ERI 3,000万円でTBTCを子会社化

5/14 指定確認検査機関の日本ERI㈱が、同じく指定確認検査機関の㈱東京建築検査機構(TBTC)の株式を取得し子会社にすると発表した。

http://www.j-eri.co.jp/news/data/new285.pdf

ERIは、国土交通大臣指定でTBTCは関東地方整備局指定の指定確認検査機関。

取得金額は3000万円、ERIの議決権所有割合は76.9%と発表されている。

ということは、資本金1億8千万円で設立した会社が、現在では3900万円としか評価されなかった・・・。

TBTCは、平成13年5月に清水建設が、建築確認業務に参入するため設立した会社で、当時ゼネコンが建築確認代行業務に参入する初のケースとして注目を浴びた。

TBTCの資本金1億8000万円のうち、清水建設が43.3%、オリックス・キャピタルが19.4%、残りをその他10社が其々出資していた。

建築着工件数の減少・停滞で指定確認検査機関の経営状態が芳しくないところが増えていると聞く。

TBTCも数年前から業績が悪化し人員整理・縮小していた。発表されていた決算書でも赤字が続いていたが、ついにERIに身売りした? それとも買ってもらった? それとも・・・

これから指定確認検査機関の業界再編に拍車がかかるのだろうか。

住まいの多様化か、貧困化か・・・

都心では、激セマ部屋というものが繁殖しつつあるらしい。

もとのわずか30㎡のマンションの部屋を6区画(5m2/人)、いや40㎡に12区画(3.3m2/人)でそれぞれ月額家賃3~5万円で貸しているというものである。

しかも保証人不要、敷金なども不要という賃貸条件らしい。

賃貸するほうからみれば、家賃の不払いやら失踪、退去などリスキーな要素も多いが、家賃収入も多い。

ハイリスク・ハイリターンのビジネスモデルというか、社会的弱者を食い物にする貧困ビジネスの一形態か、とにかくきわどいビジネスだ。

居住者は狭さを苦にしない若者中心で、個室は衣類クロゼットや壁掛けテレビ・小型冷蔵庫等も備付けで以外と小奇麗な装いだ。

広さから言えば、私の学生時代(もう40年近くなるが・・・)に住んでいた部屋(4.5帖・K付き)、先輩の部屋(6帖・WC・K付き)に居候していたころ等に比べても、これらの「激セマ」シャアハウスは狭い。もっとも私が借りていた時代のアパートは古かったが。

住民登録できるところがないと就職もままならないのだから、ネットカフェ難民の方々には救いとなる住まいの形態なのかも知れない。

非正規雇用の増加(平均年収の低下)が、住まいの貧困化に拍車をかけているのだろうか。

テレビでも、スーパーJチャンネルで『街角の死角 史上最狭!?”極セマ部屋”のワケあり男女』と題され、シェアハウスの狭小住宅に住む人びとを特集していた。

この極セマ部屋を提供している会社のひとつがルームジャパンという会社。

http://roomjapan.jp/

これらのシャアハウスは、建築基準法的にはどうなの? 消防法上問題があるんじゃないの?というのをはばかってしまう現代社会の現実がある。

当然、法的には問題ありなのだが、

この国では、飲食店ビル、ネットカフェ、グループホーム、エレベーターと 誰か人が死なないと事故調査も法改正も出来ない。

なんだか社会の貧困化が、当事者達が気づかないうちに進行しているように思えてならない。

御用納め

今日が官庁や多くの民間企業の仕事納めだ。

ただ自営業者に仕事納めというものは 事実上ない。

年末にかけて幾つもの設計プロジェクトに関りを持つようになってきた。勿論 プロジェクト毎に設計事務所も建物の用途・打合せをする行政・指定確認検査機関も異なる。

いろいろな設計段階から関与するのだが、多くは基本設計が出来たか出来てないかとの段階でプロジェクトに関り始める。

設計担当者達からの法的な質問や出来ればこうしたい等の意見を聞きながら、設計担当者が行政等との打合せが不充分と思ったら、再度 必要な事前協議等の打合せを行政と行ったり、消防署や指定確認検査機関と打合せをしたりする。

設計というのは問題が複雑に絡み合っていて、法的な規制・建築主の要望・コスト等 まるで連立多次方程式を解いていくがごとくである。

例えば、消防法の無窓階・有窓階の取り扱い。

無窓階にすれば屋内消火栓・火災報知器の機種変更・誘導灯が必要となり、当然建設コストがアップする場合があるとする。有窓階にするにしても東京消防庁の「消防同意事務審査要領」(これは各県で微妙に異なる)に詳細な規定があるし、中庭形式とか そもそも道路側が西向きなので開口部は極力小さく少なくしたい等 と こちら立てればあちらが立たずのような もつれた糸を解くような作業の連続である。

自分なりに法文を再読し、各地の取り扱い事例を参考にして 行政や指定確認検査機関と交渉したりしている。

私がプロジェクトに関与する事で、建設コストが下がったり、面倒な役所との交渉がスムーズになつたりと 業務料金以上にプロジェクトに貢献していると自負している。

そうした事を各設計事務所の若いスタッフとやりとりし、行政や指定確認検査機関と打合せし、橋渡しをする業務といえるだろうか。

だからか単純な建物は あまり相談されないし、建築基準法だけでなく、そのプロジェクトに関わるほとんどの申請・届出などの手続きに関与している。

勿論省エネ法の届出とか単独申請の業務も多いのだが・・・

設計事務所はスタッフはギリギリの人数で活動している。これは現在の中小零細企業はどこも同じで、設計事務所はゼロにもならないC細企業と言われている。だからプロジェクトが重なったりすると図面を信頼して外注できる事務所があれば良いが、そうでない場合はスタッフが施主との打合せ・図面にかかりきりになり、許認可業務が後手後手になる事もある。そうした場合や複雑な許認可(私の得意分野は都市計画法と建築基準法)が必要な時、私が呼ばれる。

「どんな仕事をしているの?」と よく聞かれるが、以前は「図面を書かない建築事務所です」と言っていたが、最近 概略こういう業務と言える様になってきた。

もともと今年、独立開業するつもりはなかった。

たまたま体調を悪くし、入院・自宅療養をしていくうちに、漠然と今の業務のイメージが出来てきた。その後は軌道修正をしながら進んでいる。

まぁ 石橋を叩いて渡るより飛び越えてしまえという気質なので 回りは結構苦労するらしい。

 

JW_CAD & アテンションコントロール

久しぶりにJW_CAD(二次元フリーソフト)で図面を書いている。

約5年ぶりかな

途中簡単なレイアウト図などは書いているが、設計図書を作成するのは久しぶりだ。

ゆえに 大体の操作は身体が覚えていたが、集中力が持続しない。

歳だなぁと感じる

集中力が途切れるとネットをしている

結構悪い傾向

自営業者(フリーランス)は、上司の目も 部下の目もないから 好きな時間の使い方をする。

ついネットをしたり、昼寝をしたり、本を読んだりと 散漫になりがち

だからアテンション(注意力・集中力)のコントロールは、最も大事な事。

昔 二十年ほど自営業者だったので(ただし社員がいた) その辺のコントロールは大丈夫なはずだが、なかなかペースを掴めないでいる。

ところでJW_CADは、とても優れた無料のソフト。

AUTO CADやベクターも訂正程度は操作できるが、身体に染み付いているのはJW

12月から とあるところで建築概論とJW_CADを教える事が内定した。

ということで

図面の書かない事務所などと知人には言っていたが、勘を取り戻す為に図面の応援もしている。

さて また図面を書かないと

締め切りが近い・・・