倉庫・・・避難安全検証法

倉庫は、建築基準法施行令第126条の2で排煙設備は適用外となっている。

自己用の倉庫や冷凍倉庫等が純然たる倉庫にあたり、貸し倉庫・倉庫業を営む倉庫・物流センター等で物品の仕分け作業をする為に常時在室者がいる場合は、居室として排煙設備を設置するか、避難安全検証を行う。

この常時在室者がいる場合の、倉庫の在館者密度は告示第1441号に示されていない。

そこで在館者密度の設定には 幾つかの方法がある。

  1. 主に荷物が置いていない通路部分で作業を行うことになるので、通路部分の面積に対し「事務所・会議室」相当の0.125人/m2で算定する。
  2. 「住宅居室」相当として0.06人/m2で算定する。
  3. 人口密度で算定すると過大な数値になる場合、実際の作業員数で算定することも可能。

1)は、通路部分だけを作業スペースとするのは個々の使用実態によるが、使用実態は変化するので 領域を固定的にするのは必ずしも安全側とは言えない

2)は、仮に「住宅居室」相当として、在館密度を計算すると、建物を耐火構造として1500m2で面積区画、排煙設備の緩和も1500m2以下だから、1500m2×0.06=90人となり かなり過剰という気がする。

9,000m2の物流センターで1500m2区画が6箇所だから、在館者数は全体で90人×6区間=540人となる。

実際のところ9,000m2の物流センターで常時在室者は 多くても100人程度だろう。

3)は、物品の内容等により実際の作業員も変化する事があるので、安全側とは必ずしも言えないだろう。

私は、結局のところ常時在室者がいる倉庫の在館者密度は、「住宅の居室」相当の0.06人/m2を採用している。

*2013.06.21追記

BCJの避難安全検証法講習会での質問と回答をまとめた「避難上の安全の検証に基づく質問と回答」のなかに下記のような事項が掲載されていた。

【Q】実際の在館者から算出した密度を採用することは可能か

【A】告示で定められている在館者密度を下回る値を採用することはできない。ただし告示の在館者密度を上回る値を用いる事は可能である。