ラビスタ函館ベイANNEX

2023年5月にグランドオープンしたというラビスタ函館ベイAMMEXに宿泊した

前日札幌から函館への特急電車が豪雨の為運休となり、大幅に予定を組み替えた

札幌から函館の最終の特急電車が出る事になり乗車したが満席。このホテルにチェックインできたのは夜の11時近く。だから掲載する写真は翌日朝のもの

札幌駅近くに6時間以上足止めを食らった。まあ大丸札幌やステラをじっくり見てくる事が出来、とても参考なったので良しとしよう。

共立リゾートのドーミーインをぐんと大人向けに進化させたようなホテル

宿泊しての感想は、ひとつひとつ良く考え抜かれてメリハリの効いているホテル

スタンダートツインに宿泊したのだが、鍵はオートロックでもカードキーでもなく、ごく普通の部屋番号のタグがついた鍵(ツインだから2本)。私も常々オートロック、カードキーは不要だと思っていた。

ウェルカムドリンクは、ミネラルウォーター500ml2本と2lが1本。ドーミーインのウエルカムフルーツはなかつたが、ミネラルウォーター2lには感激。ホテル滞在時間が短かったので2lは使わなかった。

大浴場は最上階。函館山が展望できる塩分濃度が高くて身体が浮いてくるような温泉

露天風呂も気持ちが良い。外の風景を眺めると隣はニチレイの冷凍倉庫。ここはもともと倉庫街だったと知る。尚客室はシャワー室のみで、割り切った設備となっている。

大浴場の洗面コーナー

朝5時に入浴したので 隅々まで観察・実測

ミネラルウォーターと北海道ならではのガラナ、朝はヤクルトが無料

アイスも無料

このあたりはドーミーインを引き継いでいる

朝食は「北の番屋」で評判のブッフェ

北海道の味覚をふんだんに集めた料理の数々

果物もスイーツも豊富

メロン・西瓜・白玉ぜんざい

ホテル側も朝食ブッフェは自信があるだろうけど、今回北海道出張ではトップ賞

尚 夜泣きそばも提供されているが、

前日チェックインが遅く10時半までのサービスに間に合わなかった。

また泊まってみたいホテルのひとつになった

深夜の調査立会

リノベーションに伴って既存のエレベーター、エスカレーターを交換する為の調査に立ち会った。営業中の店舗なので営業が終了した午前1時から午前5時までの調査だった。

新築と違って既存建物のリノベ―ションなり大規模改修の設計では、設計段階で調査が必要です。

先にエスカレーターの動力盤の確認。1階-2階エスカレーターの動力盤は1階のバックヤードに、地階-1階のエスカレーターの動力盤は地階バックヤードに設置されていた。

昇降路内の内寸、階高、オーバーヘッド、ピット深さ等を実測する

基礎フーチングのハンチ部分の形状が既存図とは異なることがわかった

こちらはエスカレーターのモーターと電源部。

床プレートを外したらこうなっています。

電圧を確認しています

エスレ―ターは油が生命線とか

この部分に出入りすると靴裏をウエスで丹念に拭いていました

メーカーから三人の技術者が来てくれました。

私は ただ見てるだけ

久しぶりに終電で移動し、始発で帰宅

それにしても日の出が遅くなった

5時でもまだ暗い

「大本営参謀の情報戦記」堀栄三著

北海道出張に持つていった文庫。

太平洋戦争中に参謀を務め、戦後も情報戦の最前線にいた著者が書き残した至言の数々。1996年に出版され私が読んだ文庫で第30刷。累計23万部という隠れたロングセラー。

相手から教えたい情報、商品として売られるべく氾濫している情報の中で溺れそうになる日々。本当に必要な情報は何か。SNSやインターネットに頼りすぎていないか。

著者は本文に出てくる軍隊用語を、企業の人が読む場合は「戦略」は企業の経営方針。「戦術」は職場や営業の活動。「戦場」は市場(マーケット)。「戦場の考察」は市場調査(マーケッティング・リサーチ)と置き換えて読むことを勧めている。

昭和20年の敗戦まで、軍は日本最大の組織であり、しかも最も情報を必要とする組織であった。その組織がいかなる情報の収集・分析処理・管理のノウハウを備えていたのか、その実態が体験的に述べられている。

文中の孫子の言葉が記憶に残った「爵禄百金を惜しんで、敵の情を知らざるは不仁の至なり、人の将にあらざるなり、主の佐にあらざるなり、勝の主にあらざるなり」

大要は、敵情を知るには人材や金銭を惜しんではならない、これを惜しむような人間は、将師でもなく、幕僚でもなく、勝利の主になることはできないという意味。

多面的な情報の収集とともに、情報には解析・審査が必要で、それを生かすことの重要性を学んだ。

「兎の戦力は、あの速い脚であるのか、あの大きな耳であるのか」というドイツで読んだ本の中の設問を紹介して終わっている。

「長くて大きな『兎の耳』こそ、欠くべからざる最高の”権力”である。」

この本は、堀さんの回想録だけど、日本人への警告を含んだ貴重な本だ。こういう本を次の世代の人にも読み継いでいくことが必要なんだと思う。

小樽駅

朝9時小樽から札幌へ電車で移動

1934年(昭和9年)竣工の北海道内初となる鉄骨鉄筋コンクリート造の駅舎

エントランスホールやホームに飾られているランプは、当時の駅長が「小樽駅の特色を出したい」と北一硝子に要望し、1987年(昭和62年)に北一硝子がランプ108灯を駅へ寄贈したことに始まり、1999年(平成11年)には改札口上の窓とホームに設置するランプを寄贈して合計が333灯あると記されている。

レトロな いかにも小樽の街に相応しい駅舎

駅舎内にある「小樽なると屋」でザンギを買い電車の中で食べる

大きくて美味しいザンギだった

「旧三井銀行小樽支店建造物調査報告書」

先人達が遺した手書きの図面の美しさには、いつも惚れ惚れしている

この表紙に使われている断面詳細とファサードの青図もそうだけど、報告書に掲載されている幾つもの元設計図には目を奪われる。

いま100年後の人達が目を留める図面を書いているのか。と自問自答

この建物は、鉄骨鉄筋コンクリート造で営業室吹抜けの天井(下弦材)と屋根(上弦材)の二重スラブは、コンクリートスラブと一体となったラチス梁(梁成6尺6寸)となっている事を知った。この構造はメラン式橋梁と同じ構造方法とある。復元図によると約14.544mのスパンであり、石膏繰型の大きな面積で重量のある天井を実現する為に採用されたものと思われる。このメラン式構造はあまり見たことが無かった。

全体として良くまとまっている報告書だとは思うが、やっぱり建築史家の視点のまとめ方だと思った。昔の自分ならこれで充分満足していただろうと思う。

この報告書には記載されない調査はあるようにも思うが、コンクリートの圧縮強度、中性化、塩化物イオン量、躯体の劣化状況等の建築病理学的視点の報告も盛り込んで欲しいと思った。

旧三井銀行小樽支店

小樽芸術村・旧三井銀行小樽支店(重要文化財)

明治末から昭和初期にかけて「北日本随一の経済都市」と呼ばれ、最盛期は25行もの銀行が活躍していた金融の街、小樽。
その繁栄を象徴する旧三井銀行小樽支店。重厚な石積みのルネサンス様式の外観と、吹き抜けに回廊がめぐり、天井の石膏造りが美しい。

1927年(昭和2年)に竣工。鉄骨鉄筋コンクリート造

設計は曽禰中條建築事務所。施工は竹中工務店

2階、回廊から

階段

小樽芸術村・ステンドグラス美術館

旧荒田商会・旧高橋倉庫

「神とイギリスの栄光」

「最後の晩餐」

小樽芸術村の旧高橋倉庫 ステンドグラス美術館に所蔵されている作品は、19世紀後半から20世紀初頭にかけてイギリスで制作され、実際に教会の窓を飾っていたステンドグラスと記されている。

美しいが若いステンドグラスで、重厚さ荘厳さを味わうには、やはり本場で

小樽芸術村・西洋美術館 

小樽芸術村・西洋美術館(旧浪華倉庫)

ニトリグループが、2016年7月に「小樽芸術村」を開設。

2020年10月より、

公益財団法人 似鳥文化財団の公益事業として運営を開始。

旧浪華倉庫は、小樽運河の完成から2年後の1925(⼤正14)年に運河のほとりに建てられた⽊⾻⽯造の倉庫建築。かつて三井物産や三菱商事とともに三大商社として並び称された、鈴木商店の事業の一つとして小樽で開設された。小樽市内に残る木骨石造の倉庫の中でも大規模な建物で、2012年に小樽市指定歴史的建造物に指定されている。

美術館入口部分は、入館料無のお土産売場、休憩スペース

小樽市 鰊御殿

にしん漁場建築・北海道指定有形文化財

小樽市街から車で15分ぐらいの祝津港にある

梁間7間強、桁行16間強

内玄関吹抜け部の架構

1階茶の間・居間

1階縁側

2階客間

2階客間妻側

積丹半島・泊村にあった鰊魚舎で鰊親方の田中福松氏が1981年(明治24年)から7年かけて1987年(明治30年)に竣工した建物。この地に1958年(昭和33年)に解体移築されたと記されている。

長大な材木を豊富に使った豪放な建物だった。

札幌 2023 -3

さっぽろテレビ塔(電波塔)

1957年(昭和32年)に完成し、同年8月24日に開業した。高さ147.2m。設計者は、東京タワーの内藤多仲。

展望台にあがり大通公園を見た

札幌駅

先週、北海道はどこも暑かった。それでも東京より何度かは低く、湿度も低めだったのだが。

観光客は多いが、それでも中国本土の観光客があまりきていないので少な目で、目につく中華系の観光客は、台湾、香港、シンガポール等の人達と聞いた。

それにしても札幌は活気がある。まるで北海道中の富と人とエネルギーを吸収しているように思えた。

札幌市は、東京23区の約2倍の面積があり、北海道の人口の6割強が住んでいる

札幌 2023 -2

 大成建設の施工不良(鉄骨建方の精度不良など)にともなう建て直し現場を見てきた。「(仮称)札幌北1西5計画(発注者:エヌ・ティ・ティ都市開発(株))」

延床面積約61000㎡、地上26階、地下2階の大規模プロジェクト

北1条・宮の沢道路に面する側の敷地右が中央警察署

左が旧北海道立図書館

解体工事は進んでいるようだが、

鍛冶屋、鳶等限られた職種のみ出入りしているようで静かな現場に見受けられた。

すぐ北側には道庁があり、札幌、北海道のビジネスの中心地

ハイアットセントリック札幌が敷地の道庁側17階から26階に入居予定だった

道庁赤れんが庁舎は、工事中で工事養生シートに絵が描いてある

門柱

外灯

新日本海フェリー

新潟から船で小樽に向かいました

写真は新日本海フェリー・アゼリア丸の4階から6階の吹抜け

新潟12時出港、小樽着翌日の朝4時半

船旅は快適でした。

夏の日本海は波が穏やか。

大浴場や露天風呂もあり、寝ている間に運ばれていました

以外と沖合を走行するのか、携帯電話も時々しかつながらず、インターネットもできず、テレビも時々中断します。

朝4時頃の小樽港沖合

フェリーが着岸するところです

何故 船で北海道に行くことになったか

私「札幌行かなくちゃならなくなったんだけど」

姫「飛行機なら行かないよ」

私「日本では御巣鷹山の墜落以来、墜落死亡事故はないんだけど」

姫「あんなものが空を飛ぶことが信じられない」

私「12時間空を飛んだことあるじゃない」

姫「あれはあれ。とにかく飛行機は乗らない」

私「姫様 新潟から船で小樽経由、札幌ではいかがでしょうか」

姫「それなら考えてもよいわ」

私「新潟から小樽って月曜日は出航しない。前日の日曜日に行くしかない」

姫「しかたないんじゃない」

私「小樽は、高校生の時に一度行ったことがあるだけだから、近代建築のリノベーション案件でも見てきますか」

ということで、この記事は小樽で書いています。

新潟

新潟に来ました

駅ビルは工事中なのか、あまり店がありません

新潟らしいと言えば新潟らしいのですが、酒推しが前面に出ています

昼食をとろうと思ったのですが、適当なところがなく御握りを買いました

鮭とタラコの爆弾おにぎりを半分ずつ

BLUE NOTE TOKYO 2023

久しぶりに南青山のブルーノート東京に行ってきた

コロナ禍前に来たので 3年ぶりぐらいになる

今日は知人の誕生日会。

2ヶ月程前にBOX席を予約していた

金曜日の夜とはいえ、ほぼ満席。

やっぱり音楽は「生」がいい。

誕生日ケーキのお裾分け

この日のミュージシャンは、NYブルックリンを拠点に活動しているハンタートーンズ + アキー・バーミス(レイク・ストリート・ダイヴ)

ハンタートーンズのパワーにアキーのソウルフルなヴォーカルが重なり、音楽の喜びが伝わって来た。

ところで もう明日になるが日曜日の朝から長期出張なのに何の準備も出来ていない。今日中に終わらせておかないとならない仕事もある。相変わらず爺婆は、仕事に遊びに忙しい・・・

RC構造体の耐用年数評価がでた。

かねてより依頼していた既存鉄筋コンクリート建築物の構造体の耐用年数評価(ドラフト版)が(財)日本建築センターから送られてきた。(財)日本建築センターに設置する「既存建築物の耐用年数評価委員会」(委員長:宇都宮大学名誉教授 舛田佳寛)において確認されているとある。

評価書によると調査時点(コア試験体採取年=2023年)からの推定耐用年数は80年。

既に築年数44年の建物だから竣工時からの推定耐用年数は124年。予想していた耐用年数より寿命が長い。

先に耐震診断の結果も出ていて、構造耐震指標が一番低い1階のX方向でIso=0.96あった。層間変形角1/250での目標値Iso=0.6を超えており、安心していたところだった。

構造体としては、とても良い状態の既存建築物だとわかった。同時に幾つかの問題点も判明しているので部分的な改善工事をしなければならない。

調査をして既存建物の潜在能力(ポテンシャル)がわかり。それを生かす方向でプロジェクトが進んでいく方向になってきたことは、調査者・設計者としてとても嬉しい。

Web講座、顔認証システム

現在受講中のWeb講座に顔認証システムが導入されている。初めてなのでとまどう事が多い。

顔認証システムが導入されると登録した顔写真と受講者の顔が照合され不正受講があれば講義が自動で停止する。速度や再生時間の変更ができない。

そういった機能が搭載されているので、確実に受講者本人に受講させることができる。

下を向いてメモしたりしているとすぐ講義が停止する。段々慣れてはきたが、昨日で全講義の40%を視聴。爺は夜中にお勉強。

建築基準法適合状況調査(ガイドライン調査) Q&A -4

【調査資料】

調査にはどのような資料が必要ですか?


確認済証、又は役所発行の建築確認台帳記載事項証明書は必須となります。
 確認申請図書(意匠図、構造図、設備図、構造計算書)、もしくは確認申請図書相当の復元図書。

 特殊建築物等定期調査報告書、建築設備等定期検査報告書、昇降機設備定期検査報告書、消防用設備等点検結果報告書等もあれば役立ちます。(当然定期報告対象外の場合もあります)
 依頼者が実施した躯体調査結果報告書(コンクリート強度、配筋探査、鉄骨溶接部超音波検査、鉄骨ボルト接合部調査、部材断面寸法調査等を出来るだけ用意してください。


 実際のところ、上記の書類類が残っている事や建築主が所有していることは少ないです。図面類が無ければ図面類を復元しなければなりませんし、躯体調査結果報告書類が残っていなければ新たに調査をしなければなりませんから、その費用と作製日数を事前に見込んでおかなればなりません。

 尚、一般的にこれらの資料を準備するのは依頼者(建物所有者)から相談を受け業務を委任された設計者が行いますが、一部のガイドライン調査機関では躯体調査等をまとめて受託しているところがあるようです。


※このガイドライン調査Q&Aは設計実務者の立場で記載しています。筆者の個人的解説ですので、個々のガイドライン調査機関との見解、取扱いとは異なる事があります。

建築基準法適合状況調査(ガイドライン調査) Q&A -3

【ガイドライン調査機関】

このガイドラインによる調査を受けたいのですが、どこに相談すればよいですか。費用や日数はどれくらいかかりますか。


2022年8月22日時点で、全国に下記38社のガイドライン調査機関があります。各調査機関にお問い合わせください。

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_fr_000061.html

ガイドライン調査機関は、原則として依頼を受けられないものを各社定めていますので、良く確認して事前相談先・依頼先を決めましょう。また、その費用も各社まちまちです。

【下記のような対応がみられます】

・確認申請がなされていないものは対応しない。
・確認済証の無い建物にも対応している。

・明らかな違反建築物となっているもの(その程度が不明)は受理できない
・依頼者が物件の所有者、管理者等でないものは受理できない
・都市計画法第29条の許可を受けているもので都計法検査済証未取得のものは受理できない。

・鉄筋コンクリート造で、構造図が無いものは受理しない。
・自社で建築確認済証を交付した建物に限る。
・新耐震建物(昭和56年6月1日以降)に確認を受けているものに限る。
・延べ面積500㎡を超える建築物、建築設備又は工作物に限る。
・地上3階、1000㎡以下の建築物に限る。
・一戸建ての住宅、長屋及び共同住宅で床面積2000㎡以内に限る。
・大臣認定、型式部材製造者認証又は旧法38条による大臣認定を受けた建築物に限る


※このガイドライン調査Q&Aは設計実務者の立場で記載しています。筆者の個人的解説ですので、個々のガイドライン調査機関との見解、取扱いとは異なる事があります。

建築基準法適合状況調査(ガイドライン調査) Q&A -2

【ガイドライン調査は、検査済証の代わりとなるか】

「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」(平成26年7月国土交通省)(以下「ガイドライン調査」) による報告書は検査済証の代わりになりますか


この事については、国交省サイトで説明しています。

「本ガイドラインに基づく法適合状況調査の報告書は、検査済証とみなされるものではありませんが、増改築時の既存不適格調書の添付資料として活用することが可能です。
 なお、本ガイドラインに基づく法適合状況調査の結果を検査済証のない建築物の増改築や用途変更に伴う手続き等の基礎資料として活用する場合は、あらかじめ特定行政庁(建築主事を含む。)や指定確認検査機関と相談しておくことが望ましいです。詳細は、ガイドラインp.5「1-3 ガイドライン策定にあたっての基本的な考え方」をご覧ください。」(国土交通省HPより転載)

 このガイドライン調査を利用する目的は、検査済証未取得物件の法適合性を証明するため。あるいは増築・用途変更等の建築確認申請をする為と、大きく二つの目的に分かれています。ガイドライン調査を行って検査済証未取得物件の法適合性を証明することが、実際の不動産の売買価格や価格の査定にどう反映されているのかは、よくわかりません。


※このガイドライン調査Q&Aは設計実務者の立場で記載しています。筆者の個人的解説ですので、個々のガイドライン調査機関との見解、取扱いとは異なる事があります。

建築基準法適合状況調査(ガイドライン調査) Q&A -1

【既存不適格建築物】

既存建築物で新築してから一定の年数が経過したものは、建築基準法の「既存不適格建築物」と考えて良いですか。


いいえ違います。既存建築物で確認済証と検査済証があり、時間経過後に建築基準法の改正があつた場合、法に適合しない事があります。これを建築基準法では「既存不適格建築物」と位置づけています。状態の変更に伴い建築基準法に適合しなくなった違法建築物とは区別しています。

※このガイドライン調査Q&Aは設計実務者の立場で記載しています。筆者の個人的解説ですので、個々のガイドライン調査機関との見解、取扱いとは異なる事があります。

外部サッシと外壁下地の確認

今月始めて工事監理中の現場へ

外壁サッシが取りつき、外壁下地の施工が終わっていた

シーリングも終わっているようだ

2階にあがってみる。

2階も外部サッシは取り付き、外壁下地まで完了してる

やっぱり職人さんと現場監督には遭遇しない。いつ工事しているんだろう

盆休みもあり、しばらく外出していなかつた。午前中に打合せ、午後移動して現場へと外出していたら汗が噴き出した。日に当たって丸焼けになるか、日影で蒸し焼きになるか、調理方法が異なる肉料理になるところだった。

八勝館 -7 御幸の間

昭和25年、愛知国体の際に昭和天皇皇后両陛下の御宿泊所として、堀口捨巳により設計された。昭和26年日本建築学会賞受賞。平成11年DOCOMOCO Japan最初の近代建築二十選に認定された。

恩師・伊藤ていじは「和風建築では時間はいつも停止しているし、そこにあるのは時間軸が停止している空間があるばかりである。時代という時間は空間に結び付けられていない。」と書いていた。(「和風建築論」新建築1979年6月臨時増刊・和風建築⁻手法とコスト分析)

学生時代から見たいと思っていた八勝館・御幸の間に ようやくたどり着くことができた。確かに そこは時間が停止していた。

眼福・眼福

検査済証の無い既存建物には昇降機は設置できない。

昇降機(エレベーター)は建築設備として、建築基準法第87条の4及び同施行令第146条1項1号の適用を受けます。

既存建築物の屋外にエレベーターを設置する場合は、通常床面積が増加するので「増築」となりますので、エレベーターを設置する既存建築物の検査済証が無い場合には、建築基準法適合状況調査(ガイドライン調査等)が必要となり建設時の法適合性が確認されないと昇降機の申請を出すことが出来ません。
 
 ただし既存建築物の屋内に設けるエレベーターで床面積が増加しない場合、つまり既存の床スラブ等を解体し、そこに昇降機路を設置する場合には、建築基準法上の「増築」には該当しませんので、建築基準法第87条の4及び同施行令第146条1項1号により、確認を要する建築設備としてエレベーター単独での確認申請が必要となります。

この場合でも既存建築物の検査済証が無い場合には、建築基準法適合状況調査(ガイドライン調査等)が必要となり建設時の法適合性を確認する必要があります。

 既存建物の昇降機を交換する場合も同様です。

 既存建築物が建築基準法第6条1項4号に該当する場合には、昇降機(エレベーター等)の確認申請については規定がありません。この場合特定行政庁は、建築基準法第12条5項に基づく報告を求めます。

 昨今、リノベーションやリフォーム案件が増え、昇降機新設に伴って、こうした相談がガイドライン調査機関に多く持ち込まれているそうです。

 又、最近はエレベーターメーカーの法令遵守の意識は高く、昇降機設置の相談をすると最初に確認済証ありますか、検査済証ありますかと聞いてきます。検査済証が無ければ昇降機の出荷はできないようです。

 弊社では、既存建物に設置する場合の相談等をする時は、最初に建築確認記載台帳証明や検査済証を昇降機メーカーに見せるようにしています。