新年を迎える準備

 2023年 今年は12月22日に年内の納品を終えたので、その後事務処理、片付け、読書と比較的時間の余裕が出来てリフレクションできている。

 年賀状も早めに投函できたし、WEB掲載用の記事も書き溜めて、予約投稿を済ませた。どの日時、どの曜日に合せて予約投稿するか多少試行錯誤する。

 クリスマスの日に 注文していた手帳の皮カバーが届いた。この作家さんの手帳カバーを使っている人のものが気に入り紹介してもらい依頼したので、仕上がりには大満足。

作家さんによると「栃木レザーさんの上等なサドルレザーを使用していますので、革そのものは一生ものだと思います。時間の経過でどんどん深い光沢が出てきて、こげ茶色も濃くなってくると思います。

革の自然な風合いを生かすため、どの部位から型を抜くのが一番いいか、アレコレと慎重に試しました。」とある。

左は、私の愛用HOBONICHI TECHO cousin。右は妻の手帳。

長く愛せそう。

新しい2024年の手帳をセットし、来年も健康に留意して爺婆パワーを炸裂させるぞ!

Fyre

英紙が「大阪万博も『FYRE』みたいになるのでは」と報道したのでNetflix でドキュメンタリー『FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー』観た。

多数のインフルエンサーやセレブリティにInstagramでイベントの告知を行わせるステルスマーケティングを用いたプロモーションキャンペーンを展開する。

 バハマの孤島でセレブたちとゴージャスな音楽フェスを楽しみましょうという企画で投資を募り、前売り券を売り捌いたのだけれど、宿泊施設もトイレも食べるものも、そもそもミュージシャンとの契約も準備不足で当日中止になったという1917年の話。

 このマーケッティングの手法は、SNS時代の危うさを感じる。

 FYREは7日間の音楽フェスで売ったチケットは5000枚。大阪万博は半年間で入場者は2820万人を想定している。

 FYREは資金繰りと無計画性が要因で失敗するけれど、万博は国がバックだから金は使い放題。それでも「こけそう」と伝わってくる。

 事業費が膨らみ多額の税金を投入する大阪万博。突き進む主催者。果たしてその成否は?

 

能登・門前ファミリーイン ビュー・サンセット-2011  2024年3月閉鎖

「輪島市門前町千代にある公営リゾートホテル「能登・門前ファミリーイン ビュー・サンセット」に関し、輪島市が今年度末で閉鎖する方向で調整していることが25日、分かった。奇抜で斬新なデザインの建物で、観光客や地元住民に愛されてきたが、人件費を含む運営経費が年間6千万円必要で、施設の維持が難しいと判断した。門前地区唯一のホテルで、市は今後、民間への売却を視野に活用策を探る。

 ビュー・サンセットは1991(平成3)年10月、合併前の旧門前町が整備し、滞在型観光の拠点施設として開業した。県能登島ガラス美術館も手掛けた世界的な建築家毛綱毅曠(もづなきこう)氏(1941~2001年)が設計した。県輪島漆芸美術館や星の観察施設「満天星」などが整備された奥能登健民ふれあい拠点構想の施設にも位置づけられた。」

前唯一のホテル-年度末で閉鎖-ビュー-サンセット-輪島市-民間に売却視


 赤字続きだったとはいえ築32年で閉鎖か。民間への売却と言っても課題は多く前途多難と予想される。

 2011年にこの建物を見に行っていた。築20年頃の写真。事務所開設前だったので写真はアップしていなかったのだが、古いサーバーに画像が残っていたので記録として残しておく。

 毛綱毅曠の作品が無くなるのは忍び難い。

この日は、雨で夕暮れだった

2011年頃でも修繕が必要な個所は散見された。

本業できちんと収益を出さないと修繕費を捻出することはできない。

水音はショパンの調べ?

12月25日クリスマスの夜20時頃。外のPSから水が流れ出ているのを見つけ、PS扉を開けると上から水がポタポタ。やがて洗面所の天井換気扇のあたりからもポタポタ。そして台所の吊戸棚からもポタポタ。

これは上階からの水漏れだろうと上階の住戸を訪ねると、もっと悲惨な状況だった。どうやら我住戸の2層上の住戸が原因らしい。詳しく聞くと台所下部の水道からの水漏れとの事。

関係会社に連絡を取ったが、水道屋さんが来れるのは22時頃との事。2時間近く水漏れは続き、ポタポタの調べは大きく、色々な個所からしてくるようになった。

22時頃 水道屋さん到着。まずは発生原因の処置に向かい。台所の混合水栓に繋がる給湯機からの温水配管が外れて水漏れしたらしい。そんなところ外れるかしら?
工事ミスか? 配管の老朽化?

22時半頃、設備屋さんが我家にも状況確認に来た。若い職人さんで、大切な人とクリスマスの夜を過ごそうとしていたのか、夕ご飯はまだ食べてないと言う。我が国のインフラは、こうした末端の職人さんが支えているのだ。

ポタポタは朝まで続き規則正しい音に、途中で目が覚めてしまい寝れなくなった。
翌日関係会社の担当者から状況確認の電話。とにかくに状況確認に来なさいと告げた。が年明け対応とか。

上階の人が訪ねてきて来て、住戸のかなりの部分が被害にあい、押入の布団も水浸し、天井裏に水が溜まり孕んでいると聞いた。

動画や写真を撮影しておきましょうと確認した。

昔の歌だが「雨音はショパンの調べ」というのを思い出した。水漏れの音は、あんなロマンチックな音ではないな。

集合住宅にあまり住んだ経験がないので、水漏れの洗礼を受けたのは始めて。

眠れない夜でした。

あんこう鍋専門店 いせ源

 2023年最後のヘリテージ建築の見学兼会食は、東京神田須田町(旧連雀町)のあんこう鍋専門店「いせ源」でした。

建物は、昭和5年築で、平成13年に東京都選定歴史的建築物に指定されています。

 設計者 – 不詳、構造規模 – 木造3階、入母屋造りと2階の欄干に施された、菱形模様の彫が特徴。木製の看板は建築当時から使用(平成8年補修済)しているものとの事です。

 この旧連雀町には、先の戦災で焼けなかった幾つかの木造建築が残っていて風情があります。

 今回は、お客様の希望もあり鍋料理。「あんこう鍋いいね!」ということで「いせ源」さんに予約。

 あんこう鍋を食べてきました。どぶ汁と違って醤油ベースで鮟鱇は下茹がされています。こんなに新鮮で下処理が徹底した美味しい鮟鱇料理の数々は、私の中では★★★★★です。

 死角でした。

 近くの蕎麦屋さん「神田まつや」とか、甘味処の「竹むら」には来ていて、存在は大夫以前から知っていましたが、「いせ源」さんは夕方5時からしかやっていなかった事もあり来たことがありませんでした。

 左が煮凝り、右があん肝。こんなに旨いあん肝は始めて。実によく菊正宗の熱燗にあう料理です。私は御猪口で二杯ほど舐めただけですが、日本酒好きの人には堪らないと思います。

あんこうの唐揚げも旨かった。

最後は おじやです。

 何よりお客様が「旨い」「旨い」と十数回言ってくれ、とても喜んでくれたのが良かったです。客層の年齢は上の方ですが神田須田町という立地上、ビジネスマンが多かったように見えました。

 お店の人から聞いたところ、鮟鱇は3月4月の産卵期の物が一番美味しいそうです。その頃は、比較的閑散期だと言っていました。又、是非来たいです。

美瑛選果 本店 2023

2023年夏の終わりに訪れた「美瑛選果 本店」

観光客向けのギフトショップ

 札幌に本店があるフランス料理店「モリエール」の系列である「Asperges (アスペルジュ)」でランチをする為に、ここに行った。

 北海道では、ジャガイモやミルク、トマト、ピーマン等の食材はどれも素晴らしかったが、料理として昇華されたものには、あまり出逢わなかった。

 だけど、このアスベルジュは抜きんでて美味しかった。

季節の野菜の使い方がとても上手で

 素材が活き活きしているようなフレンチだった。

ランチコースの一部写真だけど、こうやってみると、とても綺麗

札幌のモリエールも訪れてみたいと思った

こちらは、別棟の「JAびえい 美瑛小麦工房」 ベーカリー

「工場・倉庫建設は契約までが9割」森本尚孝著

 この本「工場・倉庫建設は契約までが9割・完璧な事前準備と最適なパートナー選びでつくる理想の工場・倉庫」は、建設会社の現役社長が書いた本です。

 著者は、三和建設株式会社・代表取締役社長 森本尚孝氏で、本社・本店を大阪に置いているが、東京本店もあるようだ。

 「工場・倉庫」と言っても、三和建設(株)は、食品工場(HACCP対応)、危険物取扱工場、自動化倉庫のような分野での実績と技術的知見が集約されている会社のように思える。

 興味深く読んだのは、第3章の「工場・倉庫建設に最適な建設スキーム」。「設計と施工は、分離方式より一貫方式のほうがいい」と7つのメリットを強調するが、それは三和建設さんが得意とする分野での自社の話ではないかと感じた。私の知る限りは、中小建設会社では、設計・積算・施工に経験豊富な人員が揃っている会社は多くないのではないかと思う。

 又、建設スキームは 建物の用途、規模等にもより、一概にどれが良いと言えない。

 昨今の建築資材等の供給状況、例えばエレベーターは工事1年前に発注とか、キューピクルは半年以上とか、電線ケーブルの供給停止とか聞くと、相当な工事準備期間が必要になっている。

 そういう現状を踏まえて、弊社では改修工事の場合にはECI方式(アーリー・コントラクター・インボルフメント)を採用し、設計段階から施工会社を巻き込み、コスト管理や工期等で技術提案をしてもらっている。

 第5章の設計施工一貫方式だからこそできた成功事例は興味深かった。「事例1」の温度管理倉庫は、冷凍・冷蔵庫の経験がないと提案は簡単ではない。通常、建設会社は躯体だけで、内部の冷蔵・冷凍庫は分離発注で断熱パネルや設備工事は、専門業者が行う事が多いので、建設会社にノウハウは集約されづらい。

 随分と昔に冷凍冷蔵庫や食品工場を設計監理したことがあるが、断熱パネルと躯体の間に発生する結露。空隙スペースの換気。食品工場の床や排水溝の仕様。食品をボイルする部屋の給気と換気等。難しい課題は沢山あった。 

 第6章の「工場・倉庫の改修もパートナー選びが9割」の部分は、特に興味深く読み、同意見のところも多かった。

 昨今は工場の改修工事やローリング計画において、法的課題の整理の為にプロジェクトに参加することが多いのだが、既存工場ほど法適合していないものはないのではないだろうか。工場は外部から隔離され内部の変化はわかりづらい事、専門知識や遵法意識に乏しい業者が工事に関わる事も多い。確信犯もいるが無意識のうちに違法建築に陥る事が多い。敷地内に多くの建屋がある工場や長い年月操業している工場は、違法建築の宝の山となっているところもある。

 こうした状態を整理するための調査と検証をし、必要な提案や場合によっては建築基準法適合状況調査を行ったうえで建築確認申請をするのが弊社の仕事。

 この本の中でも書かれているが、「大手建設会社は、改修工事を積極的にやりたがらない傾向がある」は、それはゼネコンは、完成工事高至上主義のところがあり、工事額10億以上は振り向いてもくれないときがある。

 改修工事は「現場判断」が特に必要であり、施工要員(現場監督)の人員を配置するのは、ゼネコン側に限界がある事。経験豊かな施工要員が少なくなっている事。派遣の現場監督には決定権が限られている為に改修工事には配置しずらい事情もある。

 また大手企業は多岐にわたる部署を持ち、担当が細分化しているために改修工事のようなゼネラルな知識と経験が必要となる担当者(設計者も施工要員も)が育ちづらい。これはゼネコンに限らず、大手「組織設計事務所」にもあてはまることである。

 この三和建設(株)の企業理念は「つくるひとをつくる」とあり、「SANWAアカデミー」という企業内教育を行っていることに共感を覚えた。

三和建設株式会社オフィシャルWEBサイト – (sgc-web.co.jp)

サイトには、次のように書かれている。

「社員一人ひとりの成長を経営上の最重点事項として位置付けています。下の図に、当社の人財育成による成長過程を示しました。図の縦軸は「専門技術力」を表します。「Ability」=「一人でできる能力」です。言い換えるならば、「Specialistとしての能力」であり、「専門知識」・「専門技能」などが該当します。施工図が描ける、工程表が描ける、建築の納まりを知っている、などの能力が当てはまります。
これに対して横軸は「統合力」を表します。「Competence」=「他者と一緒になって、あるいは周りの力を借りて事を成す能力」です。「Integratorとしての能力」であり、「マネジメント力」・「リーダーシップ」・「人間力」が含まれます。具体的には、部下や業者を使って施工図を描かせることができる、協力会社に工程を守らせることができる、社内外の専門家の力を借りることができる、などの能力が例として挙げられます。縦の力、横の力ともに当社のメンバーには欠かせない能力であると言えます。」

 一度 会って話を聞いてみたいと思った。

旭山動物園 2023

山の斜面に沿って展開する動物舎

今頃、一面の銀世界の中で、動物たちはどうしているだろうか

しょぼいんだけど手作り感一杯で ほんわかとなる動物園だった。

かば

きりん

あざらし

ここの動物たちは、観客がいると寄ってきてくれる

意識しているのかも

ほっきょく熊

歩いて小腹が空いたので、ナポリタンを食べた

丁度 帰り際に雨になった

旭川駅舎 2023

器は大きく綺麗だけど、人は少ない

平日のお昼頃で、旭川から札幌へ戻るときの写真

旭川に来たのも5年振りでした

あさひかわ北彩都ガーデン

南口(忠別川側)の駅舎

ホームへのエスカレーター

ホーム

午前11時発 特急カムイ20号 札幌行の電車

札幌着12時25分

この時、札幌に着いてから大変で

雨で電車が運休となり函館行の電車に乗れたのは18時47分の特急・北斗22号

函館駅着22時31分

ホテルチェックイン23時頃でした。

旭川デザインセンター

2023年北海道に行った折、旭川市へも脚を延ばしていました。

旭川市永山にある旭川デザインセンター。ようするに家具屋さんです。

Palemta shop&gallery

台湾式飲茶カフェ

アプローチ

主に机を見て歩いた。何となく淡泊なデザインが多い印象

今は、銀世界だそうです

紅茶

  読書の至福のひと時に寄り添ってくれるのは、最近は珈琲ではなく「紅茶」「台湾茶」「緑茶」時々「ハーブティー」。

 とりわけ「紅茶」が好き。砂糖やミルクは入れない。

 クリスマスプレゼントには少し早いが娘が贈ってくれたフォートナム・メーソンの紅茶詰め合わせ。

面倒なのでティーパックをお願いした。ティーパックにしては、中々美味しい。

 これは、妻秘蔵のマリアージュ・フレールのジャミラ。気が向いた時に淹れてくれる。そういう時は、決まって美味しそうなケーキがついている。勝手に飲むことは許されていない。

 紅茶の世界も奥深い。どんな紅茶との出会いがあるか楽しみ。

「長崎遊学11・五島列島の全教会とグルメ旅」長崎文献社編

 今度九州で仕事があった時に、脚を延ばしてみたいところに五島列島がある。

 実は、今年九州でのプロジェクトがひとつあったのだが、諸般の事象で中止となった。九州は設備投資が盛んのようだから、又機会はあるだろう。

 この「長崎遊学11」は、五島列島を訪れるときのガイドブックにしようと購入していたもの。夜な夜な、こうしたガイドブックを眺めているのが、至福のひと時。

 この本は、カトリック長崎大司教区・下口勲神父が監修して長崎文献社編集したと書かれている。 

 その内容は、世界遺産候補を含む全51教会を網羅。拝観記録スタンプ帳が付録でついてる。五島ゆかりの有名50人の履歴書付。旅ガイドは宿、温泉、グルメ、おみやげまで掲載されており、これ1冊で五島を旅できそうな本。

 その昔、江戸時代に「長崎遊学」という言葉があった。

 江戸時代、徳川幕府は鎖国政策をしたが、例外として、オランダと中国に対し、日本で貿易することを許し、貿易の窓口を長崎に限定したので、海外の文化や学問は長崎を通して日本全国へ伝えられた。

 また、キリスト教以外の書籍の輸入も認められていた。しかし、書籍の知識に満足せず、蘭学や医学、科学、美術などの技術や知識を習得するため、長崎へ游学する者は跡を絶たなかった。

 幕末期の長崎には、後に近代日本を背負って立つこととなる人たちが大勢游学している。彼らが日本の近代化を後押ししていった。長崎は、彼らにとって、新しい情報にあふれた刺激的なまちだったのだろうと想像できる。

 今の長崎が、遊学の地に相応しい所かどうかはわからないが。

「游学」という言葉には、ふるさとを離れ、他の土地や外国で勉強するという意味がある。爺になってもなお「遊学」の志は治まらない。

テナントビル・全区画契約完了

 9月末に改修工事が終わり、引渡が完了した調布のテナントビル。クライアントから残り3区画、全て年内契約予定との嬉しい連絡。

 1区画は既にKFCがオープンしているので、建物の全容が公開されてから3ヶ月で満室となる。今日日優秀な成績。

 クライアントに依ると、テナント入居希望者からの引き合いは、足場が解体され建物全容が公開された頃から増加し、テナント入居希望者の内観も多かったようだ。

 2階建て117坪、4区画という小さなテナントビルだけど、テナント契約では苦戦しているところが多いので、早期に全区画契約に辿りつけたのは、本当に良かった。

 1階は飲食店系で決まるだろうと予想していたが、2階は予想外の用途となった。設計監理契約が終了後も入居検討のテナントからの質問に答えたり、アドバイスしたりと、結構頻繁に連絡がくる。

 ここにきて、電線の高圧ケーブルに続き低圧ケーブルも新規受注が停止しており、建築工期は、充分余裕が必要となっている。

 各テナントの内装設計が進むと、まだまだ質疑がありそうだ。

『「しあわせな空間」をつくろう。-乃村工藝社の一所懸命な人たち』能勢剛著

 人々の「しあわせ」を呼び起こす空間とは、本当にできるのだろうか。

「働く、遊ぶ、食べる、買う、学ぶ、旅する、泊まる、観る、集まる。暮らしのあらゆるシーンにある「しあわせ」な空間。このうえなく、しあわせな体験ができる空間は、いかにして生まれたのか。」と本書は書く。

 この本は、乃村工藝社を取材対象に、そうした空間を訪れ、関係者へのインタビューを重ねて空間を解き明かそうとしている。

 どんな背景、どんな問題意識から発想されたのか。つくり手である乃村工藝社の担当者達は、その発想をどう受け止め、どんなアイデアと工夫とで、具体的なカタチにしていったのか。その経緯は良くわかる本。

 空間価値と、それを創造する仕事の進め方を、関係者の話を聞きながら、詳細かつ具体的なストーリーとして元日経トレンディ編集長の能勢剛さんが追いかけている。

 実際に見ていない建物も幾つかある。例えば、福井県の若狭にある福井県年縞博物館は、行ってみたいと思ったが、建築的魅力というより7万年前の時空を感じてみたいと思ったから。

 京都清水の「ザ・ホテル青龍」は、昭和8年に作られた清水小学校というヘリテージ建築をホテルにリノベーションしたもので、元の小学校は、映画のロケにも使われた有名な建物だけど、「地域の思い出をつなぐ」建築となっているのだろうか。

 「しあわせな空間」とは、そもそも何か。自分への問いかけが残った。

 

「熱く生きた医人たち」鈴木昶著

 日本で医師という職業が生まれてから現代まで、医療の流れも変化しながら進化している。

 漢方学や解剖学、細菌学、産科医学、栄養学など。

 その変化と発展には、どんな時代にも、ひたむきに人々の命と健康に向きあい信念を貫いた人や、地道な基礎研究に生涯をを捧げた人。又為政者や学会の評価など関係なしに、自らの信念を貫き通した人もいる。

 著者は、そんな人を畏敬を込めて「熱血の医人」呼ぶ。

 熱く生きた50人の医者の足跡を辿りながら。その生きざまに注目し、今の医療のあり方を問いかける。

 この本で取り上げられている医者は、医療ジャーナリストの鈴木昶さんが、個性が際立ち、人間的に魅力的だと思う医者達だそうだ。医学の分野は門外漢なので、知っていた医学者は数えるほどだったが、その生きざまには魅了される人が多かったので一気に読めた。

 250頁程の本に50人の医療に尽くした人を取り上げているので、多少物足りなさもあるが、私のような門外漢の入門編だと思えば良いのかもしれない。 

 研究と臨床は両輪のごとく。

リンガーロイヤルホテル東京

早稲田にあるリンガーロイヤルホテル東京で打合せ

大隈公園側から見たホテル

大隈公園の背景に見えるのは早稲田大学大隈講堂

大隈公園・完之荘

神田川の反対側にある椿山荘は、たびたび利用しているが、リンガーロイヤルホテルに来たのは私は始めて。妻は何度か利用した事があるとか。

上質なホテル空間が漂う。

場所柄、早稲田大学とか東京女子医大関係者の御用達という感もするが、客層も年代が上のせいなのか、落ち着いた雰囲気のホテル。

早稲田通り側。こちらは新宿区。道路向いは豊島区

社会的共通資本としての集合住宅 -1

 今、日本の集合住宅には、「高経年マンションの増加や居住者の高齢化(2つの老い)」にどう取り組むかという課題があり、国土交通省でもその検討が始まっている。

 2022年なかばから2023年3月まで既存団地の調査を行ってきた。具体的には劣化と遵法性について、埼玉県内と茨城県内の43団地、124棟の現地調査を行って高経年集合住宅の実情をリアルに見て維持修繕、管理の問題を知った。その調査を経て考えたことを少しずつ書いておきたいと思う。

 今 アフォーダブルハウジングという概念や取り組みが、SDGsのゴール11「住み続けられる街づくり」の達成に向けた推進や、世界各地の都市部を中心とした住宅価格の高騰を背景に注目されている。

 アフォーダブル(affordable)とは「手ごろな価格」「手に入れやすい価格」という意味なので、アフォーダブルハウジングは「手ごろな価格で手に入る、もしくは住み続けられる住宅」ということになる。

 いわゆるセーフティーネットの意味合いが強い低所得者をはじめとした住宅確保が困難な層に向けた住宅供給だけでなく、平均的な収入の方も含めた多くの市民が安定した生活を送れるような、適正価格の住宅を供給する取り組みとなっている。

 調査した団地では、高齢者、シングルマザー、外国人(技能実習生、特定技能)等が多く住んでいた。団地に住まう人の世代構成、所得構成、人種が多様になっていた。

 一方で市街地に近いような立地にある利便性の良い団地の駐車場には外車も見られ、若い人も居住するなど、建物は古くても低家賃と利便性で選択されて入居率が高い団地もあった。一方で階段の無い集合住宅の4階や5階は、入居率が低いことも知った。

 住宅価格の高騰が顕著な世界の大都市圏では、すでにアフォーダブルハウジングに関するさまざま取り組みが進められている。世界各地の先進的な事例、日本でも始まりつつある事例とともに既存高経年集合住宅の潜在能力(ポテンシャル)と課題について考えていく。

建築確認申請の事前協議先

 東京都内の幾つかの特別区の建築確認申請を出す際の行政の事前協議先を収集し比較対象してみた。ネット上で公開している特別区もあるし窓口で配布している特別区もある。

 こうした各特別区の協議先一覧表を眺めていると、随分と条例・要綱等が増えたなという印象だ。


 設計者は、建築の規模が大きくなるとレギュレーション(法令、規則、基準)に適合させることに時間を取られる。建築基準法だけでなく種々の関係規定、多くの条例等も適用され、計画を変更するたびに膨大なチェック項目をひとつひとつ確認しなければならない。これに結構、時間と人員がとられるが、ここで間違うとクライアントからしばらくの間、又はずっと出入り禁止となる。そしてチョンボすれば損害賠償請求などの訴訟になる場合もある。

 経験上、ボリューム検討等では クライアントがその土地を購入するかどうか判断するのに時間的制約があるので、設計者に与えられる時間は多くはない。

 ボリューム検討段階では、骨格的な法令を間違わないようにすることが重要となる。用途地域規制、建蔽率、容積率、各種高さ制限、避難経路、駐車場進入口、東京都駐車場条例の附置義務駐車台数、地区計画等が該当するだろうか。

 クライアントから提供されるのは物件概要と地籍図程度。大体のところ設計担当者は現場を見に行かない(その時間がない)。登記簿謄本を見ない(地下鉄の借地権が敷地の一部に設定されている事がある)。というように、リサーチに充分時間が与えられない事が原因の事もある。

 設計事務所等ではボリューム検討をするシニア技術者の層が薄いと言う事もある。ペアチェックが内部できちんとできない組織もある。なんと言っても、あまりに労働時間が長い上に、経験値があるシニア技術者に仕事が集中し「金属疲労」を起こしてしまう。そうして、シニア技術者は転職する。行先は、デベロッパー、ゼネコン、CM・PM会社等。

 上司が、時代と共に増え続けるレギュレーション(法令、規則、基準)に時間と人員がかかる事を理解していないと地獄が待つている。

データーベース障害発生中

サイトの共有SSL化にともない現在 データーベースに障害が発生しています。

「データーベース確立エラー」は、通常Wordpress側とデーターベースのパスワードの齟齬より発生することが多いのですが、wp-confing.phpを確認しデーターベースのパスワードを変更し、一時的には回復しますが、しばらくすると接続エラーが発生します。

サーバー会社に照会して、ウェブコンテンツからデータベースへの接続が上限に達しており、phpMyAdminの管理画面へもアクセスが行えない状況でした。

サーバー会社にてApacheの再起動を実施し、ウェブコンテンツからのクエリが滞留している状況が確認されました。

現在WordPressのプラグインを一時的に無効化し原因の特定を行っている最中です。(原因の特定ができ、SSL化に伴ってデーターベースへの負荷が増大したことが主要因のようです。)

同時にデーターベースのバージョンアップを行い、総使用量を増やす準備をしています。(完了。3GBに増えました)

時々、接続エラーがでるかも知れません。ご不便をおかけしますが、今しばらくお待ちください。

「70歳が老化の分かれ道」和田秀樹著

 周囲を見渡すと最前線で仕事をしている高齢者も散見するし、片方で仕事をしなくなって一気に衰えた高齢者もいる。

 著者は「現在の70代の日本人は、かつての70代とはまったく違う。各段に若々しく、健康になった70代の10年間は、人生における「最後の活動期」となった。」と書き、「この時期の過ごし方が、その後、その人がいかに老いていくかを決めるようになった。」と。つまり70代はターニングポイントと言えるだろう。

  • 気持ちが若く、いろいろなことを続けている人は、長い間若くいられる。
  • 栄養状態のよしあしが、健康長寿でいられるかどうかを決める。
  • 人々を長生きさせる医療と、健康でいさせてくれる医療は違う。

 一気に老け込まないために、一番必要なものは「意欲の低下」だと記する。それを防ぐには、日々の生活のなかで、「前頭葉の機能と、男性ホルモンを活性化させること」がとても重要だと。

 意欲レベルが低下してくる理由の一つとして、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの減少があり、セロトニンの材料となるのがトリプトファンというアミノ酸。それが多く含まれているのが「肉」で、高齢者に「肉」の摂取を推奨している。

 よく普通の内科医からは、コレステロールは動脈硬化を促進し心筋梗塞のリスクを高めると聞くが、コレストロールは男性ホルモンの材料にもなる。男性ホルモンの中でテストステロンは「意欲」と関係しているから、「肉」を食べることは、セロトニンと男性ホルモンの生成を促進し、人の「意欲」を高め、活動レベルを維持することに効果的だと書く。 

 聖路加国際病院名誉院長であった日野原重明先生は 満105歳で亡くなられたが、以前その食事風景の動画を見たことがあった。その食事は、夕食をメインにしたものであった。朝食はジュースにオリーブオイルをかけて飲み、昼食は牛乳、胚芽クッキー、林檎だけで済ませた。夕食は週2回は肉、他は魚と少し多めに食べていた。その日の体調に合わせて食べ物を変えていたようだった。

 食・食品衛生は妻の分野であり、任せておいて心配ない。朝から出かける予定がない日は1時間ぐらいかけて朝食を作ってくれる。朝昼食兼用ということもあるが、夕食はどちらかと言うと少な目にしているようだ。

 人の意欲と密接な関係のある脳内物質・セロトニンは、光を浴びると沢山作られる。うつ病の人はセロトニンが不足しているとされ、その治療法に光療法というのがあり、人工的な光を一定時間浴びせせると改善効果があるそうだ。だから光を浴びる習慣が人々を若々しくする。

 さらに陽を浴びて作られるセロトニンによって、夜には脳にはメラトニンというホルモンがつくられる。このメラトニンは、睡眠ホルモンともよばれ、人の睡眠に深くかかわっている。

 指定確認検査機関に勤務していた頃、建築基準法の採光規定を巡って議論をした事があったことを思いだした。「照明器具が設置されていれば自然光の窓は不要ではないか」という意見だっと思う。「人工照明と自然光は全く別次元の問題で、代替えすることは出来ない」と言ったような記憶がある。その後の建築基準法の改訂を振り返ると人工照明派が多数派となっているようだ。

 しかし自然光によるセロトニンの生成を聞くと、建物の自然光を取り入れる建築基準法の採光規定は、今でも重要だと感じる。

 和田秀樹先生は、日本の医師は、自分が担当する臓器のスペシャリストにしか過ぎず、長生きの専門家ではないと指摘する。色々な医者とこれまで接してきたが、本当にそう思う。

 自分も「建物を長生きさせる専門家」になろうと思った。

テナントビルの看板

 借主(テナント)にとって看板は、店の集客と売り上げを左右するものなので、「できる限り通行人の目をひきたい」と考え、看板の設置が必要不可欠なものと位置付けられている。
 一方、貸主(オーナー)にとって看板は、所有物である建物のイメージを左右するものなので、「建物のイメージとかけ離れた看板を設置してほしくない」と考える。

 テナントビルの場合、設計者は通常、完了検査が終わり済証をもらい、工事の完了検査、引き渡しが終了すれば契約が完了し、その建物とは関わりが少なくなる。

 しばらくしてからテナントビルを訪れると、随分と建物のイメージと違ったり、他のテナントとは異質な看板を見る事もあり驚いたりする。テナントビルは需要と供給の力関係が反映する事もあり、一概にこれが正しいとは言い切れないが、やっぱり設計者としては、ビルのイメージを損なうテナントの看板は控えめでお願いしたいところ。

 あとあとトラブルがないように賃貸契約書上で看板のデザイン・種類・設置場所についての記載をすることが大事だと思う。

 契約書などで設置する看板のデザインや場所について明記されている場合は、予め契約書を交わしていることを理由に、後に無断で借主が設置した場合でも看板の撤去を警告することが可能となる。
 テナントから看板類のイメージパースを提出してもらい、話し合いによって契約書上で取り決めた看板のデザインと違う旨を説明し、看板デザインの修正について交渉を行う必要がある。

 ここはやはり、オーナーの姿勢次第。

定期通院

3ヶ月に一度、病院に通院している。血液と尿の検体検査をして診察を受ける。今回も特に異常はなかった。

それらが終わると昼を過ぎる。

病院近くの食堂で昼ご飯を食べる。検体検査がある時は、朝食を抜いてくるのでお腹が空く。

好物の冷奴

決まってハムエッグ定食を食べる。実はメニューには無い。以前、「ハムエッグできますか?」と聞いたら、嫌な顔せず作ってくれた。それ以来、頼んでいるが単品でアジフライを一匹つける事もある。

ハムエッグ定食が運ばれてくると、周りの客が「こんなメニューあるの?」という感じで壁にあるメニュー表を見まわしている。ささやかな優越感に浸りながら食す。

通院すると半日はかかるが、3ヶ月に一回の行楽という感じになっている。