経済的耐用年数とは、建物がその使用目的に適応して、充分に使用目的を満足できうる年数をいい、物理的耐用年数とは異なる。 経済耐用年数は、法定耐用年数とは、まったく違った年数になる。
木造 軽量鉄骨 鉄骨 RC SRC
法定耐用年数 22年 19年 34年 47年 47年
経済耐用年数 20年 20年 35年 40年 40年
木造住宅で改築工事などして経済的耐用年数が延びていると判断される場合は、次のような考え方をするそうだ。
25年の経済的耐用年数が過ぎて、30年経っているにもかかわらず、改築等により今後も充分使用出来、経済的価値が認められる場合には、今後何年くらいの使用に耐えうるかを判断し、その年数を経過年数に加えて、全経済的耐用年数を求めることになる。
今後8年位の使用に充分耐え、経済的価値もあると判断された場合は、経済的残存耐用年数は8年と言うことになり、全経済的耐用年数は38年(30+8=38)となる。 経年による建物価格修正率は、8÷(30+8)=0.21と言うことになる。
ここで「今後何年ぐらいの使用に耐えれるか」という判断を、遵法性調査+劣化診断+修繕経費の算出などの調査を不動産鑑定士等と協力して行っている。
中古建物等を購入する場合や又融資をする場合は、遵法性調査+劣化診断+修繕経費(緊急及び長期)の算出等を組み合わせた調査を事前に行うのが賢明である。
例えば昨今では、建物の完了検査済証がない物件にはテナントが入居するのを躊躇したり、売買時に非常に不利になる。経年変化により建物の劣化が進んで耐用年数を下回るのではないかと危惧する建物もある。 歴史的・文化的に価値がある建物もあるが、それらの指標はあまり評価されてこなかった。
いずれにしても数字上の耐用年数ではなく、より実態に即した耐用年数の設定が望ましい。