マラヤ・コンサートホール

 サウジアラビアの「マラヤ・コンサートホール」砂漠地帯に建設された全面鏡張りの建物。マラヤ(Maraya)は、アラビア語で反射、反映、または鏡を意味するという。

 9,740平方メートルの大きさを持つこの建物は、アラビア半島とレバント地方を結ぶ貿易のルーツとして知られる歴史的な街マダイン・サーレハの近くの砂漠地帯に建設されたとのこと。まるで蜃気楼をみているようだ。一度は訪れてみたい。

 鏡張りのではないが、ロンドン市中心部に建設中の「20フェンチャーチ・ストリート」ビルディング。凹面状の形状の為に、壁面ガラスの反射熱で目玉焼きが焼けると言われていたが、その後どうしただろうか。市街地の建物では熱線反射ガラスはあまり使ってもらいたくはない。

台湾・蔡総統、「最近買った一冊」投稿呼び掛け

台湾の蔡総統が、「最近買った一冊」を投稿呼び掛け 台湾の出版業界を応援している

https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202101270005.aspx

蔡総統は1月26日「最近購入した一冊」を投稿する企画を立ち上げ「台湾の出版業界を応援しよう」と呼び掛けた。同日、台北国際ブックフェア開幕が予定されていたがコロナの感染拡大を受けて対面型イベントが中止された事をうけての呼びかけ。

そこで、私が最近買った一冊。実は、まだ読んでいないが・・

日本の出版界と本屋さんを応援したい。

「移民・難民・避難民、コロナ禍による世界喪失の世紀に、
古代と20世紀の経験から光を当てる「ノスタルジー」と「故郷」の哲学

帰郷の後すぐ再び旅に出たギリシアの英雄オデュッセウス、ギリシア語を捨ててラテン語を話しローマの元になる都市を建立したアエネアス、アメリカ亡命後も母語ドイツ語に拘り続けたユダヤ人哲学者アーレント。
自分の故郷を離れ、自分の言葉を忘れざるを得なかった人々の抱く「ノスタルジー」とは。

人はいつ、「我が家」にいると感じるのか?
アカデミー・フランセーズ新会員、現代フランスを代表する女性哲学者の傑作、待望の日本語訳!」花伝社サイトより。

換気の「見える化」

新型コロナウイルスの感染経路として、空気中を浮遊する微粒子(エアロゾル)によるものがあり、そのリスク低減のためには換気をするのが基本です。その換気の状況を「見える化」し換気の目安を計算した産業技術総合研究所の首席研究員、原史郎さんの研究成果が興味深い。

内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室のサイトに、その研究成果が発表されている。オフイス、食堂・レストラン、ディービス、スポーツジム、カラオケ、住宅でCO2濃度を測定し換気の目安を計算している。

https://www.covid19-ai.jp/ja-jp/organization/aist/articles/article001

住宅については2003年以降に建てられたものは24時間換気システムが法的に義務付けられているので換気口の掃除と窓開け換気の併用が有効なようだ。

『住宅でのCO2測定
24時間換気対応換気口を備えた個人住宅では、寝室に2名で就寝すると、朝には1,000ppmを超えるようになる。ただし、その値が直に不健康を意味するわけではない。
換気口を掃除すると、CO2の排出効果が促進される。本例では、昨年度末の大掃除から11ケ月経過後に換気口の掃除を実施したところ、換気効率は、1割程度回復。
朝起床後などに適宜窓を開けると、5分でCO2濃度は半減する。
基本的に、各部屋は【空気の屋外排出】の向きにファンが取り付けられており、他の部屋とは空気の流れでは独立である。しかし、リビング、ダイニング、廊下は気流の上流側であり、感染者が出た場合感染者との動線が交差しないように注意が必要。』

原さんの研究のまとめは、

『CO2測定で、どのような人数でも、換気状況が明快にわかる。
典型的なそれぞれのシーンにおいて、本研究結果で示された換気対策を施すことで、CO2濃度を建築基準法で定める1,000ppmに抑える運営が可能。
ただし、個別事例で部屋の換気性能はまちまち。より安全に換気対策を施すには、CO2センサーを用いて、常時測定することで、数値に基づく換気の運営が可能になり、間欠換気などを適切に実施できる。
換気程度がわからない場合でも、冬はその分暖房を強めるなどして、少しでも多く窓を開けるなどして外気取り込みを多くすることが効果的。
CO2測定は、あくまで浮遊微粒子の換気状況を明らかにするもの。近接飛沫対策(マスク、衝立、ソーシャルディスタンス)と媒介対策(手洗い、消毒)は併せて必ず行わなければならない。』

悩むのは、どのぐらいの仕様のCO2測定器が必要かと言う事、アウトドアでは、テントや車中泊の場合CO2測定器を購入した方が良いと言われている。その場合は安価なCO2測定器で充分なのだが、建築室内の場合は、事務室とか会議室とか部屋別に設置して管理したほうが良いのか。そういえば工場等で従来から環境要因を見える化するシステムがあったはずと思い、検索したら見つけた。熱中症対策の温度湿度計測、二酸化炭素濃度の計測「CO2れんら君」。

https://nke.co.jp/ec/network/renra/n0028.html

もうひとつ悩むのは、そもそもの「外気の質」。昨年からマルチワークスペースに取り組んでいたので、都心部、都心郊外、東京から100kmぐらい離れた田園地帯とそれぞれの地域環境で外気の質がこんなにも違うものかと実感していた。具体的には山手線内側とさいたま市と千葉県の三里塚、三カ所比較しても全然外気の質が異なる。勿論温度、湿度も同時間でも異なるはずだ。ただ科学的に外気を計測したわけではないが、その置かれた地域環境で対応は異なるのではないだろうか。

小さな家

平屋で20坪以下、老人夫婦の終の棲家。そんな住宅のスダディを続けている。

たまには、ちゃんとした設計の依頼もあるのです。

ところが、小さい家というと、どうしてもル・コルビュジェの両親の家を思い出してしまう。スイス・レマン湖畔に建つこの家は、建築を学んできたものにはあまりにも有名で、湖に面した横長の開口部、その開口部に沿った横長の机、間取りの周遊性、機能的な水廻り、屋上緑化、ル・コルビュジェのエッセンスが詰まっていると言われている。小さいけど魅力的な家。下記は公式サイト。

http://www.villalelac.ch/en

平面図、横16m×縦4m、図面下がレマン湖

はたしてル・コルビュジェの呪縛から逃れることが出来るだろうか。スタディは続く。

かるた遊び

最近、孫娘が「かるた遊び」に夢中。爺婆の家にやってくるなり開口一番「かるた やろう」と誘われる。以前は神経衰弱ゲームが好きだつたのが、最近はいろはかるたが好きで、しかも「読み手」をやりたいらしい。

一人っ子だし、今はコロナでファミリーが揃う機会も減っている。幼稚園も父兄に感染者が出た園児がいるということで園自体が一時休園。昨年と違い子供達に感染が広がっている。

孫娘が読み手で爺婆は真剣勝負。容赦ない激烈な競争が展開される。孫娘喜び方が半端でない。

人によると歌留多は、知育に良いのだと言う。声に出して文字を読むことで脳が活性化し、取り手も身体がを使うからという。しかも楽しい。

「かるた遊び」は楽しくなくてはならないと思う。「コロナ対策 東京かるた」こんなもの誰が遊ぶねん。エルルギーと経費の使い道は、もつと沢山あるだろう。

1/12のNHKニュース、北海道根室市は医療従事者などに無料でPCR検査のキットを配り、優先的に検査を行う取り組みを始めたと書かれている。根室は人口2万5千の小規模自治体。決して財政的にも楽ではないと察する。日本の政治的病の原因は、組織上層部の意識の問題なのだろうとつくづく思う。公民ともに現場を見ていない組織が多いから。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210112/7000029281.html

アキュラホーム、ウイルス対策標準化「地球と家計にやさしい家」発売

住宅新報社のサイトをみていたら「アキュラホーム、ウイルス対策標準化「地球と家計にやさしい家」発売」という記事があったので、転載

https://www.jutaku-s.com/news/id/0000028030?from=rss

「木造注文住宅を手がけるアキュラホームは、ウイルス対策を標準化した新しい生活様式の家「地球と家計にやさしい家」をこのほど発売した。3月31日までの期間限定で300棟販売する。
 ウイルス対策のために導入した「ウイルスキラーエアシステム」は空気中のウイルスや臭いを撃退する。ドアノブやスイッチ、取手、手すりなどには、ウイルスを不活性化させる「ウイルスシールド加工」を施す。同社調査ではインフルエンザウイルスが10分後に99%減少。床や建具にも抗ウイルス仕様を施し、表面に付着したウイルスや菌の数を減少させる。
 そのほか、家族が家にいる時間が増えたことにより、くつろげる広いリビングのニーズに応え、折上げ天井を採用した天井高2700ミリメートルの「快適リビング天井」や、調湿効果、保温効果や森林浴効果などがある「オリジナルヒノキ無垢フローリング」を採用する。
 同住宅はZEH基準とし、太陽光発電システム3キロワットを標準搭載する。同社の社内研究所「住生活研究所」が従業員1000人を対象に実施した「新型コロナウイルス感染症により変化する住まいのあり方調査」によると、コロナ禍において、外出機会が減少し、在宅勤務や家族が家にいる時間が増えたことで、光熱費の負担が増加している。それに太陽光発電等の需要が増加傾向にあるという。災害時における電源確保への期待も高まってきており、新商品では太陽光発電システムを標準搭載することにした。」

 弊社でも、昨年から住宅の相談が増えている。新型コロナウイルス感染により、暮らし方や住まいのあり方を模索されているのだろうか。弊社への相談は、検査済証がない住宅の増築等に絡んだ相談なのだが、まわりの話を聞いてみると事業系のプロジェクトが中断することが多いが、リフォーム系の業務は結構あるようだ。

 これからの住まいのあり方は、多方面の人と語り合うことが必要なのかな。

ウィトゲンシュタイン・ ストンボロー邸 

【1989年撮影】

20世紀を代表する哲学者 ウィトゲンシュタインと建築家 パウル・エンゲルマンにより生み出された「ストンボロー邸」1928年竣工。

オードリー・タンの本を読んでいて、「ウィトゲンシュタインから強い影響を受けた」と書かれてあり驚いた。ウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」昔、本をパラパラとめくった記憶もあるが歯が立たなかった。

ウイトゲンシュタインの後期の思想は「言語ゲーム論」と呼ばれ、言語の意味を特定のゲームにおける機能として理解すべきものとオードリー・タン氏は書く。ウイトゲンシュタイの言葉の使い方について、その言葉がどんな意味を伝えるのか、一つの単語がいったいどのような意味を伝達するのかを、非常に厳格に捉え、言葉の使い方次第で、まるでひとつひとつの単語の概念がそれぞれの役割を変えていくかのように変わっていく。それらは論理関係を通じて連結するが、この連結の方式も固定したものでなく、実際の状況に合わせ、まるで絵を書くように世界の真実の状態を反映させると。オードリー・タン氏のAI推論はウイトゲンシュタイから学んだものだと。

その頃私は、哲学者としてのウイトゲンシュタインには、あまり関心がなかった。今でもさほど関心があるわけでもないが、同じような出会いがあっても受け取る側によって異なるものだと、つくづく思う。

昔、大先輩にこう言われたことを思い出した。

「ひとりひとりの心には、それぞれ深い井戸があり、その井戸にはまり込むと抜け出させなくなるよ。」と、そういわれてから哲学の勉強を止めて経済学に変更した。

そういえば、私がまだ30代の頃ウィーンの「ストンボロー邸」を見に行っていた。その時の写真(ポジ)はどこだつたかなと探してみたのが ここに掲載する写真で1989年の撮影。ウイトゲンシュタインには、あまり関心がなかったのだろう。写真もさほど撮影していない。


アドルフ・ロースの弟子 パウル・エンゲルマンとの共同で設計された、ウィトゲンシュタインが生涯で唯一関わった建築・姉のための住宅「ストンボロー邸」

本棚を探してみたら、このストンボロー邸の小冊子が出てきた。多分この建物で購入したものだろう。

こんなチケットも出てきた。記憶にないが有料だったのだろう。

ウィトゲンシュタインの哲学が色濃く現れているとも言われる内部空間、そして徹底的に、偏執的にこだわったディテールの数々。現代から見れば幾何学的でしかなく、つまらない建物なのだが、100年前では異端の建築だったのかも知れない。

私が見に行った1989年当時でも 異色の存在感を放っていた。景観的には違和感があるようにも思えたが。

姉・マルガレーテは、一度もこの家に住むことはなかったと伝えられている。

武蔵一宮 氷川神社

大宮の武蔵一宮 氷川神社に古い御札を納めに行ってきた。最近は自社の古い御札は受取ってくれるものの、他社のものは駄目と言われることが多い。その点大きな神社は鷹揚で、氷川神社の社務所に電話したら「何処のでも構わない」というので納めに行ってきた次第。ついでにお参り。皆さん三が日は避けていたのか、参拝客は思っていたより多かった。参道に出店が沢山出ていた。

数年前にお仕事をさせてもらった建築主の訃報が届いた。84歳。打合せをさせていただいていた頃のお顔が目に浮かぶ。合掌。

以前一緒にお仕事をさせていただいた方からは、昨年末一級建築士に合格したとの嬉しい知らせ。学科3回、製図2回失敗し昨年末合格だから、屈せずによく頑張られた。51歳で一級建築士合格だから遅咲きだけど、実務の世界は資格の有る無しで決まるわけでもない。

ある90歳になる大先輩が語った。「60歳の時、ヴァイオリンを弾きたいと思ったが、もう歳だからと自分にお金をかけるのは思いとどまった。あの時ヴァイオリンを練習し始めていれば30年も弾くことが出来た。学びに遅いはないよ」

年賀状や年賀メールだけでなく、常日頃から安否確認しないといけないなと思う。

【てら・アソシエイツ通信2021・第7号】を発行しました

【てら・アソシエイツ通信2021・第7号】
(VOL07~2020年の業務と現在進行形のプロジェクトの紹介)
を、1月8日発行しました。

主としてメール及び名刺を交換させていただいた方に

メールにて送信しています。

弊社は一斉メールではなく個々にメール送信を行っています。

現在あいうえお順で発送しています。

届いていない方は今しばらくお待ちください。

初詣

今年の初詣は、三が日を避け6日に大塚・天祖神社に行く。参拝客は少なく、距離を保つてお参りできた。

この日、2021年最初の調査で飯田橋。昨年末に客先の都合で日程をずらしていた。駐車場を探すのに時間がかかり、目的地から10分ぐらい歩いたところに、ようやく見つける。しかし街の中は、人通りは少なめで走る車も少ないように思う。飲食は車の中でテイクアウトの弁当を食べる。

どんよりとした雪空。先行き不安な2021年の幕開け、明日から二度目の緊急事態宣言か・・・

「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」オードリー・タン著

2021年 最初に読み終わったのは、「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」世界初のオードリー・タン自著。

実は購入したのは妻(パートナー)で、年末に買ったものらしい。我が家には買った人が読み終わる前に、その本を他のものが読まないと言う不文律があるのだが、つい目にして何頁か読み始めたら止まらなくなり、結局最後まで読み切ってしまったのだが、途中で先に読んでいるのがバレてしまい。同じ本をアマゾンで注文した。

私は、読んだ本には付箋紙だらけにするし、気になるところは赤鉛筆で線を引いたり、丸で囲ったりと結構本を汚すので、妻には嫌われている。

ところで この本 刺激的な内容に満ちている。

驚いたのは、台湾はなんとも民主的で、デジタル技術が社会や政治について考えるツールとして活用されている事。帯にもあるように「テクノロジーを活用した新しい政治、経済、ライフスタイルの時代が始まっている」というのが理解できた。

それにしても2020年は、自分の子供達の世代=30歳代の人達の本に、強く共感し刺激をうけた。このオードリー・タン氏は今年40歳。『人新世の「資本論」』の斎藤幸平氏は、今年34歳。

台湾では「青銀共創」(せいぎんきょうそう)という試みが盛んだそうで、青年(青)と年配者(銀)が共同でクリエイトしてイノベーションをおこなう。若者と年配者はそれぞれ異なる角度からの見方を持っているが、それらを結合させていくと新しいイノベーションが生まれるのだと書かれている。

【オードリー・タンが伝えたいメッセージ】

・人間がAIに使われるという心配は杞憂にすぎない

・AIと人間の関係は、ドラえもんとのび太のようなもの

・デジタルが高齢者に使いにくいものであれば、改良すればいい

・デジタル技術は「誰でも使える」ことが重要

・デジタルは多くの人々が一緒に社会や政治のことを考えるツール

・インクルージョンや寛容の精神は、イノベーションの基礎となる。

・様々な学習ツールを利用して学ぶ生涯学習が重要になる

・テクノロジーで解決できない問題に対処するために美意識を養う。