当社の新型コロナウイルス感染対策

1、外出時マスク、帽子、手袋、眼鏡、ジャンバー等の着用

2、帰宅時、厚労省推奨方法による手洗い、顔洗い、うがい、シャワー浴、着衣洗濯

3、毎日の体温の測定

4、「人⁻物」感染対策として接触物の事前エタノール消毒及びアルコール綿による手の消毒

5、「人-人」感染対策として必要最小限の打合せ及び役所調査等を行う。

6、出来うるだけ公共交通機関を使用せず車で移動する

7、他府県出張時には、ホテル等を利用せず車中泊とする。ドライブイン等を利用せず車中休憩を原則とする。

8、衛生管理者による感染対策の徹底

9、栄養士に依る免疫力向上の為の食事管理

10、インフラを支えてくれる全ての人達に感謝の言葉を送る「ありがとう、皆さんのおかげです」と

当社では、本年1月中旬には、武漢の新型コロナウイルス感染がパンデミックとなる事を予想し、周囲にマスクの購入、エタノールの購入、食料品の備蓄を推奨してきましたが、残念ながら予想通りとなってしまいました。

物事の方向性を見極めるために科学的知見に基づくエビデンスを重視しています。感染に対して警戒を徹底しますが、必要以上の委縮はしておりません。

当社は元々在宅ワーカーで月に2割程度しか打合せ等の為に外出していませんでしたが、より一層感染対策を徹底し新型コロナウイルス感染の長期化に対応していきます。

中村キース・へリング美術館 -1

エントランス・アプローチ

4月15日、16日長野に出張でした。帰路、中村キース・へリング美術館が開館しているとの事で寄ってみました。

久しぶりに、楽しくなる、ワクワクする建築を見ました。隅々までデザインされ、とても完成度の高い建築です。キース・へリングの作品にピッタリの美術館だと思います。北川原温さんは、さすがに上手い。

成田山 新勝寺

打合せで三里塚に行った帰り、成田山 新勝寺に寄ってみました。夕方5時を過ぎていたこともあるのでしようが、境内には数えるほどしか人がいませんでした。社務所も休み、お土産屋さんは1件だけ開いていました。


三重塔に西日があたり輝いていました。

大本堂の西面

釈迦堂

新型コロナウィルス感染により外出自粛要請が発出している中で、仕事とは言え外出するのは、他人にも自分達にも感染の危険が伴います。打合せ先のお客さん達とマスクをしたまま会話したほかは人に近づかない。外食とかせずに弁当持参。高速道路のPAでは自販機からお茶を購入するだけ。車から出るときはマスク・手袋・ジャンバー装備で、車から外に出て車に戻ったら手はアルコール消毒。

もともと仕事等で外出するのは月の内2割程度。3月は親戚の葬式等を含めて6日でした。4月も同じ程度しか外出しないと思います。

「外出自粛」と言われても「働くな!」では生きられません。

ウォーキング -4

日曜日 朝のウォーキング。40分、4480歩 

ダイエット開始から2週間。4kg減量。少し身体が軽くなった気がする。

いつもより散歩をする人、ウォーキングをする人、ジョギングをする人が増えたように思う。道端に季節の花が咲き誇る。春満開。

『あわいの力・「心の時代」の次を生きる』安田登

能の主人公の「シテ」に対して「ワキ」はワキ役ではなく「横(の部部)」を指すそうです。着物の脇の縫い目の部分を「ワキ」と言い、着物の前の部分と後ろの部分を「分ける」からで、古語でいえば「分く」その運用形が「ワキ」。体の横で前と後ろを「分ける」と同時に、前と後ろをつなぐ「媒介」にもなっている。この「媒介」という意味をあらわす古語が「あわい・あはひ(間)」と書かれています。

世阿弥は「心(しん)より心(しん)に伝ふる花」という言葉を残しています。能という芸能を端的に表現した言葉だそうですが、「心(しん)」という言葉の意味を押さえて置く必要があると言います。

日本的な心(しん)というのは三層構造からなっている。いちばん上、表層にあるのが「こころ」で、その下に「こころ」を生む「おもひ」というものがあり、さらにその下、もっとも深い層に「心(しん)」が存在する。

安田登さんは「心(こころ)」だけで物事を理解し考えようとするのではなく、身体という外の世界とつながる「媒介」を通じて身体感覚で思考する。それが「心(こころ)」の副作用が蔓延する現代から次の時代にかけて、生きるために必要な力となっていくと私たちを導いてくれます。

「かんがえる」の語源は「か身交(みか)ふ」で、「か」は接頭辞なので、もともとの意味は「身」が「交ふ」、つまり身体が「交わる」状態を指す。身体が「交わる」ときに、すなわち思考が生まれると古代の人は、この言葉をつくつたのではないかと書かれています。

「かんがえる」のにいちばん適しているのは、自然の中を歩くこと。鳥のさえずりや葉のそよぎ、川のせせらぎの音を聞きながら歩いていると、いつしか「外」の自然と「内」の自己が「交わ」って、自分が普段おもいつかないようなことが引き出される。身体が「か身交(みか)ふ」のは、自然とだけではなく、思考する対象と自分が「か身交(みか)ふ」ことも大事。思考する対象と身体的にも交わる、そのとき思考する対象と身体的に交わる、そのとき思考する対象と自己の境界はあいまいになり、そこに思考が生まれると書かれています。

能楽師ならではの視点なのでしょう。凡人には中々すんなりとは理解できない事が多いのですが、身体感覚に基づいて思考する安田登さんの指摘は示唆的です。

松戸市役所

今日は、松戸市役所に打合せに行ってきた。車で行ったのだが、それなりに道路は混んでいた。もっとも平日は業務車両が主に動いているのだから、非常事態宣言が発出され外出自粛を要請されても、交通量はあまり関係ないのかも知れない。松戸市役所の駐車場は満車だった。

さすがに事前打合せは担当者の顔を見に行ったが、今後の提出書類は、全て郵送でも良いと言われた。

建築現場は動いているのだし、現場が動いている以上は、監理や検査で足を運ばなければならい。ホワイトカラーや正社員はテレワークも可能だろうが、私達のようなフリーターに毛が生えた程度の自営業者は、補償がないかぎり働かなければならないし、外出しなければならない。生き続けるために

国交省が5月一杯、講習会等の開催延期を要望した関係で、3月に受講予定だった更新講習は6月に延期。更新講習は、もともとビデオ講習なのだから、WEB会議とかに頭を切り替えりゃいいものを、3月を5月に、5月を6月以降にと段々順延。とっても5月6日までに終息するとは思えない。そういえば毎年6月に開催されていた資格試験は、今年はどうなるのだろうか。

何れにしても、かなり長期化するつもりで腹をくくらねばならないだろう。コロナと共生する期間が長く続くのではないだろうかと思う今日この頃。

Skype 対応

Zoomに続いてSkypeも設定しました。スカイプのプライベートなアカウントは持ってましたが、仕事用も新たにアカウントを取得しました。こちらは主としてチャット用に使おうかなと思っています。

WEB会議・Zoomに対応しました。

今話題のテレワークに欠かせないツール・テレビ会議システム「Zoom」に対応しました。

かなり以前からオンラインコミュニティには参加していました。かってはZOOPSでコミュニティ管理人をしていましたし、誘われてMiXIも、スカイプに熱中していた時期もありました。フェースブックはすぐやめたけど・・。現在リアルにお付き合いがある異業種の人達の多くは、以前のオンラインコミュニティで知り合った人です。

最近は、仕事が忙しかったせいで、オンラインコミュニティとは距離感を持っていましたが、新型コロナウイルスの感染により、リアルな打合せが減り、在宅勤務の人も増えていますので、リモートワーク、テレワーク、テレビ会議に対応する為にZoomを使えるようにしました。

通常は、在宅ですっぴんなので、爺の顔など見たくないでしようからバーチャル背景とする予定です。まだ不慣れですので 誰かZoomに誘ってください。

「司馬遷・史記 歩むべき道は歴史に学べ」安田登

能楽師の安田登さんが、開成高校の生徒に司馬遷の中国歴史書「史記」について解説した本。「NHK100分de名著」による2019年11月の特別授業。

「シンギュラリティ」(特異点) 少しづつ変化して来たことが、ある地点を境に劇的に変化する、その変化する一点のことを言うとのこと。かつて人類は、こうしたシンギャラティを何度も体験して来た。紀元前1300年頃の古代中国では「文字」が発明された。

何故「史記」を読むのか、「史記」は伝説を含めた古代中国の非常に長い歴史(2500年以上)を扱っている為、文字の誕生をはじめ人類にとっての大きな変化が幾つも記されている事。そして「史記」の叙述スタイルに注目している。それまでの歴史書が出来事を時系列に沿って書く「編年体」であったのを人物を中心に書く「紀伝体」という新しいスタイルを作り出した。

古代中国の各時代では、次のような大きな変化があったと指摘する

殷・文字の誕生

周・心と論理の誕生

秦・法の完成

漢・中華文化の成立

その変化を時代ごとに解説されていて とてもわかりやすかった。

司馬遷が投げかけた問い「天道是か非か」は、答えの出ない永遠の問い。「良い事をすればよい事が起きる」「天道というものがあると言われたが、本当にあるのか」。司馬遷が問い続けた「天道是か非か」は現代の私達に突きつけている問いでもある。

ウォーキング -3

目白台運動公園

肥後細川庭園・休館中

土曜日、ウォーキング70分

晴れ上がった空、暖かったせいか、人が出ていた。いつもは極力人の少ない道を歩くのだが、土曜日は結構すれ違った。

暖かくなってくると、帽子・手袋・マスク着用でのウォーキングは、さすがに暑い。足首に負荷をつけているので余計汗をかく。家に戻るとシャワーを浴びて着ていた服は全て洗濯。毎日洗濯が大変そうだ。

ウォーキングにより10日で3kg減量。今のところ順調にダイエット中。

妻の実証実験の研究材料。さしずめ太ったマウス?、豚?

アメリカ大使館が、国内の米国人は日本から脱出するように警告

4月3日、米国大使館は日本国内の米国人は日本から脱出するよう警告しています。以下要旨

・米国民は日本から帰れなくなる前に早急に脱出せよ

・日本政府はなるべく検査をしない方針であり、統計は正しくない

・近いうちに日本の医療は崩壊する

「米国とヨーロッパの陽性例と入院の数と比較して、日本で報告されたCOVID-19の数は比較的低いままです。広くテストしないという日本政府の決定は、COVID-19有病率を正確に評価することを困難にします。私たちの外交使節団は、米国アトランタの疾病予防管理センターと連絡を取り、東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、那覇などの他の場所における日本の医療制度の能力を注意深く監視し続けています。今日の日本の医療システムには自信がありますが、COVID-19のケースが大幅に増加すると、システムが今後数週間でどのように機能するかを予測することが難しくなります。症例が急増した場合、既往症のある米国市民は、COVID-19の大流行以前に、日本で慣れ親しんだ医療を受けられない可能性があります。」(原文・米語)

https://jp.usembassy.gov/health-alert-us-embassy-tokyo-april3-2020/

あと1年、300㎡以上非住宅建築物省エネ適判まで

いつのまにやら4月になった。

これまで届出義務となっていた中規模非住宅建築物に、省エネルギー基準への適合義務が課さられ、以前から適合義務の対象だった2000m2以上の大規模非住宅建築物と合わせ、300m2以上の非住宅建築物全てに省エネ適合性判定(省エネ適判)が求められるようになる。21年4月に予定している施行日以降に確認申請を行う建築物が対象だ(施行日以前に届出をした場合を除く)。
 一方、300m2以上の中規模・大規模の住宅(共同住宅)については、従来どおり届出のまま。

この3月は、省エネ届の計算代行の仕事が続いた。平成27年から平成29年までは、省エネ計算代行の仕事は結構多かった。ほとんど標準入力法でやっていたが、簡便なモデル建物法が導入されたことや省エネ計算代行会社も増えたこともあり、特に新規営業もしていないので依頼は減った。専門家はあまり必要ないのかも知れない。現在は昔から付き合いのある会社の省エネ計算代行しか行っていない。建築法規の無償相談付きだからかもしれないが。

まあ、非住宅のモデル建物法は、簡便である。

問題は共同住宅だな。省エネ上のタイプ別に計算をしないとならないし、現状は共用部は標準入力法だし、結構煩雑で手間がかかるのは変わらない。

非住宅300㎡省エネ適判は、変更申請とか完了検査に応じた変更箇所の把握と書類の整備が混乱しそうだなぁと予感している。

春の気配

4月2日に行った東久留米の調査現場近くに咲いていたタンポポ

のびる

食用野草が沢山はえている

川も春の装い

世の中は、新型コロナウイルスの感染で病んでいるが、自然はこんなにも元気。

自然から力をもらおう。

感染症病棟 -4 病院船

今日のニュースで「こんなのアメリカにはあるんだ」と驚いたのが病院船の存在。

米海軍の病院船「コンフォート(USNS Comfort)」は28日、バージニア州を出発し、30日午前11時(日本時間31日午前0時)ごろにマンハッタンの埠頭(ふとう)に到着した。病床1000床と十数の手術室を備える同船は、コロナウイルス感染者の大量発生によって受け入れ能力が圧迫される病院の負担を軽減するため、ウイルス患者以外で集中治療を必要とする人の治療を担当すると報じられている。

米海軍は、この「コンフォート「」と「マーシー」という排気量7万トンの病院船を2隻所有している。

コンフォートは、ベッド数は1000床を有し、重症患者用は200床。本船用と医療設備用の複数の発電機を持ち、真水を作り出す設備を持ち、病室に酸素を供給できる。さらに12室の手術室があるそうだ。食堂は一度に1200人分の食事を提供できるとある。まさに海に浮かぶ総合病院ですね。

日本には、一部の護衛艦に小規模な医務室や衛生員がいるが病院船はない。

ジュネーブ条約(第二条約)の第22条では、「傷者、病者及び難船者に援助を与え、それらの者を治療し、並びにそれらの者を輸送することを唯一の目的として国が特別に建造し、又は設備した船舶」と病院船を定義している。

上のユーチューブは、元衆議院副議長の衛藤征四郎さんが病院船「コンフォート」を視察した時の映像です。

衛藤さんは「日本は海に囲まれた島国で地震大国だ。大地震や大津波で多数の犠牲を出してきたし、これからも必ず起きる。それに備えるために「災害時多目的支援船」つまり病院船が必要だ。」と強調されている。

日本にも病院船が必要だと思った。

ウォーキング -2

月曜日朝の散歩

正月以来の大塚天祖神社

街の中を歩いてみると

お店が出来たり、

こんなところに銭湯があるんだとか

新しい発見がある

小学生の頃 街歩きをして

模造紙に地図を書いて発表したなぁと

思い出した。

「写真でわかる世界の防犯-遺跡・デザイン・まちづくり」小宮信夫著

「犯罪機械論」の立正大学・小宮信夫教授が半生をかけた犯罪学研究の集大成と自ら言われている本です。

人類の歴史は、戦争の歴史ともいえる。戦争という名の強盗殺人を防ぐ手立てが「犯罪機会論」の原点であり、それが万里長城や客家の福建土楼等の城壁都市になった。しかし日本では城壁都市をつくるまでもなかった。四方の海が城壁の役割を演じ、しかも台風などが日本への侵入を一層困難にしていた。

中庭を囲んで四方に部屋を配した漢族の伝統的住居は「四合院」だが、これこそ防犯に配慮した家の形式だ。外壁を壁で囲み、壁には窓を設けない。出入口も南面に設けられた一箇所のみ。壁をよじ登ったとしても降りる先は中庭なので、侵入者は四方から丸見えとなる。その住空間は、現代都市住宅のコートハウスに通ずるものがある。

学生時代に、坂倉建築研究所の西澤文隆さんの「コートハウス」論は、愛読書だった。1970年代に都市住宅の新しい可能性を感じたものだった。

現代は、グローバリゼーションの只中にある。

社会的あるいは経済的な関連が、旧来の国家や地域などの境界を越えて、地球規模に拡大して様々な変化を引き起こしている。感染症によるパンデミック、犯罪の増加、環境汚染等、今まさに時代の転換期にいるのだとつくづく思う。

古来より「名医は既病を治すのではなく未病を治す」と言われている。予防に勝る治療無し。

リスク・マネジメントで最も重要なことは「予測」である。

犯罪機会論では、景色を解読する事によって「予測」できると書かれている。領域性(入りにくさ)と監視性(見えやすさ)を物差しにして景色を測る事が必要だ。絶体絶命の窮地に追い込まれる前に、景色解読力を高めて未知の危険を予測し、被害の予防が可能になると言う。

全ての分野において現代社会に欠落しているものは「予測」だと思うのだが・・・。

感染症病棟 -3 医療用陰圧テント

【太陽工業・医療用陰圧テント】

今、医療機関では通常の一般外来と別に新コロナウイルス感染の疑いのある人を分けるために「発熱外来」を設けるところが増えているそうです。その際設置されるのが、これまでも災害時の医療用施設で使われてきた医療用陰圧テントです。

上記の写真は、太陽工業(株)の医療用陰圧テントで、CDC(米国疾病予防センター)のガイドラインに準拠しており集塵効率:HEPAフィルター集塵効率 0.3μm以上粒子 99.99%、処理風量:13m3/min、気圧差:10Pa、換気回数:1時間12回以上という能力があります。また前室用テントもあります。

太陽工業・医療用陰圧テント

またアキレス(株)でも医療用陰圧テントを販売しています。こちらもCDC、OSHAの両ガイドラインに準拠可能で、最大気圧差:15Paが可能と書かれています。またクリーンルームや手術室として使えるものもあります。

アキレス・医療用エアーテント

アキレス・エアーテント素材・構造

横浜港のクルーズ船「ダイヤモンド プリンセス号」の時、接岸地の広大な駐車場に、このような医療用テントを設置し検査し隔離すればよいのにと思っていました。

太陽工業もアキレスもエアーテントは、骨組がない形式です。キャンプのテントにもこんなエアーフレームテント最近出ています。勿論仮設テントですから設置は容易ですが、何れも仕様は優れものです。

現在「発熱外来」を設けた医療機関は増えているようですが、地域毎に仮設医療用テントを設置し発熱外来でPCR検査をした方が良いと思います。


ニューヨークのセントラルパーク内に準備されている野営病院の様子。

これもエアフレームの医療用の陰圧テントですね。

自粛と補償はセットであるべきだし、病室が足りないなら必要なものを作るべきだ。オリンピンク選手村だって空いている。

感染症病棟 -2

感染症隔離用の病室(個室)として重要なことは、

1、独立空調として換気回数、温度、湿度等の管理が行えるようにする。

2、清掃しやすい構造とする。

3、定期的にスモークテスト等により空調の確認をする

確実な陰圧隔離を行うためには、前室を設け病室と前室は単独の給排気を行い、廊下と前室、前室と病室の間に圧力差が生じるようにして、病室の空気が廊下に流出しないようにしなくてはなりません。このためには病室と前室の扉が同時に開かないようにする必要があります。また、給気側のダクトには高性能フィルターまたは逆流防止ダンパを設け、排気側のダクトには第一類感染症を取り扱う第一種病室の場合はHEPAフィルターを付けて病原微生物が病室外に放散するのを防ぐ処置が必要です。

病室・前室の病原微生物、塵埃の数を減らすためには室内空気の一定回数以上の換気が必要となりCDCが推奨している99%以上の換気を短時間で行うためには、室内の換気回数は12回/時間以上に設定されていることが望ましいとされています。また空気の再循環を行う場合は全換気回数のうち2回/時間以上は外気による換気を行う必要があります。再循環を行う場合には病室と前室の換気は独立したものとし空調機にはHEPAフィルターの装着が必要。

尚CDCのガイドラインでは病室内空気圧の圧差は2.5パスカル以上[0.01インチ水位]に維持することが推奨されています。
陽圧個室の場合も同様に前室を設置し、病室内を2.5パスカル以上[0.01インチ水位]の圧差の陽圧に維持することが推奨されています。また無菌病室においては,HEPAフィルターまたは層流吹き出しの装備された空調システムを設置することが望ましいと言われています。(参考:「病院空調設備の設計・管理指針」日本医療福祉設備協会 )


【HEPAフィルタ (High Efficiency Particulate Air Filter)】

空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄空気にする目的で使用するエアフィルタの一種である。空気清浄機やクリーンルームのメインフィルタとして用いられる。
JIS Z 8122 によって、「定格風量で粒径が0.3 µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタ」と規定されている。(出典:ウイキペディア)

【ULPAフィルタ (ウルパフィルタ、英: Ultra Low Penetration Air Filter)】

空気中からゴミ、塵・埃などを取り除き、清浄空気にする目的で使用するエアフィルタの一種である。空気清浄機やクリーンルームのメインフィルタとして用いられる。
日本工業規格 JIS Z 8122『コンタミネーションコントロール用語』 によって、「定格風量で粒径が0.15 µmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245 Pa以下の性能を持つエアフィルタ」と規定されている。
ULPAフィルタはHEPAフィルタの粒子捕集効率を上げるために濾材密度を高め、空気抵抗を減らすために厚みを薄くさせたものであるため、強度が弱いという欠点を持つ。(出典:ウイキペディア)


新コロナウイルス・covid19のサイズは100um(ナノメートル・10-9メートル)と報道されています。これに対応するためには半導体工場等のクリーンルームでクリーン度・クラス1レベルに匹敵します。又このクラスのフィルターではHEPAフィルターでは不充分と言われています。


一般的な建築物では、ここまでの仕様は過剰なので 微粒物体のウイルスが浮遊する状態をつくらない事(換気)。浮遊している状態のところには近づかない事(密室空間)。人の手、顔等の無防備部位の洗浄で対応するのが一番です。又マスク、ゴーグルで防衛するが有効なのですが、このマスクが無い。

先日、我が家のマスクの在庫が空くなっなってきたので、ドラッグストアチェーンの開業時間の1時間以上前から並んだのですが、3袋入り×2=6枚のみしか購入できませんでした。一家族2袋限定だったのですが、並んだのが3番目だったのでようやく買えましたが、たぶん販売数量から並んだ10人も買えなかったのではなかったのではと思います。

とにかく布製マスクではなく、高性能のマスクの製造・供給を何とかして欲しいです。


日本の戸建・共同住宅の換気方法の主流は、第三種換気(給気・自然、排気・機械)で、従来からpM2.5や花粉症対策としてHEPAフィルター(シート)を自然給気口に張るなどして対応しています。又既存の空調室内機のフィルターの上に、より高性能のフィルターシートを張るなどして対応している場合がありますが、都市住宅では第三種換気については考え直す必要があるかもしれないと思っています。


 

感染症病棟 -1

これまで診療所、歯科医院、整形外科病棟等の設計に関わったことがあったが、大規模な病院や感染者病棟については知らないことが多かったので、感染者病棟の仕様や空調・換気について調べてみた。

まず「感染症」には、全部で5類あるが、一類と二類を記載すると。

【一類感染症】
ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱、南米出血熱、痘そう、クリミア・コンゴ出血熱、エボラ出血熱
【二類感染症】
ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARS)、急性灰白髄炎、中東呼吸器症候群(MERS)、鳥インフルエンザ(H5N1)、鳥インフルエンザ(H7N9)

今問題になっている新コロナウイルスは、指定感染症になり、分類としては二類感染症となったので感染症指定医療機関に入院することになる。感染症指定医療機関は3種類ある。

特定感染症指定医療機関は、新感染症の所見がある患者、一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症の患者の入院を担当させる医療機関として、厚生労働大臣が指定。(全国で4か所)

都道府県知事が指定する第一種感染症指定医療機関及び第二種感染症指定医療機関に分類される。

厚労省・感染症指定医療機関

例えば北海道の市立札幌病院は、厚労省の感染症病棟施設基準に基づく病室等を下記のようにしている。

市立札幌病院・感染者病棟


【第一種病室】
病室、ベッドパンウォッシャー、トイレ・シャワールーム
・個室に依る感染管理
・患者の居住環境に配慮し、テレビや面会用電話を設置
・気密性を確保するためブラインド内蔵の二重構造窓
【第一種病室前室・前々室】
・前々室(-10Pa)、前室(-30Pa)、第1種病室(-50Pa)の陰圧設定
・前室入室時は防護スーツを着用。病室入室時にはその上にさらにガウン・手袋を着用
・病室退室時、手袋、ガウンなどの防護具を脱ぎ、前室退室時、防護スーツを脱いで退室


【第二種病室】
病室、手洗い設備


【ナースステーション】
・陰圧空調、室温モニター制御装置、病棟出入口監視モニター電気制御装置
・生体情報モニター装置
・ 患者モニター

【診察室】
診察室前室には車椅子型アイソレーターを保管

【患者家族待合室】

【排水処理施設】
・連続加熱方式
・コンピューターによる集中制御


第一種病室と第二種病室の仕様を比較するとかなり差があることに気づく。

空調・換気については次回。

「正しく怖がる感染症」岡田晴恵著

時の人、岡田晴恵さんの「正しく怖がる感染症」(ちくまフリマ―新書)を妻から借りて読んだ。感染症とか公衆衛生学の分野は門外漢だったのだが、2017年に書かれたこの本を読んでみてとても良く分かった。

「新型インフルエンザ、ジカ熱、エボラ出血熱、結核、梅毒。多種多様な感染症をその経路別に整理して正しい知識を持ち、いたずらに怖がり過ぎず来たるべき脅威に備えよう。」という本で、章建てが下記のようになっている。

1章 昆虫が運んでくる感染症
2章 接触することでうつる感染症
3章 吸い込んでうつる感染症
4章 母子感染で重篤化する感染症
5章 飲み込んでうつる感染症
6章 傷からうつる感染症
7章 動物からうつる感染症

岡田さんは、21世紀は感染症との闘いの時代と指摘しているが、新コロナウイルスによるパンデミックスの真っただ中にいる現在。岡田さんが2017年にこの本に書いている危惧のとおりになっている。

エボラ出血熱のような、まだまだ怖い感染症も、未知の感染症もある。

新型感染症の流行時には、感染機会を減らし生き残るためには、水や食料、生活必需品の1ヶ月程度の備蓄は必要と指摘している。

我が家も防災対策として1週間分ぐらいの備蓄はしていたが、あらためて備蓄リストを作成し、そのぞれの品の数を調べた。表にしてみると少ないもの足りないものが良くわかる。