. 神社の祭礼・こども神輿等への寄付(大塚天祖神社の氏子となる)
  3. 自分の家の前の道路の掃除をする。(私道で共有持ち分となっている為)
  4. 雪かきをする(年に数回だが陽が当たらないので溶けづらいため。これも私道の為)

 

「世界コンバージョン建築巡り第16回・ヘルシンキ」

東京都建築士事務所協会のコア東京に連載されている首都大学東京教授の小林克弘先生の「世界コンバージョン建築巡り・第16回・ヘルシンキ」が、とても参考になった。

ヘルシンキのサブタイトルが「コンパクト・シティにおけるコンバージョンの有用性」。

フィンランドの首都・ヘルシンキは、人口60万人強のコンパクトシテイ。中心部から東西南の三方向の港湾地区まで徒歩圏という規模の街。小林先生は、それぞれの地区の性格が変化した場合は、建築コンバージョンによる都市整備が有効に機能する実例としてヘルシンキを挙げている。

ヘルシンキといえば昔・アアルトだが、現代建築でもスティーブン・ホールの「ヘルシンキ現代美術館」や、2018年12月にオープンしたヘルシンキ中央図書館「Oodi」等と興味深い建築があるのだが、コンバージョン建築も中々面白そうだ。

ヘルシンキは、地理的に都市拡張が限定されているので、コンバージョンが活用されているようだ。

サウスハーバーの「スカンディック・ホテル・グランド・マリナ」は、1928年のRC造倉庫を1992年に高級ホテルに転用した事例。「ワンハ・サタマ」は1900年頃竣工した平屋の税関倉庫を、1984年のコンペをへて8つの貸ホールとレストラン施設に転用した事例等 豊富な事例が紹介されている。

小林先生は「ヘルシンキ自体、都市化の歴史が浅いため、過去の建築を尊重するという姿勢が強い」。その姿勢がヘルシンキのコンバージョンを盛んに推し進める原動力と記す。

自分にとってヘルシンキは、にわかに興味深い対象になった。

善光寺 -2

善光寺・山門

参道は、ゆるい坂道が続く

本堂

本堂は、思っていたより大きかった。

現在の本堂は宝永四年(1707年)の再建で、江戸時代中期を代表する仏教建築として国宝に指定されている。

間口約24メートル、奥行き約54メートル、高さ約29メートルという国内有数の木造建築で、T字型の棟の形が鐘を叩く撞木(しゅもく)に似ていることから「撞木造り」と呼ばれています。

屋根は総檜皮(ひわだ)葺き。

善光寺は、中々商売熱心。御朱印の数が多いし、季節ごとの御朱印というのもある。おみくじはガチャポン。

夏だ 祭りだ 盆踊り

恒例 サンシャインの盆踊り大会

8/1~8/3まで開催

サンシャインビルとプリンスホテルの狭間の

屋上で繰り広げられる夏祭り

久しぶりに二人の孫娘もやってきて

射的・輪投げ・スマートホールすくいに興じ

かき氷を食べて大満足

民泊がやってくる -5


下記は、私が起案して第二回事業者説明会において 読み上げ(一部配布)して事業者側に伝えた要望事項


【東池袋4丁目住宅宿泊事業についての要望書】

1、 チェクイン時間の厳守

事業者は、7月20日の説明会においてチェックインは16時からとし、飛行機の遅延があった場合は その限りでないと説明したが、類似民泊施設のチェックイン時間を確認したところ16時から23時というのが大多数であった。

当該建物は家主不在型で一棟貸しである。

事業者は宿泊定員について10名と説明したが、宿泊利用室が4室あり、床面積が105㎡程度あるため20人以上の利用が可能であり、明らかな過少申告だと他の事業者から指摘された。

大多数の人員が一度にチェックインする場合、夜半にキャリーバックをひいて通行するのは騒音となる。又路上に滞留し会話するのも騒音となる。

当該地は、地下鉄の駅や幹線道路から近いが、夜間は極めて静かな住宅地であるため、上記の事象は、深夜の騒音源となりうる。

住宅宿泊客のチェックイン時間は16時から21時とすることを要望する。

2、 対面での鍵渡しの徹底

キーボックスでの鍵の受け渡しは、開錠ができない、パスワードが違っていた等の要因により住宅宿泊客が長い時間路上に滞留する可能性があるので必ず対面で鍵渡しを行ってほしい。

3、 「中庭」での喫煙の禁止

事業者は、室内及び路上での喫煙は禁止すると説明するが、「中庭」での喫煙はあると説明する。事業者の説明する「中庭」は、敷地内ではあるが道路に隣接している為に、実質は路上で喫煙するのと変わりがないのだから全面禁煙を要望する。

4、 夜間窓開放の制限

21時以降、外部に面する窓を開放し内部の音を拡散させない事を要望する。

5、 事業ゴミ回収を徹底し、一般ゴミとして搬出しない事。

事業者は、宿泊利用者が排出した可燃・不燃ゴミは全て事業ゴミとして清掃業者が処分すると説明するが、他の住宅宿泊施設の使用実態によると一般ゴミ収集場所に、指定日以外に可燃・不燃ゴミ混合で排出している事例が多いのでゴミ排出については徹底して欲しい。

6、 清掃業者等の車両は、長時間路上に停車させない事。

他の住宅宿泊施設の使用実態によると、清掃業者等が長時間(1時間)路上に停車し、周辺住民の通行の妨げとなっている事から 停車時間は10分以下とし、それ以上の場合は、近くの有料駐車場を利用するようにしてください。

7、 初期消火

当該計画地は、木造密集地区であり、地域のほとんどが消防自動車か進入できない狭隘道路である。よって万が一火災が発生した時は、隣接した建物に延焼を及ぼさないように初期消火が非常に大切である。

住宅宿泊事業を行う場合は、自動火災報知機の設置が必要となるが、これは利用者に火災の発生を知らせるものでしかない。

事業者は、消火器を設置し、利用方法を多言語で表示すると説明しているが、多言語・多文化の宿泊利用者が一時的に滞在する民泊の場合、宿泊利用者が消火器による初期消火を充分に行えるとは到底思えない。

そこで消防署への通報装置の設置。並びに初期消火を徹底するためにスプリンクーラー設備の設置を要望する。

8、 私有地利用の制限

当該計画地が接する二方向の道路は、何れも私有地(共有持ち分)であり、地目は宅地である。一般の通行の便に供する場合は 私有地利用を是認しているが、それらを逸脱する利用については認めていない。宿泊利用客が多人数で路上にたむろすることや、清掃業者等の車両が長時間駐停車し一般の通行を妨げる行為は私有権の侵害である。

又、当該建物が平成24年に改築した時、上下水道の工事の為に「私道掘削」に同意したが、これはあくまでも「専用住宅」として利用することで同意したに過ぎず、当該建物を住宅宿泊施設として利用することは当初の同意目的から逸脱しているので、再同意を求める。

9、 協定書の締結を求める

周辺住民との確約事項は、事業者と周辺住民との間で、協定書を締結することを要望する。

2019年7月29日


 

民泊がやってくる -4

7/31 2回目の事業者側からの説明会が開催された。

初回より1.5倍の大きさの会議室が満杯になるくらい周辺住民が参加した。始めて参加した人も多いようだった。

事業者側から配布されたのは、宿泊者向けの注意事項と宿泊者向け緊急連絡先の一覧の2枚だけ。前回の事業者側に要望した項目の回答は無かった。

住民側をなめているのか、あるいは誠意がないのか、はたまたこうした交渉事が不慣れなのか。

ともかく埒があかなかったが、初参加の住民も多かったので それらの方々の要望を加えて次回、住民側の要望事項に対する回答を文書行うとの確約を得て散会となった。

民泊がやってくる -3

7月29日「住宅宿泊事業の届出書受理保留のお願い」を豊島区保健所所長宛に申入れをしました。生活衛生課長・係長・担当者に対応していただき、お話しを聞いていただきました。

前回説明会で周辺住民から事業者に出された要望の回答を待っているところですが、「豊島区住宅宿泊事業の適正運営の確保に関する条例」では、事業者側に周辺住民から出された要望に回答する義務はなく、周知したという自己申告で届出を出すことができます。基本的に書類の形式的要件が整っていれば2週間ほどで受理され、民泊を開業することができます。

そこで、事業者と周辺住民との協議が整うまで住宅宿泊事業の届出の受理を保留してくださいという申入れをしました。

数日間で準備したのですが、まちづくり協議会会長、町会長を始め町会の方々、当該建物の向こう二軒両隣の賛同を得て提出しました。

「少女は悪魔を待ちわびて」

映画「事件記者」を見てから、韓国の女優シム・ウンギョンのファンになってしまった。このちょっとイモトアヤコ(井本絢子)に似た、しかし演技力抜群、歌もうまい彼女が過去に出演した映画を少しづつ見ている。

映画を見ている暇があれば仕事をしなければならないし、勉強することも山ほどあるのだが、目先の好奇心が先んじてしまう。

この映画は、幼いころに父親を殺害され、犯人へのリベンジの機会を待ち続けた少女の執念を描くクライムサスペンス(犯罪事件を扱ったスリリングな展開の物語)。2016年公開。

映画としての完成度はすこぶる高い。

以前は、韓国映画を沢山見ていたけど、この数年少し御無沙汰していたせいか見逃していた。映画の中ではニーチェの言葉が多く取り入れられているのだが、エンドロールで流れる言葉が強く残った。

「悪が勝つための条件はただ一つ。善良な人が何もしない事」

というのはアイルランド出身の18世紀の政治思想家 エドマンド・パークの言葉だということを知った。

善良な人たちがたくさんいる。しかし、どんなに善良な人たちがたくさんいても、その人たちが何もしなければ、邪悪な人たちの計画が進んでいく。

政治でも棄権者が多く投票率が低いことや、民泊問題など生活権を侵害する身近な問題でもそうだ。

大切なのは平和を求める人ではなく、平和を作りだす人である。

The only thing necessary for the triumph of evil is for good men to do nothing.
– Edmund Burke

夜の日本橋を歩く

ようやく晴れ間の日が続き、外に出たくなった。

夜の日本橋を歩く

三越日本橋店

洋服類は 見事にシニア以上向けで客層がはっきりしている

夜、このあたりを歩くのは10数年ぶりかな

マンダリンオリエンタルホテル2F・千疋屋総本店の前

ちょっぴり懐かしい

しかしこの辺を歩く人は、みんなお洒落。

普段、池袋・大塚・新宿を中心に動いているが

 たまに、かしを変えると刺激に満ちている

「市街地建築物法から建築基準法まで・日本近代建築法制の100年」

1919年に市街地建築物法及び都市計画法が制定されてから 100年を迎えるのを記念して行われる都市計画法・建築基準法制定 100周年記念事業の一環として、我が国の近代建築法制の 100年間の歩みをまとめられた書籍。

永久保存版の資料集です。

まだパラパラとしか見ていませんが・・・