道の駅 保田小学校

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昨年の12月にオープンした「道の駅 保田小学校」

南房総の仕事のついでに寄り道

館山自動車道・鋸南保田インター出口からすぐのN.A.S.A設計共同体による千葉県鋸南町(きょなんまち)「鋸南町都市交流施設・道の駅 保田小学校」

N.A.S.Aとは古谷誠章/NASCAを代表に、渡辺真理+木下庸子/設計組織ADH、北山恒/architecture WORKSHOP、篠原聡子/空間研究所の4者で構成されたユニット。

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体育館を改装したマルシェ

外壁上部は、ポリカポネートの中空板

法的には用途変更+大規模模様替(?)

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旧校舎の窓側・バルコニー側に

新たに鉄骨造で半屋外の縁側空間を作り出している

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RC部分とはエキスパンションジョイントにし構造的には別建物扱いのように見える。旧校舎のRC造に遡及させない配慮だろうか。

法的には、増築+用途変更(?)

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1階は開放的な通路

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マルシェ妻側、平日の夕方に近い時間だったが、客が多かった。

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旧保田小学校の校庭にあったであろう二宮金次郎の像

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旧小学校職員室側の玄関

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室内は、教室の面影を残している。

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春になれば里のはらっぱは、房総の花々を咲かしてくれるだろう

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農林水産省の農村漁村活性化プロジェクト交付金の支援を受けている

廃校を新たなコミュニティの核となる施設として

再生する魅力的な空間を演出している。

第6回全調協食育フェスタ

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「全調協」とは、公益社団法人 全国調理師養成施設協会で、ようするに調理師・菓子の専門学校の団体で、パートナーが招待券を2枚貰ったので東京ドームシティ(後楽園)まで出掛けてきた。何しろ後楽園は、弊社から都営バスで行ける。

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午前10時開場に合わせて出かけたのだが、結構人が来ていた。圧倒的に女性

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「日本列島お雑煮あれこれ」という企画をしていて、1杯100円で食べれるせいか、長蛇の列だった。

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地産地消物産展では全国各地の食材に出会える。まだまだバラエティーに富んだ食材が日本各地にある。昨年から九州通いをしていて、九州は実に食材が豊富だと感じていた。まだまだ知らなかった食材や加工法が全国各地にあり、とても楽しかった。

日本の住宅(民家)も かっては地域によって多彩な形態だったが、そのわずかに保存された建物が各地の民家園で見られるだけになった。

DSCF2345_R写真は伊豆の潮かつお燻焼き・鰹の塩漬けを燻製にしたもので保存食だが味が奥深い。

有害物質調査(蛍光灯PCB)

既存建築物の内部にはアスベスト、PCB(ポリ塩化ビフェニル)、シックハウス成分など建築時には問題とされていなかったが、現在は有害とされる化学物質が存在する場合がある。

弊社の業務には、付随調査の形でこうした有害物質の調査も依頼されることが多い。

建築主の要求レベルに応じて、最新の規制動向をもとに各種有害化学物質の調査を実施する必要があるのだが、分析が必要な場合には、地域の最適な分析機関と共同で実施している。

弊社の場合、分析機関とか産業廃棄物業者、電気工事会社に丸投げは絶対しない。自ら現場に足を運び、記録を取り、書類を整理して自らの責任で有害物質調査報告書を作成している。

また昨今は「既存不適格建築物調書」に添付して「既存建築物の石綿含有建築材料使用調査書」を設計者の責任で提出しなければならないところも増えている。

重層下請け構造が常の建築業界にあって、アッセンブリ―をしているが実は本当の事は何もしらないし、技術も蓄積されていない会社が多いなかで、こと調査・設計に関しては協力会社任せにはしないというのを会社の方針にしている。

弊社でもアスベストや変圧器(トランス)の有害物質調査は多いのだが、蛍光灯の有害物質調査を本格的に行うことはあまり多くない。

今回 補充調査として既存蛍光灯のPCB含有の有無についての調査を行った。

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【照明器具の型番を撮影】

地元の電気工事会社に協力してもらい古い蛍光灯器具、水銀灯器具、低圧ナトリウム灯がある場合、内臓されている安定器の銘板あるいは照明器具の型番を調査してPCBを含む器具かどうか判断する。

照明器具の外観目視でも照明器具の型番から製造年を判断できるが、蛍光灯を外しカバーを外さないとわからない場合も多い。

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【器具のカバーを外し安定器の銘板を撮影】

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【全く判読できない器具の銘板】

中には、銘板・型番が全く判読できない場合もある。又既存建物の多くは照明器具の配置図面がないことが多く、既存図に照明器具の種類と位置を記載し記録し、後にCAD図面上に整理する。

またPCBを含む器具かどうかメーカー別に突合するという地味な業務もある。

そして産廃費用を算出するために図面と箇所数を明記したものを渡して見積もりを依頼する。

有害物質の調査は、多岐にわたり、その調査費用や分析費用も内容によって大きく異なるので事前に依頼者と充分な打合せが必要となる事が多い。

リバーウォーク北九州 -2

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昨年、市役所まで行ったにもかかわらず、時間がなくリバーウォークの中に入れなかった。今回は、ホテルに帰るまで多少時間があったので寄ってみた。

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小倉城の堀、桜の頃はきれいでしょうね。

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北九州市立美術館・別館があります。本館は駅から少し遠いのですが、現在は改修工事中とかで閉館しています。

ゼンリン地図の資料館

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小倉のリバーウォーク北九州の14階にある「ゼンリン地図の資料館」に足を運んでみた。

平日の午後だが貸切状態だった。

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床面にあるのは伊能忠敬の日本地図。その精緻さに驚き、地図の上を歩くという喜びに思わずステップしてしまう。

アジア太平洋戦争後の東京・名古屋・大阪の空襲被災地図が特別展示され、焦土と化したと言うことを改めて確認した。

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小倉の海側の工業地帯を見る。

貴重な地図がコレクションされていて、地図好きにはたまらない資料館。

HCJ2016厨房設備機器展@東京ビッグサイト

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東京ビッグサイトで開催されている第16回厨房設備機器展を見てきました。

北九州出張から帰ってきた翌日で、少しお疲れモードで集中力欠如気味だったのでデスクワークには向いていない一日のため出かけることに。

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入場者が多かったですね。それだけ「食」に関わる生業の幅の広さが伺えます。

会場内では写真撮影禁止なのですが、スマホで記念撮影している人がちらほら。

(株)TOSEIさんの真空包装機・トスパックシリーズは興味深かった。真空・脱気・ガス封入・ホットパックと様々な食品と目的に合わせたパック方法。

(株)フジマックさんのコンビオーブンシリーズも力の入った展示。実は招待状はフジマックさんからいただいたので御挨拶。今や庫内の洗浄も自動なんですね。

その他、大小ブースに興味深い商品が多数。

新しい食に関する機器や厨房機器の商品知識を常に見聞きしているのは大事ですね。刺激的だし、結構試食とかもできるので楽しいです。

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二時間あまりしか会場にはいられませんでしたが、足は疲れたけど有意義でした。

2/19(金)まで開催中です。

 

赤パンツ

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次女(犬)を亡くして元気がないと見えたのか、長女が「赤パンツ」を買いに誘ってくれた。

休日の巣鴨地蔵通り商店街

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「赤パンツ」の「マルジ」の前は いつもながら人がいっぱい。

申歳の娘に赤パンツを買ってもらうと「病が去る」「災いが去る」と言われているが・・・

今年は申年なので、猿の絵が入った赤パンツが人気とか

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孫のベビーカーをひき、飴やら煎餅を買いながら、庚申塚から巣鴨まで歩いた。

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「すがもん」のおしりを撫でてきた。

旧京都市立清水小学校 @ 映画の中の建築

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昨年2015年8月8日に公開された「日本のいちばん長い日」には、多数の戦前の建物がロケ地にされている。

日本のいちばん長い日 ロケ地

その中のひとつで記憶に残っていたのがこのシーンに使われていた建物

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映画の中では、陸軍軍事課・軍務課・情報局オフィスのシーンで使われた。

徹底抗戦を叫ぶ青年将校達が作戦を立案したり、東条英機に徹底抗戦を促されるシーンのロケ地。映画の中では、わりあい重要なシーンの背景になつている。

そのシーンのロケ地が、「旧京都市立清水(きよみず)小学校」。「きよみず」と言われるとピンとくるでしょ。そう「清水寺」の近くにあった小学校。

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この建物は、昭和8年に竣工し平成23年3月に閉校した御年83歳の老建築。

しかし、この建物なかなか風格がある建物で、メンテナンスが行き届いていたのか状態が良い。京都市から耐震診断の報告書が公表されているがIs値もそんなに悪くない。

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映画の中で一番多く登場する講堂

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階段

実は、この建物 2004年「京都市資産有効活用基本方針」に基づき、2016年にプロポーザルが行われ事業者が選定される予定だ。立地的にホテルやブライダル施設への転用が計画されている。一方、民間事業者に賃貸することに対して地元の人たちの反対意見も多いようだ。

電力自由化

4月より始まる電力自由化に向けて営業活動が活発化しているようだ。

先頃 東京電力より「プレミアム」プラン加入のすすめと称する案内が送られてきた。事務所併用住宅なので年間約10,000kwh使用している。

東京電力「プレミアム」プランだと -4,100円/年安くなるという。そんなものしか安くならないのかと思っていたが、東京ガスからも案内がきて、ガス+電気セット割りで、月別電気使用量を入力してシュミレーションしたら約-8,800円だった。ちなみに現行契約は従量電灯B、50Aである。

他の会社のもシュミレーションしてみようか。

2/3追記

ソフトバンク電気でシュミレーションしたところ約-9,000円/年だった。

危機管理上、電気+ガス+ネット 全てを一社に依存する気にはならない。又安ければ良いと言うものではないが、気持ちとしては東京ガス(ガス+電気)に振れている。

老犬介護

もうすぐ14歳になろうとする次女(犬・ゴールデンレトリーバー)が、正月明けから腰がたたなくなり、散歩や外での排尿・排便ができなくなった。

獣医師からの指定で薬を投与したところ、多少腰があがるようになり、腹這いも少しできるようになった。

体重が30Kgぐらいあるので、動物用のオムツでは間に合わず(しかも高い)、人間用のパンツ型オムツにしっぽの部分は切れ目を入れ対応している。

幸いまだ食欲はあり、排便にも異常がないのだが、寝たきり老犬の介護をするようになった。パンツを取り換えて陰部をふいてやると甘えてくるからまだかわいいところがある。

他界した人間の両親は介護することがなく亡くなったが、ここにきて老犬介護をするようになるとは思ってもいなかった。前に飼っていたラブラドル(次男)は12歳で心臓が悪くあっけなく死んだが、次女にはできるだけ長生きしてほしい。

私が仕事をしている部屋の片隅で寝ているので、オシッコ臭いのには閉口し、寒くても窓を開けて換気している。

2/5 追記

そういえば仕事も古い建物のフルリノベが多いので「老建介護」。私生活は「老犬介護」で笑える。

2/10追記

次女は、2016年2月9日早朝 永眠しました。

享年13歳9カ月(人間年齢で約93歳)

2/10 葬儀を執り行いました。

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2歳頃 海辺を走り回る姿

「貸会議室」@「集会場」

オフィスビルの余剰床のコンバージョンの一つの案として提案されたり、採用されるのが「貸会議室」。

注意しなければならないのが、東京都安全条例ではその用途が200㎡を超えると「不特定多数の者が集会等に利用する建築物又はその部分」として集会場として取り扱われること(都安全条例第9条第7号)。集会場となると既存の建物の避難経路では、ほとんど対応できない。(都安全条例第40条から第52条)

ゆえに私のようなコンバーターは、基本的に集会場扱いを避ける。

建築物としては、文化会館・市民ホール・多目的ホール・結婚式場・葬祭場・セレモニーホール。建築物の部分としては、大会議室・ホテルの大宴会場。

日本建築行政会議の「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例(2013年版)」では、200㎡以上で、全国的には概ね200㎡以上なのだが、横浜市では「すべての集会室が200㎡以下で、かつ、その床面積の合計が1000㎡以下」だと集会場に該当しない。

ただし熊本県は300㎡以上。

いくつかある貸会議室の最大の一室の床面積が200㎡未満であれば、集会場に該当しないが、例えば199㎡の貸会議室が10室あり合計で1990㎡あっても集会場には該当しないというのも変なもんだ。

固定席でない貸会議室の定員は、床面積を1㎡で除するのが一般的だから200㎡なら定員は200人となり、前例の1990㎡の貸会議室がすべて利用されていると1990人が定員となる。実質はテーブルなどがあるから0.5人/㎡程度になるからその半分ぐらいとなる。それでも定員は995人=約1000人となり、建物全体では地方都市の大ホール以上の定員でも集会場とならないというのは避難上どうなんでしょうかね。

やっぱり横浜市のように、全体の面積の上限を定めておくのが妥当なのではないだろうか。

霊友会釈迦殿

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神谷町から歩いて麻布台の霊友会釈迦殿の周囲を歩いてみた。

1975年に竹中工務店の設計施工で竣工したとあるから、築40年にもなるのか

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外部はステンレスで状態は良い

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周辺は、道路を挟んで住宅地

意外と建物の圧迫感はない

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霊友会釈迦殿脇の雁木坂

インバウンドは増え続けるのだろうか

2015年のインバウンド(訪日外客数)が過去最高の1973万人を超えたという日本政府観光局(JNTO)の発表があった。

東京の街には外国人(アジア系)が溢れ、ホテル建設ラッシュが続いている。とりわけ品川周辺のホテル用地の価格が高騰しているらしい。さらに規制緩和で「民泊」が話題に上がっている。

JNTOの資料を見ると2015年の年計では、中国・韓国・台湾・香港の東アジアからが72%。東南アジア+インドからが11%で全体の83%がアジア系の観光客のようだ。

元々、池袋はリトルチャイナタウン(北池袋)があるぐらいだから中国人は多いのだが、それに加えて日本語学校が増えているらしく街を歩いていても聞いたこともない言語が飛び交っている。

昨年年末まで業務が押しており、年明けてそれらの修正・補足に追われていた。そうはいっても年賀状も年末に間に合わせて、毎年恒例のTAF通信(PDF)も発行できた。そして2016年の事業計画書を作成して社内協議をした。もっとも二人だけ・(笑)

近頃、ようやく時間があいてきたので色々なことを考える。

その中で考えたのが、これからの日本社会・経済の動向。

インバウンドが増えたのは2015年の円安、原油安=燃油サーチャージの値下げによる航空運賃の低下、ビザの大幅緩和等々に起因している。

さて、これからどうなっていくのだろうかと思うと2016年は円高になりそうだし、右肩あがりでインバウンドは増加していくだろうか。

今はやりの「民泊」という怪しいビジネスモデルに手を出して資金回収を図るころには、東アジアの観光客が大幅減ということにならないとも限らない。

消費税10%になると、また国内消費者の需要は低下するのだろう。一定の駆け込み需要の後は反動があるし、死んだ親父が東京オリンピック(私は小学生)の後の数年は不景気だったと言っていたのを思い出すと202×年まで・・・

そんなことを考えると暗澹とした気持ちになる。

以前買って読み半端な「下流老人」という本を読んだ時のような気分。

「求道学舎再生・集合住宅に甦った武田五一の大正建築」

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2008年日本建築学会賞(業績)を受賞した「求道学舎」の再生の全貌を設計者であり施主であり住人である著書がその全貌を綴っている。

東大正門にほど近い本郷の住宅地にあるこの建物は、大正15年(1926年)に学生寮として建てられた。

求道学舎の建物を生かしつつ、62年間の定期借地権付き分譲マンションとして再生された。元はワンルームだった部屋を複数連結し、小家族向けの住戸に改造している。

こんにちでは文化財ではない戦前の建物の多くは解体されているが、この求道学舎は戦前の建物として改修・再生事例として取り上げられることが多い。求道学舎は耐震診断時のコンクリート圧縮強度は公表されていないが、「コンクリート強度は戦前のものとは思えないほど良かった」とこの本でも書かれている。

この建物は耐震性能を確保するために、コンクリートの打増しや外壁仕上げ下地にポリマーセメントモルタルの吹付け等の工事を行っており2009年の改修・再生時に約100万円/坪の工事費がかかっている。(延べ床面積768.1㎡=232坪、概算改修・再生工事費 約2.3億円として~公表資料による。)

求道学舎は、リノベーションと言ってもほぼ新築するのと変わらない工事費がかかっているので、経済合理性を第一番に考慮する民間における一般的なリノベーションとして適用するのは比較しづらい。

恐らく収益性の高い分譲マンションというビジネスモデルだったから成立したのではないだろうか。

以前、この建物の外部だけ見させてもらった事があるが、都心とは思えない静かな住宅地に大正・昭和の雰囲気をかもしだしていた。

内覧

日曜日、中古一戸建て住宅の内覧に付き合った。

業務の一貫ではなく、ボランティアのようなもの。

ネット検索等で絞り込んで、これぞという物件の内覧であり、かつ探し始めて最初の内覧だった。

私には、物件の住所の丁目までと建物の外観・間取りがわかるとネット上で事前に位置を特定(住所・地番)することができるという得意技があって、この日も的中していた。

物件は築15年の中古一戸建て住宅だったが、建物の状態が良かった。恐らく小さい子供が住んではいなかったからではないかと思う。

内外装、設備機器に大きな問題箇所はなかった。

居住中の物件だったので隅々まで見るのは遠慮したが、家具類が片付けられ、ハウスクリーニングをかけたら見違えるようになるだろうということでは内覧参加者の意見が一致した。

今回の建物は、建築確認申請の許可書は添付されていたが完了検査済証はなかった。建蔽率・容積率の違反はないので銀行融資は問題ないだろうが、完了検査済証が無くても不動産の商品として瑕疵にはならないというところに、日本の不動産商品のコンプライアンスの不十分さがある。

周辺環境で道路の幅員がもたらす空間のゆったりさは、とても大事だと思った。細街路の地域に比べると全然違う。住宅街のせいか日曜の日中でも人が歩いておらず車もほとんど走っておらず静か。

私の住んでいる木密地域は、細街路だし電車の音はうるさいし、日当たり悪いし住環境としては散々なのだが、交通利便性の良さと見知らぬ人が立ち止まったりしていると近所の人が監視していてくれて防犯上はとても安心していられる。

今回出てきた問題は、小学校・中学校の学区の問題。若いお母さんは、色々と学校の評判を調べてきたりしていて とても教育熱心。学校への距離は、1km以内なら問題ないのだが「質」が問題とのこと。

小中学校の有名校への進学率とか勉強熱心な地域は、住宅不動産の価格は高いらしい。そういえば豊島区と文京区の区界周辺に住んでいるのだが、文京区の住所だと不動産の価格が変わると聞いたことがあった。

中々 勉強になるわい。

依頼者には、不動産屋はあれこれ浮気しないで、第一印象でここぞと思ったらそこに探してもらうと良いでしょうとアドバイスしていたが、応対してくれた若い営業担当者の説明には、好感を持てたようで以後の物件探しをこの営業担当者を通じて行うことにした。他社の扱い物件でも気に入ったものがあれば連絡することにした。

窓口になってくれた営業担当者の第一印象はやっぱり大事だなぁ~。

帯びに短し 襷に長し

常々「中古住宅を購入しリフォーム・リノベーションしたら」と吹聴していたからか、年末に中古一戸建て住宅の物件探しに関わつた。

建築を生業としながらも住宅には ほとんど関わりがなく工務店とか不動産屋さんを知らないので ほぼネット検索に頼った。

依頼者からリストアップされてきた物件について意見をつけて返し、自分でもネットで検索し良さげな物件をリストアップしたり、仲介業者に電話をしたりしてみた。

依頼者からの要望は、二世代住宅で5LDK程度、駐車場は1台で出来ればビルトインタイプでない方が望ましい等。通勤の関係で探すエリアは概ね決まっていて、依頼者からの注文を整理して文書にして探した。

まずは、新築一戸建て住宅を探した。

基本的には建売住宅の売れ残りなのだろうか、規模は4LDK程度だが予算と最寄り駅からの距離など諸条件に合致するものは沢山あった。

両親に二部屋(在宅の仕事部屋が必要)、兄弟が来た時の部屋とか要望を入れると5LDK以上の物件は、新築一戸建て・建売では商品がない。さりとて注文住宅をと土地を探してみると更地の場合は、ほとんど建築条件付きとなり不動産屋に毛の生えた程度の住宅会社に頼むのは不安だと言う。

ということで1部屋減らせば諸条件に合致するというのがわかった。

そこで 中古住宅一戸建てを探してみた。

それこそ標題のように「帯に短し襷に長し」なのだ。

  1. 路地状敷地で路地幅員が2mで路地部分の距離が長く実質的に車を駐車するのは困難。車が駐車していると人も通れない→ゆえに安い
  2. 北側道路で採光悪そう。部屋の名称がやたら納戸になつている
  3. 容積率・建ぺい率オーバー(ようするに違反建築)で都市銀行の融資は困難。信販系でも6割程度しか融資されず自己資金がかなり必要。検査済み証がなくても良いが容積率・建ぺい率違反物件は融資が難しいらしい。一戸建て住宅には建築確認申請時の図面とは全く異なる建物が建築されているものがある。
  4. 接道されていなく再建築不可
  5. 昔の家だから駐車場がない。
  6. 最寄り駅から遠すぎ。

中古一戸建て住宅を商品としてみたとき欠陥もあり、建物が単に古くなったものとだけでは言いきれない色々な問題を内包している。ストック活用といいながらも空き家になつてしまうのがわかるような気がする。

 

2015年を振り返って

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【写真は、1歳2ヶ月になった初孫の初めての靴】

2015年もまもなく終わります。

今年を振り返ると、業務を通じて戦前の法律である市街地建築物法やその成立過程について詳しく勉強する機会がありました。そうしたことが刺激になり近世から建築基準法成立までの「日本建築法制史」が整理できてきました。また建築ストック活用・再生・リノベーションというような業務からイノベーションの領域に足を踏み入れた一年でもありました。

私事ではありますが、昨年の暮れに長女夫妻に子どもが生まれ、また今年初夏には長男夫妻に子どもが生まれました。たてつづけに二人の女の子の孫がいる爺ちゃん・婆ちゃんになってしまいました。

爺は、孫の誕生によって全体的には後ろ向きだつた物事に対する意識・姿勢が前向きに変わりつつあること。子どもたちの頃には、無関心に近かった食の安全、保育、子どもを巡る社会環境等に俄然関心を持つようになりました。

「生きがいは?」と聞かれたら「孫」と躊躇なく断言する爺・婆です。

そんな二人が運営する事務所ですが、2016年以降は異なる領域のコラボレーション「建築×食・栄養」によってイノベーション業務に関わっていければと考えております。

来年度も引き続きブログを中心に書き続けていきますが、幾つかの領域に関するコンテンツを結合したものに再編成したいと考えています。

今年の更新はこれで終了とさせていただきます。

今年1年間のご愛読に感謝いたします。ありがとうございました。

来年も引き続きご愛読のほど、お願い申し上げます。

来るべき新たな年が、皆様にとって良い年でありますように。

渡海

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門司港から渡海して下関・唐戸港に行った。一度は下関側から門司港の街並みを見ておきたかった。

写真は、唐戸港から門司港を映す。

以前から下関側に来てみたかったが、フェリーに乗っていた時間は5分ぐらいで、あっという間に渡海した。

海は穏やかだったし、距離も短かいし、古代から本州と九州の往来は頻繁だったろうと予想できる。

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カモンワーフという飲食店が集まる施設。

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唐戸市場と関門橋

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唐戸港フェリー乗り場から唐戸市場へ

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唐戸市場は、年末休業に入っていた。

フェリーは大人往復800円、乗船客は数名だった。

出張

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クリスマスイブに北九州に出張だった。

打ち合わせの時間が午前中だったので羽田からスターフライヤーで北九州飛行場へ。ほぼ満席だった。

スターフライヤーは、7年連続顧客満足度1位とか。椅子は革張りだし国内線としてはいい感じ。

飛行機は嫌い(怖い)なので、北九州への行き来は、ほとんど新幹線を利用しているのだが、今回は前泊する時間的余裕がなかったので飛行機を利用。

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小倉駅までのノンストップバスを待つ。

雨が上がり、暑かった。

「建築」は魅力がなくなったのか

毎年末の一級建築士の合格発表を見ていたら、今年の一級建築士の実受験者数は2万5千人あまりだったようだ。昔は毎年5万人ぐらい受験していたものと記憶していた。どうも2005年頃から低下し始めて、ここ10年程で半減したようだ。

国内の名目建設費は1992年の92兆円をピークに20年間下がり続け凡そ半減したあと、2010年・2011年頃を底に上昇に転じている。しかし2013年の東日本震災復興と2020年の東京オリンピックで一定の上昇はするだろうが、その後の未来はよく見えない。

一級建築士の受験資格があるのは大学の建築系学部を卒業して実務2年だから、年齢にして24・25歳というところだろうか。今の受験世代は、国内建設投資が下降してきた時代に育った世代で、建設業界では失われた20年とも言っているが、建設業の倒産、リストラ、他業界への転出に見舞われた時代だった。

私が一級建築士に合格したのは1982年。学生時代に見えていたのは建設業の輝ける姿だった。その象徴はゼネコンだったし、組織設計事務所だった。

今年11月、鴻池組が積水ハウスの傘下に入ったと報じられた。フジタは、2013年に大和ハウス工業に買収された。今後も不動産大手がゼネコンを傘下におく傾向は増えるだろうが、時代は変わったのだと思った出来事だった。

進化論を唱えたダーウィンは、「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」と、また最近耳にすることが増えている。2013年に小泉首相の所信表明演説で引用されたけど、この言説はダーウィンの著作にはなく、後の時代の創作であるというのが定説。まあしかし「変化に対応する」そういうことなんだろうなとは思う。

余談だが、本来のダーウィンの学説からすると「変化に対応できるというより、繁殖能力の高いもの」が生き残るらしい。