地下鉄烏丸丸太町の北西出口を出たところにあるチューダー・スタイルの洋館。
設計は、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ/ヴォーリズ建築事務所
大丸社主の下村正太郎邸として建設された建物。
「大丸ヴィラ (中道軒)」
旧 下村正太郎邸 1932(昭和7)年
京都市登録有形文化財
京都市上京区烏丸丸太町
門の外から撮影
妻側
レトロ感ただよう丸太町駅の入り口
建築法務/ 建築ストック再生・活用 /長寿命化/ 環境建築 / 建築設計監理 / ㈱寺田建築事務所・一級建築士事務所
【名古屋市住宅都市局建築指導部建築審査課・審査統括係の資料】
名古屋市は、建築計画概要書は平成8年4月1日、計画通知は平成19年6月20日から保管しており、それ以前は廃棄されたようだ。
台帳記載事項証明は発行しておらず、「検査済証等処理経過の証明」などという名称の証明は、所有者以外は取得できない。建築主以外が請求する場合は、委任状と登記事項証明が必要。
台帳閲覧も出来ないのだから古い建物の場合、その建物が果たして建築確認申請を取得しているのか、工事完了検査済証を取得しているのか第三者は知る事も出来ない。
建築物は私的所有物でありながらも社会的存在だ。
違反建築物が事実上放置されている今日的状況では、個人情報保護の境界線はいかなるものが最適なのか・・・
前日に大阪市で昭和25年からの台帳を自由に閲覧できる経験をしてきただけに、名古屋市の閉鎖性には驚く。
【名古屋市・西庁舎】
【遵法性調査における調査対象物の選定・・・2 目的・階層】
遵法性調査を 依頼主が本音はどのような目的で使いたいかということにもよるが、
「どのくらいの建物が再建築できるか?」という目的があるとすると、容積率・建蔽率・斜線関係の集団規定チェックが中心になる。
又
「避難関係に不安がある」というと、防火区画・避難経路・東京なら都安全条例第8条区画。非常用照明・代用進入口等が中心になる。
その場合、どんな建物を優先順位に選択するかというと法第35条の特殊建築物、階数が3以上の建築物だろうか。
階数が3以上だと地下1階と地上1,2階で三層。
地上1,2,3階も三層
ということになるが、
地階が物販店・飲食店というのも要注意である。
竣工後に地階を店舗等に改装して営業しているが排煙設備がない店舗は多い。100㎡以上あっても昔の内装業者さんは、へっちゃらで用途変更など出していないものも多いし、建築基準法など念頭にない方も多かったようだ。
階数が3以上の建築物 では、
実に防火区画の考え方というか実態が多様で感心してしまう。
恐らく竣工後に店舗階段を作り、店舗を縦に広げたのではないかと思われるのだが、階段を作ることで増築や大規模修繕に該当するのではないか?という発想もないようで、ほとんど無届。
昔の中高層建築物で東京都安全条例第8条区画が取れているのが珍しいくらいだ。
まぁ やみくもに調査対象建築物にしても「調査の為の調査」になるから、優先順位をつけ調査件数を絞り込んで、より中身の濃い調査した方が良いということです。
天井を開口しただけでは、天井のふところがなく大梁の仕口部の溶接を調査することができなくて、柱周りの壁面にも開口を開けてもらった。
居住者がいるところでの調査だから、調査が終わったら速やかに復旧しないとならない。だから復旧しやすいように、かつ最低限の大きさで開口をあける。
20年前は木下地が一般的な時代だった。
復旧のビニールクロスの色目が合わなくて苦労する。
柱と梁の仕口部分。
20年前に施工したゼネコン独自の工法。
今回20年前に確認申請を取得した時点の構造計算書が紛失(最初から建築主に渡されていない?)していたので、このゼネコンさんに構造計算書を復元してもらった。
検査済証を取得していなかったことに責任を感じたのか・・・
【遵法性調査における調査対象物の選定・・・1 検査済証があるか?】
既存建築物の遵法性調査において調査対象が多数ある場合、どういう優先順位(プライオリティー・priority)で調査対象を決めるべきか。
まずは、その建物(あるいは入居しているビル)が、建築確認申請の確認済証を取得しているか、工事完了検査済証を取得しているかという事を調査し仕分けする必要がある。
このことは、遵法性調査に限らず、増築・用途変更・大規模修繕などの場合は、大前提である。
工事完了検査済証があれば既存不適格建築物であり、なければ違反建築物である。
弊社の全国的調査では、既存建築物の半数以上の建物が工事完了検査済証を取得していない違反建築物である。
H12年法改正以降はかなり改善されてきている。
「ストック活用」と言っても、違反建築物を増築・用途変更・大規模修繕することはできない。
違反建築物に違反的内装工事を積み上げている重度な物件もある。
検査済証のない建物の法適合調査を行い適合していれば既存不適格建築物として扱うという事例も増えてきたが、それらを認めていない。あるいは事実上厳しく制限している特定行政庁もあり、またその調査方法論も弊社でも毎回試行錯誤の最中である。
昨今は、賃貸借契約にあたってテナント側から検査済証の有無確認や用途変更確認申請の必要をオーナーに問うところが増えており、コンプライアンス意識が社会的に向上してきている。
今日では、検査済証の無い建物は不動産としての価値(価格)は著しく低いものになる。
豊島区内の鉄骨造3階建ての建物に増築するにあたり、既存建物が工事完了検査済証を取得してない為、実態的に法適合しているかの調査業務を受注したので調査に立ち会った。
内部スラブを撤去してもらい、X方向とY方向の地中梁のコア抜き・圧縮強度試験。と鉄筋の探傷調査。
コンクリートコア抜き90mmの状況
型枠程度なら支障なく抜いてしまうとの事。
調査担当者曰く、とっても綺麗なピースらしい。
ということで記念に写真に収めた。
ジャンカもなく細骨材と粗骨材のバランスが良いとの事。何万本もコア抜きをしていると抜いたピースの状態で判断できるらしい。
鉄骨のUT検査もしたのだが、溶接状態がとても良いとの事。
TVコマーシャルで有名な大手建設会社の施工だからか、鉄骨の工場での品質管理が良いように思える。
それにしても、違反箇所があるために工事完了検査を受けていない多くの建物があるなかで、建物の品質も良さそうだし違反箇所も見当たらないのに工事完了検査・検査済証を取得していないのは惜しい。
今回は、既存建物の法適合性確認と増築申請を一体で民間指定確認検査機関で受け入れてくれる事になった。
詳細はTAF倶楽部会員にのみ「続きを読む」で閲覧できる。
平成25年10月15日、国交省が福岡県福岡市の整形外科において死者10名、負傷者5名の火災が起きた事故をふまえて緊急点検の指示をだした。
国交省と消防庁の事故報告を読むと、現在の建築基準法や消防法の既存建物の維持管理に関する事項から漏れ落ちた建物だと感じた。
平成25年10月11日に福岡県福岡市の整形外科において、死者10名、負傷者5名の火災が発生しました。
この火災については、現在関係当局により原因等の究明が行われているところですが、今回火災のあった建物は建築確認の届出をせずに増築され、その際、煙感知方式に改修すべき防火戸が温度ヒューズ式のままとなっていることなどが確認されています。また、少なくとも防火戸が作動しなかったことが被害の拡大につながったと考えられているところです。
このような火災の被害を防止するため、本日(10月15日)付けで、都道府県を通じ特定行政庁に対し、別紙のとおり病院及び診療所の防火設備に係る緊急点検を行うよう通知しましたのでお知らせいたします。
添付資料http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000436.html
上記は国交省の緊急点検に添付された事故の概要
既存不適格建築物だと思っていたら、無届で増築した部分があるから違反建築物。一体増築だから既存遡及する部分は多い。
しかし火災現場から無届の増築部分の概要を、よく把握できたなぁと思った。国交省の調査能力はすごい。
昭和44年、昭和48年に確認申請が提出されていたとしても この報告書では完了検査が行われていたか記載が無い。
当時の書類は、建築確認記載台帳に掲載されている簡潔な情報。残っていたとしても建築計画概要書程度なのだ。
上記は消防庁の第5報
微妙に面積とか国交省の資料と相違している。
特殊建築物定期報告の対象から除外されているから既存建物の維持管理状態を把握できない。報告義務が無いから不備や未整備部分があつても放置される。
既存建物の調査で多くの物件を見てきて、防火区画・非常用照明・代用進入口は不備なものが多い。
それらの多くは、特殊建築物定期報告から除外されている中小規模の建物だ。