
河崎秋子さんの「父が牛飼いになった理由」を読んで、依然読んだ本の中で、それぞれの人物のルーツ(家系や出自)を追った本があることを思い出した。
石井妙子さんの「日本の血脈」。2011年2月から2012年12月まで「現代の家系」というタイトルで月刊「文藝春秋」に連載され、2013年に文庫版が出版された。
「読者が興味を抱いているであろう話題の人を、その人が生み出された背景とともに紹介する」という意図が書かれている。家系や出自という個人のプライパーシーに係るデリケートな問題に踏み込むのは難しいとは思うが、この「日本の血脈」は、とても興味深かったことを思い出した。
大概、読んだ本には付箋紙や赤色鉛筆が加ええられているから、それらをざっくりと拾い読みした。
今に生きる人の二代、三代前から語ることから時代は明治、あるいは江戸時代に遡る。日本の近代化が、どのような変遷を経てきたのか、振り返ることができる本でもある。
人は産み落とされてこの世に出る。当然先祖のDNAを受け継ぐ。例えば孫だと1/4の私のDNAが伝達される。この先祖からの連続性を無視することはできないのではないか。自分のルーツを見直してみたいという衝動に駆られている。