- 調査方法
2-1 調査の流れ
本ガイドラインに基づく法適合状況調査の流れは、原則として依頼者が調査者に調査依頼の際に提出する依頼書や図書に基づき、調査者が法適合状況について図上調査をした後に、当該図書と現地の照合をすることで法適合状況を調査するものである。
以下に法適合状況調査の流れをフロー図として整理したので参考にされたい。
【調査の流れ】
工事完了検査済み証の無い建物の多くが、確認済証を取得した図面とは異なる箇所がある場合や、何かしら違反箇所がある場合がある。
あるいは無届出で用途変更や増築、変更が行われている事もあると思っていた方が良い。変更箇所や違反箇所が何処なのかを事前に見極めることが必要となる。
新たに増築等の確認申請を提出する場合、違反箇所を直して法適合させてから建築確認申請を提出するのが原則だが、増築等の工事の際に一緒に違反是正工事をすることで了解を得られる場合もあり、特定行政庁等と綿密な打ち合わせが必要となる。
下図は、ビューローベリタスジャパン(株)のガイドライン調査の説明図。
ガイドライン調査も「コンプラインアンスの為だけの調査」と「増築等の建築確認申請の為の調査」と目的は分かれる。その目的によつて違反箇所の是正時期に関する時期は変わる。
https://kansa.bvjc.com/service/bsacs
【事前に準備することが望まれる調査】
1)調査項目の確定
2)調査に必要な資料の準備
3)調査の実施
1)調査項目の確定について
「事前に準備することが望まれる調査」として、調査依頼者・代理者(設計者等)は既存建物の調査項目について確認申請図書に記載された仕様通りに施工されているかについて、調査を実施して確認する必要がある。
しかし「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)の中で例えば構造調査の具体的な調査内容は記載されていない。
検査済証のない違反建築物に対して是正的な建築行為を行なう場合、是正工事に関する事項は、特定行政庁等の判断に基づき作業を行なう必要がある。とりわけ構造調査については、事前に特定行政庁等の判断を仰ぎ、具体的な調査方法や調査対象となる構造部位を確定させた後、調査を行なう必要がある。
調査項目については、特定行政庁ごとに調査方法や調査内容は異なり、特定行政庁ごとに調査内容について判断を仰ぐ必要がある。
しかし、特定行政庁に相談してもすぐに調査項目等が決まるとは限らない。
以上は建前で、実際には特定行政庁によっては、調査依頼者の相談に対し「指定確認検査機関の判断に任せます」との対応がなされる場合も多いし、ガイドライン調査機関独自の判断による場合も多いようだ。