「建築行為」を伴わない用途変更の規制

第2項・・現行法令に適合している建築物における準用規定(「建築行為」を伴わない用途変更の規制)

第八十七条

 建築物(次項の建築物を除く。)の用途を変更する場合においては、第四十八条第一項から第十三項まで、第五十一条、第六十条の二第三項及び第六十八条の三第七項の規定並びに第三十九条第二項、第四十条、第四十三条第二項、第四十三条の二、第四十九条から第五十条まで、第六十八条の二第一項及び第五項並びに第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の規定を準用する。

建築基準法の大部分の規定は、法8条により適切な状態を維持(状態規定の維持)することを要求されているが以下に掲げる条文規定は「建築行為」のみを禁止するものとなっている。
その為 建築行為を伴わない用途変更は規制が出来なくなってしまう事になり、法第87条2項で準用規定を定め規制を図っている。

・用途地域における用途制限(法第48条第1項から第13項まで)
・卸売市場等の特殊建築物の位置の制限(法第51条)
・災害危険区域内の制限(法第39条)
・都市再生特別地区内の用途緩和
(法第60条の2第3項 及び 第68条の3 第7項)
・地方公共団体の条例による制限の附加(法第40条)
・特殊建築物等の敷地と道路の関係等について条例による制限の付加(法第43条2項)
・4m未満の道路にのみ接する建築物に対する制限の附加(法第43条の2)
・特別用途地域(法第49条から法第50条)
・地区計画等の区域・市町村の条例に基づく制限(法第68条の2第1項及び第5項並びに第68条の9第1項)

具体的には・・・

■増改築などの建築行為を行わずに原動機の出力、機械の台数、容器などの容量を変更したり、工場等の作業場などの床面積を法第48条の規定に抵触するような形で増加させたりする行為も用途変更に該当する

■いわゆる産業廃棄物処理施設である廃プラスチック類の破砕施設に、法第51条の規定に抵触するような形で木屑、がれき類などの品目を追加するような行為も用途変更に該当する。(施行令第130条の2の3で数量等を規定)

■現時点で適法である第1種住居地域内の飲食店舗を、カラオケボックスにしようとする場合、カラオケボックスが第1種住居地域内に建築してはならない用途とされているため(法別表第二(ほ)項) この用途変更はできない。