空気がきれいだというのは、素晴らしい事だと思う。
札幌の街の中でさえ こんなにも清涼な空気が吸える
重さに耐えてくれるだろうかと
自転車を気遣いながら休み休み公園を巡る
刈り取られた芝の香りの向こう側に
テトラマウントが姿をあらわす
並木路
たんぽぽが咲き始めた丘
プレイマウンテン
この路を 登り続ければ
明るい未来があったはずなのに
まだ桜の花が 幾らか残っていた
記憶の中の北海道の原風景が
散りばめられている公園だ
建築法務/ 建築ストック再生・活用 /長寿命化/ 環境建築 / 建築設計監理 / ㈱寺田建築事務所・一級建築士事務所
青木茂さんが首都大学東京を退官するに際して、青木さんの仕事を支えてくれた10人の方々と対談し、10年間を振り返るという内容の対談集。
中々示唆に富む指摘が散りばめられていた。
私が、建築法規の分野から建築ストックの再生と活用に関わりだし始めたのは、随分と前からなのだが、本格的にはリタイアしてからの この5年。
今でも、建築ストック活用プロジェクトの建築法規の領域だけに関わることが多いが、最近では直接 建築主から依頼され調査・申請・設計監理まですることも多くなった。
久しぶりに設計に直接かかわりだすと、やはり設計というのは法規や施工、構造・設備に目を配らないとうまくできないことを実感する。設計こそが鍛錬の近道なのではないかと 今更ながら思う。
建築ストックの再生と活用には法的調査が必須だが、新築と異なり現代法のみ勉強していれば良いというわけではなく、それに加えて現代法の改正履歴を学ぶこと、さらに明治から昭和25年建築基準法成立までの近代建築法制史(市街地建築物法だけでも)を学んでおく必要があると思っている。
いつまで経っても勉強することは山ほどある。
埼玉県川越市内の軽量鉄骨造2階建ての事務所をディーサービスに用途変更したプロジェクトです。平成30年4月30日に竣工しました。
既存建物の工事完了検査済証が無かったので、弊社が調査・申請・設計を担当しました。外装はほとんど変更していません。
【1階・機能訓練、食事 レクリェーションスペース】
【浴室】
【洗面】
建築基準適合性状況調査及び建築確認申請(用途変更)は、川越市に提出しました。
【事業主】株式会社 アリーフ (株)アリーフ
【内装設計・施工】株式会社フリーデア 一級建築士事務所
【調査・申請・設計】株式会社 寺田建築事務所
【概要】軽量鉄骨造2階建て 延床面積279.05㎡
既存建物 建築確認:有(平成13年2月)、検査済証:無、構造計算概要書:有、既存図面:一部有
毎日コンピューターと向き合って仕事をして目が疲れるので、最近は本を読まなくなった。というか文字を追うのが苦痛になっていた。目薬は以前から必需品だが、最近はついにハズキルーペを買ってしまった。
自分の先祖たちがどんな人だったのか、年齢を重ねるごとに調べておきたいという気持ちが膨らんでいたが、自分の戸籍を追っていくことは結構手間もかかる事なので中々手をつけることが出来ないでいる。
仕事で都内のあるお寺の「家歴書」を作った。建築確認申請の手続きの中で本堂の新築時期を特定する必要があったからなのだが、来歴や郷土史を調べて新築は江戸時代だとわかった。お寺は関東大震災で損傷を受けたが地域の被災者を受け入れ、かの大戦の空襲でも被災せず、家を焼かれた人々を受け入れ、被災者のために庫裡の増築までしていることが判った。創建時の木造の本堂は、昭和42年に鉄筋コンクリートに建て替わったのだが、建築確認申請上は「増築」となっている。
つくづくすごい お寺だなあ~と思った。
途中幾度か大修理がなされてはいるが、創建から約270年木造のまま地域の被災者を受け入れてきている。このお寺は、宗派の中では有名なお寺なのだが、色々な物語が建物にはあるのだと思った。
***
なんだか あっというまに老人になってしまったようにも思う。
歳を重ねると色々なことを振り返る事がある。
今は 自分の御先祖様に思いを寄せている。
社会的には無名であっても、その時代を必死に生き抜いてきた先祖様があるからこそ自分の存在があるのだと思う。
命をつないでくれた御先祖様に感謝したい。
さて、この本は 自分で先祖探しをしたいという人のために、プロの調査のコツが散りばめられた本で、著者の豊富な体験がベースに書かれているので とても面白かった。
荒川区町屋の鉄骨3階建て外壁・屋根ALC版t=100の建物・築27年
外壁劣化・屋上防水に際立つた損傷がなかったので、内部結露であろう。3階天井裏すなわち陸屋根屋上の下の鉄骨部に発錆が見られた。鉄骨造の建物では、鉄骨部の発錆は比較的よくある事象である。
恐らく天井裏に敷き込んだグラスウールt=50に保水し結露したものと思われる。鉄骨部材・材質調査を担当していた調査員が 簡単な温湿度測定を実施してくれたが、外気温と3階室内、3階天井裏では温度はほとんど変化がなかったが、3階天井裏の湿度は外気に比べて15%程高かった。
言われたことだけ自分の担当部分だけ調査するのではなく、常に建物全体を総合的に目を配る調査員になってくれれば調査員としては一流だ。
1階の西側外壁面の内壁の石膏ボードにカビが発生していた。これも壁体内結露だろうと推測できる。
こうした詳細調査を通じて既存建物の問題点が浮かび上がる。既存建物の温熱計算をして、断熱改修を検討する必要がありそうだ。
鉄骨の部材や材質の調査の為に天井点検口を設置し天井裏を覗いたのだが、鉄部の発錆から、その場で総合的に考えるのが大事だと思っている。調査が外注だと温湿度計で測る事などしてくれないだろう。調査員達で事象から意見交換を行い方向性を見出すことができた。
都電町屋駅のホームから下を見ると軌道敷きが緑化されていた。これは今年3月から始まった「東京さくらトラム(都電荒川線)の軌道敷きにおける緑化実証実験」とのこと。
東京都交通局のサイトには下記のように書いてある。
「~官学連携による実験を開始~
東京都交通局では、平成28年3月から「都電荒川線の軌道敷きにおける緑化検証実験」を行い、日照等が良好な箇所における軌道緑化の生育状況等を確認してまいりました。
この結果等を踏まえ、東京都交通局と東京都市大学(総合研究所/環境学部)では、軌道緑化の生育条件や維持管理方法、環境への効果等をより具体的に検討していくため、下記のとおり官学連携による「東京さくらトラム(都電荒川線)の軌道敷きにおける緑化実証実験」を開始するのでお知らせします。」
「実証実験の概要
実施箇所
大塚駅前停留場付近
荒川車庫前停留場付近
町屋駅前停留場
軌道緑化の規模
合計 約430m2
軌道緑化に用いる品種
セダム属(タイトゴメ、キリンソウ、アルブム、ツルマンネングサ等)
主な検討内容
日照環境の悪い区間や停留場など、さまざまな環境下での生育状況の検討
軌道緑化の維持管理方法の検討
軌道緑化による環境面での効果や影響の検討
軌道保守点検時の作業性などを考慮した設置方法や材料の検討
実施期間
平成30年3月から平成32年3月まで 」
実験が成功し、都電荒川線全体が緑の道になると素敵だな。
昨晩 新千歳夜9時発の飛行機で東京に戻り、自宅に着いたのは少しばかり日が変わっていた。ちょっと疲れた。
今朝は、荒川区町屋の鉄骨造3階建ての検査済みの無い建物に、エレベーター等を増築するのと二世帯住宅にするために全面的に改装する計画の詳細現場調査の準備の立会。
都市住宅は、一方向だけ道路に接している場合が多く、他は建物と敷地境界との離隔距離が無い為、地面下の調査には苦労する。
予想通りではあるが、排水管と建物との間にはガス管が敷設されており、下部には水道管等が敷設されていた。この隙間でコンクリートコアを抜くことができるだろうか。コアが抜けなければシュミットハンマーで調査するしかないかなと思案する。
コアを抜く予定の他の二カ所は、スラブ配筋でコンクリートが厚かったので斫るのに苦労した。配筋はD13@200縦横だった。
地盤が悪い為に耐圧版なのだがコンクリートガラを粉砕した再生砂で埋め戻しし、よく転圧してからコンクリートスラブを打設していた。地中梁の施工状態も良好で、最初に施工された基礎工事会社はいい仕事をされている。
明日の、現場詳細調査の準備はできた。
鉄骨の材質調査の為にサムスチールチェッカーを使ってみた。
物事は全て準備が必要で検査部分の錆止め塗装と黒皮をサンダーで除去した。
調査部分に測定用プローブを押し当てる。
メーターの針が赤い表示部分(SS400)を示している。
梁・柱・ダイヤフラムを検査する。
この建物の建設時期はSS材とSM材しか使っていなかった頃だからサムスチールチェッカーでも事足りるだろう。
最後に調査チーム全員に、サムスチールチェッカーを体験してもらった。
鉄骨の材質調査をしてくれる会社はそう多くない。まだビジネスにならないからだろうか。今回も弊社で測定器具をレンタルし、天井裏の狭い個所でサンダー掛けをしてから測定を行った。
時々、一級建築士だか職人だか わからなくなってくることがある。
塗装を落とすのに、紙やすりではかったるいので、サンダーと替え用品を購入した。ついでに電源コードのドラムを買い。脚立も買い。安全保護メガネや高性能防塵マスクも買ってしまった。それに養生関係の諸品や掃除用具も用意しなければならなくなった。
調査に来ている姿かたちからは、ただの職人にしか絶対見えないだろうな。
現地詳細調査も物件の規模等に応じて調査チームを編成しないとならない。今回の八王子の場合は、重量鉄骨造2階建て200㎡以下と規模は小さいので、以下のように調査チームを編成した。規模が大きくなるとそれぞれの調査パートに補助員を付け研修する事もあるが今回は内部も狭いので調査員だけとした。
以上5人の調査チームである。その他に非破壊・微破壊検査の方々
外部の実測調査を担当した人は 某会社の社長夫人で一級建築士。普段は主に住宅関係のリフォームの図面を書いているとか。今回が調査参加4回目なので補助員から調査員に昇格。
実測調査4回目ともなれば、こちらが調べて欲しいことをきちんと見ている。
Q 電気の分電盤の写真撮った?
A 撮りました。12回路です
Q 契約アンペアは?
A 45Aです。
Q 電柱の番号調べた?
A 写真撮りました
ふむふむ 成長著しい !(^^)!
建築ストックの業務では、既存の「調査」はかなり重要な要素。
いざ仕事が決まったから学生を集めるとか、他社の所員を借りるとか、調査に不慣れな人を人海戦術で というのでは いい調査にはならない。また一級建築士を持つていれば正確な調査ができるというものでもない。
調査をする人を常日頃 自社で養成しておくことが必要。ただし社員を増やせという意味ではない。どうやって優れた調査員を養成していくのかは課題でもある。
そんなことは調査会社に頼めばよいのだと言う人もいるだろうが、そう気にいる手頃な価格の調査会社は中々見つかるものではない。
それにアウトソーシングしていると、どうしても自分達で考える力が低下してしまう。
しかも特殊建築物の調査が出来る人はそう多くない。規模が大きくなると法令の知識が必要不可欠になる。しかも建築基準法に限れば現行法、改正の履歴、そして戦前の市街地建築物法についての知識も必要になるが、この事については又書く機会があると思う。