豊島区東池袋五丁目地区第一種市街地再開発事業等の都市計画(案)に対する意見

近頃、豊島区都市整備部都市計画課から「東池袋五丁目地区第一種市街地再開発事業等の都市計画(案)に対する意見書の募集」が配布された。

都電荒川線に沿って補助81号線という都市計画道路が計画され、現状は拡幅部分の立ち退きはほぼ完了しフェンスに囲まれた更地が続く。

池袋サンシャイン、造幣局の南側地域には、「東池袋4・5丁目地区地区計画」がH20年6月に決定されていたが、今回その地区計画を変更した上で、地区内にある第一種市街地再開発事業に関わる部分も変更したいという趣旨。

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計画地は、メトロ有楽町線東池袋駅から徒歩数分。池袋サンシャインや池袋東口や移転する豊島区役所にも近く再開発ラッシュが続く。池袋は官民で再開発計画が目白押し。

この地域は、住んでいて便利な面と不便な面がある。

交通の便(JR、メトロ、都電、バス)と意外と選択肢が多い。池袋東口、大塚へと映画、図書館、日常的な買い物も便利。

再開発により人口が急激に減って住民が入れ替わっている。特に単身者が増えている。その影響で町内会の統合が検討され地域コミュニティはだんだんとりずらくなっている。既存商店街はほぼ壊滅的な状態。病院が少ない、診療所の経営が成り立たなくなっている。近くのスーパーでは生鮮食料品(野菜・魚)の品質が満足できなく郊外に買い物に行く人が多い。確かに老人は多いが、家を空けたときには近所の人が見ててくれる。冬場は路地裏を回り、夜回りをして自分たちで防犯・防火につとめている。

この地域に住んで10年ほどになるが以上のような感想を持っている。

現在の補助81号線沿いの都市計画は、容積率400%、建蔽率80%、高度地区無、防火地区なのだが、この東池袋5丁目市街地再開発敷地の一部は、第三種高度地区、準防火にかかっている。このあたりが開発設計にあたり邪魔くさかった部分なのではないか推測する。

木造密集エリアを一部整理して道幅を広くし、猫の額ぐらいの公園を移設させましょうと一見地域に貢献していそうだが、なにしろ木造2,3階建ての地域に地上21階約70m、延べ面積13,420m2という巨大なマンションが計画されたのだから、住民の不安、反対は多い。

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まあそんなこんなで、下記の意見書(若干変更)を豊島区に提出した。

市街地再開発事業地区のみ都市計画変更することには賛成できません。補助81号線に沿って全体的な都市計画でなければ地域貢献ではなく、一部地権者と開発者のものとなりかねません。

都総合設計基準の歩道状空地、広場面積では不充分でプラスアルファが無ければ地域貢献しているとは言えないと思います。

又災害時開放の集会施設、防災倉庫の規模は明示されていません。再開発建物の為の容積率緩和対象となる規模では不充分で、地域貢献できる規模、周辺の初期防火に役立つ防火水槽の容量確保を希望します。

高層ビルから発生するビル風は特に冬場に強大で、すでにアウルタワー等で地域住民は体感済みです。単体の高層ビルでは延焼遮断帯になるどころか、風はビルの隙間に流れるのですから逆に、周辺の木密住宅の延焼促進建物になってしまう可能性がありますが、本計画にはその配慮は見られません。建築計画の再考を求めます。