地域のまちづくり協議会で、地域の防災と消火設備に関する勉強会があった。
もっとも 案内は「放水銃勉強会」
講師は、豊島区内に本社がある消防防災会社の中央理化工業㈱の営業部長さん。
「地域の防災と消火設備を考える」というレジュメや各種資料を用意してくれていて、「こんなの知らなかった~」という新しい知識を得る事が出来た。
木造密集地域・不燃化特区の地域の防災をどうするのか、防災設備の整備は住民にとって緊急的なテーマだ。
東池袋の超高層ビル街によるビル風、消防車が入れない細街路が網の目のように走り、古い木造住宅が連続する街。火災の延焼を食い止めるのは大変な地域だ。
その中で、街の中に放水銃を設置し火災の延焼を抑えようというアイデアが生まれ、放水銃の勉強会開催につながった。
2012年より東京都内では、消火栓の地域防災での使用が許可された。消火栓は道路にあり本来は消防隊が使うのだが、東京消防庁はスタンドパイプを使った初期消火を紹介している。上の写真が「スタンドパイプ+媒介器具+消防用ホース+無反動槍」の組み合わせ。
このセットには、消火栓蓋を開ける器具も付き、消防用ホースも細く軽い、開口の転落防止対策も考えてある優れもの。
これなら多少訓練すれば 地域住民が初期消火に参加できるだろうが、成人男子が主体でないと扱いは大変かもしれない。
スタンドパイプの後ろ側に写っていたものの正面写真が上記の写真で、これは「街かど消火栓」という簡易水道消火装置で、ありそうで なかった水道水を使った消火装置。
すでに性能評定を取得している。
どうもホース先端のノズルに特徴があるらしいが、これなら子供、女性、元気な老人でも初期消火に参加できるように思える。
その他に、「街かど消火栓」をリュックに詰め込んだ「街かど消火 ハリアー」というコンパクトな商品もあって、消火設備も色々とあるのを知って、とても新鮮だった。
いずれの商品も水道水、消火栓という既存インフラ依存の消火設備。
確かに低コストなのだが、いざ大震災の時に都市のインフラは果たして大丈夫なのだろうかという疑問がよぎる。
東京都は、大震災でも70%は断水がないと言っているのだが、にわかには信じられない。
それにして今回の勉強会は、地域の防災と消火設備について考える良いきっかけになった。
地域の地図に消火栓(道路)をプロットすると、消火栓から半径45m(これは20mホース3本接続)で円を描いていくと、消火栓の幾つか未警戒区域が発生するのがわかった。
半径45mは図面上の水平距離で、密集した住宅地では放水可能距離は15m程度らしい。
それから考えると道路沿いは除いても 地域の内部に消火栓の未警戒区域が幾つもあり、防災上の弱点が明確になった。
この地図は、守秘義務があるので出せないが、それぞれの地域で消防署の消火栓位置から作成してみると 地域の防災弱点が明確になると思う。