小屋裏物置等 -1・・・大阪府の取扱い

小屋裏物置については、軒桁と床の位置の関係、小屋束のピッチ、スパン、四方束の可否など、判断が難しい事例があつた。

それらに対して「断面図に軒から上は小屋組みと書く」とかして対応していたと思った。

2×4の住宅で四方束立てして在来工法で小屋をつくり、2×4の構造構面から上部なのだから四方束立てしても小屋組みであるというような議論もあったが、私は反対だった。

最近 大阪府の取扱いを見ていたら

「大阪府条例質疑応答集(Q&A改訂6版)講習会における質問と回答」(H24.3.30)における「Q&A4-30 小屋裏物置の取扱いについて」では、四方束立てをしたものは認められないとしている。(下図)

四方束立ては、軒高が過小となること、意図的な余剰空間となるので法の主旨に反する。

これには自分も賛成である。

これまで特定行政庁の明文化した取扱事例が見当たらなかった。

適時、統一的な取扱いの見解を明文化し発表するのは行政としての必要な職務だ。

小屋裏物置の床の高さの位置と軒レベルは議論があるだろうが、少なくてもロフトの床レベルは軒レベルより下にあつても一向に構わないと思う。

スキップフロアを利用した収納は、上下から利用するなら認めるというのは順当な取扱いだと思う。

上記の資料は

大阪府内建築行政連絡協議会

http://www.cac-osaka.jp/legal_standard/index.php?s_category=1

 

 

 

 

「用途変更時の建築関連法規の抵触事項に対する設計者の意識調査に基ずく規制緩和の可能性に関する考察」を読んで

『「用途変更時の建築関連法規の抵触事項に対する設計者の意識調査に基ずく規制緩和の可能性に関する考察」・・建物の長寿命化を目的とした用途変更促進のための研究』

CONSIDERATION ON THE POSSIBILITY OF DEREGULATION BASED ON SURVEYS OF DESIGNERS’ CONSCIOUSNESS FOR THE MATTERS AGAINST BUILDING CODES

は、2008年4月に日本建築学会計画系論文集 第73巻 第626号に掲載された、大阪工業大学・吉村英佑教授グループの論文で 以前に読んだのだが、感想を整理しておこうと思う。

http://ci.nii.ac.jp/naid/110006657341

現在の建築基準法は、新築が前提の規定や法体系となっており、増改築や用途変更などの既存建築物の活用を叫ばれている現在においては、充分適用できていない法律となっている。(他にも複合用途の建築に対する対応)

本稿は、1993年~2006年までの13年間の建築雑誌から用途変更事例を抽出し、設計担当者に用途変更の妨げとなった建築関連法規の規定とその程度をアンケートで尋ねている。

その項目は、床荷重・居室の採光・廊下の幅員・階段の寸法・避難階段・排煙・その他であり、実際プロジェクトの企画段階で これら関係法規のチェツクをし改修コストがかかるものは取り壊される。

用途変更の確認審査・設計申請の両方の経験をして感じるのは、条例関係の制限が多いことだ。とりわけ用途変更の場合におけるバリアフリー条例の適用に困難を伴う時がある。バリアフリー条例の用途変更への対応は、高齢者・子供・障害者・妊婦が多く利用する施設に限定して適用しても良いのではないかと思う。

避難関係・防火に対する規定の緩和は好ましくない。

完了検査済証が無い建物、確認申請(副本)がない建物、そうした既存建築物が世の中に沢山あり、無届出で用途変更がなされているのが多いのが実情だ。そうした建物への対応をどうするのか?

用途変更は「建築行為では無い」(法第3条)が、完了検査が必要ないのは「ザル法」的でいだけない。現状では、行政の監察と特殊建築物定期報告でしかチェツクできない。

ちょつと羅列的な感想だけど・・・

たまに研究者の論文を読むのは、問題が整理されて参考になる。

 

 

階数と階を巡って・・・

大阪の遵法性調査の関係で、「大阪府内建築行政連絡会議Q&A」、「大阪府内特定行政庁・建築基準法に関する取扱集」などを眺めていたら、下記のような項目が目に入った。

「大阪府内建築行政連絡会議Q&A・・・4-37 階数の算定」で

Q :  図のように塔屋部分に屋上駐車場のためのエレベーターホールを設けた場合、階数に算入されるか。ただし、塔屋部分の床面積は建築面積の1/8以内とする。

A :  エレベーターホールの広さがエレベーターシャフトの広さと同程度で、塔屋部分の床面積が建築面積の1/8以内であれば階に算入しない。しかし、エレベーターホールの広さがこれより広くなる場合には、特定行政庁と事前に打合せが必要である。

指定確認検査機関に勤務していた頃、エレベーターが着床する場合の塔屋の取扱い、階数について議論したことがあつたことを思い出した。

たしか木造3階建ての屋上部分がルーフバルコニーとなつている箱型の専用住宅だったと思う。屋上に出るための階段・EVの塔屋がちょこんと付いている。その部分の面積は当然建築面積の1/8

もともとエレベーターシャフトは階の一部であり、着床する部分は当該階の他の部分と一体的な用途に供するものであるため床面積に算入する。(昭和61年4月30日住指発第115号)。

施行令第二条で定義している「階数」での昇降機塔は、エレベーター機械室を含む塔屋のこと、あえて適用すると「その他これに類する」もの。

木造準耐火建築物で階数が増え、4階建てなら耐火建築物で 大きく変わる。中高層建築物の掲示も必要だし、構造適合判定も必要になるかもしれない。

そんなことで、国交省、東京都、特定行政庁(この場合は区)と電話で照会したが、結局は「主事判断」だったことを思い出した。

法文は下記のとおり

建築基準法施行令

(面積、高さ等の算定方法)
第二条  次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

八  階数 昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の八分の一以下のものは、当該建築物の階数に算入しない。また、建築物の一部が吹抜きとなつている場合、建築物の敷地が斜面又は段地である場合その他建築物の部分によつて階数を異にする場合においては、これらの階数のうち最大なものによる。

「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」75頁で「高さに算入しない屋上部分」で「階段室、昇降機塔、物見塔、装飾塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の例」として「昇降機の乗降ロビー(通常の乗降に必要な規模程度のものに限る)」とあるのは「高さ」に関しての取扱いであり「階数」とはことなる。

もともと

「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」の原案であつた「(仮称)総則・集団規定運用指針集(H20.12.24)では、「階数の取扱い100・・・屋上部分の階数の算定」で「高さ」と「階数」は同一的に扱っていたが、「適用事例」で出版されたときは「高さに算入しない屋上部分」として分けられ、法文と同じように別になっている。

ただ、一般用の中高層用エレベーターは機械室が不要なものがほとんどであり、法令制定後の技術的進歩がある。また屋上緑化、ソーラーパネルの設置など屋上利用も進んでいる。屋上利用は木造住宅などの専用住宅でも事例が増え、それに木3に道を開いた事によりホームエレベーターの設置、屋上への着床も必要となってきたのであろう。

必要性は理解できる。

が、法文上どこに準拠するのか「その他これらに類するもの」の解釈・取扱いは、「裁量権はない」と言われる指定確認検査機関でどこまでできるのか・・・

そんな中、「神奈川県建築基準法取扱基準-面積、高さ、階数等の算定方法」67頁で「(2)用途上、機能上及び構造上、屋上に設けることが適当であるものの例」として「昇降路と同程度の規模の昇降ロビー」とあったので、「エレベーターが屋上に着床していても昇降路と同程度の規模の昇降ロビー」を持つ塔屋なら階数に算入しないとした。

 

 

用途変更と構造

用途変更における構造耐力規定(法第20条)については準用される規定となっていない。

これは用途変更の性格上、当初の荷重条件を満たす範囲での適用を前提としているからであり、用途変更確認申請に際しては 荷重条件が変わらない事の検討報告書を確認申請書に添付する。

荷重条件が変わる場合や構造耐力上主要な柱、梁、耐力壁、床など一部を変更する場合は、設計者により検証が必要となり、用途変更確認申請時に検討報告書を添付する。

用途変更により設計条件が変わる場合(主に荷重増となる場合)は、当該建築物を建築した当時の法令によって再検討を行なう。

用途変更部分のみに準用される規定

3) 用途変更部分のみに準用される規定

既存不適格建築物で適用除外となっている以下の規定については、用途変更部分のみに適用される。

イ , 用途変更する独立部分のみに適用される規定

・廊下、階段、排煙設備、非常用照明、非常用進入口、敷地内通路等(法第35条)

ロ , 用途変更する部分のみに適用される規定

・ 居室の採光及び換気(法第28条)
・ 地階の住宅等の居室(法第29条)
・ 長屋、共同住宅の各戸の界壁(法第30条・遮音構造)
・ 内装制限(法第35条の2)
・ 無窓居室の主要構造部の制限(法第35条の3)

 

第八十七条

4  第八十六条の七第二項(第三十五条に係る部分に限る。)及び第八十六条の七第三項(第二十八条第一項若しくは第三項、第二十九条、第三十条、第三十五条の三又は第三十六条(居室の採光面積に係る部分に限る。以下この項において同じ。)に係る部分に限る。)の規定は、第三条第二項の規定により第二十八条第一項若しくは第三項、第二十九条、第三十条、第三十五条、第三十五条の三又は第三十六条の規定の適用を受けない建築物の用途を変更する場合について準用する。この場合において、第八十六条の七第二項及び第三項中「増築等」とあるのは「用途の変更」と、「第三条第三項第三号及び第四号」とあるのは「第八十七条第三項」と読み替えるものとする。

 

用途変更における建築基準法の適用の緩和

1 ) 類似の用途変更の緩和-1(「用途地域制限」以外の場合)

令第137条の18第1項に掲げる類似用途相互間の用途変更であり、大規模な修繕・模様替えでないものは、法第87条3項の準用規定は適用されず既存遡及はない。確認申請が不要な類似の用途とは異なるので注意する。

例えば、病院を老人ホーム(児童福祉施設等)に用途変更する場合、確認申請を要するが(令第137条の17であげる類似の用途ではない)、既存不適格部分の適合規定は準用されない。

(建築物の用途を変更する場合に法第二十四条 等の規定を準用しない類似の用途等)

第百三十七条の十八  法第八十七条第三項第二号 の規定により政令で指定する類似の用途は、当該建築物が前条第八号から第十一号まで及び次の各号のいずれかに掲げる用途である場合において、それぞれ当該各号に掲げる他の用途とする。ただし、法第四十八条第一項 から第十三項 までの規定の準用に関しては、この限りでない。

一  劇場、映画館、演芸場、公会堂、集会場
二  病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、児童福祉施設等
三  ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎
四  博物館、美術館、図書館

2) 類似の用途変更の緩和-2(「用途地域制限」の場合)

令第137条の18第2項に掲げる類似用途相互間の用途変更で、以下に該当する範囲の場合は 用途地域制限はかからない。

イ , 用途変更後の不適格部分の床面積の合計は、基準時の1.2倍以内であること
ロ , 用途変更後の原動力の出力、機械の台数、容器等の容量は基準時の1.2倍以内である。
ハ , 法別表第二のイからホのそれぞれの用途間での用途の変更であるもの。

令第137条の18

2  法第八十七条第三項第三号 の規定により政令で定める範囲は、次に定めるものとする。
一  次のイからホまでのいずれかに掲げる用途である場合において、それぞれ当該イからホまでに掲げる用途相互間におけるものであること。
イ 法別表第二(に)項第三号から第六号までに掲げる用途
ロ 法別表第二(ほ)項第二号若しくは第三号、同表(へ)項第四号若しくは第五号又は同表(と)項第三号(一)から(十六)までに掲げる用途
ハ 法別表第二(ち)項第二号又は同表(り)項第三号(一)から(二十)までに掲げる用途

ニ 法別表第二(ぬ)項第一号(一)から(三十一)までに掲げる用途(この場合において、同号(一)から(三)まで、(十一)及び(十二)中「製造」とあるのは、「製造、貯蔵又は処理」とする。)
ホ 法別表第二(る)項第五号若しくは第六号又は同表(を)項第二号から第六号までに掲げる用途

二  法第四十八条第一項 から第十三項 までの規定に適合しない事由が原動機の出力、機械の台数又は容器等の容量による場合においては、用途変更後のそれらの出力、台数又は容量の合計は、基準時におけるそれらの出力、台数又は容量の合計の一・二倍を超えないこと。

三  用途変更後の法第四十八条第一項 から第十三項 までの規定に適合しない用途に供する建築物の部分の床面積の合計は、基準時におけるその部分の床面積の合計の一・二倍を超えないこと。

用途変更における建築基準法の準用範囲

既存不適格建築物で適用除外となっている以下の規定も用途変更することにより適用される

・法第22条指定区域内の木造の特殊建築物の構造制限(法第24条)
・特殊建築物の構造制限(法第27条)
・居室の採光及び換気等(法第28条第1項若しくは第3項)
・地階の住宅等の居室(法第29条)
・長屋、共同住宅の各戸の界壁(法第30条・遮音構造)
・廊下、階段、排煙設備、非常用照明、非常用進入口、敷地内通路(法第35条)
・特殊建築物の内装(法第35条の2)
・無窓居室の主要構造部の制限(法第35条の3)
・法第2章実施、補足の技術的基準(法第36条)・・法第28条1項、法第35条
・用途地域における用途制限(法第48条)
・卸売市場等の特殊建築物の位置の制限(法第51条)
・都市再生特別地区内の用途制限(法第60条の2第3項 及び 第68条の3 第7項)
・法に基づく条例による規制
・災害危険区域(法第39条第2項)
・地方公共団体の条例による制限の附加(法第40条)
・その道路が4m未満の道路にのみ接する建築物に対する制限の附加(法第43条の2)
・特別用途地域(法第49条)
・特定用途制限区域(法第49条の2)
・用途地域等における建築物の敷地、構造又は建築設備に対する制限(法第50条)
・市町村の条例に基づく制限(法第68条の2の1項)
・都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物に係る制限(法第68条の9)

*法第28条の2(シックハウス関係)の準用はされていない為、原則既存遡及の適用はない。

容積率が不適格の建築物における駐車場部分の用途変更

法第87条第3項には、法第52条の準用の規定はないが、不適格部分を増加させることは法の主旨に適合しないので認められない。

建物に付設した駐車場を用途変更して別の用途にする場合、建物全体の容積率の緩和を使っているかどうかを確認する必要がある。

又 駐車場が駐車場条例などの条例の付置義務により設置している場合は、建物内での位置変更等は可能だが、台数を減らしたり、隔地駐車場への変更が難しいので注意が必要である。

 

既存不適格建築物と遡及

第3項・・用途変更に際しても既存不適格の規定が継続される場合についての規定

第3項については、第1号から第3号までに掲げる場合を除き、既存不適格である規定であっても、当該規定を遡及的に適用するものと定めているが、これらの各号に掲げる場合が除かれる理由は下記の通りである。

第1号
増築・改築・大規模の修繕又は模様替を伴う用途変更の場合、法第3条第3項第3号の規定により、既存不適格の適用が解除され、全ての規定について遡及適用が必要となるため。

第2号
令第137条の17に規定する類似の用途相互間の用途変更については、従前の既存不適格の効果を維持しても差し支えないため。

第3号
用途規制上、令第137条の18に規定する範囲内の用途変更については、従前の既存不適格の効果を維持しても差し支えないため。

 

第八十七条

 第三条第二項の規定により第二十四条、第二十七条、第二十八条第一項若しくは第三項、第二十九条、第三十条、第三十五条から第三十五条の三まで、第三十六条中第二十八条第一項若しくは第三十五条に関する部分、第四十八条第一項から第十三項まで若しくは第五十一条の規定又は第三十九条第二項、第四十条、第四十三条第二項、第四十三条の二、第四十九条から第五十条まで、第六十八条の二第一項若しくは第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の規定の適用を受けない建築物の用途を変更する場合においては、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これらの規定を準用する。
一  増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替をする場合
二  当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものであつて、かつ、建築物の修繕若しくは模様替をしない場合又はその修繕若しくは模様替が大規模でない場合
三  第四十八条第一項から第十三項までの規定に関しては、用途の変更が政令で定める範囲内である場合

「建築行為」を伴わない用途変更の規制

第2項・・現行法令に適合している建築物における準用規定(「建築行為」を伴わない用途変更の規制)

第八十七条

 建築物(次項の建築物を除く。)の用途を変更する場合においては、第四十八条第一項から第十三項まで、第五十一条、第六十条の二第三項及び第六十八条の三第七項の規定並びに第三十九条第二項、第四十条、第四十三条第二項、第四十三条の二、第四十九条から第五十条まで、第六十八条の二第一項及び第五項並びに第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の規定を準用する。

建築基準法の大部分の規定は、法8条により適切な状態を維持(状態規定の維持)することを要求されているが以下に掲げる条文規定は「建築行為」のみを禁止するものとなっている。
その為 建築行為を伴わない用途変更は規制が出来なくなってしまう事になり、法第87条2項で準用規定を定め規制を図っている。

・用途地域における用途制限(法第48条第1項から第13項まで)
・卸売市場等の特殊建築物の位置の制限(法第51条)
・災害危険区域内の制限(法第39条)
・都市再生特別地区内の用途緩和
(法第60条の2第3項 及び 第68条の3 第7項)
・地方公共団体の条例による制限の附加(法第40条)
・特殊建築物等の敷地と道路の関係等について条例による制限の付加(法第43条2項)
・4m未満の道路にのみ接する建築物に対する制限の附加(法第43条の2)
・特別用途地域(法第49条から法第50条)
・地区計画等の区域・市町村の条例に基づく制限(法第68条の2第1項及び第5項並びに第68条の9第1項)

具体的には・・・

■増改築などの建築行為を行わずに原動機の出力、機械の台数、容器などの容量を変更したり、工場等の作業場などの床面積を法第48条の規定に抵触するような形で増加させたりする行為も用途変更に該当する

■いわゆる産業廃棄物処理施設である廃プラスチック類の破砕施設に、法第51条の規定に抵触するような形で木屑、がれき類などの品目を追加するような行為も用途変更に該当する。(施行令第130条の2の3で数量等を規定)

■現時点で適法である第1種住居地域内の飲食店舗を、カラオケボックスにしようとする場合、カラオケボックスが第1種住居地域内に建築してはならない用途とされているため(法別表第二(ほ)項) この用途変更はできない。

用途変更の定義

第1項・・用途変更時の確認手続きについての規定

(用途の変更に対するこの法律の準用)
第八十七条  建築物の用途を変更して第六条第一項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合(当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合を除く。)においては、同条(第三項及び第五項から第十二項までを除く。)、第六条の二(第三項から第八項までを除く。)、第六条の三(第一項第一号及び第二号の建築物に係る部分に限る。)、第七条第一項並びに第十八条第一項から第三項まで及び第十二項から第十四項までの規定を準用する。この場合において、第七条第一項中「建築主事の検査を申請しなければならない」とあるのは、「建築主事に届け出なければならない」と読み替えるものとする。

「用途変更」とは、ある建築物を他の用途に転用して、法別表第1に掲げる用途の特殊建築物(100m2超)とする行為の事をいう。

類似の用途相互間の用途変更の場合には、その必要がない(施行令第137条17)

法第6条第1項に規定するような建築行為が行われなくても建築確認申請や完了届(工事完了検査ではない)が必要となる。

工事完了前に当初の用途を全て変更した場合などは、建築物がある用途に供されていない事から「用途変更」にあたらず、計画変更に伴う確認申請が必要になる(軽微な変更を除く)