ゴルフ場のクラブハウス

ゴルフ場のクラブハウスに関わる建築基準法等の問題点を整理してみた。

【都市計画法】

ゴルフ場は第二種特定工作物であり、市街化調整区域の用途規制の対象外なので市街化調整区域に建設できる。第二種特定工作物の用途に包含される附属建築物(例えば、ゴルフコースのクラブハウス、陸上競技場のスタンド等)は、必要最小限のものに限り、第二種特定工作物の一部として建築が認められる。(とは言ってもコース数によって入場者数は変わるが、それなりの規模にはなる。)
一方、ゴルフコース等に併設される宿泊施設は第二種特定工作物に附属するものとはみなされず、開発審査会による許可が得られる場合しか建築できない。

【建築基準法上の用途】

ゴルフ場のクラブハウスの基準法上の用途(確認申請書第3面)は何になるか。

施設内容はカート置場、ロビー、レストラン、ロッカー室・大浴場、事務室、機械室等によって構成される。

こういう複合的な用途が含有されている建物の建築基準法上の用途判断が一番いやらしい。

  1. 集会場等類似用途として結婚式場のようなものとし判断する
  2. カート置き場が別棟の場合は飲食店。カート置き場は自動車車庫と判断
  3. ゴルフ場は、会員制であっても、実際上は会員利用は少なくビジターは自在に増やせるので不特定多数の人が利用する特殊建築物として判断(法第2条第二号の用途・その他これらに類する用途として)
  4. その他(具体的用途としてクラブハウス)

以上のような判断が考えられるが、建築主事判断となることが多い。通常は、指定確認検査機関より裁量権のある特定行政庁に聞いた方が良い。

私が近年関わった千葉県の物件の場合は、用途は「その他」(具体的用途として「クラブハウス」)だった。

消防法上は15項だった。

確認申請書第4面に記載する用途は、飲食店、公衆浴場、自動車車庫、サービス業を営む店舗等に仕分けする。

【個別許可】

浴場は、公衆浴場法の許可(保健所)が必要

レストランは、営業許可申請(保健所)が必要

【カート置き場】

・道路運送車両法では

第二条  この法律で「道路運送車両」とは、自動車、原動機付自転車及び軽車両をいう。
2  この法律で「自動車」とは、原動機により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具であつて、次項に規定する原動機付自転車以外のものをいう。
3  この法律で「原動機付自転車」とは、国土交通省令で定める総排気量又は定格出力を有する原動機により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具をいう。
4  この法律で「軽車両」とは、人力若しくは畜力により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具であつて、政令で定めるものをいう。
5  この法律で「運行」とは、人又は物品を運送するとしないとにかかわらず、道路運送車両を当該装置の用い方に従い用いること(道路以外の場所のみにおいて用いることを除く。)をいう。
6  この法律で「道路」とは、道路法 (昭和二十七年法律第百八十号)による道路、道路運送法 (昭和二十六年法律第百八十三号)による自動車道及びその他の一般交通の用に供する場所をいう。

ゴルフ場のカートには、ガソリンと電動(バッテリー)があるが、ここは素直に、カート置き場は法律論ではなく実態上で判断し自動車車庫とするのが妥当。

消防法上は自動車車庫として判断される。

尚、

ゴルフカートは公道を走らない限り道路交通法の適用除外であるため、安全規格や整備基準が定められていないらしい。

ゴルフ場施設利用損害保険の保険金支払いデータによると、ゴルフ場施設の事故の約半数がゴルフカートの事故であり、その内容は対人衝突、カートの横転や転落などの自損、カーブを曲がるときなどに同乗者が振り落とされる転落、カート同士の衝突などが多いらしい。

「特定住宅」は現実的な提案・・・小規模シェアハウス・グループホーム

先頃 国交省が出した「事業者が運営するシェアハウスは寄宿舎」という技術的助言を見直そうという動きが国交省内部にあるらしい。

確かに脱法ハウスや不健全なシェアハウスは問題だけど、戸建て住宅を利用した小規模のシェアハウス、グループホーム、グループリビングまで「寄宿舎」=特殊建築物にすると建築ストックの活用は難しくなる。

千葉大学の小林秀樹教授が「特定住宅」という住宅と特殊建築物の中間的な用途を提案をしている。

詳しくは下記のサイトを見てください

http://share-issue.org/archives/20131210-proposal-on-classification-of-housing/

table-of-elements

この「特定住宅」という用途は、地方自治体でも設定できるし 空き家の再利用にもつながる現実的提案だと思った。

 

 

 

物流センター、倉庫業を営む倉庫

物流センター、物流拠点施設は、配達までの運搬物の整理。保管のほか、荷造り、荷崩し、商品組み合わせ、包装、検品などの作業を伴う場合は、「工場」に該当する。

「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」p130

物流センターの機能は、単純ではなくなった。

「amazon」や「アスクル」のような業務形態では、大型トラックによって倉庫に一旦集められた物品が商品別に小分けにされ、それを注文別に組みあわせ、包装され小さな車両で消費者のもとに届く。

建築基準法上の「工場」の概念は産業分類の中の「製造業」よりも広いものであり、職工等により定常的に物品の製造・加工・仕分け・梱包等を行うものは「工場」に該当すると考えられている。

他人の物品を保管、貯蔵することを業としている場合は、「倉庫業を営む倉庫」に該当する。

「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」p131