既存建築物の増築・用途変更確認申請をする際には、既存不適格調書等の添付が必要とされているが、建築主が保有している書類・図面。また確認申請・副本・検査済証の有無等によって必要な調査の組み合わせが変わってくる。
下記の表は、筆者がそれぞれのケース毎に必要調査を整理したものである。個別のケースでは、さらに必要書類・作成図面等が変わってくる。
*7/12 上図の一部を修正し差し替えました。
建築法務/ 建築ストック再生・活用 /長寿命化/ 環境建築 / 建築設計監理 / ㈱寺田建築事務所・一級建築士事務所
既存建築物の増築・用途変更確認申請をする際には、既存不適格調書等の添付が必要とされているが、建築主が保有している書類・図面。また確認申請・副本・検査済証の有無等によって必要な調査の組み合わせが変わってくる。
下記の表は、筆者がそれぞれのケース毎に必要調査を整理したものである。個別のケースでは、さらに必要書類・作成図面等が変わってくる。
*7/12 上図の一部を修正し差し替えました。
「遵法性調査」と言っても、建築基準法と関係法令は膨大で、法令のどこまでを調査対象とするのか、事前によく取り決めておかなければならない。
※5~7は通常オプション調査項目。 ※1の内、法第20条に基づく「構造計算の検証調査」は、オプション調査項目となる。
現在、企業のコンプライアンス(法令順守)意識が高まっていると感じる。
遵法性調査で建物の現地調査をしてみて思うのだが、日本の建築ストックには、使い勝手や経済性を優先しての違法行為や法的知識の不足による改修工事、用途変更によって不適合状態になっているものが多く見られる。
また、増改築、用途変更をしようとすると既存の建物に検査済証がないという場合も数多くある。
このような物件は遵法性が確認されないと、売買、賃貸、融資等の不動産取引において大きな損失を背負う。値引き交渉などの裏づけ資料となることも多い。
さらには火災などの重大な事故が起こった場合には企業の存続をも危うくすることにもなりかねない。
遵法性調査は、一般的には確認申請図書等の机上調査と現地調査との両面からの調査が必要なのだが、調査員には実務経験と法的知識が必要である。
実務経験で言えば、例えば壁を叩いてみて下地の予想がつく。熱感知器と煙感知器を見ただけで峻別できる。目視しただけで外壁や床が傾斜しているのではないかと疑いを持つ等など。
建築基準適合判定資格者や一級建築士の資格者が調査にあたるのだが、日本の資格者制度では、資格者=技術者ではなく 資格はあるが実務はさっぱりわからないという人が沢山いる。
指定確認検査機関は資格者は多いが、設計をしたことも天空率の計算、避難安全検証法の計算も、日影図もなにもやった事がない。建物の建設過程を見たこともない人が多く、それらの一級建築士が審査をし、そうした人達が審査実務経験を経て建築基準適合判定資格者に合格すれば建築検査員(通称として民間主事)になっていく。
しかし審査・検査はそれでもやれるというところが現在の確認制度の事務処理たる所以。
建築確認における法的領域は狭く建築基準法と関係規定(消防法・都市計画法等)だけだが、現在の建築プロジェクトにおいて関係する法令は、その何倍もあるのだ。
「建築ストックの再生と活用」をテーマに遵法性調査、法適合性調査の実務をやっていると豊富な設計監理実務経験と関連法や設備関係も含めた幅広い法的知識を持った人材が求められていると感じる。
経験を積んだシニア・シルバーの世代の活躍できる世界が広がっている。
*今、遵法性調査・法適合性調査の出来る次世代の人材を、業務を通じて育成中である。この分野に興味のある人は当社に連絡を
新木場の木材会館を見に行った。
日曜の為 内部は見れず外部のみ
公開空地
バルコニーによって形成された特徴的な彫りの深いデザイン
このバルコニーはリフレッシュコーナーであり屋外避難階段と一体化した避難経路にもなっている。
バルコニーがあることによって誰もが窓ガラスを清掃でき、メンテナンスコストを低減できる。
メインエントランス部分
コンクリートの型枠材料として未加工の木材を使用している。型枠の木材の角を面取りすることで、横目地がとても綺麗に連続している。
この建物は、耐火性能検証法と避難安全検証法(ルートB)による設計で内外部に木材を使う事を可能にした。
設計者自身が耐火性能検証法と避難安全検証法に熟知していないと、このような建築計画は生まれてこなかったであろう。
倉庫業とは、倉庫業法第2条に「寄託を受けた物品の倉庫における保管を行う営業をいう。」とある。
建築基準法では別表第1(5)に「倉庫」と総称している特殊建築物であるが、別表第2(ヘ)5項に第二種住居地域内に建築してはならない建築物として「倉庫業を営む倉庫」とあり、「倉庫」と「倉庫業を営む倉庫」は区分けされている。
一般的な倉庫から他の用途に変更(いずれも100m2以上)するとき、
1)の場合、用途変更が不要であるが排煙設備、換気設備等が必要となり遵法性を担保する設計・工事は必要である。ただ現在の建築確認申請制度にはなじまないので、(確認申請は不要なので)公に遵法性が確保されている建物であるという証明は得られない。
2)の場合、確認申請上の用途変更は不要だが、貸し倉庫や物流センター等の場合、仕分けなどで作業者が常駐する事が多く排煙設備が必要となる。これも現在の建築確認申請制度にはなじまないので、(確認申請は不要なので)公に遵法性が確保されている建物であるという証明は得られない。
尚、倉庫の種類 として下記があげられている。
【営業倉庫】
倉庫業法による登録を受けた倉庫。他人の物を預かる営業を行うために必要。
【自家用倉庫】
自己の貨物(商品)を保管するための倉庫。メーカーや問屋などが使用する倉庫。
【農業倉庫】
農協などが営む倉庫。農業倉庫業法による認可を受けた倉庫。
【協同組合倉庫】
中小企業等協同組合法などによる認可を受けた倉庫で組合員の物品を保管するための倉庫。
倉庫業の登録は以下の10種類に分類される。
【普通倉庫①】
一類倉庫 求められる構造基準が厳しい分、保管可能な物品の種類も多くなっています 危険物及び高圧ガス、10℃以下保管の物品を除いた全ての物品の保管が可能
【普通倉庫②】
二類倉庫 一類倉庫より耐火性能のいらない倉庫です ガラス器、缶入製品、原木、ソーダ灰などが保管可能
【普通倉庫③】
三類倉庫 一類倉庫より防水、防湿、遮熱、耐火性能と防鼠措置がいらない倉庫です 陶磁器やアルミインコット、原木などが保管可能
【野積倉庫】
柵や塀で囲まれた区画(区域)です。防火、耐火、防湿、遮熱性能は要りません 雨風に強い木材、瓦、岩塩等を保管します
【水面倉庫】
原木を水面で保管する倉庫です 原木を保管します
【貯蔵槽倉庫】
穀物などをバラ貸物及び液体等で保管する倉庫です 穀物等のサイロ、糖蜜、小麦粉が代表的です。
【危険品(工作物)倉庫】
建屋、タンクで危険物を保管する倉庫です アルコールが保管可能です
【危険品(土地)倉庫】
区画(区域)で危険物を保管する倉庫です 潤滑油が保管可能です
【冷蔵倉庫】
10℃以下で保管することが適当な貨物を保管する倉庫です 冷凍食品が保管可能です
【トランクルーム】
個人の家財、美術品、書籍等を保管します 家財、美術骨董品、ピアノ、書籍など
平成12年建設省告示第1436号第四号ハ(4)には「床面積が100m2以下で、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ったもの」とある。
設計上迷う箇所として次のような諸点があ。
最近、原宏一のファンになり著作をまとめて読んでいる。
建築事務所のサイトで こうした本を紹介するのは場違いかも知れないが、原宏一の「東京箱庭鉄道」は、小説の中に具体的な路線案が三案も地図入りで出ており、何れも魅力があり東京の「まちづくり」に有益だと思う。
上の地図は その中の「新宿路線案」
新宿の都庁・新宿駅南口・新宿三町目・歌舞伎町・新宿高層ビル街を周回する4kmの路線案で、ビルの三階ぐらいの高さを「ゆりかもめ」のような新交通システムで結ぶというビジネス街と歓楽街を結ぶ魅力溢れる路線案で なんだか乗客も多く見込めそうな=収益性も高そうな案。
近接ビルの三階部分に駅をつくり、直接乗り入れたりすると近未来的な立体的都市構造が出来上がる。
その昔、新宿西口の大学近くから歩き、西口の小便横丁で安酒を飲み、先輩に歌舞伎町まで走らされた事を思い出した。歌舞伎町に着いたころには結構酔っ払ってしまうのだが、西口と東口は近くて遠いというか、新宿大ガードまで迂回するので結構遠いのだ。
事業予算400億円だけど経済波及効果も高いし、東京都がその気になれば出来そうな路線だと思うし、実現して欲しいものだ。
上の地図は「世田谷路線案」
東急田園都市線・二子玉川駅と小田急線の成城学園駅を結ぶ4kmの路線案
昭和44年まで二子玉川駅と砧本村駅までの2.2kmは、東急電鉄砧線として線路があった。
東京都というところは、中心に向かって縦軸の電車や道路があるが横軸に結ぶ電車や道路が少ない。こういう横軸を結ぶ交通網の整備は必要だ。
新交通システムでなくても、例えばコミュニティーバスなんかでも良いかも知れない。
建築物の避難階以外の階においては、避難階又は地上に通ずる直通階段を居室の各部分から定められた歩行距離以内に設置しなければならない。
と施行令第120条にあるが、
実務上は一体どこを基点にすれば良いのか、居室の中での最短距離なのか、最長距離なのか、あるいは避難検証法で二つの出口がある場合の最大歩行距離をどう取ったら良いかなどと悩んだことはないだろうか。
歩行距離の測り方などみても ざっくりとした法律なんだなと 今更ながら思う。
各地の特定行政庁の取扱いなどを参考にしてみる。
倉庫は、建築基準法施行令第126条の2で排煙設備は適用外となっている。
自己用の倉庫や冷凍倉庫等が純然たる倉庫にあたり、貸し倉庫・倉庫業を営む倉庫・物流センター等で物品の仕分け作業をする為に常時在室者がいる場合は、居室として排煙設備を設置するか、避難安全検証を行う。
この常時在室者がいる場合の、倉庫の在館者密度は告示第1441号に示されていない。
そこで在館者密度の設定には 幾つかの方法がある。
京都市が「京都市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例(仮称)」の制定を目指している。
http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000149349.html
建築基準法の既存不適格部分を緩和する安全策をまとめた「保存活用計画」を提出し、建築審査会の意見を聞き、「保存建築物」に指定。増改築後も維持管理の定期報告を義務付けるというもの。
東京でも歴史的な建築物を増改築、用途変更して活用しようとすると 建築基準法の遡及事項によってコストがかかる場合ではやむ終えず解体される場合が多い。
京都市のように街の景観等に寄与するであろう建物を「仕分け」し建築基準法等の適用を緩和するのは賢明だ。
「建築ストックの再生と活用」に道が開かれつつあると感じる。
京都市:近代建築を守る独自制度導入へ 対象は約360棟
毎日新聞 2013年06月11日 15時10分(最終更新 06月11日 15時42分)モダニズム建築など歴史的な価値のある近代建築を保存しようと、京都市は、増改築時に一定の安全性を確保すれば建築基準法の適用を除外する全国初の制度を今年度内にも導入する方針を固めた。町家などの木造建築保存のために同法適用の除外を定めた市条例(2012年施行)を改正し、対象を鉄筋コンクリートやれんが造りにも拡大する。
明治〜昭和初期にかけての近代建築をめぐっては、伝統的なデザインを残しながら安全性能を同法に適合させる増改築が設計上困難だったり、多額の経費がかかったりすることが多い。このため、惜しまれながらも解体されるケースが相次いでいる。
京都市が保存対象とするのは、同法施行(1950年11月23日)以前に建てられ、景観的、文化的に特に重要な木造以外の建築物。市によると、登録有形文化財などに指定されているか、それに準ずる建物で市内に約360棟ある。具体的には▽南座(29年建築、国登録有形文化財、東山区)▽京都工芸繊維大3号館(30年建築、同、左京区)▽旧毎日新聞京都支局(28年建築、市登録有形文化財、中京区)−−などが挙げられるという。
所有者は、デザイン性を損なわない範囲で耐震補修を行うほか、幅の狭い階段や通路など同法に適合しない箇所については▽避難路の確保▽火気使用の限定−−などの安全策をまとめた「保存活用計画」を市に提出。市は、建築審査会の意見を聞き、同法の除外対象となる「保存建築物」に指定する。増改築後も維持管理の状況を定期的に市に報告する必要がある。
6月末まで市民の意見を募集し、9月議会に条例改正案を提案する。【花澤茂人】
京都工芸繊維大の松隈洋教授(近代建築史)の話 しゃくし定規に建築基準法を適用することで壊さざるを得なかった近代建築の保存に、道が開かれる。京都は各時代の建物が併存し、連綿と続く歴史の蓄積を感じさせるまれな場所。その素晴らしさを次の時代につなげていくことができる。
http://mainichi.jp/select/news/20130611k0000e040225000c.html
三太通り沿いにあった公園
ここにも手動ポンプ ということは防火用水がこの地下にあるということか。
太子堂三丁目地区の再開発と道路の拡幅工事を見て来たけど、結局は国有地をUR都市機構が譲り受けて民間事業者に売り分譲マンションを建てたただけという印象を持つた。
それなりに条件をつけただろうし、道路の整備もしたのかも知れないが。
三太通りの道路拡幅にして、新しい木造三階建てが建ち並んでいるが、道路拡幅以外の何がまちづくりの成果としてあるのだろうか。
そんなことを疑問に思った。
再開発では借地・借家人のほとんどは その町に住み続ける事はできない。
豊島区の東池袋と南池袋のこれまでの再開発事業では94%が転出を余儀なくされている。
建築基準法施行令第122条で、「避難階段の設置」が規定されており、15階以上の階又は地下3階以下の階に通じる直通階段は、特別避難階段としなければならない。
避難階段には次の二つの形式がある。
① 屋内避難階段
② 屋外避難階段
特別避難階段の形式は
① 屋内階段+付室(又はバルコニー)
② 屋外階段は設けることは出来ない。
以下 特別避難階段をめぐる問題や質問をあれこれとまとめてみた。
6/10 国交省が いわゆる違法ハウス(寄宿舎)、違法シェアハウス等の多人数の居住実態がありながら、建築基準法に違法の疑いのある建築物に関する情報提供を呼びかけた。
違法建築を取り締まるのは当然としても、これらの「住まい」がネット喫茶難民などが就職活動をする際の拠点となっており、これらが無くなれば本当に住まいに困窮している人達には打撃だろう。
違法建築・違法業者のビジネスモデルをなくす一方で、住まいのセーフティーネットを整備する事が必要だと思う。
多人数の居住実態がありながら防火関係規定などの建築基準法違反の疑いのある建築物に関する対策について
平成25年6月10日多人数の居住実態がありながらオフィス、倉庫等の用途に供している建築物であると称して、建築基準法の防火関係規定違反などの疑いのある状況で使用されている物件が、複数の特定行政庁において確認されています。これらの物件については、特定行政庁からの情報を勘案すると、建築基準法上の「寄宿舎」に該当する可能性が高く、防火上主要な間仕切り壁を準耐火構造とすることなどが必要と考えています。
国土交通省では、建築物の安全確保を図る観点から、まずは情報受付窓口を設け、違反の疑いのある個別の具体的な物件に関する情報を収集するとともに、都道府県・政令市等の特定行政庁に対して、物件に関する情報収集や調査、違反物件の是正指導等を行うよう要請します。
地域のまちづくり協議会で、地域の防災と消火設備に関する勉強会があった。
もっとも 案内は「放水銃勉強会」
講師は、豊島区内に本社がある消防防災会社の中央理化工業㈱の営業部長さん。
「地域の防災と消火設備を考える」というレジュメや各種資料を用意してくれていて、「こんなの知らなかった~」という新しい知識を得る事が出来た。
木造密集地域・不燃化特区の地域の防災をどうするのか、防災設備の整備は住民にとって緊急的なテーマだ。
東池袋の超高層ビル街によるビル風、消防車が入れない細街路が網の目のように走り、古い木造住宅が連続する街。火災の延焼を食い止めるのは大変な地域だ。
その中で、街の中に放水銃を設置し火災の延焼を抑えようというアイデアが生まれ、放水銃の勉強会開催につながった。
2012年より東京都内では、消火栓の地域防災での使用が許可された。消火栓は道路にあり本来は消防隊が使うのだが、東京消防庁はスタンドパイプを使った初期消火を紹介している。上の写真が「スタンドパイプ+媒介器具+消防用ホース+無反動槍」の組み合わせ。
このセットには、消火栓蓋を開ける器具も付き、消防用ホースも細く軽い、開口の転落防止対策も考えてある優れもの。
これなら多少訓練すれば 地域住民が初期消火に参加できるだろうが、成人男子が主体でないと扱いは大変かもしれない。
スタンドパイプの後ろ側に写っていたものの正面写真が上記の写真で、これは「街かど消火栓」という簡易水道消火装置で、ありそうで なかった水道水を使った消火装置。
すでに性能評定を取得している。
どうもホース先端のノズルに特徴があるらしいが、これなら子供、女性、元気な老人でも初期消火に参加できるように思える。
その他に、「街かど消火栓」をリュックに詰め込んだ「街かど消火 ハリアー」というコンパクトな商品もあって、消火設備も色々とあるのを知って、とても新鮮だった。
いずれの商品も水道水、消火栓という既存インフラ依存の消火設備。
確かに低コストなのだが、いざ大震災の時に都市のインフラは果たして大丈夫なのだろうかという疑問がよぎる。
東京都は、大震災でも70%は断水がないと言っているのだが、にわかには信じられない。
それにして今回の勉強会は、地域の防災と消火設備について考える良いきっかけになった。 “地域の防災と消火設備” の続きを読む
TAF倶楽部は、有料会員制です。
会員用サイトの記事を見たり、データーのダウンロードが出来ます。(抜粋までは非会員も閲覧できます)
ブログに記載した一般的な記事以上に 詳細かつ具体的事例に基づいた記事を週一、二本掲載していく予定です。
TAF倶楽部会員様には、その記事に対する質問(コメント蘭の記載・閲覧)やその他の建築関係の質問にも対応いたします。
尚、非会員の方には「お問合せ専用フォーム」からのメールにてのみ質問等に対応するように変更させていただきました。
今後、会員限定で、当社の方から記事の更新・イベントなどを記載したメールマガジン(不定期)を送信する事やオフ会を開催する予定です。
会員パスワードの有効期限は半年及び1年間です。
TAF倶楽部の会費は半年会員3,000円(月500円)で、1年会員5,000円(月417円)とがあり、それぞれ一括前払いとなっています。
会員登録の詳細は、上記固定ページの「TAF倶楽部」にて御覧ください。
5/14 指定確認検査機関の日本ERI㈱が、同じく指定確認検査機関の㈱東京建築検査機構(TBTC)の株式を取得し子会社にすると発表した。
http://www.j-eri.co.jp/news/data/new285.pdf
ERIは、国土交通大臣指定でTBTCは関東地方整備局指定の指定確認検査機関。
取得金額は3000万円、ERIの議決権所有割合は76.9%と発表されている。
ということは、資本金1億8千万円で設立した会社が、現在では3900万円としか評価されなかった・・・。
TBTCは、平成13年5月に清水建設が、建築確認業務に参入するため設立した会社で、当時ゼネコンが建築確認代行業務に参入する初のケースとして注目を浴びた。
TBTCの資本金1億8000万円のうち、清水建設が43.3%、オリックス・キャピタルが19.4%、残りをその他10社が其々出資していた。
建築着工件数の減少・停滞で指定確認検査機関の経営状態が芳しくないところが増えていると聞く。
TBTCも数年前から業績が悪化し人員整理・縮小していた。発表されていた決算書でも赤字が続いていたが、ついにERIに身売りした? それとも買ってもらった? それとも・・・
これから指定確認検査機関の業界再編に拍車がかかるのだろうか。
大阪府の建築条例を調べていたら、今年H25年4月に大阪府建築基準施行条例が改正になって、その中で第9条の3(既存の建築物に対する制限の緩和)が追加されていた。
(既存の建築物に対する制限の緩和)
第九条の三 法第三条第二項の規定により第八条の二及び第八条の三の規定の適用を受けない第八条の二各号に掲げる建築物について増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替(以下この条において「増築等」という。)をする場合においては、当該増築等をする部分以外の部分に対しては、これらの規定は、適用しない。
(平二四条例一五二・追加)
これは「増築や大規模な修繕等を行う既存の建築物又はその部分については、避難上の有効性が低下しないにもかかわらず、増築等に伴って既存の避難口誘導灯及び防火戸の仕様を変更させることは過度な負担となることから、当該制限を緩和【第9条の3関係】」ということらしい。
建築ストックの活用に向けて法的整備がなされている。
龍雲院白山道場は、都内に住んでいるのに中々見に来れなかった建物。
若いかたは、あまり御存知ないかもしれないが「生闘学舎」(1980年竣工・三宅島)で日本建築学会賞を受賞した高須賀晋氏の設計によるもので、もう完成してから30年以上経つのではないだろうか。
*龍雲院本堂・禅道場は1978年竣工
方形屋根の美しい建物
建築資料研究社からこの建物の図面と写真が掲載された特集号があったはずだが、どこにしまったか、確かに本を買って読んだ記憶だけはある。
裏側の墓場からの方が 全体のシルエットがわかりやすいかもしれない。
梅雨の時期だし写真を撮る時間も、腕も悪いが、思い立って妻にわざわざ車を運転して行ってもらって、ようやく龍雲院白山道場に来れた。
今度は 朝早くに内部も見せてもらおうと思う。
この禅院は、臨済宗円覚寺派につながる歴史ある禅寺。
庭には古い石碑が沢山あった。
確かな設計と職人の技術に支えられた本当の木造建築のいのちは長い。
建築は、コンセプトや観念で出来上がっているのではない。
この建物は、今になっても細部にわたってみずみずしい力を蓄えている。
先日、用途変更の設計者資格について聞かれたので覚書的に記述しておく、
物販店舗からディーサービスセンターへの用途変更で100m2を超えているので、当然用途変更確認申請が必要であるが、相談者兼設計者は、普段は住宅の設計が多い二級建築士事務所。
公式的には この古い通達が生きている。
昭和27年住指発第424号 建築士の設計でない用途変更
昭和27年4月17日 建設省住宅局建築指導課長から愛知県建築部長宛(照会)
法第87条の規定によれば同法第6条第1項第1号の特殊建築物のいずれかに用途を変更する場合は当該建築物を建築するものとみなされるが、建築士法第3条及び第3条の2の規定には用途変更する場合を含む旨の規定がないから大規模の模様替又は大規模な修繕に係る部分の延べ面積に応じて建築士の資格の要否を決定すべきもので、何等建築工事を伴わない用途変更については、建築士の資格を有しない者でも法第6条第1項第1号の確認申請書を提出し得るものであり、且つ、建築主事は当該申請書を受理すべきものと解してよいか。(回答)
用途変更については法第87条に基く同法第6条の準用規定があるが、同条第2項は、建築士法第3条又は第3条の2の規定に違反する場合の規定であつて、建築士法上用途変更についての規定はないから(法第87条の準用規定は建築士法まで及ばない)法第6条第2項に関する限り、用途変更については何等制限はなく、建築主事は当該申請書を受理できる。なお、建築基準法上申請書は建築士に限定されていないから念のため、申添える。
以上のように用途変更の設計者資格については建築士でなくてもできる。
但し、報酬を得て業として行う設計・監理には建築士事務所の登録が必要。
(法第23条には法第3条2項のような用途変更が除外されると読める記述がない)
荷重の増減などの影響がない旨の「構造検討書」を添付する場合、対象建築物全体が特殊建築物なので構造設計者の検討が必要。
工事完了検査は不要で、工事監理者も不要。ただし工事完了届を提出。
工事完了届は、特定行政庁に提出するのが基本だが、用途変更確認申請を指定確認検査機関に提出した場合は、工事が完了したかどうか民間指定確認検査機関で掌握できないので、民間指定確認検査機関経由で工事完了届を提出する場合がある。
都内の特定行政庁によっては、現場確認というの名の検査(是正指示もある)に来る場合がある。
尚 この用途変更については、設計者資格、工事監理者、工事完了検査が不要なところから脱法ハウス(住宅から共同住宅)、違反グループホーム、数々の違法用途変更を生み出している一要因のような気がする。
時代は変化しているのに、今になっても昭和27年の通達が生きているのだから・・・
「たまでん」こと多摩電力合同会社が屋根貸しオーナーに呼びかけた条件。
屋根貸しオーナーの方へ
多摩電力合同会社が建物所有者様と話し合い、最適な屋根貸しの条件を個別に設定させていただきます。
建物所有者様とは条件が整い次第、多摩電力合同会社と賃貸借契約を結んでいただきます。
設置後した太陽光は発電設備は固定価格買い取り制度のもとに、多摩電力が電力会社に全量売電します。また、設備のメンテナンスは多摩電力が行います。【想定する建物所有者様】
・公共施設(学校、幼稚園、他)
・民間の学校法人様
・団地の管理組合様
・自社ビルや工場をお持ちの企業・団体様
・商業施設やインフラ施設をお持ちの企業様【建物所有者様のメリット(例)】
建物所有者様は、基本的に自己資金負担ゼロで太陽光発電設備を設置でき、以下のメリットを享受することができます。
・屋根貸し賃料
・非常用電源の確保
・契約満了時の設備の譲渡
・最上階の直射日光遮蔽効果
・地域貢献/環境貢献【募集条件】
以下の条件をすべて満たす建物所有者様が対象になります。1)太陽光発電設置用として概ね20年間の貸し付けが可能であること
2)太陽光発電設置が可能な屋根面積が150㎡以上あること
(※但し、北面および太陽光発電の設置しに際し、障害物がある場合を除きます)
(※150㎡未満の屋根を複数まとめて150㎡以上として申請いただくことも可能です)
3)屋根の日照条件が良好なこと
4)多摩地域(八王子、稲城、町田を含む)に位置していること
5)集合住宅の管理組合の場合、理事会・総会等の正式な手続き・手順を踏んで合意が得られていること
6)債務不履行により、所有する資産に対して差押命令、保全差押または競売手続き開始決定がなされないこと上記条件をご確認の上、一部条件に当てはまらないことや不明な点があっても、多摩電力が無料相談をさせていただきますので、まずは一報ください。
http://tama-den.jp/?page_id=18
建物所有者様のメリットとして建物所有者は、基本的に自己資金負担ゼロで太陽光発電設備を設置でき、以下のメリットを享受することができるとしている。
・屋根貸し賃料/・非常用電源の確保/・契約満了時の設備の譲渡/・最上階の直射日光遮蔽効果/・地域貢献、環境貢献
その昔、学生時代に民家の調査研究や歴史的建造物・歴史的景観の保存に関わり、環境と建築という問題については、いつも脳裏を離れないテーマだった。
昨今の学会では、「その地域の自然に合致し、地球環境を維持できる、人間に快適かつ悦びを与える建築デザイン」(バイオクライマティックデザイン)と言っている。
これらをどのように実現していくか。
「既存建築物の再生と活用」というテーマで業務を行っている当事務所でも「バイオクライマティックデザイン」は、必要不可欠な領域だ。
「たまでん」は、玉川電車ではないよ、「多摩電力合同会社」の事。
「市民よ集え 太陽光発電」
マンションやビルの多い都市の屋上を使って太陽光発電を広げていこうと、市民がつくった多摩市の発電事業会社が、市民ファンドの募集をしている。市民ファンド型の太陽光発電は、北海道などの地方を中心に進んできたが、首都圏では初めて。都市型モデルとして注目される。事業を広く知ってもらおうと、28日には新宿でトークイベントを開く。
◆多摩発、ファンド式で出資募る
◇屋上利用「都市型の手本に」
「きっかけは、原発事故。東京で消費するエネルギーで、福島があんな目にあった。もう『東京だから』『土地がないから』とは言っていられなかった」
多摩市内にある「多摩電力合同会社」(愛称・たまでん)の山川陽一代表(74)は振り返る。
同社は、地域で環境問題やまちづくりに取り組んできた人たちが集まって設立。水力や風力などの選択肢のなかから、「自分たちの力で、継続していけるものを」と団地やマンションの多い「多摩ニュータウン」で屋根を借りて発電することを考えた。
国の固定価格買い取り制度が昨年7月にスタートして以来、市民ソーラーは首都圏でも増えている。だが、「私募債」を活用して、少人数でお金を出し合う形が中心。不特定多数の人に参加してもらうファンド方式は、市民主体の事業ではハードルが高いと、敬遠されがちだった。
だが、山川さんらは「多くの市民からの心のこもったお金で地域の発電所をつくり、広げていきたい」と、こだわった。昨年9月に環境省の委託事業に採択されたこともあり、学識者や行政、金融関係者を交えて検討を進められるようなった。
計画では、市民から募った出資を元手に、多摩ニュータウンを中心に多摩地域全域の公共施設やマンションの屋上を賃借りし、太陽光パネルを取り付ける。今年度中に、出力計1千キロワット分を目標にしている。
必要な資金3億円のうち、半分に当たる1億5千万円は地場金融機関からの融資でまかない、残りの半分を市民に「たまでん債」として購入してもらう方針で、4月に募集を始めた。
山川さんは「エネルギーを消費するばかりだった東京から発電していくことで、全国の都市部のモデルにしていきたい」と話す。
28日には新宿区歌舞伎町のロフトプラスワンでトークイベント「東京に『市民発電所』を」を催す。ゲストは、ノンフィクションライターの高橋真樹さんや保坂展人・世田谷区長ら。問い合わせは、多摩エネ協(042・357・0335)。日曜日は休み。
(市川美亜子)
http://www.asahi.com/area/tokyo/articles/MTW1305241300001.html
母体は、多摩循環型エネルギー協会(略称:多摩エネ協)で、多摩で自然エネルギーの普及を目指す市民参加の取り組み。
環境省が平成23年度から、地域の関係主体が参画できる再生可能エネルギー導入事業の円滑な立ち上げのための事業化計画策定手法の確立に向けて、モデル的な地域の取り組みを支援する「地域主導型再生可能エネルギー事業化検討業務」を行い、全国から業務を担う事業者を公募・選定していたが、多摩エネ協は同業務の平成24年度募集に応募し、同年9月に採択された。これを受けて、地方自治体、金融機関、商工会議所、学識経験者、地域住民等で構成される協議組織を立ち上げた。
それが「多摩市再生可能エネルギー事業化検討協議会」。
この取り組みの事業主体が「たまでん」。
原発や化石燃料依存から自然エネルギーの活用の面だけでなく、建築的にも「既存建築物の再生と活用」という点で私は、注目している。
建築プロジェクトは、ときに事業の見直しで、建築確認申請取得後に未着工になったり、工事が一時中断したりすることがある。
又 過去には法令改正を機に意図的に工事中断がなされた事例もあった。
それらの物件が工事再開するとき、幾つか問題が生じることがある。
たとえば共同住宅で、一部構造躯体の変更や 住宅の間取りの変更や設備関係の変更、多少の床面積の増加(もともと容積率はいっぱい)なら計画変更確認申請の提出をしてもらう。
というようなスタンダードな計画変更なら良いのだが、建築確認申請書を提出し確認済証の交付を受けた後の計画の変更は、色々なケースがあり 判断に迷う場合もある。