北九州市本庁舎
四方カーテンウォールの建物
その昔、流行した
北九州市本庁舎 玉屋食堂 カツカレー
しっかりした味のカレー 550円
建築法務/ 建築ストック再生・活用 /長寿命化/ 環境建築 / 建築設計監理 / ㈱寺田建築事務所・一級建築士事務所
国土防衛の完璧を期する目的から昭和13年3月市街地建築物法が改正され主務大臣は、建築物の構造設備または敷地に関し防空上必要なる規定を設け得ることになつたので省令をもつて防空建築規則を制定することに決定、準備を進め昭和14年4月1日より同規則が施行された。
【防空建築規則を紹介する冊子「空襲!吾等の都市の防備はよいか : 都市防空と建築の座談会」の表紙】
条文は二十条よりなり主なる事項は下記
一、木造建物の外周を隣地境界線および道路中心線よりの距離に応じ相当程度の防火構造としもつて火災の際その延燃を防止すること(第四条関係)
二、鉄筋コンクリート造りの建物および木造の建物にして規模の大きいものには防護室、準防護室その他防護の施設をなさしめまたは防空壕用の空地を保有せしめること(第九条、第十条、第十一条関係)
三、航空機の目標となり易い建築物については偽装のためその形態もしくは角彩の変更を命じまたは偽装のための準備壊尽をなさしめ得ること(第十八条関係)
四、石油タンクで容量の大きなものはこれを地下に設けしめまたは防護の施設をなさしめること(第十九条関係)
この規則は、新たに建築される建築物に適用されるもので、その適用区域は内務大臣がこれを指定することとなつているが、大体防空上必要なる都市が指定された
【「空襲!吾等の都市の防備はよいか : 都市防空と建築の座談会」の目次・この本は国立国会図書館・近代デジタルアーカイブで読むことができる】
精神論と稚拙な技術が紹介されている。
【飛騨高山の橋で】
このブログに今後書くかも知れないテーマ「事件の現場」の構想を大学講師をしている知人と話していたら、「あんたの話しは週刊誌的な内容で、大学で話をさせるのにはあまり適切でない」と言う。
「何で?」
「大学は学生に夢と希望を与えるところだから」「あんたの話しはあまりにセンセーショナルで毒が強くて、学生を落胆させる」と言う。そんなものかなと思っていた。
しかし、学生は意外と建築界の裏話に詳しい。「あの建築家は、離婚歴■回だ」「あの人は、愛人と別れる時マンションを買ってやった」「あの人は歳は取っているが合コン接待が大好き」とか・・・私の学生時代も、そんな噂話で盛り上がったものだ。
今も昔も、純粋無垢で夢と希望だけ持って社会にでる学生なんて あまりいないのではないだろうかとは思うのだが。
今後 書いてみようかなと思っているのは「事件の現場」のような、建築紛争、建築審査請求や訴訟になった建物の過去と現在を掘り下げる記事だ。
プライバシーに関わることは書かないが、たぶん建築系の一般メディアでは記事にされないものだ。
それらは、裁判等で黒白決着がついたり、時間が経過したものだとしても、考えなければならないテーマが秘められている。
今、数件候補にしているので順次紹介できればと思っている。
【市街地建築物法】
1919年・大正8年公布(日本初の建築に関する全国的法律)
1934年・昭和9年改正(建築線と敷地,適用区域の指定に関する改正)
1938年・昭和13年改正(住居専用地区・工業専用地区・高さ制限・道路幅に関する改正)
1943年・昭和18年 市街地建築物法及同法施行令戰時特例
1947年・昭和22年 市街地建築物法の適用に関する法律
1947年・昭和22年改正(民法の改正に伴う「戸主、家族」の削除)
1950年・昭和25年11月23日廃止(同日建築基準法施行)
【市街地建築物法施行令】
1920年・大正9年公布
1923年・大正12年改正
1924年・大正13年6月改正
1924年・大正13年12月改正
1929年・昭和4年改正
1931年・昭和6年改正
1933年・昭和8年改正
1934年・昭和9年改正
1939年・昭和14年改正
1950年・昭和25年11月23日廃止(同日建築基準法施行令施行)
【市街地建築物法施行規則】
1920年・大正9年制定時
1922年・大正11年改正
1923年・大正12年改正
1924年・大正13年6月改正
1924年・大正13年12月改正
1925年・大正14年改正
1926年・大正15年改正
1937年・昭和7年改正
1934年・昭和9年改正
1937年・昭和12年改正
1939年・昭和14年改正
現場でコンクリートの中性化試験をしなければならないので、1%フェノールフタレイン液とスプレー容器を買ってきた。
たまにしか使わないので100ml
通常コア採取した場合は、第三者の試験機関で圧縮試験とセットで依頼するのだが、今回は鉄筋の腐食状況と中性化だけ調べる必要があったので、自分で中性化試験をすることにした。
RC壁を斫って鉄筋を露出させ、かぶり厚さ等を計測した後に、コンクリート粉末等を完全に除去し、スプレーで1%フェノールフタレイン液を噴霧する。
PH8.2~PH10.0のアルカリ側で紅色に変色する。
表面から紅色に変色した部分までの距離を測定し、写真撮影。
今度の調査では、自分で中性化試験をしなけりゃならないところがあると知人に話したら「大田区の町工場の親父みたいだ」と言われた。
まことに光榮なことだ。
日本における建築に関する最初の総合的・体系的法制度は、大正8年4月4日に公布された「市街地建築物法」(物法)である。それ以前にも明治19年の滋賀県の「家屋建築規則」等の地方令があり、明治42年に大阪府は「建築取締規則」を制定している。また首都東京では建築に対する布告・布達や特定用途の建築物に対する取締規則は数多く見られる。東京市では総合的な建築条令の草案を2度にわたり準備したが制定に至らなかった。それら市街地建築物法制定以前の建築法制史については、別の機会に紹介することにする。
実は、昭和25年の建築基準法制定時には、実体規定の多くの部分が「市街地建築物法」から継承されている。
この「市街地建築物法」に目を向けると、法の理念から逸脱した文理主義に陥ることなく現代の建築基準法をより深く解釈することができると思っている。
さて、この本は大正15年に内務大臣官房都市計画課から発行された「市街地建築物法の話」である。国会図書館の近代デジタルライブラリーで読むことができる。
明治後期から大正にかけての東京・大阪を始めとした六大都市の都市の膨張、人口の集積により混乱する市街建築物が背景にあったことが良くわかる。
佐野利器は「改訂・解説市街地建築物法」(第14版・蔵前工務所編纂・国立国会図書館近代デジタルライブラリー)の序で、「都市計画法及び市街地建築物法は都市生活を悲惨より救済して之を幸福ならしめんが為の指針として出来たものである」と書く。
この本で説明が加えられているのは、地域、建築線、高さ及び空地、構造設備、防火地区、特殊建築物、美観地区、工事執行、既成市街地は如何に、所謂緩和規定とは何か、である。
斜線制限は出てくるは、防火地区(甲乙二種)は出てくるはで、現在の建築基準法の骨格は市街地建築物法に現れている。
2013年に解体された最後の同潤会アパートの解体前の耐久性調査の報告書「同潤会上野下アパート材料調査報告」(2015年3月、日本建築学会・材料施工本委員会)を読んだ。
この同潤会上野下アパートは、竣工が1929年(昭和4年)である。
ここは建替事業でザ・パークハウス上野(三菱地所レジデンス)として生まれ変わるのだが、もう完成して入居開始が始まっただろうか。まあ 新しい建物にはあまり関心が無いので、この報告書についてだけ書いておこう。
今、戦前の鉄筋コンクリート建築物のコンバージョン・プロジェクトに参加しているので、どうしてもその頃の建築物や法令に触れることが多い。
この調査報告書では、コンクリート採取数が1号館で38本、2号館で31本 合計69本と4階建て延べ床面積2,093.99㎡(1号館556.80㎡、2号館1,537.19㎡)と約30㎡/1本となり採取コアが多い。現在の耐震診断の基準である3本/階から見ると約3倍の数となっている。
このコンクリートコアの圧縮強度試験は、柱・梁・壁・床と部位別と全体が示されていて全体で平均圧縮強度21N/m㎡という結果が報告されている。ただし床データを除外した場合には平均が19.5N/m㎡、標準偏差6.1N/m㎡となっている。
戦前の建物の構造部位別の調査報告というのが少ない。「同潤会アパートの施工技術に関する調査研究」(古賀一八他、2004年)で同潤会大塚女子(1930年)、同潤会青山(1927年)、同潤会江戸川(1934年)では、平均圧縮強度の部位別の内訳が不明なため強度や標準偏差の単純比較ができない。
今、関わっているプロジェクトでも数年前に耐震診断調査が終わって構造評定を取得している建物なのだが、コア採取が内部壁だけなので良くわからないことが多い。
ともあれ、学術調査でこれだけ念入りな調査を行い、調査報告書が世にでてくることは大変ありがたいことだ。
昨年出された国交省の技術的基準、国住指第1号平成26年4月1日「建築基準法第3条第1項第3号の規定の運用等について(技術的助言)」でも歴史的建物の活用で「包括的同意基準」を行政が策定することを推し進めるものだ。
ようやく歴史的建築物の活用にひとつの風穴があいたように思う。
以下、国住指第1号平成26年4月1日「建築基準法第3条第1項第3号の規定の運用等について(技術的助言)」の抜粋
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1.法第3条第1項第3号の規定の適用に当たっては、歴史的建築物の保存活用が円滑に進むよう、地方公共団体が建築審査会の同意のための基準(以下「同意基準」という。)を定め、当該同意基準についてあらかじめ建築審査会の包括的な了承を得ることにより、別途、地方公共団体に設ける歴史的建築物の保存活用や構造安全性に詳しい者等により構成される委員会等において個別の歴史的建築物について同意基準に適合することが認められた場合にあっては、建築審査会の個別の審査を経ずに、建築審査会の同意があったものとみなすことができること。
2.建築審査会における同意基準の策定に当たっては、地域における歴史的建築物の実情や要望、歴史的建築物の保存活用や構造安全性に詳しい者等の意見を十分踏まえて対応すること。
また、同意基準の内容としては、次のような事項を定めることが考えられること。
ⅰ)条例で定められた現状変更の規制及び保存のための措置が講じられていること。
ⅱ)建築物の構法、利用形態、維持管理条件、周辺環境等に応じ、地震時等の構造安全性の確保に配慮されていること。
ⅲ)防火上支障がないよう、出火防止、火災拡大防止、近隣への延焼防止及び消防活動の円滑性の確保に配慮されていること。
ⅳ)在館者の避難安全性の確保に配慮されていること。
3.条例を定める地方公共団体が特定行政庁でない場合、特定行政庁である都道府県知事は、当該地方公共団体の意向を十分踏まえ対応すること。
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建築基準法では、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する基準を定めているが、その中には、特定行政庁が建築計画や周辺状況等を勘案して、やむを得ないと認めたうえ建築審査会の同意を得る等の所要手続きを経た場合に、特例的に制限を解除することができる許可制度がある。
その中で許可事務の迅速化を図るため、基準に適合する場合は、あらかじめ建築審査会の同意を得たものとして取扱う「包括同意基準」を定めている。
この包括同意基準に適合しない場合は、特定行政庁が審査のうえ、許可相当と判断された場合に限り、個別に建築審査会に諮り、同意を求めることとなる。(とは言え実際は難しい)
最近、九州で法第43条第1項ただし書道路のケースに遭遇した。法第43条第1項ただし書道路の運用基準が定められていて、それに沿っている場合は、建築審査会の同意が不要との事だった。ちょつと調べてみると横浜市とかさいたま市とか「包括同意基準」「運用基準」を定めているところは多かった。
地域によっては、法第43条第1項ただし書道路の許可申請が、年間を通し大量に出される場合がある。
それらに対応するため、平成11年5月の法改正まで建築主事による運用が図られてきたことを受け、一般的な事例については運用基準をつくり、この基準に対して事前に建築審査会の同意を得ることにより、円滑な許可業務の執行を図ることが目的となっているようだ。
執筆者の一人から案内があり、Amazonから取り寄せて読んでみた。
とても解りやすく、豊富なイラスト・写真で木構造を巡る問題を説明している。
さすが山辺構造設計事務所
けして初心者向けの本ではない。私が興味深く読んだのは「不整形の建物の場合の構造計画」「スラブ状ベタ基礎の問題点」「壁量計算用の床面積の算定」等。
木造の設計・耐震診断・調査・補強方法まで、木造住宅に携わる人にとっては必需品のような本に仕上がっている。
最近、木造2階建て住宅の許容応力度計算の計算書をペアチェツクする機会があったが、小屋裏物置などはH12年国交省告示第1351号で規定されているにも関わらず、まったく指摘がされてなく壁量算定が過小評価されていた。建築確認許可を取得した時点の指摘事項は、不整合箇所の指摘と是正のみで、最近の審査は、どうやら間違い探しに終始しているような傾向が見られる。
かって四号建築物(三号も)の建築確認申請の審査をしていたことがあるが、木造住宅を設計している人達の技術が低下しているなぁと感じたものだ。
意匠設計者が木造伏図も書けずプレカット屋さんに全面依存し、 筋違計算も構造事務所に依頼すると聞いて 、確認申請に筋違計算書も伏図も不必要となり、「書かないから」「書けない」となってしまったのだろうか。
生産現場と乖離して図面だけ書いていると歳をとっても本当の事は何も知らない資格者(一級・二級建築士)ではどうなんだろうか。
久しぶりに「建築知識」を買ってみたが、イラスト・画像満載でリアルにわかった 気がするだけの本に進んでいるのではと思った。
まぁ こんなことを書いても年寄りの冷や水になりつつあるが・・・
義務付けの訴えとは、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいい、2004年の行政事件訴訟法の改正で、抗告訴訟の1つとして新たに加えられた訴訟類型。
義務付けの訴えとして、
(1)「行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき」に、行政庁に「その処分」を「すべき旨を命ずることを求める訴訟」(3条6項1号)と、(2)「行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟」(3条6項2号)の2類型を法定している。
(1)の類型は、申請権を前提とせず、行政庁が一定の処分をすべきことを義務付けるものであり(直接型義務付け訴訟)、(2)の類型は、行政庁に対して申請した者が原告となって、行政庁が一定の処分をすべきことを義務付けるもの(申請満足型義務付け訴訟)
(2)の類型については、さらに、行政庁の不作為を争うもの(不作為型)と、申請拒否処分を争うもの(拒否処分型)に分けられる。
「直接型義務付け訴訟」
マンションにより日照等を阻害されている周辺住民が、行政庁が建築主に対して、マンションの違法部分の是正命令を出すように求める義務付け訴訟
「申請満足型義務付け訴訟」
社会保障に関する給付の申請に対して行政庁が何らの処分をしない場合又はその申請が拒否された場合に、裁判所の命令により具体的な社会保障の給付をするように求める義務付け訴訟
行政(指定確認検査機関)が建築主に対して建築確認処分を出したところ,その建物の建築によって日照阻害等の不利益を受ける周辺住民が、行政を相手取って建築確認処分の取消訴訟を提起するという場合。
既に完成した建物が高さ制限規制に違反している場合に、付近住民が行政を被告として、その建物の所有者に対して違反を是正する措置をとることを命ずることを求める義務付け訴訟を提起することも可能。
後者の義務付け訴訟(いわゆる非申請型義務付け訴訟)は,2004年の行政事件訴訟法の改正で法定されたものだが、取消訴訟とは異なって「重大な損害を生ずるおそれ」がある場合に限って提起することができるものとされていてその結果、訴え自体が不適法として却下されることが多いようだ。
しかし今後この「義務付け訴訟」は、増えるように思う。
飛騨高山市内の伝統構法建築物を耐震改修する場合は、このマニュアルに沿ってという事で、高山市役所でもらってきた。高山市のサイトでもPDFで公開している。
労作である。長年にわたる調査研究に基づき限界耐力計算に近い計算方法である近似応答計算で耐震計算を行っている。
高山市から耐震診断・耐震改修費の補助金をもらう場合は、このマニュアルの講習修了者に耐震診断を頼まないとならないらしい。受講者は、ほとんど高山市内の人達。ちょつとクローズ気味の制度。
補助金を貰うかどうかわからないが、高山市内で伝統構法の耐震改修をする場合は、このマニュアルに沿って実施してみたいと読み始めた。
気がつけば、最近は構造関係の文書ばかり読んでいる。どうも関心事が広がりすぎて自分でも制御しきれない。
爺さん婆さんが二人で営む「拉麺専門店」を指向していたのだが、だんだん「食堂」になりつつある。
ともあれ、木造に関心がある人には読んでもらいたい一冊。