てら小屋セミナー2025 加子母フィールドツアー 神宮備林-2

人工植林の山路を進む

山は整然とし凛とした美しさ

空は五月晴れ

天然の山は、実生(みしょう)と言って自然に芽をだし、それが育つ

いろいろな木や草の中で苦労して、時間をかけて育ち

根が深く他の草木の根と支えあう

「二代目大ヒノキ」

樹齢1000年、樹高26m

初めて天然ヒノキ林である神宮備林に来ることができた

林道から往復3km弱の山道だったけど、やっぱり上り下りはきつかった

大地のエネルギーというか魂というか、それを感じることができたのは

この歳にして貴重な体験だった

全容を現した (仮称)駒沢こもれびプロジェクト A棟

工事中だった駒沢大学駅前の新たなアウトモール型商業施設

足場が外され全容を現した。

2025年11月中旬、東京都世田谷区上馬三丁目に

新しい商業施設「(仮称)駒沢こもれびプロジェクト A棟」

がグランドオープン。

この施設は、東急田園都市線・駒沢大学駅から

徒歩1分という利便性の高い立地に位置し、

地域の新たなランドマークとしての役割を果たすことを目指しています。

関係者にお聞きしところ、

現在、順次テナント工事が着手中で、

2025年10月15日に建築会社から施主に引き渡し

2025年11月11日完成レセプション

2025年11月中旬グランドオープンとのことでした

本施設は、地域の住民、働く人、通う人が集まる場として設計されており、

緑とテラスがつなぐオープンエアの空間が特徴です。

駒沢エリアにおける新しいまちづくりの拠点として、

地域に開かれた商業施設を目指しているそうです。

デベロッパー主体ではない街づくり、

補助金による市街地再開発事業でもない

一民間事業者の建替えによる街づくり・再開発は注目です

https://comorevi.com

【基本情報】

名称:(仮称)駒沢こもれびプロジェクト A棟
所在地:東京都世田谷区上馬三丁目852番1,10(地番)
事業者:株式会社イマックス
設計・施工者:鹿島建設株式会社
延床面積:6,418.75㎡
構造:鉄骨造一部鉄筋コンクリート造
階数:地上4階、地下1階
店舗数:17店舗
用途:物販、飲食、サービス店舗など
駐車場台数:21台
アクセス:東急田園都市線 駒沢大学駅から徒歩1分

てら小屋セミナー2025 加子母フィールドツアー 神宮備林-1

今回、特別な許可を得て神宮備林に入ることができた

まずは第62回神宮式年遷宮斧入れ式跡地

2033年(令和15年)に、第63回式年遷宮が行われますが、

その8年前の今日2025年(令和7年)6月5日に、

始まりの祭事「御杣始祭(みそまはじめさい)」(裏木曽御用材伐採式)が、

加子母裏木曽国有林で執り行われる。

「御杣始祭」は御神体を納める器の材料となる

神聖なヒノキ「御樋代木(みしろぎ)」を

「御杣山(みそまやま)」にて正式に刈りはじめる祭事。

説明を聞くツアー参加者たち

ヤマビル対策は、バッチリの服装

いざ二代目大ヒノキに向かって進む

てら小屋セミナー2025 加子母フィールドツアー ランプの宿 渡合温泉-2

 いつも通り朝3時頃 目が覚めて、

スマホもいじれないし、テレビもないので、

持ってきた馳星周の「月の王」を読んで

 1930年代の上海にタイムスリップしていた。

そうしたら

 夜が白々と明けてきて、

小鳥たちのさえずりと谷底を流れる川の音だけの世界に、身を委ねていた。

何もないということは、こんなにも心が満たされていくものなのか。

早朝の玄関ロビー

大人も子供も遊べる玩具・ゲームが一杯ある

沢の水で冷やされている飲み物

2歳と5歳の男の子と何を飲むか選んでいた。

子育てには参加しなかったが、

意外と自分も子供と戯れることができるんだなと思った。

朝食前の時間にロビーに集まってきて鉄砲撃ち等に興じる

朝食

天然イワナとアマゴの水槽

いざ神宮備林(加子母裏木曽国有林)に向け出発

てら小屋セミナー2025 加子母フィールドツアー ランプの宿 渡合温泉-1

宿泊地は、付知峡の山奥にある「ランプの宿 渡合温泉」

各自風呂に入り、夕食の時間を待つ

私自身は、3年ぶり2回目の宿泊

美味しくて量が多い、渡合温泉の夕食

岩魚の骨酒 美味し

2階への階段 

と言っても玄関から下に降りる2階

洗面所 水冷たし

宿の主人からランプの使い方、ひもの結び方を教わる人たち

他の人は食堂で 消灯の時間まで地酒を飲んで談笑

 

てら小屋セミナー2025 加子母フィールドツアー 木材の流通経路-3

(株)中島工務店のプレカット工場

工場長が案内をしてくれた。

最近の軒の出、ケラバの出が無い建物に対応した

屋根垂木をパネル的に工場加工したもの

集成材工場

フィンガージョイント加工

集成材

造作材加工

国立4大卒のうら若き女性が、宮大工棟梁を目指して

黙々とほぞを鑿で加工している姿が印象的だった

てら小屋セミナー2025 加子母フィールドツアー 木材の流通経路-2

次に向かったのは製材場で、

上の写真は丸太(原木)皮むき機械

皮を剥がされたばかりの木は水分が多い、手で触って確認した。

 伐採前の木で、細胞などが自由水(自由に移動できる水分)と結合水(たんぱく質などと結合して移動できない水分)によって満たされた状態で、含水率100〜200%。これを「生材(なまざい)状態」と言うとの事
 伐採されてまもない状態で自由水が乾燥し始めた木材。含水率50%以上。これを「繊維飽和点状態」
 自由水が全て乾燥し、結合水のみが残った状態の木材。ここから先は結合水は乾燥し始め、強度が上がっていく。含水率は30%程度。これを「気乾材状態」
 放置して結合水を乾燥させ、空気の湿度と平衡状態になった木材。含水率は季節や地域によって異なるものの、含水率は全国平均で15%程度。「全乾材状態」
 重量の変動がなくなるまで乾燥させた木材。ごく少量の結合水しか残っていないため、含水率は0%近く。(ただし、一度0%にしても放置すれば気乾材と同等の含水率まで戻る)
 このように、生材から全乾材まで段階があり、樹種や用途によって適した状態が異なることを詳しく知ることができた。

丸太(原木)を使用用途別に切断

乾燥機

 簡便な木材の含水率を調べる器具は所有しているが、最近は木構造に関わる機会が減ったせいか出番がない。

 学生時代は、木の魅力に取りつかれていた。先生に言われて木の世界に進む選択肢もあったが、設計に関わっていく夢が捨てきれず設計の道に進み、幾度か方針を変えて今がある。

 思い返せば 今度の「てら小屋セミナー2025・加子母フィールドツアー」は「原点に還る」旅だったかもしれないと、写真を整理しブログ投稿しながら考えている。

てら小屋セミナー2025 加子母フィールドツアー 木材の流通経路-1

JR中津川駅に集合し貸切バスに乗車して加子母地区に向かう

「ふれあいのやかた」で昼食(写真は借物)

昼食は朴葉寿司・白川茶・大福

加子母の山林(植林地)を視察

次に向かったのは、山から伐られた木が運ばれる原木市場

山林から切り倒して、余分な枝払いをして、

適切な長さに切断(玉切り)して、木材市場に搬出される。

写真は檜の原木だが、材種別・山林別に整理され競りにかけられる

栗の原木

 実は、原木市場で身近に原木を見るのは始めて、ここで丸太の材積計算には、末口2乗法という方法で計算されることを教えてもらった。

 丸太(原木)の値段は、材積(体積)と立米単価でつけられる。

 この材積の計算方法である末口2乗法はJAS規格で決まっていて、長さ6m未満の丸太ならば計算式は「末口の直径×末口の直径×長さ」で求めるとの事で、円周率はかけないのだという。末口とは細い方の小口(木の先端に近い方)

 例えば末口が直径30cm、長さ4mなら材積は0.3×0.3×4=0.36㎥となる。

 仮に立米単価が1万円だと3600円にしかならない。あまりの原木の値段の安さに驚いた。ウクライナ戦争によるウッドショックで それでも1.5倍ぐらいに値上がりしたというけど、何十年も育てて、この値段では そりゃ林業から離れていくはずだと思った。

杣人の宿 挽屋 2025春

岐阜県中津川市加子母にある「杣人の宿 挽屋」(そまびとのやど ひきや)

2025年3月に続き2回目の宿泊

風呂の窓を全開し、露天気分で朝風呂

新緑に囲まれたデッキで、裸のまま風にあたる 気持ちいい

ここの湧き水は美味しい

色々な草花が作く庭・敷地内を散歩する

一晩中 蛙の鳴き声が聞こえた

加子母やこの宿に泊まると 心も身体もリセットされて東京に戻れる

「杣人の宿 挽屋」の魅力を地元の人に話すのだけど

地元のほとんどの人が中に入ったことがない。泊まったことがないと言う

加子母には、二つの「宝」のような宿がある

「ランプの宿 度合温泉」・「杣人の宿 挽屋」

谷間の花は見えないものだし、

灯台下暗しということもあるが、

大事にしていきたい宿

てら小屋チーム・第19回WEB打合せ

 先週開催した「てら小屋セミナー2025・加子母フィールドツアー」に、ほとんどのメンバーが参加しているので、その話題で盛り上がる。リアルに同じ時間を共有し、見る、食べ、意見を交わすことは刺激が多い。

 最初に、現在進行しているプロジェクトの進捗状況を報告し共有した。延期になったものもあるので、新規に始まるプロジェクトについて希望者を募り担当を決めた。

 中規模プロジェクトの実施時期が延期になった途端、大中小プロジェクトの依頼、打診があったので、現在そのスタートアップで忙しい。プロジェクトの件数が増えてくると、流石に爺さんも休む暇がない。BtoC カスタマーからの直接依頼は、どんなに業務が立て込んでいても断らないというのが経営方針。

 実施設計中プロジェクトの関係者配布用設計概要の説明をした。照明計画、建具表が整理されたので担当者から説明。高齢者の住まいの事例について担当者から報告。その他

 最近は設計の「産直」が見直されたのか、建築業界でも中間マージンを極力少なくしようとしているのか、弊社のような末端の専門事務所に大企業のクライアントから直接声がかかるようになった。

 大手建設会社・組織設計事務所のほとんどが専門業務はアウトソーシングで、実際の実務は弊社のような専門事務所が担っていたので、質的には、もともと遜色がないはずだ。

 また弊社のように恒常的に活動する設計チームを持ち、大規模プロジェクトの実績が積みあがってきて評価されるようになったからかもしれない。

 

内木家 -2

加子母フィールドツアーが終わった翌日、

内木家で

加子母むらづくり協議会・認定NPO法人かしもむら

伊藤事務局長と面談し打合せをしました。

3月に来た時とは、全然違う風景

内木様より沢山の「内木家文書」を頂戴しました

しばらく加子母の森林と生活の本に没頭しそうです

上見屋・とこわか

岐阜県中津川市付知にある和食店「上見屋・とこわか」

「とこわか」とは「常若」

「常若(とこわか)」の思想は、日本の伝統的な考え方の一つで、主に以下のような特徴を持っていると言われている。下記は幾つかネットから収集したもの。

1、永遠の若さと新鮮さ
「常若」とは、文字通り「常に若い」という意味。これは単に年齢的な若さだけでなく、精神的な新鮮さや活力を指す

2、継続的な再生と更新
特に伊勢神宮の式年遷宮に見られるように、定期的に物事を新しくすることで、その本質を保ち続けるという考え方。20年ごとに社殿を建て替えることで、常に新しい状態を保ち続けている。

3、伝統の継承と革新の調和
「時代と精神を継承するためには、すべてのものを変えなくてはいけない」という paradoxical な考え方がある。つまり、本質を守るために形を変えるという思想。

4、生命力と持続可能性
長く続くものは常に若いという考え方があり、これは持続可能性や生命力の象徴とも言える。

この「常若」の思想は、日本の伝統文化や宗教観、さらには現代人の生き方にも影響を与えていると言われている。常に新しさを保ちながら本質を守り続けるという、一見矛盾するようでいて深い洞察を含んだ言葉でもある。

店名の「常若(とこわか)」というのが2025年3月に店の前を通った時から気になっていた。

中津川には5つの地歌舞伎保存会があり、日本一地歌舞伎が今も盛んな地域。そういう事から「とこわか」という店名をつけたのか、店主に聞くのを忘れた。

柱・造作材・家具も栗材

トイレは離れに

プリン美味し

良い飲食店を見つけた

設計・施工は、中津川市付知の杣工房 早川泰輔事務所

お宿ONN中津川

岐阜県中津川市にある鉄骨造5階建てのホテル

玄関

中廊下の換気が悪い為か、黴臭がする

客室は狭く、天井照明の配置、空調機の位置等に難点がある

良い点は まだ新しいこと

木材は無垢材であっても、ほぼ意匠材として使われている

全体的な印象は、

ホテルのシステムはドーミーイン(共立メンテナンス)のコピー

建築は、見てくれ第一

すや本店

岐阜県中津川市にある和菓子の老舗「すや」本店

中津川市街には、第63回伊勢神宮式年遷宮のぼり

「裏木曽御用材伐採式」が、2025年6月5日(木曜日)に中津川市加子母地区にて執り行われ、御神木が2025年6月7日(土曜日)まで市内各所に立ち寄り、伊勢神宮へと運ばれます。

てら小屋セミナー2025 加子母フィールドツアー 開催 

 5月20日、5月21日 弊社主催で「てら小屋セミナー2025」を開催し、岐阜県中津川市加子母地域にフィールド・ツアーに行ってきました。

 20日は、国産木材の原産地から加工までの流通経路について現地を視察してきました。21日は、神宮備林(木曾檜美林)に特別の許可をいただき入山してきました。

 両日ともに天気にめぐまれ、檜・杉の葉の色と広葉樹の葉の織りなす新緑の山並みに見惚れました。

 2歳から79歳までの16人が参加し、設計チームの皆さんやクライアントとの交流の場ともなりました。

 参加人数は付知峡 ランプの宿 渡合温泉の宿泊できる人数とバスの定員で決まってしまい、2024年12月に計画して1月に声掛けをしたら、すぐに満員になってしまいました。

ツアーの詳細は、順次投稿します。

内木家 -1

「内木家」は、岐阜県中津川市加子母にある江戸時代に尾張藩の「御山守」を代々務めてきた家で、日記をはじめとする三万点におよぶ史料が、今なお同家には残されている。

 2025年3月に特別に内部を見せていただいた。

 徳川林政史研究所の発行しているブックレット『御山守の仕事と森林コントロール』と題された報告書には、内木家が取り組んできた森林の育成や管理の実践について具体的に解説されている。樹木の成長には長い期間が必要であり、人々によって適切に手入れされることによって健全な森林は育成される。森林管理の最前線にいた内木家をはじめとする先人たちの知恵や努力によって、江戸時代の森林が健全に維持されてきたことが理解できる。

「内木家は美濃国(濃州) 恵那郡加子母村(現・岐阜県中津川市)を開いた、いわゆる〝草分百姓〟の由緒をもち、元和元年(1615)に同村が尾張藩領となってから100年余りの間、歴代にわたって同村の庄屋をつとめた家です。享保一五年(1730)からは、庄屋にかわって「三浦・三ヶ村御山守」という藩の役職を代々つとめるようになりました。
三浦・三ヶ村御山守とは、尾張藩のもとで、信濃国(信州)筑摩郡王滝村の三浦山( 飛驒〈飛州〉・信濃・美濃の国境に位置)と、美濃国恵那郡加子母村・付知村・川上村(いずれも現・岐阜県中津川市)の山々を管理した役職です。一口に山といっても、藩の直轄地や村人の所持地など、さまざまあってややこしいのですが、御山守が主に管理したのは、「御山」「御林」と呼ばれる藩の直轄地でした。後でくわしく述べるように、尾張藩は、江戸時代にあった多くの藩のなかでも、とりわけ森林の保護・育成に力を入れた藩でした。」とある。

また『山村の人・家・つきあい─江戸時代の“かしも生活”①─』と題したブックレットには、「江戸時代中期における加子母村の生活を、当主内木彦七の日記をもとに具体的に見ていく。江戸中期の加子母村では、内木彦七をはじめとする人々がお互いに支え合い、緩やかながらも活き活きとした暮らしを営んでいた。その様子は、現代社会において希薄になりつつある人と人とのつながりを私たちに再認識させ、真に豊かな生活を送るうえでのヒントを提供してくれているように思える。」とある。このブックレットも中々興味深かった。

 こうして林業に関わってきた先人たちの残した資料を見ると、苗木から材木となるまで何十年もかかるからか、物の考えた方のスパンが長い。出会った加子母の現代の人々には「志」や「気概」を感じた。

子供たちを守りたい -2

「小学校の『登校班』廃止か継続か 保護者を悩ませる、かつて好まれた『全員一律の扱い』AERA 2024年4月15日号

https://dot.asahi.com/articles/-/219268?page=1

 小学生の保護者にとっては登校班があると安心だが、その運営はPTAや教員の負担になっていることから廃止する動きもあるそうだ。

 記事によると「登校班については『一般歩行者や自転車等の通行を妨げている』『高学年の歩く速度に追いつけない低学年の子が信号が赤になっても道を渡っていることがあり危ない』『委員や見守りをする保護者の負担が大きい』『子どもの『自分で考える力』が育たない』などが指摘された。」とある。

 とある小学校のPTAで集団登校の賛否を保護者に問うたところ賛否拮抗だったが、PTA役員会の判断で登校班を廃止した小学校があると聞いた。隣の小学校区では沢山の親や爺婆に守られて集団登校が継続している。

 保護者と子どもにとってベストな登校手段とは何かが問われるのだろうが、これだけ治安が悪くなっている都心部の状況をかんがみれば、まずは子供の安全を第一に考えるべきではないだろうか。

 と爺婆は考える。

 

子供たちを守りたい -1

認定NPO法人D×Pという寄付型のNPOが大阪にある。

 この認定NPO法人D×Pの存在を知って、今の日本の10代は、不登校・中退・家庭内不和・経済的困難・いじめ・虐待・進路未定・無業などによって、いくつかの安心できる場や所属先を失ったときに「孤立」が起こることを知った。

「D×Pは、10代の孤立を解決するNPOです。若者が困った時に頼れる人とのつながりを得られるように。”人とのつながり”を通して、社会のなかにセーフティネットをつくります。」

 寄付型のNPO法人は、日本ではまだまだ珍しいのが現状で。約5万法人ある日本のNPO法人の中で、寄付収入が50%を超える「認定NPO法人」はごく一部で、ほとんどが国際協力支援の組織。

 国内の子ども達の支援で寄付を集めて動いている組織は、一般の方には馴染みがないが、この認定NPO法人D×Pは、組織のあり方やお金の使い道など説明していく努力やパブリックに公開する努力を行っている。

 NPOや非営利組織の怪しい組織は散見するが、この認定NPO法人D×Pは信頼できると思い、ささやかながら会社として寄付をしている。

https://readyfor.jp/projects/dxp-sos-2025spring

【覚書】再エネ導入

 東京都(都環境局・クールネツト東京)が熱心にマンションオーナーやマンション管理組合に宣伝しているせいかもしれないが、最近省エネ・再エネ導入についての照会や相談が多い。

 弊社は、東京都の既存マンション省エネ改修や再エネ導入を促進するため、管理組合・所有者等の判断・合意形成のための有効な材料として補助金対象の検討計画書を作成する「協力事務所」となっているので、昨年から共同住宅の省エネ・再エネの検討、補助金申請の業務が増えている。 

【想定年間発電量】

東京の平均日射量×システム容量で計算できる。

例えば全システム容量が41.5KWとしたら 1,362Kwh×41.5KW=56,523Kwhとなる。
(年平均日射量は国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構「日射
量データベース閲覧システム」(MONSOLA-20)を参考。全国10都市は太陽光発電協会「表示ガイドライン、解説編(2023 年度)」に記載の都市および3次メッシュを参考。発電容量1kWあたりの年間発電量の目安は、年平均日射量×損失係数0.85×年間日数365により計算する。当然地域によって数値は異なる)

【計画のシステム容量】

例えば屋上(陸屋根)に太陽光パネルを何枚設置できるかという計算を行う。

多くの場合太陽光パネルは約2㎡で、100枚設置できるとすると415W/枚のパネルなら合計41.5KWとなる

当然既存の屋上平面図でパネル配置計画を作成しても良いが、ざっくりと計画枚数を算定しても、検討段階の概算値としては、さほど問題がない。

【削減電気料金概算(円/年)】

例えばマンションの共用部の電気料金を削減したい場合は、オーナーや管理組合、管理会社から共用部の年間使用量(電灯KWh、非常用KWh、動力KWh)の資料提供が必要である。及び年間の支払った電気料金の資料を提供してもらう必要がある。

例えば共用部電気料金の内訳は、管理組合から提供された資料により、年の合計料金は250万円、年の合計使用量は、70,000KWhであるとする。
計画のシステム容量は、上記より41.5KWとして、想定年間発電量は56,523KWhとなり、削減電気料金は、2,500,000円/70,000≒36円/KWhとして36/KWh×56,523KWh=2,034,828円となり、約81%削減できる計画となる。

【補助金活用後費用】

 東京都の「家庭における太陽光発電導入促進事業」「家庭における蓄電池導入促進事業」によると、太陽光発電システムは、既存住宅(50KW未満)で太陽光発電システム12万円/KW、架台の補助額は、架台の材料費及び工事費の合計金額を上限としているので、見積書により仮に300万円とする。
又、蓄電池は太陽光システムがある場合は(6.34KWh以上)15万円/KWhである。仮に蓄電池容量は16.4KWhとして計算する。

以上により補助金額を算定すると41.5KW×12万円+300万円+16.4KWh×15万円=1,044万円が補助額となる。

太陽光発電システムの概算工事費見積額は、仮に2,000万円(太陽光・蓄電池の設備、工事費額)+架台基礎工事=165万円で、合計概算工事費は約2,165万円とする。

概算工事費2,165万円-東京都補助金1,044万円=1,121万円が管理組合又はオーナーの負担となる。年約203万円の電気代を削減できるため、約5.5年で初期投資を回収できる計画となる。

【太陽光パネル等耐用年数】

イニシャルコストを下げるためには中国製とかの選択になるが、心配なのは耐用年数である。

【その他の問題】

 屋上に太陽光パネルを設置する場合、防水の問題や積載荷重(特に地震時)等の検討も必要となる。

 よって既存建物に係るソリューションは、常に総合的な視点が必要となる。

「日本の血脈」石井妙子著

Version 1.0.0

 河崎秋子さんの「父が牛飼いになった理由」を読んで、依然読んだ本の中で、それぞれの人物のルーツ(家系や出自)を追った本があることを思い出した。

 石井妙子さんの「日本の血脈」。2011年2月から2012年12月まで「現代の家系」というタイトルで月刊「文藝春秋」に連載され、2013年に文庫版が出版された。

「読者が興味を抱いているであろう話題の人を、その人が生み出された背景とともに紹介する」という意図が書かれている。家系や出自という個人のプライパーシーに係るデリケートな問題に踏み込むのは難しいとは思うが、この「日本の血脈」は、とても興味深かったことを思い出した。

 大概、読んだ本には付箋紙や赤色鉛筆が加ええられているから、それらをざっくりと拾い読みした。

 今に生きる人の二代、三代前から語ることから時代は明治、あるいは江戸時代に遡る。日本の近代化が、どのような変遷を経てきたのか、振り返ることができる本でもある。

 人は産み落とされてこの世に出る。当然先祖のDNAを受け継ぐ。例えば孫だと1/4の私のDNAが伝達される。この先祖からの連続性を無視することはできないのではないか。自分のルーツを見直してみたいという衝動に駆られている。

IQよりIKyou

憲法記念日の日、テナント居ながら改修工事中の現場へ爺婆で行く。

電車の中で、前に立っていた男の子に婆さんが声をかけた。

婆「どこ行くの」

男の子「おばあちゃんの家」

婆「一人で行くの」

男の子「そう。お孫さんいる?」

婆「いるよ。女の子2人」

爺「中学生?」

男の子「小学校6年生」

爺「身体大きいね。中学生かと思った」

婆「何かスポーツしているの」

男の子はバレーボールをしていて大会にも出場していること。身長は157cmあることなどを話してくれた。塾は行っていない。一人っ子だと言う事を話してくれた。私達の住んでいる街の駅の反対側に住んでいること。私達が、ほとんど行かない駅反対側の街の様子などを教えてくれた。

大人になったら必要なのは「IQよりIkyou(愛嬌)だよ」。愛嬌のある子の方が年上の人から可愛がられると言ったら。「コミュ力も必要だと言いますよね」と小学校6年生が言うから、「クラブ活動とか委員会活動で培われていく」んだよと話した。

たった3駅区間の時間だったけど、楽しい会話ができた。

最近は、見知らぬ10代の子供たちと会話をすることが多くなった。

「IQより愛嬌。君は大丈夫だよ愛嬌があるから」と、どこかで再会を約して別れた。

「父が牛飼いになった理由」河崎秋子著

Version 1.0.0

直木賞作家・河崎秋子氏が綴る約400年のファミリーヒストリー


『ともぐい』で第170回直木三十五賞を受賞し、10年にわたって自然や動物と対峙する作品を書き続けてきた作家・河﨑秋子。

こんな平易な文体のものを書けるのか、ちょつと驚きだった


河崎秋子氏の実家は父・崇が公務員を「脱サラ」し開業をした「河﨑牧場」である。


なぜ、父は牧場経営を始めたのか。その謎を辿るため戦国時代からの家系図を遡る。
金沢で武士だった先祖、満洲で薬剤師をしていた祖父、満洲から大阪、そして北海道へと移り住んだ父、そして牧場経営の苦労を背負った祖母と母……400年以上に及ぶファミリーヒストリーが、20世紀の日本と戦後の北海道の酪農史へと繋がっていくノンフィクション。

人は一代で作られるものではないということを再確認した。自分のルーツを探す旅が、必要かもしれない。

テッド・イベール

グランフロント大阪うめきた広場 水景内

テッド・イベール(愛称:クール)Ted Hyber -Coool

フランスを代表する現代アーティスト、ファブリス・イベールの作品。

「テッド・イベール」

特に熊(テディ・ベアー)はファブリスが好んで使うモチーフです。

緑色は自然と人間の関係について提案し続けるファブリスの姿勢をあらわしており、彼の分身のような存在。

ここを通る人々に、水辺の楽しさを感じていただく役割を担っている。

うめきたSHIPホール

工事途中建物の資産価値策定業務

 建築中のRC14階建ての建物が、7階部分施工中に工事会社が倒産し破産宣告を受け工事が中断した。この工事会社の破産管財人弁護士より依頼され、地方裁判所の了承を得て工事途中建物の資産価値策定業務を2024年初頭に行った。

 建築主は破産工事会社に工事前渡金を支払っており、この工事途中の建物について第三者調査機関に依頼して非破壊検査等を行い、施工建物は瑕疵が多数あるとして、その是正などの工事費用が嵩むため、資産価値はないと主張した。

 弊社は、依頼されてから第1回債権者集会までの時間が短かったために、建築主が依頼した第三者調査機関の調査報告書を基に瑕疵の是正方法を計画立案し工事費を積算した。尚工事継続の場合、他の指定確認検査機関では検査等を受任しない可能性があるため、確認申請、中間検査(基礎・2階床)の処分を行っていた指定確認検査機関と打合わせ調整を行った。

 この業務を通じてRC建物の多数の是正方法、補強方法について新たな知見を得ることができた。一方で構造安全性を証明できたとしても、それらが建築基準法に適合しているのかどうか、判断に迷う事、考えることも多かった。

 この業務は2025年も債権者からの質疑に回答するなど継続していたが、2025年4月30日、破産管財人弁護士より連絡があり、この度、資産価値があるものとして工事前渡金を返済しない旨の協議が建築主と整い、地方裁判所の許可を受け和解が成立。工事前渡金を全額返金しないことになったとの事だった。

 これに伴い、一般的破産債権者の方々にも、少ないながらも配当することができる見込みとなり、弊社が作成した調査報告書が役に立ち「希望した期間内に、かつ、詳細で説得的な報告書を作成くださり、誠にありがとうございました」と破産管財人弁護士からお礼が届いた。

 和解で協議が整い 良かった。

 喉に突き刺さっていた骨が取れたような気分。