金沢・雪

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爆弾低気圧が北海道・東北・日本海側を襲った12月17日、建築基準法適合状況調査の為に金沢に行ってきた。

朝早く越後湯沢経由で向かったが、越後湯沢から黒部あたりまでは吹雪で「特急はくたか」は30分遅れぐらいで金沢に着いた。

金沢市役所で打ち合わせをして21世紀美術館の前でタクシーをひろう

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雪とか吹雪とか言うような生易しいものではなかった。

大粒の霰は降るし、突風が舞うし・・・

17日、18日と本当の雪国を体感してきた。

違反建築物と既存不適格建築物

「違反建築物」とは、建築基準法等の関係法規に適合していない(違反している)建築物のことで、建物自体が法に適合していない場合(実体違反)と、法で定められている手続き(確認申請や完了検査など)を行っていない場合(手続き違反)がある。

工事完了検査済み証の無い建物は、「手続き違反」の建物と捉え、「実態違反」かどうかは、建物が使用開始した当時に工事完了検査をしていないので「そもそも実態違反か否か」わからないのだから、その建物が建築された時点の法令に適合していたかどうか「建築基準法適合状況調査」をすることによって判断される。

とはいっても、工事完了検査済み証の無い建物のほとんどが建築確認済を取得した図面とは異なっていたり、違反箇所があり、無届出で用途変更や増築、変更が行われている。

新たに増築や用途変更をする場合、それらも直して法適合させるのだが、違反箇所は直して確認申請を取得した状態に一旦戻して、それらを確認してから 新たな増築なり用途変更確認申請を受付するという「手続き」論が障害になり、結局 新たに増築や用途変更をして法適合させるのはしないでおこう=確認申請出すのは止めた! という建築主もいる。

まあ この「手続き論」の話しは、又の機会にすることにして

建築された時点で法令に適合していたが、法改正等により現行の法令に適合しなくなった状態の建物は「既存不適格建築物」と呼び、違反建築物とは区別される。

例えば、竪穴区画の規定は昭和44年5月1日施行だが、昭和44年5月1日より前に建築確認済証が交付された建物は、竪穴区画の規定を満たしていなくても違反ではなく、既存不適格扱いとなる。

ただし、既存不適格建築物の増築や用途変更などを行う場合は、一定の規模・範囲内である場合を除き、既存不適格扱いになっていた規定についても法令に適合させなければ違反建築物となる(遡及適用)

「違反建築物と既存不適格建築物」意外とわかっていない設計者が多い。

既存木造住宅の調査 -4

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築50年近い平屋の木造住宅の現況調査に参加した

外壁板張り、内部は漆喰の築50年近い部分と築40年ほど経過した増築部分とからなり、増築した部分あたりからの雨漏りが起きている住宅で、解体して建て直すと聞いた。

古い建物は下地が良くわからないことが多く、現在では当たり前のようにクロス下地は石膏ボードだが、塗り壁やらが混在しているとわかりづらい。

電気のスイッチプレートを外して下地の石膏ボートを確認しているのが上の写真。

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土台には檜が使用されていて、現況調査の段階では土台、基礎は 意外にも健全なようだった。

この後内装材等を撤去した後の劣化調査をしてみないとわからないが、残念ながら劣化調査に参加できない

増築部分からと思われる雨漏りに悩まされなかったら、この建物は もう少し長生きさせてあげられたのではないかと、帰路の電車の中で思った。

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壁、天井、床と断熱材が入っておらず、これではさすがに東京でも冬は寒かったはずだ。

床下は土で 温度12度、湿度39%だった。

地下室マンションと平均地盤面

平均地盤の定義は、建築基準法施行令第2条第1 項第6号で「建築物の高さは地盤面からの高さによる」と定義されており,同条第2 項で「地盤面」とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の高低差が3mを越える場合においては、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。と規定されており、建築物における高さの基準となる地盤面を「平均地盤面」と呼んでいる。

(高さの基準のひとつである,道路斜線制限における地盤面については別の扱いで「道路中心の高さ」)

平均地盤面の算定方法は、建物が地盤に接する部分のいずれかの位置における高さを基準として、建物が接する外周の各辺ごとに基準の高さとの高低差によって生ずる面積を算出し、その面積の合計を各辺の合計の長さで割ることによって基準からの平均地盤面の高さが算出される。(平均GL=土に接している面積/外周長さ)

ここまでは法文のおさらい=教科書どおり

しかしその算定において法等の中に周囲の地面と接する位置を、どの位置でどの高さを用いるのか等の規定がなく設計者等の判断により異なっているのが現状。

特定行政庁は、からぼり等の取扱いなどの基準を定めて指導をしているが、それでも細部については、設計者等が判断をして計画をしている。

平均地盤面の算定にあたって、建物の接する位置をどこで見るのか、からぼり(ドライエリア)の扱いをどうするのか、接する地盤面が盛り土している等の扱いについてはケースバイケース。

設計者なら平均地盤高の算定は自由自在に操れるだろう。わずかな高さの調整を盛土、犬走、階段等で行えば良いのだから。

地下室マンションにするのもしないのも、平均地盤の調整で充分可能だ。

それ故か、地下室マンションと平均地盤高にまつわる係争・建築審査請求は多い。設計者が住民説明、調停、確認申請と幾度も計画を変更し平均地盤高を調整し、しかも住民側等に図面を見せている場合は、尚更だ。

指定確認検査機関は、建築確認申請に出された平均地盤高しかみてないが、実際は紆余曲折のすえ申請図ができることの方が多い。条例で定めている場合以外は、盛土に対する法的な制限はないから、平均地盤は自由自在に調整できる。

平均地盤高を調整する為に、盛土・犬走・階段等を設定して平均地盤高を操作している事が事実関係を示す図書から推察できるなら、それらを制限させなければならないのではないかと最近思う。

 

建築面積哀歌(エレジー)

 

 

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建築面積にまつわる話し

一番上は、三方が壁に囲まれている(両袖壁)バルコニーの場合は、建築面積に算入する。日本建築行政会議編の「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」(2013年度版・49頁)等で示されている取扱い基準。この場合袖壁の長さに関係なく「黄色」部分は建築面積に算入する。

中段は、片袖壁で構造的に片持ちスラブとなっており、はね出しで「軒、ひさし、はねだし縁その他これらに類するもの」として取り扱えれるので、建築面積には算入しない。

上二段については、昨今ではかなり一般的な取扱いかと思う。

さて問題は下段。

両袖壁があるバルコニーだが、右側袖壁との間に数センチの床スリットをもうけているので、「物理的にはねだしとなっているので、建築面積には算入しない」「否、水平投影面積が基本なのだから算入するべき」と意見が分かれているケース。

とある指定確認検査機関が「建築面積には算入しない」として「確認」した案件で とある都内の建築審査会が「認容」した取扱いなのだが、私が都内の他の指定確認検査機関や特別区建築指導課にヒアリングしてみたところ意見が分かれた。結局のところ「建築主事判断」ということになるようだ。

この案件の建築審査請求は、下段の判断等を含めて特別区の建築審査請求で棄却され、現在国交省に再審査請求を提出中と聞く。

上記(下段)のバルコニーを建築面積非算入にすると、1割ぐらい 建ぺい率は稼げるのだが、これでは都市計画による規制そのものがなしくずしになる恐れもある。

もともと「建ぺい率」とは、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合のことで、その上限を定めることにより敷地内に適当な空地を確保し、採光・通風等を満足させ、防災上の安全を確保しようとするもの。ちなみに「容積率」とは、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合のことで、その上限を用途地域毎に定めることにより、街全体の環境や土地の高度利用を図ろうとするもの。

そして建築面積は、「建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積」(建築基準法施行令第2条第1項第ニ号)であり「建築物が敷地をどの程度覆っているか」かの規定である。

「自分さえよければいい」は現代の風潮だが、建築主・建築業界の「私権」の為だけに、建築はあるわけでなく常に社会的存在であり、環境に配慮したものでなければならないのだと思う。

こんな脱法的で姑息な手法で建築基準法の精神が侵されているのを聞くと なんだか哀しくなる。

注記: 上記建物には屋根があります。

桜×鯰3 構造見学会

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桜設計集団と鯰組の設計施工標準化プロジェクトによる木造住宅の構造見学会に行ってきた。

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奈良県吉野で天然乾燥した杉の柱・梁とパネル床(国産杉直交三層・Jパネル)の現し

この床のJパネルは、準耐火構造の床に現しで使えるということで以前カタログと見本を(協)レングスさんからいただいていた。

吉野杉もJパネルも実際施工された現場を見ると きれいだなぁ 良いなあと思った。

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聞くところによると準防火地域だそうだが、外壁は落とし込み板壁で(杉板30厚+24厚)ガリバリウム鋼板壁で、ガルバリウム下地に石膏ボードを用いない防火構造となっているとのこと。

軒裏は、垂木・面戸板・野地板12厚現しで準耐火構造軒裏になっているそうだ。

所用の途中に しかも路駐して見学をさせてもらったので、ほんのわずかな時間しか滞在できなかった。

後で知ったが鯰組の岸本さんは、私が学生時代から幾度か叱咤激励をいただいていた真木建設の故田中文雄さんの御弟子さんらしい。挨拶してくればよかった。

 

合成の誤謬

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日影被害の話し

赤い部分が今回の被害宅で木造平屋建て築50年近く経過している建物

西側に7階建てのマンション、南側に5階建てのマンションが次々と建った。

それぞれの建物は圧迫感はあるし午後の陽ざしはほとんど入らなくなったが日影時間は適法。午後は陽がささなくなったが、それでも東側隣地は2階建てのアパートだったので、朝から昼近くまで陽はさしていた。

ところが東側隣地に、新しく建替えで5階建てのマンションが計画された。説明を受けると一日中太陽が差し込まないようなのだ。

しかし東側の計画建物は、提出された日影時間図等を見ると適法のようだ。

「日影被害を訴えられるか」と聞かれたので「難しいだろう」と答えた。三つの所有者の異なる建物からの複合被害だから、「建築基準法を作った国を訴えるしかないかも」と

『合成の誤謬(ごうせいのごびゅう、fallacy of composition)とは、ミクロの視点では正しいことでも、それが合成されたマクロ(集計量)の世界では、かならずしも意図しない結果が生じることを指す経済学の用語』(Wikipedia)

最近の建築基準法の改正は、私権の拡大が目立つが環境に配慮した項目は少ないようにも思う。

「合成の誤謬」そんな言葉を思い出した事例だった。

「環境時代のビルディングエンベロープを考えるシンポジウム」IN 東大

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環境時代のビルディングエンベロープを考えるシンポジウム~省エネ・健康リフォームをいかにして普及させるか~in  東大に11月20日参加して来た。

ビルディングエンベロープすなわち外皮を多面的・複眼的に捉え環境時代の外皮に相応しいものを見つけ出すヒントを得るというのがシンポジウム開催の趣旨とのこと(坂本雄三・建築研究所理事長)

第三回目となる今回のシンポジウムでは「住宅の省エネリフォーム」について集中的に議論しようとした企画となっていた。

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【会場の伊藤謝恩ホール】

三人の講演と五人の異なる分野からのパネラーの参加によるパネルディスカッションでみっちり4時間

この分野で、現在どういう取り組みがなされているのか解った。

伊藤国際学術研究センター

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東大(本郷)にある伊藤国際学術研究センター

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香山壽夫氏(東大名誉教授)の設計

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「桜広場」を中心に展開する

街に向かって開かれた知的な出会いの場

この広場の下には約500人収容の講堂が配され、広場へ突き出した2つのトップライトは講堂に自然光を取り込むとともに広場を照らす光の筒となる

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地下2階の伊藤謝恩ホール

http://www.u-tokyo.ac.jp/ext01/iirc/index.html

 

 

 

既存木造住宅の調査 -3

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築50年弱の木造2階建て住宅

外壁は、懐かしきラワン羽目板(t=12)にオイルペイント塗り

塗膜があちこちはがれかかっている

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内壁を壊して、断熱材を取り除いた状態

ラワン羽目板はシミだらけだが 意外にも腐朽はあまり見られなかった

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外壁のラワン羽目板の内側には、防水シートのようなものは貼っていなく、羽目板の下はグラスウールが貼られていたが、写真のようにシミで黒ずみ、黴臭かった。

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床下は土のままなのだが、土台・基礎廻りの状態は健全で、一部柱材が蟻害にあっていただけだった。

この建物は解体され あらたな住宅が建てられるのだが、もう少し以前に、詳細な調査をして外壁・断熱関係をリニューアルしたら長寿命化できたのではないかという感想をもった。

勿論 設備関係の機器も年期がきているようには思ったが・・

調査も国土交通省のガイドラインに沿った程度のインスペクション。すなわち現在通常行われている調査で、このような建物の状況を把握できたかというと疑問があり、住宅医協会で行っているような詳細調査をしなければ、全体の状況を把握できなかったのではないかと思う。

松竹梅でたとえるなら、通常のインスペクションが「梅」で、住宅医協会の調査は「松」

 

検査道具 -2

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左から

ヘッドライト(LED)・・ヘルメット等に取付、手が自由に、中々光量が満足できるものがなく、結局手持ちのライトも併用してしまう。

クラックスケール(カード型)・・コンクリート等のひび割れの太さを計測

レジタル温湿度計・・最近は温湿度が気になって常に計測

レーザー距離計・・天井高、室内内法等 一人で計測

打診棒・・モルタルやコンクリートの浮き、剥離箇所推定

非常用照明点検フック・・非常灯の点検

 

 

ホテル ニューグランド クラシック -1

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横浜・山下公園前のホテル ニューグランド クラシック

朝 8時頃に撮影

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正面玄関

現在は、右脇にできた新館にフロント部門が移動しているから旧正面玄関と言うべきだろうか。

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旧正面玄関上部

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接地部分のディテール

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既存木造住宅の調査 -2

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築32年木造平屋建て住宅の床下

大引き、束は、見てのとおり 白蟻でボロボロ

この家は、床暖房をしているゾーンのみが白蟻被害にあっていた。

床暖房部分の床構成は、室内側からカーペット、電気床暖パネル、合板、根太、床下部分に断熱材としてグラスウールが施工されていた。

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床下には、捨コンが施されていて床下温度が19度、湿度54%だった。思っていたよりドライ。

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床暖をしていないゾーンの床下の状態

ざっくり見たところ腐朽箇所や白蟻被害は見当たらない。

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床下に捨コンは一応しているようなのだが、端部は土が露わになっている。

この床暖をしていない和室の床下温度は21度、湿度60%だった。

床暖をしていない状態で温度も低く、湿度も低い床暖をしているゾーンが白蟻被害にあっている。

また北側の台所の床下は、もっと湿度が高かったのに床下に腐朽は見られなかった。

床暖房をつけた時に床下の温度が上昇しても、湿度はあまり高くならない状態が予想される。それが白蟻達の世界では ハワイのようなものだったのではないかと想像してみる。

既存木造住宅の調査 -1

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今、国土交通省・国土技術政策総合研究所の中古住宅、ストック再生に向けた既存住宅等の性能評価技術開発プロジェクトの一環である既存木造住宅の劣化実態調査に参加している。

解体前の既存住宅の周辺環境や建物周囲の局地環境、建築各部のつくり(材料構法)及び表層に現れている変状等の目視調査(現況調査)を行い、解体中に壁体内等の隠蔽された構造躯体等の劣化状況の調査(劣化調査)を行うもので、断続的に調査の予定が入る。

写真は、築29年の木造2階建ての住宅で、スケルトンリフォーム(構造体以外は解体)を行う住宅の水回り基礎部の写真。

台所流し台の下部にあたる基礎の入隅部に蟻道があったが、土台の米栂防虫防腐処理土台でブロックされていた。右側下部の排水管後施工の隙間から侵入したものとみられるが、黒蟻もいたから彼らが白蟻を食べてしまったのかも知れない。

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土台は、日立電線の米栂防虫防蟻処理土台で、床下が土のままで防湿対策はこれといって行っていなかったが腐朽部分はなかった。南側の木材の吸水率は15%程度で北側水回りの土台吸水率は28%程度あった。

劣化状態は概ね良好で、築30年前後でスケルトンリフォームをするのは、建物の長寿命化のために懸命だと思った。

学術調査的手法での調査参加は久しぶりというか学生時代以来。一兵卒としてフィールドワークに参加して汗をかくのは楽しい。

ヒートショックは、交通事故の3倍の危険度

住宅医スクール2014・第5回講義での岐阜県立森林文化アカデミーの辻準教授が話された「ヒートショックは、交通事故の3倍の危険度」には、ちと驚いた。

「建物性能と死亡者数」を比べた時

  1. 交通事故(H24)       4,411人
  2. 阪神大震災(耐震性能)  6,434人
  3. 熱中症(温熱性能)  727人
  4. 家庭内転倒(バリアフリー) 5,000人程度
  5. 火災(H24・防耐火性能)  1,015人程度
  6. ヒートショック(温熱性能) 17,000人程度

それぞれの原因が単体ではなく複合的な要因という事もあるかもしれないが、室内温度差によるヒートショックの死亡者が多いという事実には驚いた。

ヒートショック対策としては、生活空間全体を暖かくするための断熱性能の向上、トイレ・洗面・浴室に暖房設備を設置する等の対策が必要で、辻先生は「現代は、住まいは冬を旨とすべし!!」と強調されていた。

新築であれ、リノベであれ、建物の温熱環境・省エネについて説明責任が必要となっている時代。

見てくれだけでなく、性能をきちんと評価する眼を消費者は持ってほしいものだ。

三井ガーデンホテル京都新町 別邸

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京都新町にある三井ガーデンホテル京都新町 別邸

2014年度グッドデザイン賞

全体設計は、竹中工務店・大阪

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レストラン・設計は永山祐子氏

漆喰壁に覆われた和風モダン

中央の大テーブルは真鍮

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ランチを食べた

というかクライアントに御馳走になった

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小規模マンションの受電方法

小規模マンションの計画では、もともと敷地が狭く、そこに建蔽率いっぱいで建物が計画され、緑地やゴミ置場も必要ということで集合住宅用変圧器(パットマウント)の設置場所に苦慮する。

過密都市東京ならではの設計上の悩みでもある。

小規模マンション(20戸~30戸程度)の電気容量は、電灯が50KVAを超え、動力は10KVA以下(ELV、増圧ポンプ等)という特徴がある。

事務所・店舗等の動力が多い傾向の建物とは異なる特徴を持っている。

ところでこの集合住宅用変圧器(パットマウント)は、建築設備であり、高さが1.2mを超えているので建築基準法施行令第130条の12の後退距離の算定の特例を受けられない。

つまりパットマウントの道路側の位置が、道路斜線制限の最小後退距離となる。

2013年度の国交省による指定確認検査機関の処分で、「建築物の各部の高さの制限に係る建築物の後退距離の算定において、建築基準法施行令(以下「令」という。)第 130 条の 12 に定める特例の対象とはならない変圧器の存在を見落としたまま令第 135 条の 6 に定める基準を適用したため、結果として高さ制限に適合しない計画となっていたこと)を看過し、建築基準法第 53 条及び第 56 条の規定に適合していない建築計画に対し確認済証を交付した。」事などが処分理由とされた事案があり、パットマウントの位置が注目を浴びた。

単身者用マンション(1K・1LDK)などでは、一住戸が30A程度でもよい時代があったが、昨今の電気器具の消費傾向が反映してか1Kでも東京電力は40A(契約容量ではない)と言うし、同時使用率を考慮してもすぐ50KVAを超えてしまう。IHコンロを使う場合は、もっと受電容量が増える。

とういうように高圧受電となった場合の対応は、建物内に東電借室 (電気室)、集合住宅用変圧器(パットマウント)方式、施設柱方式となるが、初めに書いたように設置場所や最少後退距離の問題があり、色々と苦慮する。

店舗・事務所等の事業用「低圧弾力供給」は、電灯が50KVAが超えると適用できない。そこで出てくるのが共同住宅用の「低圧架空2条引き込み」である。

東電に建築場所を確認してもらい、「低圧架空2条引き込み」(電灯線を二条、動力を一条)でOKが出れば、敷地内に立つのは引き込み柱だけとなる。

もっとも「低圧架空2条引き込み協議・事前確認票」という書類に必要事項を記載し、図面などを添付してFAXして、東電が現地調査をして約4週間程度の時間が経たないと可能性の可否が判明しない。

意匠設計者のプロデュース力が低下している・・・

「知らない・書けない・解らない」というのは困ったものだ。

HOTEL ANTEROOM KYOTO -2

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MEALS

朝食の風景

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フレッシュでボリュームもあり

レベルが高い

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1Fプランは、こんな感じ

中央上部がMEALS

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BAR

リーズナブルな料金設定

ウイスキーも30種類以上用意されているらしい

前日のチェックインが遅く疲れていたので利用せず

旅人、住む人、ギャラリーに来た人

様々な出会いの可能性が生まれる空間

箱物建築家では作るのは難しかったリノベ

空間プロデューサーの果たす役割は大きい

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1F廊下・エントランス方向を見る

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基準階のプラン

左側が学生寮、中央がホテル、右側がシェアハウス

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基準階廊下

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エレベーターホールの前にあった

貸し出し用の備品

客室は、今時のビジネスホテルよりゆったりしたシングルルーム

 ドアの鍵がオートロックではない

というぐらいが違いで設備・アイテム共に遜色なし

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