「建築基準法適合状況調査(ガイドライン調査)実務ガイド」-8

【事前相談】

 建築基準法適合状況調査には、代理者による調査結果に基づき建築基準法の取扱いについて事前に特定行政庁やガイドライン調査機関と充分な協議が必要だが、そもそも指定確認検査機関には、建築基準法に対する裁量権はなく、指定確認検査機関に持ち込んでも特定行政庁との二重打合せが必要になる場合も多くある。その為、打合せ、協議に要する時間は、代理者(設計者等)にとって過重負担となる傾向がある。

 特定行政庁に相談した場合、建築専門職員(とりわけ構造担当者)がいないところもあり、検査済み証の無い建物については相談に応じてくれない。相談しても判断できない。あるいは敬遠される場合もあり、特定行政庁によって対応が異なる。

 実際にガイドライン調査を行ってみると法的な審査能力と工学的な技術審査能力が必要な局面に遭遇する。

 ガイドライン調査機関には、資格者は多くても技術者は少ない現状の為、専任者がいる機関は少なく総合的な判断ができない場合があるので、ガイドライン調査機関の力量を事前に見極めておく必要がある。