正面が玄関
投稿者: tera
かわらミュージアム -1
調査なくして設計なし
昨日は、京都府京田辺市に日帰り出張
先週に引き続きの出張で腰が痛い・・・
町所管建物のコンバージョンにあたり京都府・町・設計事務所・私と打合せとなった。検査済み証の無い建物という触れ込みで彼此一か月前から相談に乗ったりあれこれと調べたりしていたが、町が建築確認の工事完了検査済証が無い建物と言っていたのですっかり信用し、それが大前提となって調査・手続き・見積りと進んでいた。
何しろ遠方なので行政から取得する「建築確認記載台帳証明」は、自分では取得に動きずらく、強く言って町に動いてもらえば良かったのだが、すっかり町の情報を信じてしまった。
この日土木事務所での打合せを終わり、町が「建築確認記載台帳」を閲覧したことがないと言うので、府に特別に閲覧させてもらうと、推定していた年のそれらしいものを発見。概要書を見せてもらうとビンゴ。おまけに工事完了検査済証も発行されていた。
多額の詳細調査が必要なくなり万々歳。
弊社の仕事は減ったが、無駄な税金が使われなくて良かった。
それにしても行政の言う事だからとすっかり信用してしまっていた。相談された時点で「建築確認記載台帳証明」を取得してもらうようにもっと強く依頼しておけばよかったと反省。
「調査なくして設計なし」
建築設計の道を歩み始めた頃 先輩に言われたこの言葉を思い返した。
ラ コリーナ近江八幡 -10
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ラ コリーナ近江八幡 -1
水無月
春の薔薇もそろそろ終わりに近づき、紫陽花が開花し始めています。
赤い薔薇の花言葉は「情熱」。幾つになつても情熱は持っていたいです。
何だかあっというまに6月、水無月(みなづき)になってしまいました。
3月から省エネ尽くめの日々を送っていましたが、ようやく目途がついてきました。
外皮計算で積分を駆使した日々でした。
楕円形の建物で下部楕円形と上部楕円形で中心がずれた形態の外周長さ、屋根面積の算出をしました。他には弓形の建物で内側、棟、外側で三つの中心があり、しかも棟の高さが変化する形態の外周長さと屋根面積の算出。また雛壇状の建物で屋根面積の算出に苦労した建物など。小粒だけどピリッと辛いような建物が多く準備計算だけで四苦八苦していました。
月が変わり、初日から二日間の滋賀県出張です。
近江の初夏の便りをお届けできると思います。
「工手学校・日本の近代建築を支えた建築家の系譜・工学院大学」
明治、帝国大学総長であった渡邊洪基は、建築家の辰野金吾や土木を専門とする古市公威と共に、8つの学科を擁する「工手学校」を設立し日本の建築界に多くの卒業生を輩出しました。
「孤篷の人」葉室麟著
NICHE 2017 vol.40
「NICHE」と「NICHEダイジェスト」は工学院大学建築同窓会誌ですが、2014年から建築とデザインの学際的な架け橋として、海外取材に基づく特集記事と連載 を中心とした業書・書籍版(有料)「NICHE」と広報誌「NICHEダイジェスト」に分かれています。
「NICHEダイジェスト」は、「NICHE」から抜粋した内容と大学に関係した記事で構成され同窓生や大学関係者に無料で配布されています。
2015年の「台湾建築探訪」2016年「フランス建築探訪」そして今号「ドイツ建築探訪」と、最近の内容は同窓会誌のレベルをはるかに超えていると言って良いと思います。
今号も
- ブルーノ・タウト再考
- バウハウスとその時代
- ドイツ派、妻木頼黄と矢部又吉
と興味深い特集記事が組まれています。
そして 亡き武藤章先生が1968年に設計された「工学院大学旧白樺寮」が閉鎖され解体される方針に対して、建築系同窓会が土地の借地権と建物を引き継ぎ、一部を減築し夏季利用に限定した、アールトと北欧デザインづくしの「白樺湖夏の家」として生まれ変わった様子が速報版として紹介されています。
学生時代に白樺寮に一度行ったことがありますが、約半分ぐらい減築し暖炉のあったリビングの部分を残してリノベーションした様子ですが、とても懐かしいですね。
武藤章先生の傑作・八王子図書館が解体されたのは残念ですが、白樺寮が保存出来て良かったです。関係者の皆さんありがとうごさいます。
薔薇が咲きました
モデル建物法と標準入力法
4/1から非住宅2000㎡以上の省エネ適判が始まり、今日2件の省エネ適判の事前申請を提出してきました。連休明けにもう1件省エネ適判の事前申請を提出しないとなりません。今晩はつかの間のオフ。ブログに投稿する余裕がちょつとできました。
建築物省エネ法における非住宅建築物の計算方法については、「標準入力法」「モデル建物法」「主要室入力法」があります。
【モデル建物法】
建物用途毎に建物形状や室用途構成などを想定したモデル建物に対して、評価対象建物全体の外皮や設備の仕様を適用した場合のPAL*及び一次エネルギー消費量を算定して評価する簡易な計算方法です。
【標準入力法】
評価対象建築物の室毎の面積や外皮・設備の仕様を入力して計算します。
BELS認証取得など詳細な数値が必要な場合は、実際に建つ建物の面積・形状に仕様を当てはめて計算する標準入力法を採用しす。入力に時間がかかり設備の知識も一定程度必要です。
「モデル建物法」は、「標準入力法」よりも計算方法は簡易ですが、一般的には1割ほど安全側(不利側)の評価結果になります。「モデル建物法」でクリアできない建物でも、「標準入力法」で計算する事でクリアできる場合も有ります。
【主要室入力法】
小部屋などの主要でない室の入力を省略できる計算方法ですが、主要室選定の条件が複雑で適用が難しい場合があり、実務的には使いづらくあまり使われていないと聞きます。計算支援プログラム(WEBPRO)は標準入力法と同じです。
【モデル建物法か標準入力法の選択】
建物の図面を見た時に、モデル建物法か標準入力法で行うか判断しないとなりません。入力作業量がかなり違いますので見積額・報酬も異なりますし、省エネ適判の申請料も大きく異なります。
通常 建物の用途が単一(飲食店・事務所・学校・物販店等)あるいは2程度であり、建物形態が単純であればモデル建物法。建物用途が多数の複合建築物であれば標準入力法の方が逆に入力が簡単であり、説明資料の作成も簡単ではないかと個人的には思っています。ましてやモデル建物法のような大雑把な計算方法で本当にいいのかしら??とも思うので、出来ればすべて標準入力法でやりたいところです。
とは言え趨勢は「モデル建物法」になっていく事でしよう。政策的にも省エネレベルを安全側に誘導できるのですから。BELS認証が必要な建物や特殊な形状なものなどが「標準入力法」を採用することになるのではないかと思います。
ともあれ省エネ適判が始まり、その混乱の渦の中にいます。建築確認申請と同時並行って結構疲れます。
「聖地巡礼 Rising 熊野紀行」内田樹×釈徹宗
日本の霊性を再生するシリーズの第2弾。熊野古道・熊野本宮大社・花の窟神社・那智の滝・・熊野にむき出しの宗教性を見る。
この正月に「聖地巡礼」シリーズは発行されている第1弾から第3弾まで一気に読みましたが、この「熊野紀行」について書き留めておくのが遅くなりました。
祖先は、一体いつの頃から「霊性」や「神」の存在を感じたのでしょうか。古代の人々にとって大自然の中で生きていくことは過酷だったと思います。大自然の脅威と恵は、古代人の心に「恐れ」と聖なるものへの「畏れ」(おそれ)を生み出します。
私達の祖先は、自然をも超越した完全無欠の「神」ではなく、自然の中に存在し、災害も恵も合わせ与える厳しくも温かい「神」を望みました。
自然が作り上げた神聖な場所は、全国各地に未だ多くありますが、この熊野はとりわけ濃厚な霊性を感じられる地だと言われています。
はるか古代から自然への信仰を飲み込み、それらを原点として神社神道へと展開していく熊野信仰は、六世紀に仏教が伝わると神仏習合が進み、「熊野権現信仰」が広まります。
熊野古道は、滅罪と救いを求めて難行を行う人々が開いた命の道です。古代や中世においては、今では想像も出来ないほど険しい山道だったに違いありません。それだけに宝前に辿りついた人々は皆 涙したと言います。以前サンティアゴ・デ・コンポステーラの道の巡礼の終点である大聖堂に着いたときも皆涙すると聞きました。
熊野古道とサンティアゴ・デ・コンポステーラの道の二つ道の巡礼を達成した人は「二つの道の巡礼者」と呼ばれます。
「日事連 2017・4」日本建築士事務所協会連合会
日事連4月号は、「木の魅力」の特集です。
「川下から川上へ・木材産地における構造変化」筑波大学生命環境系准教授・興梠克久(こうろきかつひさ)氏へのインタビューが読みごたえがありました。
2015年の国産材素材供給量は2004万9千㎥と、1997年以来18年ぶりに2000万㎥台に回復したそうですが、素材需要増加の要因について聞いています。
200年代以降の流通の合理化には、大きく分けて三つの傾向が見られるとあります。
1、商社が国産材に関わる事業に進出して来た。
2、原木市売市場の商社化
3、素材生産業者の取りまとめ団体の商社化
大資本である商社が、日本の木材市場の再編成を図ったことが最大の要因です。為替の変動(円安)から国産材へと軸足を移したことも大きいようです。
工務店や設計事務所が核となり、地域材を大消費地に供給する動きが全国各地にみられます。
岐阜県の中島工務店が「完結型林業」ということで紹介されています。
ヒノキ材の産地である岐阜県中津川加子母に所在する中島工務店は、工務店が川下流域の林業や製材業の中心となり、森林組合や製材所と共に協力体制を構築し、社寺仏閣から木造住宅まで幅広く手掛け、関東・中部・関西の大都市圏に建てています。
何となく農業の六次産業化の林業版というような感じを受けました。
加子母に一度行ってみたいと思っています。
特集では他に、地場材を使った地域の建築として奈良県の取組みや全国の地域材活用方針や取り組みが一覧表に整理され紹介されています。
なたねづゆ
【車窓から・飛鳥山の桜】
菜の花が咲く頃の3月から4月にかけての 降り続く小雨のことを菜種梅雨(なたねづゆ)と、いにしえから言うそうですが、それにしても今日は寒いですね。
このところ引きこもりで省エネ計算に取り掛かっています。
今年は花見も行けていません。
多分 ゴールデンウイークもずっと仕事になりそうです。
3月末から4月にかけてH28基準の省エネ計算ツール、入力シート等が変更になり、またエネルギー消費計算計算プログラム入力シートからモデル建物法入力支援ツールの入力シートを生成するコンバートツール等も発表され新規建物の計算に追われる中で変更箇所を勉強していました。
モデル建物法を推奨するのは、建築環境技術者・設備技術者が建築業界・審査機関に少ないからというのもありますね。
建築環境技術者というのは今後確立した領域としなければならず、その人たちが省エネ・CASBEE等を扱っていくのが望ましいと思います。
弊社は、省エネ計算は基本的に標準入力法ですがコンバートツールを使ってみて、標準入力法の場合とモデル建物法で、どの程度差異があるか興味深いです。
弊社は、立方体の建物の省エネ計算を依頼されることは少ないので、標準入力法で計算しておいて、BPI・BEIに余力がある場合はコンバートしてモデル建物法で省エネ適判に提出するというのが良いかなと思ってます。
省エネ適判の申請料が、どこも高額なので顧客の負担を減らすためにはコンバートする方が審査時間も短縮できるから良いのかなと思いますが、こちらの手間は少し増えますね。
これから何件か省エネ適判を提出しますが、審査機関の対応はどんなもんでしょうか。
「奈良の木」BOOK
「奈良の木」BOOK を頂戴しました。
発行は「奈良の木」マーケッティング協議会。奈良県南部の吉野地方の吉野材・吉野杉は、木目が美しく強度に優れている高級材として有名ですが、近年は製材生産高の低迷が続いているそうです。
奈良県産材の利用拡大を目指して、その魅力を伝えるための製材、奈良県産材を使った公共建築、民間の建物、小物、家具などを紹介しています。
「奈良県産材は、ヤング係数が高く強度性能が優れている」というのは始めて知りました。杉のヤング係数の全国平均値はE70ですが、奈良県産材の平均値はその1.3倍のE90と書かれています。
奈良県産材は年輪幅が狭く、密度が高い為ヤング係数も高くなっているようで、現在は一本一本ヤング係数を測定し強度等級を付けているそうです。
奈良県産スギ材を使った床材、不燃材開発、壁倍率2.6倍の大臣認定取得のスギ厚板耐力壁、スギ厚板床などの商品開発は興味深かったです。
4月 新年度
4月、新年度になりました。寒の戻りがありましたが桜はあちこちで咲き始めました。
4月1日から建築確認申請書式が新しくなります。そして非住宅2000㎡以上の建物の省エネ適合判定がいよいよ始まります。
登録建築物エネルギー消費性能判定機関(多くは民間の指定確認検査機関)が「建築物省エネ法判定業務規程」と「料金表」を発表し始めています。まだ準備中のところもあるようですが、来週中には各社出そろうでしよう。
各社とも建物用途、面積別、入力法の三つで料金を考えているようですね。
審査対象面積が2000㎡~5000㎡までは同価格で標準入力法・主要室入力法の場合はモデル建物法の概ね倍の価格というところが多いですね。
意外と高い料金設定になっているという印象を持ちました。
例えばA社は審査対象面積2000㎡から5000㎡で用途が老人ホームの場合、標準入力法・主要室入力法で250,000円(税別)、モデル建物法で150,000円(税別)となっています。B社は同条件で標準入力法・主要室入力法で300,000円(税別)、モデル建物法で150,000円(税別)となっています。
建築確認申請と併願の場合は減額したり、事業者別に特約を締結して実際は料金表より低価格で受注している指定確認検査機関が多いと聞きますから、実勢価格は公表価格と異なるでしようけど。
指定確認検査機関の受付窓口に、審査機関系列会社と思われる省エネ計算コンサル会社や省エネ計算サポート会社のチラシを置いて業務を誘導したり、計算は系列会社で行い審査は審査機関でワンストップというのは止めて欲しいものです。
相模原
3/28、書類提出の為に相模原市役所に行ってきました。市役所の前の桜の芽は、都心よりまだ固いように思えました。風は少し冷たかったですが陽射しは暖かく、何よりも空気が清浄で気持ちが良かったです。
相模原に降り立ったのは始めてです。
JR横浜線の車窓から見えた広大な敷地は、米軍の相模総合補給廠で平成26年に17haが日本に返還され、平成27年に35haが共同使用となったそうです。でも全体面積は196.7haと書かれていますから、返還されたのはほんの一部分なんですね。
これから相模原の北側部分がどう開発されていくのか興味深いところです。
相模原と言えばキャンプ座間の周辺は、歩いたりバスで基地の周辺を巡ったことがあります。
もう40年以上前の学生時代です。
そのころキャンプ座間の日本返還が浮上し、「設計第5」という教科でキャンプ座間の跡地計画が課題になりました。履修者が自由にグループをつくり計画を作成しました。
私が属したグループのテーマは、キャンプ座間は「野外環境教育の場」にするという提案内容で、色々と調査し計画を作成の後にプレゼンし「A」評価を貰いました。友人達のグループは「スーパー農場」だったような記憶があり、同じく「A」評価を貰っていましたが、「都市農業の再生」というテーマはとても良かったと思っていました。
戦後70年が過ぎても米国に従属し、米国の顔色を窺いながらの政治・経済から脱せれない。なんともなんとも・・・