倉庫業とは、倉庫業法第2条に「寄託を受けた物品の倉庫における保管を行う営業をいう。」とある。
建築基準法では別表第1(5)に「倉庫」と総称している特殊建築物であるが、別表第2(ヘ)5項に第二種住居地域内に建築してはならない建築物として「倉庫業を営む倉庫」とあり、「倉庫」と「倉庫業を営む倉庫」は区分けされている。
一般的な倉庫から他の用途に変更(いずれも100m2以上)するとき、
- 倉庫→事務所・・・事務所は特殊建築物ではないので用途変更不要
- 倉庫→営業用倉庫・・・用途変更不要
- 倉庫→物販店・・・用途変更必要、確認申請
1)の場合、用途変更が不要であるが排煙設備、換気設備等が必要となり遵法性を担保する設計・工事は必要である。ただ現在の建築確認申請制度にはなじまないので、(確認申請は不要なので)公に遵法性が確保されている建物であるという証明は得られない。
2)の場合、確認申請上の用途変更は不要だが、貸し倉庫や物流センター等の場合、仕分けなどで作業者が常駐する事が多く排煙設備が必要となる。これも現在の建築確認申請制度にはなじまないので、(確認申請は不要なので)公に遵法性が確保されている建物であるという証明は得られない。
尚、倉庫の種類 として下記があげられている。
【営業倉庫】
倉庫業法による登録を受けた倉庫。他人の物を預かる営業を行うために必要。
【自家用倉庫】
自己の貨物(商品)を保管するための倉庫。メーカーや問屋などが使用する倉庫。
【農業倉庫】
農協などが営む倉庫。農業倉庫業法による認可を受けた倉庫。
【協同組合倉庫】
中小企業等協同組合法などによる認可を受けた倉庫で組合員の物品を保管するための倉庫。
倉庫業の登録は以下の10種類に分類される。
【普通倉庫①】
一類倉庫 求められる構造基準が厳しい分、保管可能な物品の種類も多くなっています 危険物及び高圧ガス、10℃以下保管の物品を除いた全ての物品の保管が可能
【普通倉庫②】
二類倉庫 一類倉庫より耐火性能のいらない倉庫です ガラス器、缶入製品、原木、ソーダ灰などが保管可能
【普通倉庫③】
三類倉庫 一類倉庫より防水、防湿、遮熱、耐火性能と防鼠措置がいらない倉庫です 陶磁器やアルミインコット、原木などが保管可能
【野積倉庫】
柵や塀で囲まれた区画(区域)です。防火、耐火、防湿、遮熱性能は要りません 雨風に強い木材、瓦、岩塩等を保管します
【水面倉庫】
原木を水面で保管する倉庫です 原木を保管します
【貯蔵槽倉庫】
穀物などをバラ貸物及び液体等で保管する倉庫です 穀物等のサイロ、糖蜜、小麦粉が代表的です。
【危険品(工作物)倉庫】
建屋、タンクで危険物を保管する倉庫です アルコールが保管可能です
【危険品(土地)倉庫】
区画(区域)で危険物を保管する倉庫です 潤滑油が保管可能です
【冷蔵倉庫】
10℃以下で保管することが適当な貨物を保管する倉庫です 冷凍食品が保管可能です
【トランクルーム】
個人の家財、美術品、書籍等を保管します 家財、美術骨董品、ピアノ、書籍など