「人生には、飲食店がいる。『人と』」サントリーCM

流石サントリーだなと思うCM。

まあ宣伝が上手なのは企業としての伝統ですかね。

とは言っても私が飲むビールはエビスかアサヒ

ウィスキーだと国産はニッカ

今は、もっぱらアサヒスーパードライのノンアルコール。

音楽がブルーハーツの「情熱の薔薇」というのもグッド

豊川稲荷・法堂上棟

愛知県豊川市にある曹洞宗寺院「豊川稲荷」(円福山妙厳〈みょうごん〉寺)で6月20日、法堂(はっとう、本堂)の上棟式があったと報道で知った。岐阜県産の東濃ヒノキや、ケヤキ、アカマツなどの国産材を用いた木造の法堂は2024年夏に完成する予定との事

2021年10月に岐阜県中津川市加子母の中島工務店に視察で伺った時に、工場で加工していたのが この豊川稲荷の木材。

複雑な仕口・継手も自社プレカット機で加工できるとの事で感心した

また若い宮大工さんたちが働いていた

さて江戸時代後期に建てられた豊川稲荷旧法堂には、本尊の千手観世音菩薩(ぼさつ)像がまつられ、豊川稲荷の中心となる建物だったが、耐震性に問題が見つかり、2015年に取り壊された。

 この日の上棟式では、施工する中島工務店(岐阜県中津川市)の宮大工たちが、測量をしたり杭を打ったりする「工匠之儀」を披露し、僧侶たちも綱を引いて儀式に加わった。と報道されていた。

そういえば工場で加工していた木材だったよな~と思い出して写真を探してみたのがこの写真。

この厚さ3cmの杉の床板を使ってみたいと思った。

「建築技術・2022年3月号」

5月の下旬に岡山県西粟倉村に視察に行き、あわくら会館を含めた地域の林業の取組みや地域エネルギーについて勉強して来た。そのことをまとめて整理しておきたいと思っているのだが、西粟倉村の視察に刺激されて読み始めた本が多いため中々記録を残すことができないでいる。

この「建築技術」2022年3月号も特集は「多層木造建築物の現状整理」となっているが、表紙にもあるように巻頭の特集はあわくら会館。

現物を見てきてから、この本を買い求め詳しく読んでいる。

とりわけ山田憲明さんが書いている「構造計画」はより深く理解するのに役立つ。視察でもアルセッド建築研究所の小口さんから説明を受けていたが、改めて図面を見ながら構造計画の部分を読むと、平面・構造・防耐火構造の苦労がわかる。

一般木造と耐火構造の棟を交互に並べ、それぞれを1000㎡以下に分節し合計7つの棟が構造的に独立している。またサスペントラス構造のヒントはロベール・マイヤール設計のキアッソの税関倉庫(1925年)と知った。

その他、「木材供給体制」「地域の森林経営と計画施業」「素材生産の現場から」「地域の木材流通と木材調達」「百年の森林構想とあわくら会館」と詳しい原稿が当事者から寄せられている。

「建築雑誌・3月号」は読み応えあり。

「信州の縄文時代が実はすごかったという本」藤森英二著

もしかしたら5000年前の私の故郷は信州だったかもしれない。そんなことを思ってしまう考古学の本。

長野県の八ヶ岳を中心とした地域では、いまから5500年前~4500年前の縄文中期の遺跡数がずば抜けて多く、国宝「縄文のビーナス」等数々の土偶が発見されている。そこから考古学の世界では「井戸尻文化」と呼ばれているそうだ。その範囲は関東西部から山梨・長野をひとつの文化圏と考える研究者は多いようだ。

それを支えたのは、落葉樹の森の恵みと栽培管理、そして黒曜石。

黒曜石は、天然のガラスで弓矢の矢尻に使われるが、八が岳の周辺は黒曜石の一大産地で、遠く青森の三内丸山遺跡からも八ヶ岳西麓産のものが発掘されている。

この本の著者である藤森英二さんのお爺さん、藤森栄一さんも著名な在野の考古学者だった。今では定説になったと思う「縄文中期農耕論」を提唱していたが、最近の研究で実証されている。この本でも新しい研究として栽培の可能性があるものとしてシソ・エゴマ・マメ類(ダイズやアズキの仲間)があげられている。

とにかく全体がビジュアルで分かりやすく、とくに縄文のビーナスや仮面の女神の二つの国宝土偶のディティール写真は圧巻だ。

2017年に発刊されて現在は第5刷を超えているというから静かなベストセラー本だといえる。

信州の秘めたるポテンシャルは深い。

考古学の旅へ いざなつてくれる。

建築にどっぷりつかっていると頭が酸性になるので 時々中和させないと・・・

『コペンハーゲン: 権力と栄光』(“Borgen – Power & Glory”)

『コペンハーゲン/首相の決断』の続編シリーズ。

6月2日にnetflixから配信されたので一気に観てしまった

 外務大臣となったビアギッテ・ニュボーが直面したのは、グリーンランドの石油をめぐる権力抗争。大国間の覇権争いや気候問題など、北欧が抱える政治課題を描いている。

 多党連立政権内の駆け引き、年下の他党の女性首相との関係、自党の基本政策との整合など、中々ディテールがしっかりしていて見ごたえがあった。多分、多党連立政権はデンマークを始めとした欧州の民主主義を反映しているのだろうと思うが、こうした訓練を経て市民は鍛えられていくのだろうと思った。

グリーンランドのフイヨルドの風景に魅了される。

さて「爺ちゃん またnetflix観てるよ」と孫娘に言われないように仕事しなくちゃ。

夢みなとタワー -2

内部

隣にある境港さかなセンターも随分と大きな建物だつた。

2020年4月に完成したクルーズ船の寄港ターミナルである境夢みなとターミナルも完成した頃コロナだから不運といえば不運。これらの「夢の跡」の後始末は大変だろうな

大山の山脈

弓ヶ浜海岸か皆生海岸

夢みなとタワー -1

境港から米子に車で向かう途中「夢みなとタワー」に寄った

米子に午前中に戻らないとならなかったので駆け足で観た

この後ろのタワーは、1997年(平成9年)夏を中心に開催された「山陰・夢みなと博覧会」のシンボルタワーとして建設された。全面ガラス張りの外観は、「白い骨組みが複雑な模様を描き、同県日南町産のスギ集成材を多用。展望室は、日本海対岸諸国に向かう「交流の船」をイメージし、360度のパノラマ風景が楽しめる」とあるが料金がかかるのと時間がなかったので入らなかった。

この夢みなとタワーの構造的特徴は、テンセグリティ構造を用いている点にある。 テンセグリティ構造とは、『引張りに強い部材と圧縮に強い部材を力学的に組み合わせる構造』で、今から思えば建設費に相当余裕がないと躊躇するかな。こんなに建築費をかけられたんだなと思う。

設計は木島安史さんと相田武文さんが設立した (株)計画・環境建築。

この頃の作品は、まだ木島さんのDNAが色濃く出ている

美保神社 -2

参拝をした後、神主さん達が身支度をしているので聞いてみると

毎朝8時30分から朝御饌祭(あさみけさい)が行われ拝観できると聞き待つ

参進

朝御饌祭(あさみけさい)は、参 進/献 饌/大祓詞奏上/祝詞奏上/神楽/境内末社巡拝/退 下という順番で行われ、拝殿に上がり近くで拝観することができた。

神楽は日によって「巫女舞」の場合と、太鼓・笛のみの場合があるとのことで、この日は幸いにも巫女舞を観れた。

退下

尚、午後3時30分からは夕御饌祭(ゆうみけさい)が執り行われる

左は収蔵庫

美保神社 -1

朝早く境港から海沿いに車を走らせ「美保神社」にお参り

どの神社も維持するためにはお金が必要なのです

ご祭神・(美保神社サイトより)

三穂津姫命三穂津姫命
五穀豊穣・夫婦和合・安産・子孫繁栄・歌舞音曲(音楽)
高天原の高皇産霊命の御姫神で、大国主神の御后神。高天原から稲穂を持ってお降りになり、人々に食糧として配り広められた神様で「五穀豊穣、夫婦和合、安産、子孫繁栄、歌舞音曲(音楽)」の守護神として篤く信仰されています。また、美保という地名はこの神の御名に縁があると伝えられています。
■事代主神(えびす様)事代主神(えびす様)
海上安全・大漁満足・商売繁盛・学業・歌舞音曲(音楽)
大国主神の第一の御子神。鯛を手にする福徳円満の神えびす様として世に知られ、「海上安全、大漁満足、商売繁昌、歌舞音曲(音楽)、学業」の守護神として篤く信仰されています。また、出雲神話・国譲りの段において御父神・大国主神より大変重要な判断を委ねられた尊い神様です。

拝殿

「昭和3年、建築学者伊東忠太の設計監督により造営されました。檜造りで、屋根は杉板を敷きつめた柿葺き(こけらぶき)です。船庫を模した独特な造りで壁がなく、梁がむき出しの上、天井がないのが特徴です。この構造に加え周囲が山に囲まれている為、優れた音響効果をもたらしています。」(美保神社サイトより)

水木しげる記念館・水木しげるロード -2

天然温泉 境港 夕凪の湯 御宿 野乃

知人の薦めで泊まってみた

ホテルの新しい業態だと思った

ホテルの部屋から見た境港

隠岐汽船 境港フェリーターミナル

境港駅

全体的な印象として水木しげるさんの持つポンテンシャルを、

もっと引き出せるのではないかと感じた。

水木しげる記念館・水木しげるロード -1

鳥取県境港市の水木しげる記念館と水木しげるロード

水木しげる記念館は閉館の5時に近く 駆け足で館内を見て回った

今年は水木しげる生誕100年という事

土曜日の夕方だったが街の中には観光客と思われる

家族連れや若い人達が多かった

妻は10年程間に境港市に来たことがあり、その頃より随分と店も増え

パワーアップしたという。

水木ロードの妖怪ブロンズ像は今や177体もあるとか

境港市は水木しげる一色という雰囲気

松江市街

実に45年振りに島根県の松江市街に寄った

京橋

学生時代に松江城と小泉八雲の住まいと、このあたりを歩いた記憶がある

京橋川端の珈琲館京店

堀川めぐりの乗船場

京橋とカラコロ館

カラコロ広場

松江市街で時間がとれたのは、小一時間

遠目に島根県立美術館

2022年6月1日リニューアルオープンだったが、

松江を訪れたのは、数日前だったので行くことはできなかった

千鳥南公園から宍道湖と松江市街を遠望

「食エネ自給のまちづくり」小山田大和著

耕作しながら太陽光発電する「ソーラーシェアリング」に取り組む小田原市の社会起業家・小山田大和さんの20年わたる実践の書で2022年3月に出版された。

ソーラーシェアリングというのは、太陽の光を発電と農業で分けるシェアすることから名づけられているが、一般的な日本語では「営農型太陽光発電」と言われている。

単に太陽光発電をするというのではなく、日本の農業をどう再生していくのか、地域の活性化・再生という観点に立たれている。

日本の農業が抱えている後継者不足、耕作放棄地の問題、鳥獣害等の問題をどう解決していくのかソーラーシェリングの実践はその解決の糸口を秘めている。

また幅広い活動をされているが、故郷の環境を守るとともに、地域の復活、地産地消の地域循環型経済による元気なまちづくりを目指していることは一貫している。

今や東京ではカロリーベースで食料自給率0%。神奈川県では2%しかない。日本全体で38%。ちなみにフランスは122%。イタリアは62%。

食べ物はなくならない。お金を出しさえすれば買って来れると思っている人は多いが。東京大学大学院教授の鈴木宣弘教授が「農業消滅・農政の失敗がまねく国家存亡の危機」(平凡社新書)で書かれるいるように「食料の確保は、軍事・エネルギーと並ぶ安全保障の要」であるはずなのに そういう危機感を抱いている人は多くはない。

小山田さんの会社の名前は「かなごてファーム」というのだけど、「かなごて」というのは、御殿場線の神奈川にある駅の総称の事で、つまり一つの自治体ではなく領域でとらえられている処。テリトーリオで問題の解決を図っていこうという姿勢に共感を覚えた。

「テリトーリオ」とは、長く法政大学の建築学科で教えられていた陣内秀信さんが「都市とその周辺の田園・農村がつながる経済的・文化的なアイデンティを持つ、こうしたまとまりのある地域」と定義づけられたが、流域圏=経済圏で問題の解決を図っていこうという取り組みである。

全国各地を歩いてみると日本の地方のポンテシャルはまだまだ残っていて、若い人達が地方再生の為に汗をかいているところも増えてきたと感じる。

もうひとつ、小山田さんの根底には、小田原出身の二宮尊徳の「推攘の精神」に裏打ちされていることに感心した。「どんな人にも必ず能力=「徳」がある。その「徳」を今の自分のためだけに使うのではなく、将来の自分の為に磨き、社会の為に使っていくべきである」。

二宮尊徳が実践した思想は、協同組合思想と言って良く、至誠、勤労、分度、推譲を実践し地域の皆が幸せになる健全で活力あるまちづくりに取り組んでいることだ。小山田さんは1979年生まれと若く、今後一層の活躍に期待したい。

植田正治写真美術館 -6

植田正治写真美術館(うえだしょうじしゃしんびじゅつかん)は、鳥取県西伯郡伯耆町にある写真家植田正治の個人美術館である。1995年9月23日に開館した

本人から寄贈された12,000点の作品を収蔵、常設展示し、植田の芸術とプロフィールを紹介している。

植田さんの写真は、写真という表現方法を借りているが一カット一カットが完成されたデザインという印象が強い。

美術館は植田の故郷鳥取県境港市近くの伯耆町に立地し、建物のスリット状の隙間から伯耆富士の形状の大山と水面に写る「逆さ大山」を望むことができるように設計されている。以前はのどかな田園地帯が広がっていたが、隣接地に工場も建設されていて、今後美術館の環境が守られていくことを切に願う。

幾つかのホテルの事

1、地方の古くからの温泉宿

岡山県のとある温泉。バスがホテルまでの狭い道を行けないと観光案内所で降車させられ、雨の中坂道を五分ほど歩く。という始まりだから、そもそも第一印象が悪かった。

関東でもさびれた温泉は沢山あるが、平日の夕方とは言え、ほとんどの店が営業していない。というどころか廃業し少し朽ち果てた、さびれた温泉街を歩くと、現実に引き戻されて陰鬱になってくる。

そもそも視察ツアーなのに、この温泉街の中のホテル・旅館を自分で予約しなければならなかった。皆ツアーの客だと知っていれば送迎用の車を出せたと旅館の人は言う。

どうやら主催者側がまとめて予約した部屋もあり、ネットで予約した私たちは宴会場の下でエレベータ脇で建築計画的には、おそらくリネン室だったものを後で客室に改造したものではないかと予想できるなんともちぐはぐな部屋だった。

掃除が行届いてない。部屋の換気が悪い。Wi-Hiのパスワードを聞いても答えられずチェックインの時に書いた紙を渡したとしか答えない外人の従業員

お湯だけは良かったが、これは自然の力

ツアーの懇親会を観光案内所近くの居酒屋でやるというので雨の中坂道を降りて向かう。油ぎとぎとの唐揚げ、刺身もどき、砂糖をどれほど入れたのかと思うほどの鳥すき焼き、まともに食べれたのは冷凍枝豆とおむすびぐらい。

それでも懇親会で関連する業界の人たちと話せたのは良かった。

賞味期限が残り少ない商品を飾っているだけの売店。地方の魅力を感じない 業務用スーパー品ではないかと思うのような品が並んでいる朝食。

負のスパイラル状態で抜け出すことができないでいるのだろうと想像してしまう。

2、地方都市の駅前にあるビジネスホテル

鳥取県のある主要都市の駅前という立地と有名ホテルチェーンということもあり金曜の夜は満室だという。ネットでツインを予約していたが、一人当たり料金ではなく室あたりの料金だという。おかげで半分の料金で済んだ。

ツインでも部屋はギリギリの大きさ。ユニットバスとトイレと手洗いが一緒。実は このスタイルのユニットバスは嫌い。換気悪いし、夫婦だからといって臭いを我慢することはできない。

朝食がひどかった。のどぐろの干物というが生臭かった。客単価と原価率を考えたら こんなものとは思うけど。建物は立派な大きさだが安かろう悪かろうの典型のようなホテル。稼働率は高さそうだが、利益は出るのだろうかと心配してしまう。

3,コンテンツ・ツーリズムに乗った地方都市のホテル

島根県の中心的な都市から車で一時間あまりの港町にある宿が、知人のお薦めだったので行ってみた。全国的に展開していたホテルをパワーアップした和風温泉宿シリーズ。

最上階に展望風呂と露天風呂があり、湯上りにはアイスキャンデーが無料で食べられる(朝風呂にはヤクルト)。お風呂は夜通し利用することができ、掃除は日中するとの事

部屋の冷蔵庫には、今時珍しくカットフルーツとミネラルウォーターが入っている

コンセント、有線LANとWi-Hiが完備。コンセントが要所要所に配置され宿で仕事をする私にとって有線LANはありがたい。全館畳マツト式で清潔、しかも完全バリアフリー

売店は設置していない、和風のデザインで統一されているが自己主張の強いデザインではない。朝食はバイキング方式だが品数豊富、地方食が取り入れられており、評判通り大人気。

夕食もバイキング方式らしいが これは予約いっぱいで食べれなかった。

土曜の夜とは言え、小さな子供の家族等で満室。旅館の専用駐車場で車のナンバープレートを見ると、かなり広範囲の地域から客が来ていることがわかる。温泉旅館とビジネスホテルの良さをミックスしたようなホテルの業態。ここの主体は学生寮やサービス付き高齢者住宅を展開してきた企業なので、運営ノウハウの蓄積があるのだと思う

細かい部分に従業員の手間を省く工夫がみられ、様々な部分を合理化した一方でお客さんが喜ぶ客室・食事(料理)に集約している様子がみえる。

ある漫画家の出身地であり、街全体がコンテンツ・ツーリズムに彩られている。
妻は10年程前に訪れているが、その頃は寂れた港町という印象だったというが、随分と店舗も増え、港もきれいになったと言う。

インバウンドに依存しない これからの日本のホテル業態のひとつを見ることができ紹介してもらった知人に感謝。