てら小屋チーム忘年会-2024

 てら小屋チームの忘年会を開催。

 場所は10月に下見に来ていた仲御徒町「吉仙」。

 今年は、設備、電気、構造のメンバーも加わったので男女比が同じぐらいになったが、世代構成が20代から70代後半まで幅広いので賑やかな忘年会だった。私以外は、WEBではずっと顔を見ていたが、リアルに会うのは始めという人もおり、最初は名刺交換会の様相だった。

 昔、えーちゃん(矢沢永吉)が、レコーディングでは、ちゃんと音を出してくれるミュージシャンでよいが、コンサート・ツアーのメンバーは何よりも気があうことが必要だと言っていたように覚えている。我々の仕事も同じで気が合わないと、長くは続かない。不思議と気の合うメンバーしか残らないものだ。

 最後に弊社から各自にささやかなプレゼントを渡してお開き。来年も元気に頑張ろう。

意外と盲点・・・施行令70条(柱の防火被覆)

 その後関係者の御提供により、建設省住宅局建築指導課事務連絡「地階を除く階数が3の建築物に係る建築基準法施行令第70条の取扱いについて」(昭和62年12月1日)を受けて「低層建築物の構造耐力性能評定に関する技術規定(鉄鋼系)」(日本建築センター、昭和63年)という文書を入手した。

そこには、精算法、軸力再配分法の計算方法が詳細に記載されている。

この記事を見ての問合せが意外と多いので追記。質問は令70条について平成12年改正以前の取り扱いがどのようなものであつたか知りたいという事だった。検査済証のある既存建物でも天井裏の部分で施行令70条の防火被覆が施行されていない案件を時々見かける。又既存不適格であるということを証明するには、過去の取扱いがどうなっていたか調べる必要がある。

1991年(平成3年)に出版された「詳解 建築基準法 改訂版」の令70条の解説では以下のように記載されている。これは昭和46年1月1日施行から平成12年5月31日までの規定についての解説。

この頃までは柱1時間耐火程度が適切という取扱いだったが、その後厳しすぎる面があるという事で「地階を除く階数が3の建築物に係る建築基準法施工令第70条の取扱いについて」という事務連絡が昭和62年12月1日に出て、現在は告示に集約されている。

この後、平成12年6月1日に改正され平成13年1月6日施行-現在有効が下記の条文

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設計上や審査上で意外と盲点というか忘れてしまうのが建築基準法施行令第70条(柱の防火被覆)です。

(柱の防火被覆)第70条

地階を除く階数が3以上の建築物(法第2条第9号の2イに掲げる基準に適合する建築物及び同条第9号の3イに該当する建築物を除く。)にあつては、一の柱のみの火熱による耐力の低下によつて建築物全体が容易に倒壊するおそれがある場合として国土交通大臣が定める場合においては、当該柱の構造は、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後30分間構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。

耐火構造・準耐火構造とする必要が無い 三階建ての鉄骨造の建物・・・例えば倉庫とか工場、専用住宅で鉄骨がむき出しの建物などの場合には、柱の防火被覆が必要です。

防火被覆の条項が構造規定関係のところにあるので、つい見落としやすい条項です。

特定行政庁によっては、1階の柱部分のみ被覆すれば、容易に倒壊しないと考え指導しているところもあると聞いています。

検査機関は、法判断の裁量権がないので特定行政庁の指示に従う事になりますが、個人的には1階の柱部分のみ被覆すれば、容易に倒壊しずらい。と考えますので簡易的な方法としては有効だと思っています。

この施工令70条の法文は、昔は下記のようなものでした。

地階を除く階数が三以上の建築物にあっては、一の柱のみの火熱による耐力の低下によつて建築物全体が容易に倒壊するおそれがある場合においては、当該柱は、モルタルその他の断熱性のある材料で皮膜しなければならない。

昭和62年当時、近畿建築行政会議の統一解釈として大阪府下では、一時間耐火として指導していた。

しかし建設省住宅局建築指導課より「地階を除く階数が3の建築物に係る建築基準法施工令第70条の取扱いについて」という事務連絡が昭和62年12月1日に出され、一時間耐火の性能を要求する事は、やや厳しすぎる面があるとして是正された経過があります。

この事務連絡では、検討方法として

1,精算による方法

2,軸力再配分による方法

が詳細な計算方法とともに示されています。

ウェスティン都ホテル京都 -9

 今回、京都モダン建築祭の企画で、学生時代から見てみたいと思っていたウエスティン都ホテル京都・佳水園を見る事が出来た。

 ガイドをしてくれた施設課の人の村野藤吾愛には感銘した。例え一部分しか残せなくても、何とか村野建築を継承しょうと外資(マリオット)とも闘っているのだろうという事が推察できた。

 確かにウェスティン都ホテル京都の原設計者は、村野藤吾である。しかしその後の改修、とりわけ2018年以降の大規模改修工事には、幾多の建築家・設計者・デザイナーが関わっている。佳水園の改修設計は、中村拓志&NAP建築設計事務所が手掛けたように。

https://www.nakam.info/jp/works/kasuien

ウェスティン都ホテル京都を観て、正直なところ村野藤吾が降下してこなかった。中村拓志さんの改修設計が拙いと言うわけではない。細部にわたりに目が行き届いた素晴らしい仕事をされていると思う。でも村野藤吾建築の持っている「柔らかさ」「芳醇さ」が失われた、村野藤吾のいない村野藤吾建築という感じを受けた。

 佳水園に限らず、外形や照明や階段、家具の一部は保存・修景し必死に残そうとしている、でも所詮部分の継承では限界があるのではないか。そんな事をずっと考えていた。

 建築ストックに関係するものとして、原設計者が著名な建築家であれ、そうでないであれ、他の建築家・設計者が改修を手掛ける場合。それは「再生」ということではなく「変容」(トランスフォーメーション)となり、別なものとなるのではないかと強く思った。安易に「建築再生」という言葉を使うべきでないのかもしれない。

てら小屋チーム・第14回WEB打合せ

 今までは、単独プロジェクトの設計チームのWEB打合せだったが、同時並行で進んでいるプロジェクトも増えてきたことから、今回から名称を「てら小屋チーム」WEB打合せにした。

 そこで相談が増えている「新2号建物の建築基準法適合状況調査(ガイドライン調査)」について説明した。

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 2025年4月より建築基準法第6条1項4号の木造2階建てが、新2号に改正されるのに伴い、木造住宅等で大規模なリフォームをする場合に建築基準法上の「大規模な修繕」「大規模な模様替え」に該当し建築確認申請を提出する必要が出てきます。

 木造戸建て住宅の建築確認申請検査済取得率は、1998年(平成10年)当時は、取得率40%以下でした。大規模なリフォームの実施要望がある戸建て住宅は、築20年から築30年ぐらいの建物と言われていますから、今後戸建て住宅の大規模リフォームの相談案件の過半は検査済証がないので、建築基準法適合状況調査のあとに建築確認申請を提出する必要が増えてくるものと思います。

 建築基準法適合状況調査に沿った調査(ガイドライン調査)や改修設計に精通した設計者は多くありません。現在弊社には、全国から一級建築士を始めとした設計者から多くの相談が寄せられています。

 そこで緊急的に、検査済み証が無い建物の建築基準法適合調査に沿った調査(ガイドライン調査)→申請→改修設計→各種確認申請→検済取得のプロセスを、ひとりひとりがイニシアチブをもって実務を行えるようになるためのガイダンスを今後継続的に開催することにします。

 まずは建築基準法適合状況調査を木造から始め、非木造・特殊建築物に知識・技術を発展させてください。

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 質問も多く2時間も喋ったものだから病み上がりの身体には堪えた。

「狂気のチェロ」中木健二

中木健二さんの三枚目のアルバム「狂気のチェロ」。2枚目アルバム「JSバッハ、無伴奏チェロ組曲(全曲)」に続き、今度も無伴奏のアルバムだ。

11月15日のリサイタルはチェックしていたが、丁度出張と重なっていたので断念。

「おもねったり表面的な同調を求めるものではなく、強いエネルギーを帯びて突き抜けたものこそが、結果的に強い共感のうねりを巻き起こす。」

それにしても300年前のヨーゼフ・グアルネリのチェロは、豊かな響きだ。

WALKAR2

3日間の出張から昨晩帰宅。加齢とともに体力不足を実感。とりわけ日頃の運動不足もあり一日中立っていたり、現場を歩き回るのがしんどい。後日にこたえる。

出張先のクライアントから、来年度の新規案件の相談があり、あまりの敷地面積の大きさと建物の棟数が多いのにたじろぎ検討しますとしか言えなかった。

自転車とか電動キックボードとかあれば移動しやすいかなと漠然と考えていた。

歩いて脚力を回復することより楽する方法しか考えつかない。

そしてネット検索して見つけたのがWORKER2。重量2.9k。航続距離7km。 

持ち運びできるようだ。

爺婆でも乗れるかしら

受注生産のようで、ある程度注文がまとまらないとロット生産が出来ないようだ。

体重制限があり、デブが乗ると故障が早いかもしれない。

https://www.cocoamotors.com

「すべての、白いものたちの」ハン・ガン

ノーベル文学賞を受賞したハン・ガン氏(韓江)の「すべての、白いものたちの」を読んでみた。

名前さえ知らなかった韓国の文学者。

驚きの本だった。

まるで詩のように美しい言葉。

訳文がすぐれているからかもしれない。

余白がたまらない。

まるでフォトエッセーのようでもあるが、文庫版ではその良さは出ないのではないかと思った。

おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯。生後すぐに亡くなった姉をめぐり、ホロコースト後に再建されたワルシャワの街と、朝鮮半島の記憶が交差する。

65の物語が捧げる、はかなくも偉大な命への祈りの物語。

この本を読んでいると、自分の境遇、過去の体験と自然に重ね合わせていた。

文庫化にあたり、訳者の斎藤真理子による「『すべての、白いものたちの』への補足」、平野啓一郎による解説「恢復と自己貸与」が収録されている。

ウェスティン都ホテル京都 -5

村野藤吾さんは屋根にこだわりがあった。

内樋だから、メンテナンス的には支障もあるようだ

まるで折り紙のように薄く連続する屋根

屋根の形がそのまま廊下の天井に。

左側の下がり壁は、スプリンクラー設備の為にあとから天井をこしらえた。

何故これほど屋根を薄く見せたいと思ったのだろうか

ウエスティン都ホテル京都 -4

8053号室。この部屋は村野藤吾スペシャルとして、ほぼ改修しないで残した宿泊室と聞いた。希望があれば宿泊可能との事。

他の改修後の宿泊室は「日本を代表する建築家・村野藤吾氏の優美さや曲線美をインテリア等で表現し、エレガントモダンな空間を演出」とHPに記載されているが、写真を見る限りでは、似て非なるもの。

ウェスティン都ホテル京都 -2

京都モダン建築祭の企画参加にて撮影

西館宴会ロビーの階段

村野藤吾の階段は、軽さを強く意識している。

初段を床から離すようにデザインし

ササラ桁を天井から吊る構造にしている

下から見た時の段裏の見せ方も強く意識している

天井から吊っている

通称 ハートの階段

ウエスティン都ホテル京都 -1

ウエスティン都ホテル外観(公式HPより借用)

ウエスティン都ホテル京都は、1890年4月、油商の西村仁兵衛がこの華頂山麓に保養遊園地「吉水園」を創業。その園内に1900年「都ホテル」を創業したのが始まり。京都で最も古いホテルの一つ。

1900年に創業し、2020年(令和2年)で創業130周年を迎えたウェスティン都ホテル京都。近鉄グループの運営だが、マリオットと業務提携しているので2018年からの大規模改修には、マリオットの施設基準、デザイナーの意思が強く反映している。

歴史を重ねたこの建物の品格は、日本の近代建築の礎を築いた建築家・故村野藤吾氏の設計で、学生時代から このホテル内にある村野数寄屋の佳水園を見てみたいと思っていた。

10月に続き、再び京都へ

11月から開催されている京都モダン建築祭の企画「ウエスティン都ホテル・村野藤吾の名作ホテル特別案内、アフタヌーンティー付き」の参加に合せてもらうために日程を調整してもらった。

10時、ウェスティン都ホテル京都の東館1階メインロビーに集合

この時間に京都の現地に来るためには、自宅を朝5時に出なければならない。

3階のBAR麓座に移動してホテルの人からガイダンスを受ける。

如何に村野藤吾建築のエッセンスを継承しているかという説明

この後、ホテル内を案内してもらった

よさげなBAR

既存RC造の開口補強工法

既存コンクリートの構造体に新たに開口を作りたい場合。鉄筋を切断する為に開口補強が必要な場合が多々ある。今回、開口寸法・厚み等が同一条件で幾つかの工法を比較した。耐震壁で開口両面施工を前提にしている。

1、鋼板接着工法

鋼板接着工法は、構造物に鋼板をアンカーボルトで固定し、空隙にエポキシ樹脂を注入し、鋼板をコンクリートに接着する工法で、鋼板とコンクリート躯体の間にエポキシ樹脂を注入することで一体化を図り、構造物の耐力及び剛性の向上を指向している。
本件で検討した場合、必要な鋼板は割と大きく、1枚の鋼板の重量も重くなるため現場での取り扱いに難がある。又アンカーボルトを数多く穿孔させないとならない。しかも壁の両面に施行しなければならないので、他のテナントが可動中の建物で施工するには振動、騒音の発生があり採用が難しい。

2、CFラミネート工法

CFラミネート工法は、構造部材のコンクリート表面に、CFラミネートを粘性の高いエポキシ樹脂系接着剤を用いて貼り付ける補強方法です。
アンカーボルトを使用しないため振動、騒音は少なく。ラミネートが50mm幅の帯状の素材の為に施工現場での取り扱いは容易です。


ただし、欠損した鉄筋の剛性をラミネートの接着力で置換する為に、補強範囲が広く必要になり、開口部の周囲にそれだけの施工スペースが必要となるが、そのスペースが確保できるかが課題。

3、リダブル工法

この工法は、鋼板接着工法とCFラミネート工法を組み合わせた工法です。炭素繊維シート、炭素繊維プレート及び端部専用定着金物を用いて補強するものです。
アンカーボルト穿孔の騒音、前述の補強工法に比べて振動は少なくなり、補強範囲も狭いものとなります。
ただ、メーカーが炭素シート50m巻、接着剤18kg缶のみでしか販売しない為に、施工箇所が少ない場合は、少量の材料と短時間の施工時間で済む場合でも高上りのものとなります。

既存コンクリートの開口補強は、比較的大きな場合、例えばエレベーターシャフトの床開口の場合は、スラブをカットして鉄骨梁など補強するなどすればよいのだが、梁、壁、床で空調ダクトとか換気ダクトとかの新設スリーブを抜く場合の補強方法は、色々と検討の余地がある。

「十一人の賊軍」

また映画を観てしまった。本を読むより映画館で映像を見ている方が目に負担が少ないように思う。もっとも音が少しうるさい。

戊辰戦争時、東北諸藩は奥羽越列藩同盟を結んで新政府軍に対抗したが、新発田藩(現在の新潟県新発田市)が新政府側に付く裏切り事件があった。新発田藩の日和見的対応がベースのチャンバラ集団抗争劇。

壊すための映画のセット。実にお金かかっているなと思う。

この映画の脚本は「日本侠客伝」「仁義なき戦い」両シリーズで、東映の黄金期を築いた脚本家の故・笠原和夫が残した原案を、60年後によみがえらせたものだという。

子供の頃、テレビが我が家に来る前は、家族みんなで夜に映画館に繰り出すのが行楽だった。よく見たな東映やくざ映画。懐かしい。その脚本を書いていた笠原和夫さんの本が原本ということで面白いかもと思っていた。

監督は白石和彌。映画は長く感じたと思ったら2時間35分だった。

それぞれの正義と組織の利害がぶつかり、葛藤が生まれるさまが見どころで自分の道理が通らない中で、各自が選択を迫られる。

長岡藩のように戦場にはならず、新発田城下は無傷で、城下と領民を守ったと言われるのだけど・・・。

人は何のために生き戦うのかが、今問われているのかも知れない。

「八犬伝」

仕事が忙しい忙しいと言いつつ映画館に行ってしまう。シニア割引だから安いしね。

月予定表に、見たい映画の封切り日を書いておくので、この映画も見に行く日を微調整中だった。そのせいで深夜や早朝に仕事をしなければならなくなるのだが・・・。

小学校高学年の頃、夢中になって読んでいた「南総里見八犬伝」(なんそうさとみはっけんでん)が、よもや映画化されるなんて思っていなかった。

何となく素人的には、映像化は難しいんではないかと思っていた。また今時、中世が舞台の怨霊退治ものなんて、どうなのかなと思っていた。けど期待はしていた。

「南総里見八犬伝」は、江戸時代後期に曲亭馬琴によって著わされた長編小説で後期読本となった。

文化11年(1814年)に刊行が開始され、28年をかけて天保13年(1842年)に完結した、全98巻、106冊の大作である。上田秋成の『雨月物語』などと並んで江戸時代の戯作文芸の代表作とされ、日本の長編伝奇小説の古典の一つである。この映画では、晩年は、ほとんど目が見えなかったという馬琴が描かれているのは良かった。

感想は、良くも無く、悪くも無く。というのが正直な感想。

豪華俳優陣だし、映像はきれいなんだけど、いまひとつ掘り下げて欲しいような。脚本に物足りなさを感じた。