平成12年建設省告示第1436号第四号ハ(4)には「床面積が100m2以下で、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ったもの」とある。
設計上迷う箇所として次のような諸点があ。
- 仕上げの下地とは、どこまでの範囲をいうのか
- 出入口の戸の材質・構造はどうするか
- 出入口の垂れ壁の高さはどうするか
- 異なる排煙方法の相互間の防煙区画はどうするか
- その他
1, 仕上げの下地材
仕上げがビニールクロスとか塗装の場合、下地はボード類ということが多いが、壁の場合では、そのボードを取り付けている間柱や胴縁までも含める。天井では吊り木や野縁までも含めて下地である。
2,出入口の戸の材質・構造
規定はないが、「不燃性のものが望ましい」とされている。
そりゃ望ましいに決まっているが、通常の人が出入する扉の大きさは、0.8m×2.0m=1.6m2しかない。
100m2の居室は、仮に10m×10mで天井高さ2.5mで壁と天井の表面積は200m2で その表面積の1%以下であり とるに足らない。
これについて「望ましい」と明文化しているのは
- 「目からうろこ」日本ERI
- 「プロのための建築法規ハンドブック」建築規定運用研究会編著
- 「札幌市建築確認申請の手引き(2012年)」94頁
- その他調査中
審査機関・行政に不燃を要求されたら、あくまでも「指導」ですねと 言質をとりましょう。
3,垂れ壁の高さ
出入口の戸の上部に50cm以上の防煙壁は必要。
ただし常時閉鎖式の不燃材料の戸が設けられた場合は、戸の上部の不燃材料の垂れ壁は天井面から下方に30cmで良い
4,異種排煙設備相互の区画
機械排煙部分と自然排煙、告示との相互間の防煙区画については、排煙上の有効性を確保する為、間仕切壁で区画する。
戸がある場合、常時閉鎖式又は煙感知器連動閉鎖戸(シャツター含む)とする。その場合の材料は不燃性のものが望ましい。